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【発明の名称】 サーマルリサイクルシステム
【発明者】 【氏名】阪田 勇

【要約】 【課題】圧縮成形した廃棄物固形化燃料を流動層ボイラにて安定的に完全燃焼させることができ、その結果、流動層ボイラ内壁面の汚損防止による流動層ボイラの連続運転期間の長期化と、流動層ボイラの燃焼効率の向上とを図ることができるサーマルリサイクルシステムを提供する。

【解決手段】回収した廃プラスチック11及び繊維質材料12を原料として廃棄物固形化燃料10を製造する燃料製造装置4と、廃棄物固形化燃料10を燃焼させる流動層ボイラ50とを備えているサーマルリサイクルシステム1であって、燃料製造装置4は、破砕された廃プラスチック11及び繊維質材料12を所定の重量割合で混合させた混合物を略1g/cm3の密度に圧縮し所定の形状に成形する圧縮成形機を備えていることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 回収した廃プラスチック及び繊維質材料を原料として廃棄物固形化燃料を製造する燃料製造装置と、該燃料製造装置が製造した廃棄物固形化燃料を燃焼させる流動層ボイラとを備えているサーマルリサイクルシステムであって、前記燃料製造装置は、破砕された廃プラスチック及び繊維質材料を所定の重量割合で混合させた混合物を略1g/cm3の密度に圧縮し所定の形状に成形する圧縮成形機を備えていることを特徴とするサーマルリサイクルシステム。
【請求項2】 請求項1記載のサーマルリサイクルシステムであって、回収した廃プラスチック及び繊維質材料を保管する保管設備を備え、該保管設備は、回収した多数の廃プラスチックをプレスし締結部材で結わえて所定重量のプラスチックブロックを製造する廃プラスチック用のブロック化装置を備えていることを特徴とするサーマルリサイクルシステム。
【請求項3】 請求項2記載のサーマルリサイクルシステムであって、前記保管設備は、プラスチックブロックをプラスチック製の包装材で包装し該包装材でプラスチックブロックの全表面を覆って包装ブロックを作成する梱包装置を備えていることを特徴とするサーマルリサイクルシステム。
【請求項4】 請求項2又は3記載のサーマルリサイクルシステムであって、前記保管設備は、回収した多数の繊維質材料をプレスし締結部材で結わえて繊維質ブロックを製造する繊維質材料用のブロック化装置を備えていることを特徴とするサーマルリサイクルシステム。
【請求項5】 請求項4記載のサーマルリサイクルシステムであって、繊維質材料用のブロック化装置は、所定重量の繊維質ブロックを製造し、該繊維質ブロックの重量は、該重量と前記プラスチックブロックの重量との合計重量に対する重量割合が廃棄物固形化燃料における繊維質材料の重量割合と略同一となる重量に設定されていることを特徴とするサーマルリサイクルシステム。
【請求項6】 請求項1〜5の何れかに記載のサーマルリサイクルシステムであって、前記流動層ボイラが発生する蒸気を利用して発電する蒸気発電設備と、天然ガスを燃焼させた燃焼ガスを利用して発電し前記蒸気発電設備の発電効率より発電効率が高いガス発電設備とを備え、前記蒸気発電設備は、ガス発電設備の排気ガスを利用してボイラ水を流動層ボイラへの給水前に予め加熱する給水加熱器を備えていることを特徴とするサーマルリサイクルシステム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家庭や工場等から廃棄された廃棄物をボイラ等の燃焼装置で燃焼させ、その燃焼熱を蒸気,温水,電力等に変換して利用するサーマルリサイクルシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】サーマルリサイクルシステムのなかには、家庭や工場等から廃棄・回収された廃プラスチックと古紙等の繊維質材料とを原料として廃棄物固形化燃料を製造し、その廃棄物固形化燃料をボイラ等の燃焼装置で燃焼させた燃焼熱を蒸気,温水,電力等に変換して利用するものがある。
【0003】そして、廃棄物固形化燃料としては、例えば特開平7−118673号公報に示されているように、破砕された廃プラスチックに破砕された古紙やラミネート紙等の繊維質材料を20〜30重量%の割合で混合させた混合物を所定の形状に圧縮成形したものが提案されている。
【0004】この圧縮成形した廃棄物固形化燃料は、廃プラスチック及び繊維質材料を混合させただけの廃棄物固形化燃料と比べて、廃棄物固形化燃料の単位重量当たりの体積が大幅に減少する。このため、圧縮成形した廃棄物固形化燃料をサーマルリサイクルシステムで使用した場合には、廃棄物固形化燃料の流通及び保管の両コストを削減することができると共に、燃焼装置へ廃棄物固形化燃料を供給する燃料供給装置を小型化することもできる。
【0005】また、圧縮成形した廃棄物固形化燃料をサーマルリサイクルシステムで使用した場合には、廃棄物固形化燃料からの廃プラスチックや繊維質材料の飛散を防止することができると共に、廃プラスチックや繊維質材料が放つ悪臭を廃棄物固形化燃料内に封じ込めて廃棄物固形化燃料からの悪臭の発散を防止することもできる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、圧縮成形した廃棄物固形化燃料を流動層ボイラで燃焼させた場合には、比重が1より小さい廃棄物固形化燃料は流動層上部を浮遊し易く、比重が1より大きい廃棄物固形化燃料は流動層下方へ沈下し易い。しかし、圧縮成形した廃棄物固形化燃料は、個々の廃棄物固形化燃料間で比重(密度)が不均一である。
【0007】このため、従来のサーマルリサイクルシステムには、圧縮成形した廃棄物固形化燃料を流動層ボイラで燃焼させた場合に、比重が1より小さい廃棄物固形化燃料が流動層上部を浮遊し流動層ボイラの内壁面に付着して該内壁面を汚損し易く、その汚損を修復するための運転停止に起因して流動層ボイラの連続運転期間の長期化が困難になる、という問題点がある。
【0008】また、従来のサーマルリサイクルシステムには、圧縮成形した廃棄物固形化燃料を流動層ボイラで燃焼させた場合に、比重が1より小さい廃棄物固形化燃料は流動層上に浮上して燃焼が不安定となり易く、比重が1より大きい廃棄物固形化燃料は流動層下方へ沈下して不完全燃焼のまま流動層ボイラから排出され易く、従って、流動層ボイラの燃焼効率を悪化させ易いという問題点もある。
【0009】そこで、本発明では、圧縮成形した廃棄物固形化燃料を流動層ボイラにて安定的に完全燃焼させることができ、その結果、流動層ボイラ内壁面の汚損防止による流動層ボイラの連続運転期間の長期化と、流動層ボイラの燃焼効率の向上とを図ることができるサーマルリサイクルシステムを提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、回収した廃プラスチック及び繊維質材料を原料として廃棄物固形化燃料を製造する燃料製造装置と、該燃料製造装置が製造した廃棄物固形化燃料を燃焼させる流動層ボイラとを備えているサーマルリサイクルシステムであって、前記燃料製造装置は、破砕された廃プラスチック及び繊維質材料を所定の重量割合で混合させた混合物を略1g/cm3の密度に圧縮し所定の形状に成形する圧縮成形機を備えていることを特徴としている。
【0011】請求項2の発明は、請求項1記載のサーマルリサイクルシステムであって、回収した廃プラスチック及び繊維質材料を保管する保管設備を備え、該保管設備は、回収した多数の廃プラスチックをプレスし締結部材で結わえて所定重量のプラスチックブロックを製造する廃プラスチック用のブロック化装置を備えていることを特徴としている。
【0012】請求項3の発明は、請求項2記載のサーマルリサイクルシステムであって、前記保管設備は、プラスチックブロックをプラスチック製の包装材で包装し該包装材でプラスチックブロックの全表面を覆って包装ブロックを作成する梱包装置を備えていることを特徴としている。
【0013】請求項4の発明は、請求項2又は3記載のサーマルリサイクルシステムであって、前記保管設備は、回収した多数の繊維質材料をプレスし締結部材で結わえて繊維質ブロックを製造する繊維質材料用のブロック化装置を備えていることを特徴としている。
【0014】請求項5の発明は、請求項4記載のサーマルリサイクルシステムであって、繊維質材料用のブロック化装置は、所定重量の繊維質ブロックを製造し、該繊維質ブロックの重量は、該重量と前記プラスチックブロックの重量との合計重量に対する重量割合が廃棄物固形化燃料における繊維質材料の重量割合と略同一となる重量に設定されていることを特徴としている。
【0015】請求項6の発明は、請求項1〜5の何れかに記載のサーマルリサイクルシステムであって、前記流動層ボイラが発生する蒸気を利用して発電する蒸気発電設備と、天然ガスを燃焼させた燃焼ガスを利用して発電し前記蒸気発電設備の発電効率より発電効率が高いガス発電設備とを備え、前記蒸気発電設備は、ガス発電設備の排気ガスを利用してボイラ水を流動層ボイラへの給水前に予め加熱する給水加熱器を備えていることを特徴としている。
【0016】
【発明の効果】請求項1の発明では、燃料製造装置の圧縮成形機は、破砕された廃プラスチック及び繊維質材料を所定の重量割合で混合させた混合物を略1g/cm3の密度に圧縮し所定の形状に成形するので、燃料製造装置で製造された廃棄物固形化燃料は比重が略1に均質化されている。
【0017】このため、この廃棄物固形化燃料を流動層ボイラで燃焼させた場合には、廃棄物固形化燃料の流動層中での浮上及び沈下を抑えて廃棄物固形化燃料を流動層ボイラで安定的に完全燃焼させることができ、従って、流動層ボイラの燃焼効率の向上を図ることができると共に、流動層ボイラからのダイオキシン等の有害物質の排出を最小限に抑えることもできる。
【0018】また、この廃棄物固形化燃料を流動層ボイラで燃焼させた場合には、廃棄物固形化燃料が流動層ボイラの流動層上部を浮遊し流動層ボイラの内壁面に付着して該内壁面を汚損するのを抑えることができ、従って、流動層ボイラの内壁面修復の間隔を長くして流動層ボイラの連続運転期間の長期化を図ることもできる。
【0019】請求項2の発明では、保管設備の廃プラスチック用のブロック化装置は、回収した多数の廃プラスチックをプレスし締結部材で結わえて所定重量のプラスチックブロックを製造するので、廃プラスチックの保管スペースを削減することができる。また、廃プラスチックの取り扱いをプラスチックブロック単位にすることができて廃プラスチックの取り扱いが容易になる。
【0020】加えて、廃プラスチックの飛散を抑えることができると共に、廃プラスチックから発散される悪臭をプラスチックブロック内に封じ込めて廃プラスチックからの悪臭の発散を抑えることもできる。更に、回収した廃プラスチックに付着していた水分を廃プラスチックのプレス時に排除することができ、従って、廃プラスチックからの水分除去の手間及びコストを削減することもできる。
【0021】しかも、所定重量のプラスチックブロックを廃棄物固形化燃料の原料として使用することにより、廃プラスチック及び繊維質材料を所定の重量割合で混合させて廃棄物固形化燃料を製造する際には、プラスチックブロック1個に対して混合させる繊維質材料の重量を一定にすることができ、従って、廃プラスチック及び繊維質材料を所定の重量割合で混合させる混合作業の作業性を向上させて廃棄物固形化燃料の製造効率を向上させることもできる。
【0022】請求項3の発明では、保管設備の梱包装置は、プラスチックブロックをプラスチック製の包装材で包装し該包装材でプラスチックブロックの全表面を覆って包装ブロックを作成するので、廃プラスチックの飛散と廃プラスチックからの悪臭の発散とを包装材で確実に防止することができる。従って、包装ブロックの保管場所を清潔に保つことができると共に、プラスチックブロックの美観を包装材で良くすることにより前記保管場所の清潔感を向上させることもできる。
【0023】また、廃プラスチックのプレス時に水分を排除したプラスチックブロック内への雨水等の浸入を包装材によって阻止することができ、従って、回収した廃プラスチックへの水分の再付着を防止して廃プラスチックからの水分除去の手間及びコストを確実に削減することもできる。
【0024】請求項4の発明では、保管設備の繊維質材料用のブロック化装置は、回収した多数の繊維質材料をプレスし締結部材で結わえて繊維質ブロックを製造するので、繊維質材料の保管スペースを削減することができる。また、繊維質材料の取り扱いを繊維質ブロック単位にすることができて繊維質材料の取り扱いが容易になる。
【0025】加えて、繊維質材料の飛散を抑えることができ、繊維質材料から発散される悪臭を繊維質ブロック内に封じ込めて繊維質材料からの悪臭の発散を抑えることもできる。更に、回収した繊維質材料に染み込んでいた水分を繊維質材料のプレス時に排除することができ、従って、回収した繊維質材料からの水分除去の手間及びコストを削減することもできる。
【0026】請求項5の発明では、繊維質ブロックの重量は、該重量とプラスチックブロックの重量との合計重量に対する重量割合が廃棄物固形化燃料における繊維質材料の重量割合と略同一となる重量に設定されているので、廃プラスチック及び繊維質材料を所定の重量割合で混合させて廃棄物固形化燃料を製造する際には、プラスチックブロックと繊維質ブロックとを同個数づつ混合させることができる。
【0027】従って、廃プラスチック及び繊維質材料を所定の重量割合で混合させる混合作業の作業性及び信頼性を向上させることができ、その結果、廃棄物固形化燃料の製造効率を向上させることができる。
【0028】請求項6の発明では、流動層ボイラが発生する蒸気を利用して発電する蒸気発電設備は、ガス発電設備の排気ガスを利用してボイラ水を流動層ボイラへの給水前に予め加熱する給水加熱器を備えているので、蒸気発電設備の発電効率とガス発電設備の発電効率との総合効率をサーマルリサイクルシステムの発電効率とすることができ、蒸気発電設備の発電効率より発電効率が高いガス発電設備の発電効率によってサーマルリサイクルシステムの発電効率を蒸気発電設備の発電効率より高効率とすることができる。
【0029】しかも、ガス発電設備は、天然ガスを燃焼させた燃焼ガスを利用して発電するので、石油や石炭を使用することがなく、石油や石炭等の化石燃料を燃焼させて発電する発電設備と比べて二酸化炭素や硫黄酸化物等のガスの大気への排出量を削減することができ、従って、二酸化炭素や硫黄酸化物等のガスの大気への排出量を抑えつつ、廃棄物発電を行うサーマルリサイクルシステムにおける発電の高発率化を実現することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態の一例を示すブロック図であり、図2は、図1に示すものの保管設備を示すブロック図である。図1に示すように、このサーマルリサイクルシステム1では、家庭から廃棄された廃プラスチック11と古紙やラミネート紙等の繊維質材料12とは、分別回収されて保管設備2に搬入される。
【0031】この保管設備2では、図2に示すように、回収された廃プラスチック11は、廃プラスチック11用のブロック化装置21により、所定重量づつ破砕されてプレスされ、締結部材としてのスチールバンドで結かれて、縦,横,高さがそれぞれ約1mのプラスチックブロック13にされる。このプラスチックブロック13は、梱包装置22により包装材としてのプラスチック製のテープ14(図4参照)を巻き付けられ、そのテープ14で全表面を覆われて包装ブロック15にされた後、廃プラスチック11の保管場所23に保管される。
【0032】回収された繊維質材料12は、繊維質材料12用のブロック化装置24により、所定重量づつ破砕されてプレスされ、締結部材としてのスチールバンドで結かれて繊維質ブロック16とされる。このとき、各繊維質ブロック16の重量は、プラスチックブロック13の重量との合計重量に対して約20%の重量となるように設定されている。繊維質ブロック16は、繊維質材料12の保管場所25に保管される。
【0033】包装ブロック15にされた廃プラスチック11と、繊維質ブロック16にされた繊維質材料12とは、図1に示されているように、燃料製造プラント3に搬入され、廃棄物固形化燃料10を製造する燃料製造装置4で廃棄物固形化燃料10の原料として使用される。燃料製造装置4で製造された廃棄物固形化燃料10は、梱包されて発電プラント5に搬入される。
【0034】この発電プラント5は、流動層ボイラ50が発生する蒸気を利用して発電する蒸気発電設備6と、天然ガスを燃焼させた燃焼ガスを利用して発電するガス発電設備7とを備えている。発電プラント5に搬入された廃棄物固形化燃料10は、蒸気発電設備6の流動層ボイラ50で燃焼され、この流動層ボイラ50が発生する蒸気は、発電に利用される。
【0035】蒸気発電設備6で発電された電力は、電力会社へ売電され、ガス発電設備7で発電された電力は、出資関係等で密接な関係を有する特定供給先へ売電される。なお、この特定供給先への売電は、電力会社への売電単価より売電単価を高くすることが可能である。従って、特定供給先への売電により、廃棄物固形化燃料10を使用した発電事業の採算性向上を図ることができ、該発電事業を促進させることができる。
【0036】図3は、図1に示すものの燃料製造装置を模式的に示す説明図である。図3に示すように、燃料製造装置4は、解砕機41,磁選機42,定量供給機43,圧縮成形機44及びベルトコンベア45を備えている。
【0037】解砕機41には、保管設備2から搬入された包装ブロック15と繊維質ブロック16とが同個数づつ投入される。解砕機41は、包装ブロック15と繊維質ブロック16とを解砕し、解砕された廃プラスチック11と繊維質材料12とを混合させて混合物17とする。この混合物17は、ベルトコンベア45で定量供給機43へ搬送される。
【0038】ベルトコンベア45の途中には磁選機42が配設されている。この磁選機42は、磁石を備えており、包装ブロック15及び繊維質ブロック16に使用されていたスチールバンドの破片等の異物18を混合物17から吸着除去して異物18保管場所へ落下堆積させる。定量供給機43は、供給スクリュウ43aを備えており、混合物17を一定量づつ圧縮成形機44へ供給する。この圧縮成形機44は、一定量の混合物17を略1g/cm3の密度に圧縮するように設定されており、一定量の混合物17を、略1g/cm3の密度に圧縮し円柱形状に成形して所定の長さに切断し、廃棄物固形化燃料10として排出する。
【0039】図4は、廃棄物固形化燃料を示す斜視図である。この廃棄物固形化燃料10は、破砕された廃プラスチック11及び繊維質材料12を混合させた混合物17が略1g/cm3の密度に圧縮され、直径35〜50mm長さ約150mmの円柱状に成形されている。そして、この廃棄物固形化燃料10では、繊維質材料12は古紙やラミネート紙等の紙類とされ、繊維質材料12の重量割合は20%程度とされている。
【0040】図5は、図1に示すものの発電プラントを模式的に示す説明図である。図5に示すように、発電プラント5は、蒸気発電設備6と、この蒸気発電設備6より発電効率が高いガス発電設備7とを備えている。
【0041】蒸気発電設備6は、流動層ボイラ50,蒸気過熱器61,蒸気タービン62,減速機63,発電機64,復水器65,給水ポンプ66,給水加熱器67及び節炭器68を備えている。ガス発電設備7は、天然ガスを燃料とするエンジンであるガスエンジン71と、このガスエンジン71により駆動されて発電する発電機72とを備えている。
【0042】蒸気発電設備6の流動層ボイラ50は、廃棄物固形化燃料10を燃焼させた燃焼ガスによってボイラ水を加熱沸騰させる熱交換器51と、沸騰したボイラ水の気液を分離する気水タンク52とを備え、廃棄物固形化燃料10を燃焼させ、発電に利用される蒸気を発生させる。
【0043】蒸気過熱器61は、流動層ボイラ50の燃焼ガスを利用して蒸気を過熱させる。蒸気タービン62と発電機64とは減速機63を介して互いに連結されており、発電機64は、蒸気タービン62により駆動されて発電する。復水器65は、蒸気タービン62を通過した蒸気を冷却水で冷却凝縮してボイラ水に復水させる。この復水されたボイラ水には純水が追加供給される。
【0044】給水ポンプ66は、純水が追加供給されたボイラ水を流動層ボイラ50の気水タンク52に圧送給水する。給水加熱器67は、ガス発電設備7のガスエンジン71から排出される排気ガスを利用して、給水ポンプ66を通過したボイラ水を流動層ボイラ50への給水前に予め加熱する。節炭器68は、流動層ボイラ50の排気ガスを利用して、給水加熱器67を通過したボイラ水を流動層ボイラ50への給水前に更に加熱する。
【0045】図6は、図5に示すものの流動層ボイラを示す模式図である。図6に示すように、流動層ボイラ50は、燃焼開始時に使用するスタートアップバーナ53と、このスタートアップバーナ53用のバーナブロア54と、けい砂等の流動砂からなる流動層55とを備えている。
【0046】この流動層55は、下方から吹き込む押込み空気によって流動砂が流動化するようになっている。この押込み空気は、流動ブロア56で生成され吹込みノズル57を通って流動層55内へ吹き込まれる。流動層55の流動砂は、流動層ボイラ50の底部から流動層ボイラ50外の水冷コンベア81へ所定量づつ流出し、振動ふるい82で不燃物が取り除かれた後、移送コンベア83で流動層ボイラ50内へ帰還するようになっている。
【0047】廃棄物固形化燃料10は、流動層ボイラ50に併設された投入装置84によって流動層ボイラ50内へ投入される。流動層ボイラ50内へ投入された廃棄物固形化燃料10は、流動層ボイラ50の流動層55中で加熱されてガス化され、このガスが流動層ボイラ50内で燃焼する。このとき、流動層ボイラ50の燃焼炉内温度は約900℃となる。
【0048】流動層ボイラ50の内壁面には、熱交換器51の熱交換パイプ(図示せず)が多数配設されている。この熱交換パイプ内を流通するボイラ水は、流動層ボイラ50内の燃焼ガスで加熱されて沸騰し、流動層ボイラ50の気水タンク52で気液が分離される。流動層ボイラ50の流動層55には、蒸気過熱器61の熱交換パイプ61aが配設されている。流動層ボイラ50内には、節炭器68の熱交換パイプ68aが配設されている。
【0049】流動層ボイラ50から排出される排気ガスは、ダイオキシンの排出濃度が基準値以下となるように図外の排ガス処理装置によって処理される。流動層ボイラ50から排出される燃焼灰と排気ガス中の飛灰とは、図外の加熱脱塩素化処理装置による分解処理によってダイオキシンの含有濃度が最小限に抑えられる。
【0050】ところで、この流動層ボイラ50のボイラ効率ηBは、次式に示されているように75%を超えている。
【0051】
【数1】

ただし、流動層ボイラ50の諸元は次の表の通りである。
【0052】
【表1】

なお、式(1)において、9,792kg/hは、流動層ボイラ50への1時間当たりの廃棄物固形化燃料10供給量を示し、5,960kcal/kgは、廃棄物固形化燃料10の低位発熱量を示している。
【0053】蒸気発電設備6の発電効率ηSTは、次式で表される。
【0054】
【数2】

なお、式(2)において、17,300kwは、蒸気発電設備6の発電機64出力を示している。
【0055】ガス発電設備7の発電効率ηGは、次式で表される。
【0056】
【数3】

なお、式(3)において、7,500kwは、ガス発電設備7の発電機72出力を示し、1,758Nm3/hは、ガスエンジン71への1時間当たりの天然ガス供給量を示し、9,936kcal/Nm3は、天然ガスの低位発熱量を示している。
【0057】ところで、サーマルリサイクルシステム1では、蒸気発電設備6は、ガス発電設備7の排気ガスを利用してボイラ水を流動層ボイラ50への給水前に予め加熱する給水加熱器67を備え、蒸気発電設備6とガス発電設備7とは、互いに関連している。
【0058】このため、サーマルリサイクルシステム1では、その発電効率ηREは、蒸気発電設備6の発電効率ηSTとガス発電設備7の発電効率ηGとの総合効率となり、次式に示されているように28%を超えている。
【0059】
【数4】

なお、式(4)において、24,800kwは、サーマルリサイクルシステム1の発電量を示し、蒸気発電設備6の発電機64出力とガス発電設備7の発電機72出力との和である。
【0060】また、サーマルリサイクルシステム1では、そのエネルギ利用率ηは、次式に示されているように70%を超えている。
【0061】
【数5】

なお、式(5)において、定数0.39は、世界各国の汽力発電所の熱効率等を参考にして規定した一次エネルギ換算係数を示している。
【0062】更に、サーマルリサイクルシステム1では、その発生熱量の廃棄物依存率θは、次式に示されているように50%を遥かに超えている。
【0063】
【数6】

【0064】以上説明したサーマルリサイクルシステム1では、廃棄物固形化燃料10は、混合物17が略1g/cm3の密度に圧縮されているので、比重が略1に均質化されている。このため、流動層55を備えた流動層ボイラ50で廃棄物固形化燃料10を燃焼させても、廃棄物固形化燃料10の流動層55中での浮上及び沈下を抑えることができる。
【0065】従って、廃棄物固形化燃料10が流動層55上に浮上することによる廃棄物固形化燃料10の不安定燃焼と、廃棄物固形化燃料10が流動層55下方へ沈下することによる廃棄物固形化燃料10の不完全燃焼状態での流動層ボイラ50外への排出とを回避することができ、廃棄物固形化燃料10を流動層ボイラ50で安定的に完全燃焼させることができる。よって、流動層ボイラ50の燃焼効率を向上させることができると共に、流動層ボイラ50からのダイオキシン等の有害物質の排出を最小限に抑えることもできる。
【0066】また、廃棄物固形化燃料10を流動層ボイラ50で燃焼させても、廃棄物固形化燃料10が流動層ボイラ50の流動層55中から浮上するのを抑えることができるので、廃棄物固形化燃料10が流動層55中から浮上し流動層55上部を浮遊して流動層ボイラ50の内壁面に付着するのを抑えることができる。従って、廃棄物固形化燃料10が流動層ボイラ50内壁面に付着して該内壁面を汚損するのを防止することができ、その結果、流動層ボイラ50の内壁面修復の間隔を長くして流動層ボイラ50の連続運転期間の長期化を図ることができる。
【0067】加えて、サーマルリサイクルシステム1では、廃棄物固形化燃料10は繊維質材料12の重量割合が20%程度に均一化されているので、単位重量の廃棄物固形化燃料10を流動層ボイラ50で燃焼させた際の発熱量を所定範囲内に収めて流動層ボイラ50の燃焼炉内温度を、ダイオキシン類が生成されないとされる約900℃の高温に安定化させることができる。
【0068】従って、この点でも、ダイオキシン類の生成を阻止して有害物質の排出を最小限に抑えることができる。また、流動層ボイラ50の燃焼炉内温度を安定化させることができるので、流動層ボイラ50の運転効率の向上と、流動層ボイラ50の長寿命化とを図ることもできる。
【0069】更に、サーマルリサイクルシステム1では、廃棄物固形化燃料10は廃プラスチック11と繊維質材料12との混合物17が圧縮成形されているので、廃プラスチック11に繊維質材料12を混合させただけのものと比べて、廃棄物固形化燃料10の単位重量当たりの体積が大幅に減少し、その結果、廃棄物固形化燃料10の流通及び保管の両コストを割安にすることができると共に、廃棄物固形化燃料10の流動層ボイラ50内への投入装置84の小型化を図ることもできる。
【0070】加えて、廃棄物固形化燃料10は廃プラスチック11と繊維質材料12との混合物17が圧縮成形されているので、廃棄物固形化燃料10からの廃プラスチック11や繊維質材料12の飛散を防止することができると共に、廃プラスチック11や繊維質材料12が放つ悪臭を廃棄物固形化燃料10内に封じ込めて廃棄物固形化燃料10からの悪臭の発散を防止することもできる。
【0071】ところで、サーマルリサイクルシステム1では、保管設備2のブロック化装置21は、回収した廃プラスチック11を所定重量づつ破砕してプレスし、スチールバンドで結わえてプラスチックブロック13を製造し、保管設備2の梱包装置22は、プラスチックブロック13をプラスチック製のテープ14で包装し、このテープ14でプラスチックブロック13の全表面を覆って包装ブロック15を作成している。
【0072】このため、サーマルリサイクルシステム1では、廃プラスチック11の取り扱いを包装ブロック15単位にすることができ、廃プラスチック11の取り扱いが容易になる。また、廃プラスチック11をプレスしブロック化しているので廃プラスチック11の保管スペースを削減することもできる。廃プラスチック11の飛散と廃プラスチック11からの悪臭の発散とをテープ14で確実に防止することができ、廃プラスチック11の保管場所23を清潔に保つこともできる。加えて、プラスチックブロック13の美観をテープ14で良くすることにより保管場所23の清潔感を向上させることもできる。
【0073】更に、回収した廃プラスチック11に付着していた水分を廃プラスチック11のプレス時に排除することができ、しかも、水分を排除した廃プラスチック11で作成したプラスチックブロック13への雨水等の浸入をテープ14で確実に阻止することもでき、従って、回収した廃プラスチック11からの水分除去の手間及びコストを確実に削減することができる。
【0074】また、サーマルリサイクルシステム1では、保管設備2のブロック化装置24は、回収した繊維質材料12を所定重量づつ破砕してプレスし、スチールバンドで結わえて繊維質ブロック16を製造している。このため、繊維質材料12の取り扱いを繊維質ブロック16単位にすることができ、繊維質材料12の取り扱いが容易になる。また、繊維質材料12をプレスしブロック化しているので、繊維質材料12の保管スペースを削減することもできる。
【0075】加えて、繊維質材料12の飛散を抑えることもでき、繊維質材料12から発散される悪臭を繊維質ブロック16内に封じ込めて繊維質材料12からの悪臭の発散を抑えることもできる。更に、回収した繊維質材料12に染み込んでいた水分を繊維質材料12のプレス時に排除することができ、従って、回収した繊維質材料12からの水分除去の手間及びコストを削減することもできる。
【0076】しかも、サーマルリサイクルシステム1では、繊維質ブロック16の重量は、プラスチックブロック13の重量との合計重量に対して約20%の重量とされているので、繊維質ブロック16と包装ブロック13とを解砕機41に同個数づつ投入することにより、破砕された廃プラスチック11に破砕された繊維質材料12を20%程度の重量割合で混合させて廃棄物固形化燃料10を製造することができる。従って、廃プラスチック11及び繊維質材料12を所定の重量割合で混合させる混合作業の作業性及び信頼性を向上させることができ、その結果、廃棄物固形化燃料10の製造効率を向上させることができる。
【0077】更に、サーマルリサイクルシステム1では、蒸気発電設備6は、ガス発電設備7の排気ガスを利用してボイラ水を流動層ボイラ50への給水前に予め加熱する給水加熱器67を備え、蒸気発電設備6とガス発電設備7とは互いに関連しているので、蒸気発電設備6の発電効率ηSTとガス発電設備7の発電効率ηGとの総合効率をサーマルリサイクルシステム1の発電効率ηREとすることができ、蒸気発電設備6の発電効率ηSTより効率が高いガス発電設備7の発電効率ηGによってサーマルリサイクルシステム1の発電効率ηREを蒸気発電設備6の発電効率ηSTより高効率とすることができる。
【0078】しかも、ガス発電設備7は、天然ガスを燃焼させるガスエンジン71を使用して発電するので、石油や石炭等の化石燃料を燃焼させて発電する発電設備と比べて二酸化炭素や硫黄酸化物等の大気への排出量を削減することができ、従って、二酸化炭素や硫黄酸化物等の大気への排出量を抑えつつ、廃棄物発電を行うサーマルリサイクルシステム1における発電の高効率化を実現することができる。
【0079】なお、以上説明したサーマルリサイクルシステム1では、廃棄物固形化燃料10は、廃プラスチック11中に繊維質材料12が20重量%程度の割合で混合されている。しかし、廃棄物固形化燃料10における繊維質材料12の重量割合は、20重量%程度に限定されるものではない。従って、例えば、廃棄物固形化燃料10の主原料となる廃プラスチック11の種類等に応じて前記重量割合を適宜変更することは勿論可能である。また、混合物17に石灰等のバインダーを添加することにより廃棄物固形化燃料10の形状維持力を強化することも勿論可能である。
【0080】また、サーマルリサイクルシステム1では、繊維質材料12は、家庭から廃棄された古紙やラミネート紙等の紙類とされている。しかし、繊維質材料12は、紙類に限定されず、例えば、家庭や工場等から廃棄された木材や古布等であっても良い。そして、この木材や古布等を紙類と共に、あるいは紙類に代えて使用しても良い。
【0081】更に、サーマルリサイクルシステム1では、プラスチックブロック13用及び繊維質ブロック16用の締結部材としてスチールバンドを採用している。しかし、前記締結部材は、スチールバンドに限定されず、例えば、番線やプラスチックバンド等であっても良い。そして、プラスチックブロック13を包装するプラスチック製の包装材は、プラスチック製のテープ14に限定されず、例えば、プラスチック製のシート等であっても良い。
【0082】また、サーマルリサイクルシステム1では、回収した廃プラスチック11を廃プラスチック11用のブロック化装置21で破砕している。しかし、廃プラスチック11の破砕は、ブロック化装置21に限定されず、例えば、燃料製造装置4の解砕機41等で行っても良い。同様に、回収した繊維質材料12を繊維質材料12用のブロック化装置24で破砕しているが、繊維質材料12の破砕も、ブロック化装置24に限定されず、例えば、燃料製造装置4の解砕機41等で行っても良い。
【0083】また、サーマルリサイクルシステム1では、ガス発電設備7は、天然ガスを燃料とするガスエンジン71を発電機72用の駆動装置として備えている。しかし、ガスエンジン71に代えて、天然ガスを燃料とするガスタービン等を発電機72用の駆動装置として使用することは勿論可能である。
【0084】更に、サーマルリサイクルシステム1では、流動層ボイラ30が発生する蒸気は、全て発電に利用されている。しかし、この蒸気は、発電に代えて、あるいは発電と共に、熱源として熱利用先に供給され該熱利用先で暖房,滅菌,乾燥等に利用されても良い。
【0085】ところで、サーマルリサイクルシステム1では、プラスチックブロック13をプラスチック製の包装材で包装して包装ブロック15を作成している。しかし、プラスチックブロック13は所定重量分の廃プラスチック11がプレスされスチールバンドで結かれているので、プラスチックブロック13を前記包装材で包装しなくても、廃プラスチック11の取り扱いをプラスチックブロック13単位にすることができて廃プラスチック11の取り扱いが容易になると共に、廃プラスチック11の保管スペースを削減することもできる。
【0086】また、廃プラスチック11の飛散を抑えることができると共に、廃プラスチック11から発散される悪臭をプラスチックブロック13内に封じ込めて廃プラスチック11からの悪臭の発散を抑えることもできる。従って、プラスチックブロック13は包装材で包装されていなくても良い。
【0087】ただし、プラスチックブロック13を包装材で包装した方が、廃プラスチック11の飛散と廃プラスチック11からの悪臭の発散とを包装材で確実に抑えることができ、プラスチックブロック13の美観を包装材で良くして廃プラスチック13用の保管場所23の清潔感を向上させることもでき、しかも、プラスチックブロック13内への雨水等の浸入を包装材で防止することもできるので、好ましい。
【出願人】 【識別番号】592202745
【氏名又は名称】環境資源株式会社
【出願日】 平成11年6月30日(1999.6.30)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
【公開番号】 特開2001−12713(P2001−12713A)
【公開日】 平成13年1月19日(2001.1.19)
【出願番号】 特願平11−185286