| 【発明の名称】 |
燃料ガスの予熱機構を有する蓄熱式バーナ装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】池田 勇
【氏名】松村 悦三
|
| 【要約】 |
【課題】簡単な構造で、燃料ガス開閉弁を耐熱構造とすることなく、また、蓄熱体に目詰まりが生じず、低カロリーガスを効率よく燃焼させることのできる燃料ガスを予熱する蓄熱式バーナを提供する。
【解決手段】燃料ガスノズル2a,2bを有するバーナ部5a,5bと蓄熱体7a,7bを収納する蓄熱室6a,6bとからなる蓄熱式バーナBra,Brbを一対配置し、この一対の蓄熱式バーナが交互に燃焼と排気とを行う蓄熱式バーナ装置において、前記蓄熱式バーナの蓄熱室内に管式熱交換器4a,4bを配設し、一方の蓄熱式バーナの燃料ガスを他方の蓄熱式バーナの蓄熱室内に配設した管式熱交換器を介して供給するようにするとともに、燃料ガス供給管に設ける弁Vc1,Vc2を前記管式熱交換器の一次側とした燃料ガスの予熱機構を有する蓄熱式バーナ装置。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 燃料ガスノズルを有するバーナ部と蓄熱体を収納する蓄熱室とからなる蓄熱式バーナを一対配置し、この一対の蓄熱式バーナが交互に燃焼と排気とを行う蓄熱式バーナ装置において、前記蓄熱式バーナの蓄熱室内に管式熱交換器を配設し、一方の蓄熱式バーナの燃料ガスを他方の蓄熱式バーナの蓄熱室内に配設した管式熱交換器を介して供給するようにするとともに、燃料ガス供給管に設ける弁を前記管式熱交換器の一次側とすることを特徴とする燃料ガスの予熱機構を有する蓄熱式バーナ装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、燃料ガスの予熱機構を有する蓄熱式バーナ装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、一貫製鉄所で発生する副生ガスには、COG(コークス炉ガス)、BFG(高炉ガス)、LDG(転炉ガス)等があるが、近年、スクラップの大量使用等により、高カロリーガスであるCOGは減少傾向にあり、低カロリーガスであるBFGやLDGが比較的大量に発生する。 【0003】そこで、前記低カロリーガスの有効利用方法として、BFGのみを、また、COGとBFGとLDGの混合ガスからなるMガス(低位発熱量2300kcal/m3N)を一貫製鉄所の下工程である加熱炉、あるいは熱処理炉のバーナ用燃料ガスとして使用されるようになってきた。 【0004】一方、バーナでのエネルギー効率を高めるために、燃焼用空気を予熱するとともに燃料ガスを予熱することは、たとえば、特開平9−229351号公報で知られている。特に、Mガスを燃焼させる場合、このガスの理論空気量は2.219m3N/m3Nであり、高カロリーガスに比べて理論空気量が小さいため、燃焼用空気の予熱以上に予熱効果が大きい。 【0005】つぎに、燃焼用空気と燃料ガスとを予熱する方法について検討すると、図2に示すように、加熱炉Tの対向壁に一対の蓄熱式バーナB1,B2を設け、かつ、排気ダクト11に燃料ガスを予熱するための金属製管式熱交換器12を配設したものがある。 【0006】そして、通常、蓄熱式バーナB1,B2は、排ガス吸引率を80%に設定し、残りの20%の排ガスを排気ダクト11に排出しており、排ガスは炉温とほぼ等しい温度であるため、熱交換器12の耐熱温度(約900℃)まで希釈空気で冷却する必要があり、排ガスの熱量を十分に利用することができない。 【0007】また、予熱された燃料ガスが燃料ガス供給管P4に設けた開閉弁V3a,V3bを介して流れるため、この開閉弁V3a,V3bを耐熱構造にする必要があるとともに、シール性が問題となる。 【0008】なお、前記一対の蓄熱式バーナB1,B2は、排気管P5に設けた開閉弁V1aを開、開閉弁V1bを閉、燃焼用空気供給管P6に設けた開閉弁V2aを閉、開閉弁V2bを開、燃料ガス供給管P4の開閉弁V3aを閉、開閉弁V3bを開とし、燃焼用空気ブロア13と排気ブロア14を駆動し、一方の蓄熱式バーナB2を燃焼させるとともに、他方の蓄熱式バーナB1で排気してその蓄熱体A1を加熱(蓄熱)し、所定時間経過すると、前記各開閉弁をそれぞれ切換えて交互に燃焼と排気を行うものである。 【0009】また、前記特開平9−229351号公報には、図3に示すように、燃焼用空気ブロア13と排気ブロア14を駆動するとともに燃料ガス供給管P4の開閉弁V4a、燃焼用空気供給管P6の開閉弁V5aおよび排気管P5の開閉弁V6bを閉、その他の開閉弁を開として一方の蓄熱式バーナBa2,Bb1を燃焼させて、他方の蓄熱式バーナBa1,Bb2で排気し、該蓄熱式バーナBa1,Bb2の燃料ガス予熱用蓄熱体Aa1および燃焼用空気予熱用蓄熱体Aa2を加熱し、所定時間後、燃料ガス供給管P4の開閉弁V4b、燃焼用空気供給管P6の開閉弁V5aおよび排気管P5の開閉弁V6bを開、その他の開閉弁を閉として他方の蓄熱式バーナBa1,Bb2に燃料ガスを蓄熱体Aa1を介し、また、燃焼用空気を蓄熱体Aa2を介して供給することで、燃料ガスと燃焼用空気を予熱して燃焼させる燃焼方法が開示されている。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】この蓄熱式バーナBa1,Ba2,Bb1,Bb2においては、燃料ガスは高温状態の蓄熱体Aa1を通過して予熱されるので、燃料ガスが前記Mガスのように炭化水素成分を含むものであると、その予熱過程でカーボンを析出して蓄熱体Aa1が目詰まりを起し、燃焼を中断しなければならないという課題を有する。 【0011】したがって、本発明は、簡単な構造で、燃料ガス供給管に設ける弁を耐熱構造にする必要がなく、かつ、Mガスのように燃料ガス中に炭化水素成分を有するものであっても、蓄熱体の目詰まりの生じない燃料ガスを予熱する蓄熱式バーナ装置を提供することを目的とする。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達成するために、燃料ガスノズルを有するバーナ部と蓄熱体を収納する蓄熱室とからなる蓄熱式バーナを一対配置し、この一対の蓄熱式バーナが交互に燃焼と排気とを行う蓄熱式バーナ装置において、前記蓄熱式バーナの蓄熱室内に管式熱交換器を配設し、一方の蓄熱式バーナの燃料ガスを他方の蓄熱式バーナの蓄熱室内に配設した管式熱交換器を介して供給するようにするとともに、燃料ガス供給管に設ける弁を前記管式熱交換器の一次側とすることを特徴とする燃料ガスの予熱機構を有するようにしたものである。 【0013】 【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を図1にしたがって説明する。図において、加熱炉Tの対向側壁に一対の蓄熱式バーナBra,Brbが配設され、この一対の蓄熱式バーナBra,Brbで蓄熱式バーナ装置Brを構成される。 【0014】そして、前記一対の蓄熱式バーナBra,Brbは、それぞれガスノズル2a,2bを有するバーナ部5a,5bと、ハニカムもしくはボール状の蓄熱体7a,7bを収納した蓄熱室6a,6bとからなり、前記蓄熱室6a,6bは給排気管P1を介して開閉弁Va1,Va2を有する排気管P2により排気ブロア9に連通する一方、開閉弁Vb1,Vb2を有する燃焼用空気供給管P3により燃焼用空気ブロア10に連通している。 【0015】また、一方の蓄熱式バーナBraのガスノズル2aに連通する燃料ガス供給管3aは、他方の蓄熱式バーナBrbの蓄熱室6b内の低温側空間(反バーナ部側空間)8bに設けた管式熱交換器4bに接続される。同様に、他方の蓄熱式バーナBrbの燃料ガス供給管3bは、一方の蓄熱式バーナBraの蓄熱室6a内の低温側空間8aに設けた管式熱交換器4aに接続される。燃料ガス供給管3a,3bの開閉弁Vc2,Vc1は管式熱交換器4b,4aの一次側に設けてある。 【0016】したがって、前記排気ブロア9と燃料空気用ブロア10とを駆動するとともに排気管P2の開閉弁Va1と燃焼用空気供給管P3の開閉弁Vb2を開、排気管P2の開閉弁Va2と燃焼用空気供給管P3の開閉弁Vb1を閉とする一方、燃料ガス供給管3bの開閉弁Vc1を開、燃料ガス供給管3aの開閉弁Vc2を閉とし、ガスノズル2bから燃料ガス(たとえばMガス)を供給して他方の蓄熱式バーナBrbを燃焼状態とするのであるが、この場合、排ガスは一方の蓄熱式バーナBraから吸引されて排気されるとともに、燃料ガスは蓄熱室6a内の低温側空間8aの管式熱交換器4aを通過して予熱され、この予熱された燃料ガスが他方の蓄熱式バーナBrbのガスノズル2bに供給される。 【0017】その後、所定時間、たとえば60秒経過後、前記各開閉弁はそれぞれ切換わり、一方の蓄熱式バーナBraが燃焼し、他方の蓄熱式バーナBrbは排気状態となる。以後、前記切換を繰り返すことになる。 【0018】いま、炉内温度が1200℃であると、燃焼用空気は蓄熱体7a,7bにより約1050℃に予熱され、一方、蓄熱体7a,7bの出側温度(蓄熱室6a,6b内の低温側空間温度)を450℃に設定すると、燃料ガスは管式熱交換器4a,4bにより約300℃に予熱され、さらにガスノズル2a,2b内を通過する間に周囲の高温燃焼用空気により約350℃に予熱される。その結果、たとえば、Mガスを約350℃まで予熱して空気比1.1で燃焼に供するようにすると、エネルギー効率(燃料効率)は約6.1%も向上する。 【0019】前記実施の形態では、管式熱交換器4a,4bを蓄熱室6a,6bの低温側空間8a,8bに配設したが、蓄熱体7a,7bをボール状蓄熱体とし、このボール状蓄熱体内に配置してもよく、また、燃料ガス供給管3a,3b、排気管P2および燃焼用空気供給管P3に設けた開閉弁の代りに、三方切換弁を使用する等の他の配管系統形態にしてもよい。 【0020】 【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明によれば、燃料ガスを排気状態の蓄熱式バーナの蓄熱室内に設けた管式熱交換器で予熱するとともに、燃料ガス供給管の弁を管式熱交換器の一次側に設けるため、簡単な構造で燃料ガスが確実に予熱でき、しかも、燃料ガス供給管に設ける弁を耐熱構造とする必要はなくシール性を向上することができる。 【0021】さらに、管式熱交換器は蓄熱室内に配設するため、設備全体も省スペースでコンパクトな構成とすることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000211123 【氏名又は名称】中外炉工業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年8月31日(1999.8.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100062144 【弁理士】 【氏名又は名称】青山 葆 (外4名)
|
| 【公開番号】 |
特開2001−65822(P2001−65822A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月16日(2001.3.16) |
| 【出願番号】 |
特願平11−245023 |
|