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【発明の名称】 炭化室煙道の構造、炭化装置及び炭化方法
【発明者】 【氏名】伊達 正記

【氏名】渡辺 成夫

【要約】 【課題】炭化物を取り出す際に炭化物から煙や炎が発生しない炭化装置又は炭化方法を提供する。

【解決手段】可燃性有機物を炭化室中で蒸し焼きして炭化する場合、炭化室から燃焼室へ通じる炭化室煙道10に、例えば、逆止ダンパ16のようなガス逆流防止部材を設け、炭化運転中はガス逆流防止部材を開いて運転し、炭化運転終了後の冷却運転中はガス逆流防止部材を閉じて運転する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】炭化室から燃焼室へ通じる炭化室煙道にガス逆流防止部材を設けた、炭化室煙道の構造。
【請求項2】ガス逆流防止部材が逆止ダンパである、請求項1の炭化室煙道の構造。
【請求項3】ガス逆流防止部材が電動バルブである、請求項1の炭化室煙道の構造。
【請求項4】請求項1〜3のいずれかの炭化室煙道の構造を備える、炭化装置。
【請求項5】炭化室中で可燃性有機物を蒸し焼きする可燃性有機物の炭化方法において、炭化室から燃焼室へ通じる炭化室煙道にガス逆流防止部材を設け、炭化運転中は前記ガス逆流防止部材を開いて運転し、炭化運転終了後の冷却運転中は前記ガス逆流防止部材を閉じて運転する、可燃性有機物の炭化方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生ごみ、紙類、木材、紙おむつ等の可燃性有機物を炭化処理して、減容・減量化する炭化装置の炭化室煙道の構造、炭化装置及び炭化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】生ごみ、紙類、木材、紙おむつ等の可燃性有機物を炭化処理して、減容・減量化する炭化装置は、従来、いくつか知られている(例えば、特開平7−280236号公報、特開平10−160136号公報等)。これらの炭化装置には生ごみ、紙類、木材、紙おむつ等の可燃性有機物を収納し、可燃性有機物を炭化処理する炭化室、その炭化室を囲むように形成されると共に加熱機(第一バーナ)を有する加熱室、炭化室とは炭化室煙道で連通し炭化室で発生した可燃性ガス等を燃焼させる燃焼機(第二バーナ)を有する燃焼室、その他排気筒等が備えられている。炭化処理の運転は、炭化室に設置した温度測定装置で炭化室の温度を測定しながら、その温度が一定になるように加熱機の燃焼を調節しながら炭化運転(炭化工程)が行われる。可燃性有機物が炭化し炭化物になると、次に炭化物の温度を下げるために、加熱機による加熱を停止し、ファンを駆動させながら炭化室を周囲から空冷する冷却運転(冷却工程)が行われ、その後、全運転を終える。ここで、臭気や可燃性ガスは炭化運転中は勿論のこと、炭化物の温度が高い間は冷却運転中も継続して発生するので、燃焼室の燃焼機については全運転にわたり稼働させるのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような炭化装置で可燃性有機物を処理する場合、可燃性有機物の種類によっては、冷却運転終了後に炭化物を取り出す際に、時として炭化物から煙や炎が発生する問題があった。本発明は、このような問題を解消すること、すなわち、炭化物を取り出す際に炭化物から煙や炎が発生しない炭化装置及び炭化方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明者らは、まず、炭化物の発火現象を検討した。その結果、炭化工程では火種の発生はなく、冷却工程で火種が発生していることが分かった。冷却工程では、炭化物の温度の低下と共に可燃ガスの発生が少なくなり、炭化室の圧力が低下するので、燃焼を継続している燃焼室の圧力が相対的に高くなり、燃焼室の高温の燃焼ガスが炭化室の内部に流入し、炭化室内部のガスと置換する現象が起こる。さらに、炭化室の中に流入した燃焼ガス中の酸素によって、炭化室内の炭化物が発火し、その発火した炭化物が火種となって炭化物内部に残存し、全運転終了後の炭化物を取出す際に、炭化室内部に外気が流入して燃焼が促進され、炭化物から煙や炎が発生するというものであった。
【0005】本発明は、上記知見に基づいて完成したもので、下記(1)〜(3)の炭化室煙道の構造、(4)の炭化装置、及び(5)の炭化方法に関するものである。
(1)炭化室から燃焼室へ通じる炭化室煙道にガス逆流防止部材を設けた、炭化室煙道の構造。
(2)ガス逆流防止部材が逆止ダンパである、上記(1)の炭化室煙道の構造。
(3)ガス逆流防止部材が電動バルブである、上記(1)の炭化室煙道の構造。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかの炭化室煙道の構造を備える、炭化装置。
(5)炭化室中で可燃性有機物を蒸し焼きする可燃性有機物の炭化方法において、炭化室から燃焼室へ通じる炭化室煙道にガス逆流防止部材を設け、炭化運転中は前記ガス逆流防止部材を開いて運転し、炭化運転終了後の冷却運転中は前記ガス逆流防止部材を閉じて運転することを特徴とする、可燃性有機物の炭化方法。
【0006】本発明で用いられるガス逆流防止部材としては、炭化運転中は炭化室煙道を開いた状態に、冷却運転中は炭化室煙道を閉じた状態に、容易に(あるいは自動的に)調節できる部材であれば特に限定するものではない。逆止ダンパや、逆止弁、リフト逆止弁、ボール逆止弁、バタフライ弁、仕切弁等の各種弁が好ましく用いられる。中でも電動のものが更に好ましい。
【0007】
【作用】炭化工程では炭化室の圧力は、通常、数十から数百mm水柱で、燃焼室の圧力よりも高くなっている。そのため、炭化室内で発生した水蒸気や可燃性ガスは自然と燃焼室に流入する。炭化工程初期では、水蒸気の発生により炭化室内部はほぼ無酸素状態となるので、炭化運転中に炭化室内部での発火は起きない。冷却工程では、炭化室内の可燃性有機物(炭化物)からのガス発生が少なくなり、次第に炭化室の圧力が低下して燃焼室よりも低くなるので、炭化室煙道を介して燃焼室の燃焼ガスが炭化室内に流入し、ガス置換が起こる。しかし、本発明では、炭化室から燃焼室へ通じる炭化室煙道に逆止ダンパのようなガス逆流防止部材が設けられているので、炭化工程後の冷却工程においてそのガス逆流防止部材が働き、炭化室の圧力が低下しても、燃焼室から炭化室へのガスの流入は起こらない。したがってガス置換が起こらず、炭化室内は無酸素状態のままに維持され発火しない。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して本発明を更に具体的に説明する。図1は、本発明の炭化室煙道の構造を適用した一例の炭化装置である。炭化装置1には、可燃性有機物13の投入口3及び処理物(炭化物)の取出口4を有する炭化室5と、炭化室5を囲むようにして形成されるとともに、その炭化室5を加熱する加熱機(第一バーナ)8を有する加熱室6と、投入された可燃性有機物13を炭化室5で加熱することにより発生したガスを燃焼させる燃焼機(第二バーナ)9並びに燃焼させた後のガス(排ガス)を排出する排気通路12を有し、炭化室5とは炭化室煙道10を介して連通された燃焼室7があり、炭化室煙道10の内部にはガス逆流防止部材15が設けられている。
【0009】図2は、本発明の炭化室煙道10に設けられるガス逆流防止部材の一例を示す。図示するように、炭化室煙道10内に逆止ダンパ16が設けられている。炭化室5の圧力が燃焼室7の圧力よりも高いとき、つまり、炭化工程中で炭化室5から水蒸気や可燃ガスが盛んに発生しているときには、逆止ダンパ16が開き、水蒸気や可燃ガス18を燃焼室7に導く。炭化室5の圧力が燃焼室7の圧力より低いとき、つまり、冷却工程中で炭化室5からの水蒸気や可燃ガス18の発生が減少してきたときには、逆止ダンパ16が閉じて燃焼室7の燃焼ガスが炭化室5に流入するのを遮断し、炭化室5における火種の生成を防止する。
【0010】図3は、本発明の炭化室煙道10に設けられるガス逆流防止部材の他の例で、電動バルブ17を設けた例である。炭化室煙道10に電動バルブ17を設けた場合、炭化工程中は電動バルブ17を開いて、炭化室5で発生した水蒸気や可燃ガス18を燃焼室に導き、冷却工程中は電動バルブ17を閉じて、燃焼室7の燃焼ガスが炭化室5に逆流するのを遮断する。
【0011】
【発明の効果】請求項1〜3の炭化室煙道の構造は、請求項4の炭化装置に組み込むことができる。請求項4の炭化装置は、冷却工程中、燃焼室の燃焼ガスが炭化室内へ流入しにくく、炭化室は引き続き低酸素状態に保たれるので、処理物(炭化物)に火種を発生させない。そのため、炭化物を取り出す際に炭化物から煙や炎が発生する問題を防止できる。請求項5の炭化方法によれば、冷却工程において、燃焼室の燃焼ガスが炭化室内へ流入しにくく、炭化室は引き続き低酸素状態に保たれるので、処理物(炭化物)に火種を発生させない。そのため、炭化物を取り出す際に炭化物から煙や炎が発生する問題を防止できる。
【出願人】 【識別番号】000004455
【氏名又は名称】日立化成工業株式会社
【出願日】 平成11年7月1日(1999.7.1)
【代理人】 【識別番号】100071559
【弁理士】
【氏名又は名称】若林 邦彦
【公開番号】 特開2001−12712(P2001−12712A)
【公開日】 平成13年1月19日(2001.1.19)
【出願番号】 特願平11−187475