| 【発明の名称】 |
炎孔部材及び炎孔部材を有する燃焼装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】城出 浩作
【氏名】亀山 修司
【氏名】忽那 良治
【氏名】若田 武志
【氏名】永井 逸夫
【氏名】廣安 勝
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| 【要約】 |
【課題】十字形状の火炎溝を形成することができる炎孔部材を開発し、対向燃焼の利点を生かしつつ、鍋等を効率よく加熱することができ、家庭用・業務用のコンロとして好適な燃焼装置の実用化を図る。
【解決手段】本実施形態の炎孔部材40は、上記した下端部板体41と、閉塞用板体42,流路形成用板体43及び上端部板体44が下から順に積層されてなるものである。板体41〜44は、円板を基調とし、中心に十字形状の火炎溝形成開口45が形成されている。閉塞用板体42は、一定幅の閉塞部47を残して切り欠かれている。流路形成用板体43は、火炎溝形成開口45を二辺として4個のエリア43abcdに仕切られ,流路形成開口50が火炎溝形成開口45に対して45°傾斜した角度をもって平行且つ直線的に伸びている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の板体が積層されて交差状の火炎溝を構成し、該火炎溝に向かって複数の噴射孔が開口している炎孔部材であって、流路形成用板体と、閉塞用板体を有し、前記流路形成用板体は、交差した溝状の火炎溝形成開口と、複数の小溝又は小溝状開口から成る流路形成溝が設けられ、当該流路形成溝は火炎溝形成開口に開口し、前記閉塞用板体は交差した溝状の火炎溝形成開口を有すると共に火炎溝形成開口の周囲に流路形成溝を覆う閉塞部を有し、流路形成用板体の流路形成溝の開放面の少なくとも一部が閉塞用板体の閉塞部によって覆われ、流路形成溝と閉塞部によって囲まれる空隙によって噴射孔が形成されていることを特徴とする炎孔部材。 【請求項2】 複数の板体が積層されて交差状の火炎溝を構成し、該火炎溝に向かって複数の噴射孔が開口している炎孔部材であって、流路形成用板体を有し当該流路形成用板体に隣接して積層される板体の少なくとも一方は、流路形成用板体と面積又は形状が異なり、両者を重ねた際に板体の外周側と連通する空隙が形成され、前記流路形成用板体には交差した溝状の火炎溝形成開口と複数の小溝又は小溝状開口から成る流路形成溝が設けられ、当該流路形成溝は火炎溝形成開口に開口すると共に前記空隙と連通することを特徴とする炎孔部材。 【請求項3】 流路形成用板体には、火炎溝形成開口を二辺として仕切られるエリアが形成され、当該エリアに複数の流路形成溝が設けられ、当該流路形成溝は、火炎溝形成開口の二辺に開口することを特徴とする請求項1又は2に記載の炎孔部材。 【請求項4】 複数の板体が積層されて交差状の火炎溝を構成し、該火炎溝に向かって複数の噴射孔が開口している炎孔部材であって、流路形成用板体を有し、前記流路形成用板体は交差した溝状の火炎溝形成開口を有し、当該流路形成用板体には火炎溝形成開口を二辺として仕切られるエリアが形成され、当該エリアに複数の小溝又は小溝状開口から成る流路形成溝が設けられ、当該流路形成溝は、火炎溝形成開口の軸線に対して斜め成分を有していて火炎溝形成開口の二辺に開口し、前記流路形成用板体は他の板体と積層され、外部と流路形成溝とを連通する通気経路が確保されることを特徴とする炎孔部材。 【請求項5】 流路形成溝は、他の板体に積層されて当該板体によってその一部が覆われ、他の一部は解放されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の炎孔部材。 【請求項6】 火炎溝は一方の面が開放され、流路形成用板体には、火炎溝の開放側に凸となった小溝又は小溝状開口から成る流路形成溝が設けられ、流路形成用板体の前記開放側から遠い方の面側に通気経路が形成され、当該通気経路と前記流路形成溝が連通していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の炎孔部材。 【請求項7】 火炎溝形成開口は、交差部の幅が他の部位の幅よりも広いものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の炎孔部材。 【請求項8】 流路形成用板体に設けられた流路形成溝の開口密度は、火炎溝形成開口の交差部近傍の方が端部に比べて高いことを特徴とする請求項7に記載の炎孔部材。 【請求項9】 複数の流路形成用板体と他の板体との組み合わせが多段に積層されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の炎孔部材。 【請求項10】 断熱部材が積層されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の炎孔部材。 【請求項11】 請求項1乃至10のいずれかに記載の炎孔部材を有し、当該炎孔部材から空気又は燃料、或いは空気と燃料との混合ガスを噴射して火炎を発生させることを特徴とする燃焼装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、炎孔部材及び炎孔部材を有する燃焼装置に関するものである。本発明の炎孔部材及び燃焼装置は、家庭用や業務用のコンロとして好適である。 【0002】 【従来の技術】大気汚染は地球規模で発生し、我々の生活環境を破壊しようとしている。そのため各分野で規制がなされ、大気汚染防止の努力がなされているものの、環境改善にはほど遠い状態であると言える。大気汚染の要因の一つであるNOX に関して、わが国の年間総排出量は130万トンであり、そのうちコンロ等の家庭用消費機器からの排出量は、3万トンと推定される。これらの小規模燃焼機器では、ユーザ側の燃焼管理技術によってNOX の排出抑制を行うことは困難であるから、機器の設計・製造段階において低NOX 化を図る必要がある。 【0003】この目的を達成するための方策の一つとして、いわゆる希薄燃焼の採用が挙げられる。ここで希薄燃焼とは、燃料ガスと空気を希薄状態に混合して燃焼させる燃焼方式であり、火炎の温度が比較的低いのでNOX の発生が少ない。しかしながら、希薄燃焼は、火炎が不安定であり、火飛びが発生しやすい。そのため、燃料燃焼量の可変範囲(TDR)が狭いという問題もある。 【0004】そこでこの問題を解決するために、対向燃焼また衝突燃焼と称される燃焼方法が提案されている。対向燃焼は、例えば特開昭62−242762号、特開昭63−14007号、特開昭63−161308号他に開示された技術である。従来技術の対向燃焼を活用したコンロ200は、概ね図20,図21の通りであり、直線的な火炎溝201を有していてその火炎溝201の側壁に多数の噴射孔(炎孔)202が設けられたものである。即ち一方の側壁に設けられた噴射孔202と他方の側壁に設けられた噴射孔202は、直線的な火炎溝201を介して互いに対向している。従来技術のコンロ200では、空気と燃料ガスとの混合ガスが、噴射孔202から火炎溝201内に噴射され、火炎溝201内で火炎を発生させるが、噴射孔202が対向し、火炎同士が衝突するので、火飛びが発生しにくく、火炎は安定する。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】従来技術の燃焼装置は、希薄燃焼であるためNOX の発生が少ない上に、火炎が安定しており火飛びが少なく、TDRも広い。しかしながら、従来技術の燃焼装置は、直線的な火炎溝201を介して噴射孔202を対向させるものであるから、全体形状が長細いものとならざるを得ない。これに対して、家庭やレストランで使用される鍋ややかんは、一般的に底が丸い。そのため従来技術の燃焼装置は、鍋等を載せたときに火炎が鍋からはみ出して熱が無駄になったり、鍋の底全体に火炎が行き渡らないといった問題点があった。そこで本発明者らは、この問題に対処すべく、先に十字形状の火炎溝を有する燃焼装置を提案した。本発明は、先に提案した発明を更に具体化したものであり、十字形状の火炎溝を形成することができる炎孔部材を開発し、対向燃焼の利点を生かしつつ、鍋等を効率よく加熱することができ、家庭用・業務用のコンロとして好適な燃焼装置の実用化を図ることを課題とするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】そして上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、複数の板体が積層されて交差状の火炎溝を構成し、該火炎溝に向かって複数の噴射孔が開口している炎孔部材であって、流路形成用板体と、閉塞用板体を有し、前記流路形成用板体は、交差した溝状の火炎溝形成開口と、複数の小溝又は小溝状開口から成る流路形成溝が設けられ、当該流路形成溝は火炎溝形成開口に開口し、前記閉塞用板体は交差した溝状の火炎溝形成開口を有すると共に火炎溝形成開口の周囲に流路形成溝を覆う閉塞部を有し、流路形成用板体の流路形成溝の開放面の少なくとも一部が閉塞用板体の閉塞部によって覆われ、流路形成溝と閉塞部によって囲まれる空隙によって噴射孔が形成されていることを特徴とする炎孔部材である。 【0007】本発明の炎孔部材は、交差した溝状の火炎溝形成開口を有する板体を積層するものであり、板体を重ねることにより溝の深さを確保し、交差した火炎溝を構成するものである。そして本発明では、板体に流路形成用板体と閉塞用板体を含み、両者を重ねることにより噴射孔が形成される。なお、閉塞用板体は、流路形成用板体と同一形状のものであっても構わない。また閉塞部が設けられた板体は、必ずしも流路形成用板体と隣接するものである必要はなく、両者の間に他の板体や断熱材等が介在されていてもよい。 【0008】また同様の課題を解決するための請求項2に記載の発明は、複数の板体が積層されて交差状の火炎溝を構成し、該火炎溝に向かって複数の噴射孔が開口している炎孔部材であって、流路形成用板体を有し当該流路形成用板体に隣接して積層される板体の少なくとも一方は、流路形成用板体と面積又は形状が異なり、両者を重ねた際に板体の外周側と連通する空隙が形成され、前記流路形成用板体には交差した溝状の火炎溝形成開口と複数の小溝又は小溝状開口から成る流路形成溝が設けられ、当該流路形成溝は火炎溝形成開口に開口すると共に前記空隙と連通することを特徴とする炎孔部材である。 【0009】本発明の炎孔部材は、流路形成用板体を有し、当該流路形成用板体に隣接する板体は面積又は形状が異なるため、両者を重ねた際に板体の外周側と連通する空隙が形成される。また流路形成用板体には交差した溝状の火炎溝形成開口と複数の小溝又は小溝状開口から成る流路形成溝が設けられ、当該流路形成溝は火炎溝形成開口に開口する。また流路形成溝は火炎溝形成開口に開口すると共に前記空隙と連通する。従って炎孔部材には、外周部から空隙を経て流路形成溝に至る一連の流路が確保される。また流路形成溝は、火炎溝形成開口に開口しているので、外周部から入った空気又は燃料ガス等は、火炎溝に噴射される。 【0010】さらに請求項3に記載の発明は、流路形成用板体には、火炎溝形成開口を二辺として仕切られるエリアが形成され、当該エリアに複数の流路形成溝が設けられ、当該流路形成溝は、火炎溝形成開口の二辺に開口することを特徴とする請求項1又は2に記載の炎孔部材である。 【0011】請求項3に記載の発明は、請求項1,2に従属するものであり、流路形成用板体には交差した溝状の火炎溝形成開口と複数の小溝又は小溝状開口から成る流路形成溝が設けられている。そのため流路形成用板体には、火炎溝形成開口を二辺として仕切られるエリアが形成される。例えば火炎溝形成開口が十字形状であれば、流路形成用板体は4つのエリアに区切られ、火炎溝形成開口がY字形状やT字であれば、流路形成用板体は3つのエリアに区切られることとなる。さらに「米」字状であるならば流路形成用板体は8つのエリアに区切られる。そして本発明の炎孔部材では、エリアに複数の流路形成溝が設けられ、流路形成溝は、火炎溝形成開口の二辺に開口する。従って本発明の炎孔部材では、一枚の火炎溝形成開口によって火炎溝に対して複数の方向から燃料等を噴射することができる。 【0012】また請求項4に記載の発明は、複数の板体が積層されて交差状の火炎溝を構成し、該火炎溝に向かって複数の噴射孔が開口している炎孔部材であって、流路形成用板体を有し、前記流路形成用板体は交差した溝状の火炎溝形成開口を有し、当該流路形成用板体には火炎溝形成開口を二辺として仕切られるエリアが形成され、当該エリアに複数の小溝又は小溝状開口から成る流路形成溝が設けられ、当該流路形成溝は、火炎溝形成開口の軸線に対して斜め成分を有していて火炎溝形成開口の二辺に開口し、前記流路形成用板体は他の板体と積層され、外部と流路形成溝とを連通する通気経路が確保されることを特徴とする炎孔部材である。 【0013】本発明の炎孔部材では、交差した溝状の火炎溝形成開口を有する板体によって火炎溝を構成する。また本発明の炎孔部材では、流路形成用板体に交差した溝状の火炎溝形成開口が設けられているため、流路形成用板体には、火炎溝形成開口を二辺として仕切られるエリアが形成される。そして本発明の炎孔部材では、エリアに複数の小溝又は小溝状開口から成る流路形成溝が設けられている。また流路形成溝は、火炎溝形成開口の軸線に対して斜め成分を有していて火炎溝形成開口の二辺に開口する。即ち本発明の炎孔部材では、流路形成溝は、火炎溝形成開口に対して斜め成分を有しているので、流路形成溝が交差することなく二辺に開口させることができる。さらに本発明では、流路形成用板体は他の板体と積層され、外部と流路形成溝とを連通する通気経路が確保される。また流路形成溝は、火炎溝形成開口に開口しているので、外周部から入った空気又は燃料ガス等は、火炎溝に噴射される。 【0014】また請求項5に記載の発明は流路形成溝は、他の板体に積層されて当該板体によってその一部が覆われ、他の一部は解放されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の炎孔部材である。 【0015】本発明の炎孔部材では、流路形成溝は、閉塞用板体等の他の板体によって一部が覆われ、他の一部は解放されている。流路形成溝が他の板体によって覆われた部位については、少なくとも3面が覆われることとなり、他の一面を何らかの方策で閉塞することにより、4面が閉塞された流路を構成する。また流路形成溝の他の板体から開放された部位は、前記した流路に空気や燃料を導入する導入口となる。 【0016】さらに請求項6に記載の発明は、火炎溝は一方の面が開放され、流路形成用板体には、火炎溝の開放側に凸となった小溝又は小溝状開口から成る流路形成溝が設けられ、流路形成用板体の前記開放側から遠い方の面側に通気経路が形成され、当該通気経路と前記流路形成溝が連通していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の炎孔部材である。 【0017】本発明は、請求項1乃至5のいずれかに従属するものであり、流路形成用板体とその他の板体を備える。そして空気や燃料は、板体の開口や切り欠き、隙間等を経て流路形成用板体の流路形成溝に入り、火炎溝に噴射される。ここで本発明の炎孔部材では、流路形成溝は火炎溝の開放側に凸となった小溝又は小溝状開口から成る。従って噴射孔は、流路形成用板体と同一平面又は流路形成用板体よりも火炎溝の開放側に位置する。一方、本発明では、通気経路は流路形成用板体の開放側から遠い方の面側に形成される。そのため空気や燃料は、炎孔部材を通過する際に、火炎溝の開放側から遠い位置から火炎溝の開放側に近い流路形成用板体に流れる。従ってその際に空気や燃料は、火炎溝の開放側に向かって付勢される。そのため本発明の炎孔部材では、空気や燃料は、火炎溝の開放側に向かって僅かに角度付けられた状態で衝突する。本発明では、既燃ガスの排出が円滑となり、燃焼が安定する。また火炎は、やや火炎溝の開放側を向いて噴射されるので、対向する壁面を加熱することが少なく、炎孔部材を傷めたり逆火を発生させる危険性が少ない。さらに炎孔部材を介して熱が外部に逃げることも防がれる。 【0018】また請求項7に記載の発明は、火炎溝形成開口は、交差部の幅が他の部位の幅よりも広いものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の炎孔部材である。 【0019】対向燃焼また衝突燃焼と称される燃焼方法では、火炎は互いに向き合ったもの同士が衝突し、既燃ガスは、火炎溝の開放側に向きを変える。ここで本発明の炎孔部材は、交差した火炎溝を有するため、交差部分は既燃ガスが過密状態となる。そのため火炎溝の幅が全て同一であるならば、交差部において既燃ガスの流速が過度に速くなり、乱れやすくなる。そこで本発明は、火炎溝形成開口の交差部を広くし、局部的な流速の増加を防ぐものである。本発明によると、燃焼時の騒音の発生が抑制される。 【0020】また請求項8に記載の発明は、流路形成用板体に設けられた流路形成溝の開口密度は、火炎溝形成開口の交差部近傍の方が端部に比べて高いことを特徴とする請求項7に記載の炎孔部材である。 【0021】前述した請求項7に記載の発明では、火炎溝形成開口の交差部を広くしたが、この様に交差部を広くすると、却って火炎の安定性を損なう場合がある。即ち火炎溝形成開口の交差部を広くすると、火炎の衝突距離が増大し、この距離が過度に大きくなると既燃ガスの流線同士が衝突しなくなり、淀み点を形成しなくなる。そのため火炎の安定性が却って損なわれることとなる場合がある。本発明は、火炎溝形成開口の交差部近傍の流路形成溝の開口密度を高くして、火炎を大きくし、淀み点の形成を促進して上記した問題を回避するものである。なお、流路形成溝の開口密度を高くするための方策としては、流路形成溝の幅を増大する方策と、流路形成溝の個数を増大させる方策が考えられる。 【0022】また請求項9に記載の発明は、複数の流路形成用板体と他の板体との組み合わせが多段に積層されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の炎孔部材である。 【0023】本発明の炎孔部材は、例えばプレス等によって作られた板体を多数積層して作られるので、製造が容易であり、且つ外形の小型化が可能である。 【0024】さらに請求項10に記載の発明は、断熱部材が積層されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の炎孔部材である。 【0025】対向燃焼また衝突燃焼と称される燃焼方法では、火炎同士が衝突するので、炎孔部材が配された燃焼室が高温になりやすく炎孔部分が加熱されて逆火が発生しやすいという問題がある。ここで本発明の炎孔部材は、部分的に断熱部材が積層されているので、燃焼室の雰囲気温度が燃料ガスに伝わりにくく、逆火が防止される。 【0026】さらに請求項11に記載の発明は、請求項1乃至10のいずれかに記載の炎孔部材を有し、当該炎孔部材から空気又は燃料、或いは空気と燃料との混合ガスを噴射して火炎を発生させることを特徴とする燃焼装置である。 【0027】本発明の燃焼装置では、交差した溝を有し、当該溝に向かって前記噴射孔が開口している。そのため従来、直線的であった溝の配置が平面的な広がりを持つものとなり、鍋の底の形状に合致する。また本発明の燃焼装置は、同一の熱量を発生させる従来技術の燃焼装置に比べて、外形が小さい。さらに本発明の燃焼装置は、交差した溝状の火炎溝形成開口を有する板体を積層してなる炎孔部材を採用するものであり、外形のより一層の小形化が可能である。 【0028】 【発明の実施の形態】以下さらに本発明の実施形態について説明する。 (実施形態1)図1は、本発明の第1の実施形態の炎孔部材の分解斜視図及び炎孔部材を組み立てた状態の斜視図である。図2は、図1の炎孔部材の構成部品の正面図である。図3は、図1の炎孔部材を、下端部板体を外して下側から観察した背面図である。図4は、図3のA−A断面斜視図である。図5は、図1の炎孔部材を多段に積み上げて構成された炎孔部材の分解斜視図である。 【0029】本実施形態の炎孔部材40は、図1に示すように4枚の板体41〜44を順次積層したものである。各板体41〜44は、いずれも鋼やステンレススチール等の金属を素材とし、プレス成形による打ち抜きによって作られたものであり、円板を基調とし、中心に十字形状の火炎溝形成開口45が形成され、さらに機能に応じて特有の開口や切り欠きが設けられている。各板体41〜44に設けられた火炎溝形成開口45はいずれも同一の大きさ及び形状である。また各板体41〜44には、90°の間隔を開けて4個の小穴46が設けられている。 【0030】即ち上下端に積層される端部板体41,44は、円板状であり、その中心部に十字形の火炎溝形成開口45が設けられている。火炎溝形成開口45は、直交する溝状の開口であり、直交する溝の長さは等しい。また本実施形態では、火炎溝形成開口45の溝幅は、いずれの部位でも同一である。 【0031】下から二番目に積層される板体42は、閉塞用板体であり、あたかも十字手裏剣の様な形状をしており、中心部には十字形状の火炎溝形成開口45が形成されている。即ち閉塞用板体42は、十字形状の火炎溝形成開口45を有し、その周囲は、一定幅の閉塞部47を残して切り欠かれている。切り欠き部48の形状は、90°の扇形である。ただし、火炎溝形成開口45の4個の端部周辺は、逆扇形に切り残されている。 【0032】下から3番目に積層される板体43は、流路形成用板体であり、全体形状は円板状であって、中心部には十字形状の火炎溝形成開口45が形成されている。流路形成用板体43は、図1,2の様に火炎溝形成開口45を二辺として4個のエリア43abcdに仕切られる。そして各エリア43abcdには、小溝状開口から成る流路形成溝(以下 流路形成開口)50がそれぞれ7本設けられている。流路形成開口(流路形成溝)50は、前記した火炎溝形成開口45に比べて十分に小さい小溝状の開口である。流路形成開口50は、前記した火炎溝形成開口45に対して45°傾斜した角度をもって平行且つ直線的に伸びている。そして中心側は、火炎溝形成開口45に開口している。 【0033】ここで本実施形態で採用する流路形成用板体43は、各エリア43abcdに火炎溝形成開口45に対して45°傾斜した角度をもって直線的に伸びる流路形成開口50を複数持つため、ある特定の流路形成開口50は火炎溝形成開口45の一方の辺に開口し、他の特定の流路形成開口50は火炎溝形成開口45の他方の辺に開口する。また各エリア43abcdに設けられた流路形成開口50は、火炎溝形成開口45に対して45°傾斜した角度をもって直線的に伸びるものであり、互いに交差することなくそれぞれ特定の火炎溝形成開口45の辺に開口する。さらに流路形成用板体43は、前後・左右に対称形状であるため、火炎溝形成開口45の溝状の部位の両脇に流路形成開口50の火炎溝形成開口45に対する開口が並ぶ。また流路形成開口50の軸線は、いずれも火炎溝形成開口45の溝の長手方向に対して中心側に傾斜している。 【0034】流路形成開口50の周辺側は、開放されていない。本実施形態では、流路形成開口50の溝幅は、いずれも同一である。 【0035】本実施形態の炎孔部材40は、上記した下端部板体41と、閉塞用板体42,流路形成用板体43及び上端部板体44が下から順に積層されてなるものである。本実施形態では、各板体に設けられた火炎溝形成開口45がどれも同一の形状であるから、4枚の板体が積層された状態では、図1に示す炎孔部材40の様に深さを有する火炎溝51が構成される。 【0036】また流路形成用板体43の外形が円形であるのに対し、閉塞用板体42の外形が十字状であって、両者の平面形状が異なるため、両者を重ねた際に外周部と連通する空隙部53が形成される。より具体的には、最も下部の下端部板体41は円板状であり、下から3枚目の流路形成用板体43の形状も円形であるが、その間に設けられた閉塞用板体42は、扇形の切り欠き部48がある。そのため切り欠き部48の部分が空隙部53となる。 【0037】また炎孔部材40の火炎溝51内に目を移すと、最も上に積層された上端部板体44が単に火炎溝形成開口45が設けられた板であり、その下の流路形成用板体43は、火炎溝形成開口45に開口する流路形成開口50を持つ。またその下部に積層された閉塞用板体42は、火炎溝形成開口45の周囲に閉塞部47を持つ。従って、流路形成用板体43の火炎溝形成開口45の流路形成開口50に対する開口部分は、その上下を板状の部材で囲まれる。その結果、流路形成用板体43の火炎溝形成開口45の流路形成開口50に対する開口部分は、火炎溝形成開口45自体の板厚部分によって両側面が囲まれ、上面を上端部板体44によって囲まれ、下面を閉塞用板体42の閉塞部47によって囲まれる。従ってこれらの部材によって、炎孔部材40の火炎溝51内に開口55が形成される。当該開口55は、噴射孔として機能する。また各板体41〜44は、図1,2の様に左右及び上下に対称であり、さらに流路形成用板体43の各エリアには、流路形成開口50が所定の傾斜角度を有して平行且つ直線的に伸びており、火炎溝形成開口45の溝状の部位の両脇に流路形成開口50の火炎溝形成開口45に対する開口が並んでいるため、噴射孔55は、火炎溝51を構成する壁面に直線的に並んで形成される。また同様の理由から、噴射孔55は、火炎溝51を構成する双方の壁面に対称に並んで形成される。さらに流路形成開口50は、いずれも火炎溝形成開口45の軸線に対して中心側に傾斜して伸びている。 【0038】次に炎孔部材40の内部を見ると、閉塞用板体42には扇形の大きな切り欠き部48があり、これの上部に積まれる流路形成用板体43には各エリアに流路形成開口50が設けられている。また流路形成開口50は、火炎溝形成開口45に対して45°傾斜した角度をもって伸び、その外端部分は、流路形成用板体43の外周近傍に至っている。そのため流路形成用板体43の流路形成開口50は、その中央部が閉塞用板体42によって覆われるが、外周部分は閉塞用板体42の切り欠き部48と重なり、閉塞用板体42から外れる。言い換えると、流路形成開口(流路形成溝)50は、他の板体たる閉塞用板体42に積層され、閉塞用板体42によってその一部が覆われ、他の一部は解放されている。その結果、図4の様に前記した切り欠き部48によって構成される空隙部53と、流路形成開口50が連通する。即ち閉塞用板体42と流路形成用板体43が積層されて両者の間に外周部と連通する空隙部53が形成され、さらに空隙部53と流路形成開口50との間に通気経路が確保される。そのため炎孔部材40の外周部と、火炎溝51内の開口(噴射孔)55が連通する。本実施形態では、閉塞用板体42の切り欠き部48は、外周部と連通する空隙部53を形成する機能の他、空隙部53と流路形成開口50とを連通する機能を果たしている。 【0039】本実施形態の炎孔部材40を使用して火炎を発生させる場合は、後記するように炎孔部材40の外周側から混合ガス等を導入して火炎溝51内の開口(噴射孔)55から噴射させるが、本実施形態の炎孔部材40では、図4の様に上から三段目の閉塞用板体42の部位から入った混合ガス等が、上から二段目の流路形成用板体43の流路形成開口50に入った後、開口(噴射孔)55から噴射されるので、混合ガス等は斜め上(火炎溝51の開放側)方向に付勢される。そのため混合ガス等は開口(噴射孔)55から斜め上(火炎溝51の開放側)に向かって噴射される。従って、既燃ガスの排出が円滑であり、燃焼が安定する。また火炎は、やや火炎溝51の開放側を向いて噴射されるので、対向する壁面を加熱することが少なく、炎孔部材40を傷めたり逆火を発生させる危険性が少ない。さらに炎孔部材40を介して熱が外部に逃げることも防がれる。 【0040】本実施形態の炎孔部材40は、図1に示した様な単層状態で使用される場合もあるが、多くの場合は、図5に示すように多段に積層されて使用される。炎孔部材40を多段に使用する場合には、その中間に断熱材を介在させることが望ましい。また全体の上下についても、断熱材を配することが望ましい。図5は、炎孔部材40を二段重ねに使用し、その中間部と全体の上下に断熱材59を配した例を示すものである。 【0041】ここで断熱材59は、例えばアルミナやシリカで成形されたものであり、外形が円盤状であって、中央に十字状の火炎溝形成開口45が設けられている。 【0042】炎孔部材40を燃焼装置に装着する場合は、必要に応じて底板を設ける。底板は、例えば全く開口を有しない円板が使用される。また図1に示す炎孔部材40の最も下部に配された下端部板体41に代わって、火炎溝形成開口45を有しない板を使用する場合もある。なお、燃焼部材の下部に底板を設ける場合がある点、及び最も底に配される下端部板体に代わって、火炎溝形成開口有しない板を使用する場合もある点は、後記する実施形態2以下の炎孔部材についても同様である。 【0043】なお、本実施形態で採用する下端部板体41及び上端部板体44は、請求項の閉塞用板体としての要件を備える。後記する実施形態2以下の下端部板体、上端部板体及び中間板体についても同様であり、請求項の閉塞用板体としての要件を備える。 【0044】(実施形態2)図6は、本発明の第2の実施形態の炎孔部材の構成部品の正面図である。図7は、本発明の第2の実施形態の炎孔部材を、下端部板体を外して下側から観察した背面図である。 【0045】前記した第1の実施形態では、火炎溝51の溝幅がいずれの部位でも同一のものを例示したが、第一の実施形態の様に火炎溝51の溝幅を同一とすると、中央部に火炎が過度に集中し、火炎の乱れを誘発したり騒音発生の原因となる場合がある。特に、先の実施形態の様に、流路形成用板体43の流路溝形成開口50を火炎溝形成開口45に対して斜め方向に形成すると、燃料ガス等が火炎溝51に対して中央向きの成分を有して噴射され、火炎が過度に集中してしまう傾向となる。第2の実施形態の炎孔部材60は、この様に火炎の中央への過度の集中を防止するものであり、火炎溝形成開口67は、火炎溝61が中央(交点)に向かうに従って直線的に広がっている。 【0046】即ち本実施形態の炎孔部材60は、図6に示す様な5枚の板体62〜66が積層されてなる。具体的には炎孔部材60は、下端部板体62、第1閉塞用板体63、第2閉塞用板体64、流路形成用板体65及び上端部板体66が順次積層されたものである。なお、本実施形態の炎孔部材60が二枚の閉塞用板体63,64を備える理由は、混合ガス等の流路に大きな断面積を確保するためである。各板体62〜66の構成は、先の実施形態のそれと略同一であり、各板体62〜66は、同一形状の十字状の火炎溝形成開口67が設けられており、火炎溝形成開口67はいずれも同一の大きさ及び形状である。また閉塞用板体63,64には火炎溝形成開口67の周囲に、略一定幅の閉塞部69が設けられている。さらに流路形成用板体65は、火炎溝形成開口67を二辺として4個のエリア65abcdに仕切られ、各エリア65abcdには、流路形成開口50がそれぞれ7本設けられている。流路形成開口50は、火炎溝形成開口67に対して45°だけ傾斜した角度をもって平行に伸び、さらにその中心側は、火炎溝形成開口67に開口している。 【0047】この様に、本実施形態の炎孔部材60は、多くの点で先の実施形態と共通するが、本実施形態に特徴的な構成は、各板体62〜66に設けられた火炎溝形成開口67が中央(交点)に向かうに従って直線的に広がっている点である。即ち図6の様に火炎溝形成開口67の中央近傍の溝幅bは、先端側の溝幅aよりも広い。 【0048】また第1閉塞用板体63、第2閉塞用板体64は、火炎溝形成開口67の形状に合わせて切り欠き部68が小さいものとなっている。 【0049】本実施形態の炎孔部材60は、上記した下端部板体62、第1閉塞用板体63、第2閉塞用板体64、流路形成用板体65及び上端部板体66が順次積層されたものであり、各板体に設けられた火炎溝形成開口67がどれも同一の形状であるから、5枚の板体が積層された状態では、中心部の間隔が広い火炎溝61が構成される。 【0050】本実施形態では、火炎溝形成開口45の溝幅が、中央に向かうに従って直線的に増大して行く構成を例示したが、溝幅の増大は、直線的である必要はなく、例えば二次関数的に増大するものや、指数関数的に増大するものであってもよい。また大きなアールを有するものであってもよい。 【0051】(実施形態3)図8は、本発明の第3の実施形態の炎孔部材の構成部品の正面図である。図9は、本発明の第3の実施形態の炎孔部材を、下端部板体を外して下側から観察した背面図である。前記した第2の実施形態の炎孔部材60は、各板体に設けた火炎溝形成開口67を中心に向かう程幅広く設計し、火炎の中央への過度の集中を防止したものであるが、この様な構成とすると、逆に火炎の衝突が弱まり、淀み点を形成しなくなって保炎効果が損なわれる場合がある。 【0052】そこで本実施形態の炎孔部材70は、流路形成開口(流路形成溝)71の構成として溝幅の異なるものを混在させ、中央に向かう程、溝幅が広い流路形成開口71を配した。即ち図8に示す流路形成用板体65’では、流路形成開口71は、中央のものが最も幅が広く、周辺に配されたもの程、溝幅が狭くなっている。従って図8に示す様に、溝幅には、「c<b<a」の関係がある。本実施形態の炎孔部材70では、流路形成開口71は、中央に向かう程、溝幅の広いものが配されており、流路形成開口71の開口密度は、火炎溝形成開口67の交差部近傍の方が端部に比べて高いため、火炎の衝突が確実に行われ、淀み点を形成して火炎が安定するる【0053】(実施形態4)図10は、本発明の第4の実施形態の炎孔部材の構成部品の正面図である。図11は、本発明の第4の実施形態の炎孔部材の上端部板体を外した状態における正面図である。図12は、図11のA−A断面斜視図である。本実施形態の炎孔部材75は、図11に示すように下端部板体41と、閉塞用板体76,流路形成用板体77及び上端部板体44が下から順に積層されてなるものである。本実施形態で採用する下端部板体41と、上端部板体44は、先に説明した第1の実施形態で採用したものと同一である。 【0054】これに対して中間部に配される閉塞用板体76と流路形成用板体77は、先の実施形態と大きく相違する。即ち本実施形態の炎孔部材75で採用する閉塞用板体76は、全体が円形であり、十字状の火炎溝形成開口45の周囲に、長方形状の通気開口78が並べて配されている。なお、火炎溝形成開口45の交差部分に設けられた通気開口78については、加工上の理由から正方形に近い形状をしている。通気開口78はいずれも独立しており、火炎溝形成開口45に開口するものではない。通気開口78と火炎溝形成開口45の間の板状部分は、閉塞部79として機能する。 【0055】一方、流路形成用板体77は、十字形状をしており、4か所の部位が扇形に大きく切り欠かれている。そして中央部に火炎溝形成開口45が形成されている。流路形成用板体77は、図10の様に火炎溝形成開口45を二辺として4個のエリア77abcdに仕切られる。また各エリア77abcdには、流路形成開口(流路形成溝)80がそれぞれ10本設けられている。流路形成開口80は、火炎溝形成開口45に比べて十分に小さい小溝状の開口であり、火炎溝形成開口45の二辺に開口している。さらに本実施形態では、流路形成開口80は、火炎溝形成開口45に対して垂直方向に伸びている。そして本実施形態で採用する流路形成開口80は、火炎溝形成開口45に比べて短いため、図10を基準として、火炎溝形成開口45の水平方向に伸びる辺の近傍に設けられた火炎溝形成開口80群は、いずれも当該水平方向に伸びる辺に開口し、垂直方向に伸びる辺の近傍に設けられた火炎溝形成開口80群は、いずれも当該垂直方向に伸びる辺に開口している。 【0056】本実施形態の炎孔部材75は、上記した下端部板体41と、閉塞用板体76,流路形成用板体77及び上端部板体44が下から順に積層されてなるものである。本実施形態では、各板体に設けられた火炎溝形成開口45がどれも同一の形状であるから、4枚の板体が積層された状態では、深さを有する火炎溝84が構成される。 【0057】また本実施形態では、流路形成用板体77の外形が十字状であり、閉塞用板体76の外形が円形であって、両者の形状が異なるため、両者を重ねた際に外周部と連通する空隙82が形成される(図12)。 【0058】また炎孔部材75の火炎溝84内に目を移すと、最も上に積層された上端部板体44が単に火炎溝形成開口45が設けられた板であり、その下の流路形成用板体77は、火炎溝形成開口45に開口する流路形成開口80を持つ。またその下部に積層された閉塞用板体76は、火炎溝形成開口45の周囲に閉塞部79を持つ。従って、流路形成用板体77の火炎溝形成開口45の流路形成開口80に対する開口部分は、その上下を板状の部材で囲まれる。その結果、流路形成用板体77の火炎溝形成開口45の流路形成開口80に対する開口部分は、火炎溝形成開口45自体の板厚部分によって両側面が囲まれ、上面を上端部板体44によって囲まれ、下面を閉塞用板体79の閉塞部79によって囲まれる。従ってこれらの部材によって、炎孔部材75の火炎溝84内に開口83が形成される。当該開口83は、噴射孔として機能する。 【0059】次に炎孔部材75の内部を見ると、流路形成用板体77には扇形の大きな切り欠き部85があり、これの下部に配される閉塞用板体76には通気開口78が配され、流路形成用板体77と閉塞用板体76を重ねた時、図11,12の様に流路形成用板体77の切り欠き部85と、閉塞板体76の通気開口78が重なる。その結果、図12の様に前記した切り欠き部85によって構成される空隙部82と、通気開口78が連通する。そしてさらに通気開口78の一部と流路形成用板体77の流路形成開口80が重なる。そのため流路形成用板体77の切り欠き部85によって外周部と連通する空隙部82が形成され、さらに空隙部82と閉塞用板体76の通気開口78が連通し、またさらに通気開口78と流路形成用板体77の流路形成開口80が連通して通気経路が確保される。その結果、炎孔部材75の外周部と、火炎溝84内の開口(噴射孔)83が連通する。 【0060】本実施形態の炎孔部材75を使用して火炎を発生させる場合についても、後記するように炎孔部材75の外周側から混合ガス等を導入して火炎溝84内の開口(噴射孔)83から噴射させるが、本実施形態の炎孔部材75では、図12の様に上から三段目の閉塞用板体76の通気開口78から、上から二段目の流路形成用板体77の流路形成開口80に入った後、開口(噴射孔)83から噴射されるので、混合ガス等は斜め上方向(火炎溝84の開放側)に付勢される。そのため混合ガス等は開口(噴射孔)83から斜め上(火炎溝84の開放側)に向かって噴射される。 【0061】以上、説明した第1〜第4の実施形態では、いずれも流路形成用板体77を閉塞用板体76に対して火炎溝の開放側に近い部位に配した。この構成は、噴射孔から噴射される燃料ガス等を火炎溝の開放側に付勢する作用があり、流路抵抗の低減や炎孔部材の傷み防止、逆火防止に寄与することができる効果がある。しかしながら本発明は、この構成に限定されるものではなく、いずれの板体を火炎溝の開放側に近い部位に配してもよい。 【0062】また第1〜第4の実施形態では、いずれも流路形成用板体77の各エリアに、火炎溝形成開口45の2辺に開口する流路形成開口80を設けた構成を例示した。このように一つの流路形成用板体77の各エリアに、火炎溝形成開口45の2辺に開口する流路形成開口80を設ける構成は、少ない積層枚数で交差形状の火炎溝の両側面に噴射孔を形成させることができ、炎孔部材の小形化・軽量化に寄与することができる効果がある。また炎孔部材自体の熱容量を低下させることができ、炎孔部材に逃げる熱を減少させることができる。しかしながら、本発明は、このような火炎溝形成開口45の2辺に開口する流路形成開口80を設けた構成に限定されるものではなく、流路形成用板体77の各エリアに、火炎溝形成開口45の一辺のみに開口する流路形成開口を設けても良い。以下、流路形成用板体の各エリアに、火炎溝形成開口45の一辺のみに開口する流路形成開口を設けた例について説明する。 【0063】(実施形態5)図13は、本発明の第5の実施形態の炎孔部材の分解斜視図である。図14は、本発明の第5の実施形態の炎孔部材の構成部品の正面図である。図15は、本発明の第5の実施形態の炎孔部材の上端部板体を外した状態における正面図である。本実施形態の炎孔部材88は、図13に示すように下端部板体89、垂直側流路形成用板体90、閉塞用板体91、中間板体92、水平側流路形成用板体93、閉塞用板体94及び上端部板体95が下から順に積層されてなるものである。ここで上記した構成部品の内、下端部板体89、中間板体92及び上端部板体95は、同一構成の部品である。また閉塞用板体91,94についても同一構成の部品である。さらに垂直側流路形成用板体90と水平側流路形成用板体93は、同一構成の部品を向きを変えて配置したものである。 【0064】即ち下端部板体89、中間板体92及び上端部板体95は、略正方形の板体の中心部に十字形の火炎溝形成開口45が設けられたものである。 【0065】また垂直側流路形成用板体90と水平側流路形成用板体93は、略正方形の板体の中心部に十字形の火炎溝形成開口45が設けられ、さらに流路形成開口(流路形成溝)96が火炎溝形成開口45の一方の溝に対して水平に設けられたものである。本実施形態では、流路形成開口96は、十字形に交差した火炎溝形成開口45の特定の一列に開口している。 【0066】閉塞用板体91,94は、略正方形の板体の中心部に十字形の火炎溝形成開口45が設けられ、さらに火炎溝形成開口45の周囲に正方形状の閉塞部97が設けられたものである。また閉塞用板体91,94の角の部位には切り欠き部98が設けられている。 【0067】本実施形態の炎孔部材88は、上記した下端部板体89、垂直側流路形成用板体90、閉塞用板体91、中間板体92、水平側流路形成用板体93、閉塞用板体94及び上端部板体95が下から順に積層されてなるものである。本実施形態についても、各板体に設けられた火炎溝形成開口45がどれも同一の形状であるから、7枚の板体が積層された状態では、所定の深さを有する火炎溝が構成される。 【0068】また炎孔部材88の火炎溝51内では、垂直側流路形成用板体90と水平側流路形成用板体93の火炎溝形成開口45に開口する部位は、それぞれ閉塞用板体91,94の閉塞部97と、下端部板体89、中間板体92及び上端部板体95に挟まれる。その結果炎孔部材88の火炎溝51内に開口(噴射孔)が形成される。 【0069】さらに垂直側流路形成用板体90と水平側流路形成用板体93が概ね正方形であるのに対し、閉塞用板体91,94は、角の部位に切り欠き部98が設けられているので、両者を重ねたときに空隙部が形成される。即ち、両者の平面形状が異なるため、両者を重ねた際に空隙部が形成される。さらに図15の様に当該空隙部と垂直側流路形成用板体90、水平側流路形成用板体93に設けられた流路形成開口96の端部が重なる。その結果、切り欠き部98によって構成される空隙部と、流路形成開口96が連通する。即ち閉塞用板体91,94と流路形成用板体90,93が積層されて両者の間に外周部と連通する空隙部が形成され、さらに空隙部と流路形成開口96との間に通気経路が確保される。その結果、炎孔部材の外周部と、火炎溝内の開口(噴射孔)が連通する。 【0070】(実施形態6)図16は、本発明の第6の実施形態の炎孔部材の正面図である。図17は、図16のC方向矢視図である。前述した実施形態1〜5の炎孔部材は、いずれも平板状の板に開口状の流路形成溝を設けたものであるが、流路形成溝は開口によるものに限らず、板をプレス等によって凹変あるいは凸変させて形成したものであってもよい。図16に示す炎孔部材100は、開口によらず、板を部分的に凹変させることによって流路形成溝を形成した例を示すものである。 【0071】即ち、炎孔部材100は、図17の様に4枚の板体101〜104を積層したものである。本実施形態では、各板体101〜104は、凹変部の深さが異なるだけであり、外形はいずれも類似する。具体的には、上下に配される板体101,104は、全く同一の形状を持つものであり、中の二枚の板体102,103は、上下の板体101,104に比べて凹変部の深さが浅い。本実施形態では、板体101〜104のそれぞれが流路形成用板体及び閉塞用板体としての機能を果たす。 【0072】各板体101〜104の形状は、図16の通りであり、円形を基調として、外周部の4か所に円弧状の切り欠き部105が設けられている。また中央部には、略十字形の火炎溝形成開口107が設けられている。火炎溝形成開口107の内周部は、図16の様に大きなアールが形成されており、中央(交点)に向かうに従って溝幅が広がっている。即ち火炎溝形成開口107の中央近傍の溝幅は、先端側の溝幅よりも広い。 【0073】また各板体101〜104は、火炎溝形成開口107を二辺として4個のエリアabcdに仕切られる。そして各エリアabcdには、小溝状の流路形成溝108が設けられている。流路形成溝108は、本実施形態では、板体の火炎溝形成開口107の周辺部であって、中心から略一定の距離の範囲に設けられており、当該範囲に部分的に凹変部110を設け、当該凹変部110によって挟まれた領域が流路形成溝108として機能する。本実施形態では、各エリアabcdにそれぞれ6個の凹変部110が設けられている。また凹変部110の間隔、即ち流路形成溝108の溝幅は、中央に向かうに従って広い。流路形成溝108は、前記した火炎溝形成開口107の軸線に対して45°傾斜した角度をもって平行且つ直線的に伸びている。そして中心側は、火炎溝形成開口107に開口している。また板体101〜104の外周部にも凹変部112が設けられている。 【0074】各板体101〜104は、図18に示すように、下二枚の板体101,102が、溝の開口が上方向を向くように積層され、上二枚の板体103,104は、溝の開口が下方向を向くように積層される。ここで前記したように、中の二枚の板体102,103は、上下の板体101,104に比べて凹変部の深さが浅いので、中の二枚の板体102,103と上下の板体101,104の間で空隙120,121が形成される。両者の立体形状が異なるため、両者を重ねた際に空隙120,121が形成される。また中の二枚の板体102,103の間にも空隙122が形成される。当該空隙120,121,122は、火炎溝形成開口107によって形成される火炎溝123に開口し、噴射孔として機能する。 【0075】また炎孔部材100の内部では、外周部と空隙120,121,122を連通する空隙部が形成されている。その結果、炎孔部材の外周部と、火炎溝123内の開口(噴射孔)が連通する。 【0076】以上説明した実施形態は、いずれも金属製の板体同士を積層して一組の炎孔部材を形成させたが、金属の板体同士の間に断熱部材等の他の部材が介在されていてもよい。 【0077】(実施形態7)次に、本発明の炎孔部材を使用した燃焼装置の構造について説明する。図18は、本発明の炎孔部材を使用したコンロの断面図である。図19は、図18の、コンロの燃焼部の斜視図である。図16において、1は、本発明の実施形態のコンロを示す。コンロ1は、主として家庭で使用されることを意図したものであり、大きくハウジング2と、バーナ(燃焼装置)3によって構成されている。 【0078】順次説明すると、ハウジング2は、亜鉛引き鉄板やブリキ、あるいはステンレススチール等によって作られた四角形状をした箱であり、天面に開口4が設けられている。当該開口4は、燃焼ガスが排出される孔であり、開口4の周囲には、五徳5が設けられている。またハウジング2の側面には、空気導入用の開口6が設けられている。開口6には、図示しないファンが接続される。さらにハウジング2の底面には、ノズル7が取り付けられている。ノズル7は、燃料ガスを噴射するものであり、図示しないプロパンガスボンベに接続されている。 【0079】ハウジング2の内部は、二重構造となっており、空隙8をおいて仕切り9が設けられている。仕切り9は、底面と側面を持つものであり、前記したノズル7は、仕切り9の底面を貫通し、仕切り9の内部に開口している。 【0080】バーナ3は、図17の様に、大きく燃焼部10、絞り板11,多孔質体12及び熱線透過体13によって構成されている。燃焼部10は、下部材14,中間部材15及び蓋部材16によって構成されたケース17を持ち、その内部に炎孔部材20が配されたものである。即ちケース17の下部材14は、筒状であり、一端側(図面 上側)が開放され、他端側(図面 下側)は中心部分に設けられた開口21を除いて閉塞している。また開放側にはフランジ23が設けられている。 【0081】中間部材15は、一端(図面 下側)にフランジ25を持ち、他端側が開放された部材である。また蓋部材16は、中央部分に開口27が設けられた部材である。蓋部材16の開口周辺は、垂直方向に折り返されている。ケース17は、上記した下部材14,中間部材15及び蓋部材16の三者が重ねられたものであり、その内部は、仕切り板28によって二室に仕切られている。そしてこの内の下側の一室が混合室30として機能し、上側は燃焼室31として機能する。ただし仕切り板28は、通気性を持つので、混合室30と燃焼室31の間でガスは自由に行き来する。 【0082】炎孔部材20は、先に説明した実施形態1から実施形態6のいずれかの構成をもつものであり、中央には、十字形状に交差した火炎溝32が設けられている。 【0083】炎孔部材20の溝32の内側には、先の実施形態の説明で明らかな様に、多数の噴射孔33が設けられている。当該噴射孔33は、溝32を構成する両側の壁面に設けられており、溝32を介して対向している。炎孔部材20の底は封鎖されており、炎孔部材20の底部から溝32側へのガスの流入はない。 【0084】炎孔部材20は、ケース17の燃焼室31の中央に配置されているが、炎孔部材20の外径は、燃焼室31の内径よりも小さい。そのため炎孔部材20と燃焼室31の内壁との間には図17の様に空隙36がある。炎孔部材20の溝32は、前記したケース17の蓋部材16の開口27と面しており、溝32は開口27を介して外部に露出している。一方、炎孔部材20の頂面の外周寄りに部位は、図示しないパッキングを介して蓋部材16の内面と接している。従って空隙36と外部とは、炎孔部材20の噴射孔33を経由してのみ連通する。 【0085】絞り板11は、厚さが3mm〜10mm程度の円板であり、中央に燃焼ガス通過開口34が設けられている。 【0086】多孔質体12は、具体的にはセラミック製のポーラス体である。多孔質体12の材質は、チタン酸アルミニウム、ムライト、コージライト或いはこれらの混合材料が使用可能であるが、耐熱性が優れるという点で、チタン酸アルミニウムが最も適切である。多孔質体12の厚さは3mm〜20mm程度、より好ましくは3mm〜10mm程度である。また多孔質体12の気孔率は、75%〜85%である。 【0087】多孔質体12の形状は、円板状である。多孔質体12の裏面(上流側)の中心には、円形の閉塞部材37(図18)が設けられており、当該部分は通気性が無い。閉塞部材37には、円形の金属板や、円形の耐熱製セラミック、あるいはアルミナやシリカ等の耐熱性の無機粉末を適当なバインダーで固めて成形した成形物が活用できる。 【0088】熱線透過体13は、液体は通過しえないが、赤外線等の熱線は透過するものであり、透明な耐熱部材が採用され、具体的には石英ガラスが使用されている。熱線透過体13は円板状であり、中央に開口38が設けられている。なお熱線透過体13は、鍋からのふきこぼれが、バーナ3内に落ち込むことを防止する機能を果たすものである。 【0089】バーナ3は、前記した燃焼部10の上に絞り板11が載せられ、さらにその上に多孔質体12が配され、最も上部に熱線透過体13が配されたものである。そしてそれぞれの間には、パッキンが配され、隙間からガスが漏れない様に工夫されている。 【0090】またバーナ3は、図18の様にハウジング2の仕切り9内に配され、バーナ3のケース17の開口21は、ノズル7の近傍に位置する。一方、熱線透過体13は、ハウジング2の頂面に設けられた開口4から外部に露出している。また炎孔部材20の溝32内には、点火部材40が配されている。 【0091】次に、本実施形態のコンロ1の作用について説明する。コンロ1は、図示しない送風機からの送風を受け、開口6からハウジング2内に通風され、同時に図示しないプロパンガスボンベからノズル7を経てハウジング2内に燃料ガスが導入されて使用される。即ち開口6からハウジング2内に入った送風は、図18の矢印の様に仕切り9の上部と、バーナ3との間を通って、バーナ3の下部(図面の位置関係を基準とする)と仕切り9の底部との間の隙間に入る。一方、燃料ガスは、ノズル7から噴射され、同じく仕切り9とバーナ3の下部との間の隙間に入る。そして燃料ガスと空気は、共にバーナ3の開口21からバーナ3の混合室30に入り、両者は混合される。ここで、本実施形態のコンロ1では、混合室30内において、燃料ガスと空気が希薄状態(空気過剰率1.4〜1.7)に予混合される。 【0092】そしてこの予混合されたガスは、仕切り板28を通過し、燃焼室31に流れる。ここで燃焼室31に設けられた炎孔部材20は、底部が閉塞されているので、ガスは、炎孔部材20の周囲とケース17の内面との間の空隙部36に流れ込むこととなる。そしてガスは、炎孔部材20の外周部にある導入孔35から炎孔部材20の内部に入り、溝32の内壁に設けられた噴射孔33から溝32内に噴射される。そして点火部材40により、ガスに点火され、火炎が発生する。ここで本実施形態のコンロ1では、燃料ガスを噴射する噴射孔33は、溝32の内壁に設けられ、噴射孔33は溝32を挟んで対向しているので、発生した火炎は互いに衝突する。そのため本実施形態のコンロ1は、安定した状態で燃焼する。加えて本実施形態では、燃料ガスが噴射する噴射孔33が十字状に配置されているので、噴射孔33は、平面的な広がりを持って分布する。そのため火炎は、平面的広がりをもって発生する。 【0093】そして本実施形態のコンロ1では、火炎および燃焼ガスは、絞り板11によって絞られ、図18の様に絞り板11の燃焼ガス通過開口34を経て空洞部39内に入る。ここで、燃焼ガスは、燃焼ガス通過開口34を通過する際に多孔質体12に対して垂直方向に方向づけられ、さらに中央部分から多孔質体12に当たる。しかしながら、本実施形態では、多孔質体12の中央部分には閉塞部材37が設けられているので、燃焼ガスは閉塞部材37が邪魔板的に作用して空洞部39の全体に広がる。そのため、多孔質体12は、その裏面(上流側)が均一に加熱される。そして燃焼ガスは、多孔質体12の中を抜け、五徳5側に至る。多孔質体12を抜けた燃焼ガスは、熱線透過体13の開口38から外部に噴射し、五徳5に載置された鍋(図示せず)の底に当たって鍋を加熱する。 【0094】一方、燃焼ガスが多孔質体12を通過する際に、多孔質体12が加熱され、多孔質体12が赤熱する。その結果、多孔質体12から熱線が放射され、当該熱線は、熱線透過体13を透過して五徳5に載置された鍋(図示せず)の底に照射される。そのため鍋は、多孔質体12から放射される熱線によっても加熱される。そのため本実施形態のコンロ1は、燃焼ガスによる対流加熱と、熱線による輻射加熱の双方によって鍋等を加熱することができ、熱効率が高いという効果がある。また前記した様に、本実施形態のコンロ1では、燃焼部10において火炎が平面的な広がりをもって発生するので、鍋等の底を無駄なく加熱することができる。さらに本実施形態のコンロ1は、燃料ガスを希薄な状態で燃焼させるので、NOX の発生が少ない。 【0095】 【発明の効果】以上説明した様に、本発明の炎孔部材は、交差した溝状の火炎溝形成開口を有する板体を積層するものであり、板体を重ねることにより溝の深さを確保し、交差した火炎溝を構成する。従って本発明は、簡単な構成で、交差した構造の火炎溝を備えた炎孔部材を製作することができる効果がある。そのため対向燃焼の利点を生かしつつ、鍋等を効率よく加熱することができ、家庭用・業務用のコンロとして好適な燃焼装置の実用化を図ることが可能となる。 【0096】そして特に請求項2に記載の炎孔部材は、流路形成用板体およびこれとは面積又は形状が異なる他の板体を有し、両者を重ねた際に板体の外周側と連通する空隙を形成させ、外周部から空隙を経て流路形成溝に至る一連の流路を形成させ、外周部から入った空気又は燃料ガス等を、火炎溝に噴射させる。この様に本発明の炎孔部材は、簡単な構成で、交差した構造の火炎溝を備えた炎孔部材を製作することができる効果がある。 【0097】さらに請求項3に記載の炎孔部材は、流路形成用板体のエリアに複数の流路形成溝が設けられ、流路形成溝は、火炎溝形成開口の二辺に開口させたものであり、一枚の火炎溝形成開口によって火炎溝に対して複数の方向から燃料等を噴射することができる効果がある。そのため本発明の炎孔部材は、少ない積層枚数で交差した構造の火炎溝を形成することができる効果がある。 【0098】また請求項4に記載の炎孔部材では、エリアに複数の流路形成溝が設けられ、さらに流路形成溝は、火炎溝形成開口に対して斜め成分を有していて火炎溝形成開口の二辺に開口する。即ち、本発明の炎孔部材では、流路形成溝は、火炎溝形成開口に対して斜め成分を有しているので、流路形成溝が交差することなく二辺に開口することができる。本発明の炎孔部材についても、一枚の火炎溝形成開口によって火炎溝に対して複数の方向から燃料等を噴射することができる効果がある。そのため本発明の炎孔部材は、少ない積層枚数で交差した構造の火炎溝を形成することができる効果がある。 【0099】さらに請求項5に記載の炎孔部材は、簡単な構成で燃料ガス等が通過する流路を構成することができ、さらに簡単な構成で、前記した流路に空気や燃料を導入する導入口を形成することができる効果がある。 【0100】請求項6に記載の炎孔部材では、空気や燃料は、火炎溝の開放側に向かって僅かに角度付けられた状態で衝突させることができる効果があり、既燃ガスの排出が円滑であり、熱効率が高いという利点を備える。 【0101】また請求項7に記載の炎孔部材は、火炎溝の交差部分で既燃ガスが過密状態となることが防がれる。そのため局部的な既燃ガスの流速の増加が防止され、騒音の発生が抑制される効果がある。 【0102】また請求項8に記載の炎孔部材では、既燃ガス同士の衝突を容易にし、淀み点の形成を促進して火炎を安定化させる効果がある。 【0103】また請求項9の発明は、製造が容易であり、且つ外形の小型化が可能な炎孔部材を実現することができる効果がある。 【0104】さらに請求項10に記載の炎孔部材では、部分的に断熱部材が積層されているので、燃焼室の雰囲気温度が燃料ガスに伝わりにくく、逆火が防止されるという効果がある。 【0105】さらに請求項11に記載の発明は、請求項1乃至10のいずれかに記載の炎孔部材を有し、当該炎孔部材から空気又は燃料、或いは空気と燃料との混合ガスを噴射して火炎を発生させることを特徴とする燃焼装置であり、従来技術と同様に噴射孔が対向し、火炎が衝突するので発生する火炎は安定し、かつTDRも広い。そのため燃料が希薄状態で燃焼させることが可能であり、コンロ等の低NOX化に寄与することができる効果がある。そして特に本発明の燃焼装置は、交差した火炎溝を持ち、当該溝に向かって前記噴射孔が開口しているので、噴射孔の配置が平面的な広がりを持つ効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001144 【氏名又は名称】工業技術院長
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| 【出願日】 |
平成11年8月30日(1999.8.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100100480 【弁理士】 【氏名又は名称】藤田 隆
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| 【公開番号】 |
特開2001−65821(P2001−65821A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月16日(2001.3.16) |
| 【出願番号】 |
特願平11−243313 |
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