| 【発明の名称】 |
燃焼装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】永井 逸夫
【氏名】若田 武志
【氏名】城出 浩作
【氏名】亀山 修司
【氏名】忽那 良治
【氏名】畑 秀典
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| 【要約】 |
【課題】逆火が少ないという拡散方式の利点を生かしつつ、安定した燃焼を行うことができ、COやHCの発生が少なく、さらにNOX の発生も抑制することができる燃焼装置を開発する。
【解決手段】コンロは、燃焼部2、絞り板3,多孔質体5及び熱線透過体6によって構成されている。燃焼部2に内蔵された炎孔部材20は、十字溝状の空隙32を有する。空隙32内壁面33,35に空気噴射孔30が設けられている。空気噴射孔30は、底部37(下板22側)から開放側38に向かってa,b,c,d,eの5列に配置されており、各列の空気噴射孔30a〜30e は、互いに千鳥状に配置されている。各列の空気噴射孔30の大きさは、底部37(下板22側)から開放側38に向かうに連れて順次小さくなっている。そのため燃料ガスと空気との接触機会が確実に確保され、また燃焼時期に応じた適切な空気量が供給される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 空隙を設けて対向する壁面を有し、壁面同士の間の少なくとも一面が開放され、前記壁面には複数の空気噴射孔が平面的に分布して配され、当該空気噴射孔から空気又は希薄な燃料ガスを含有する空気が噴射され、当該噴射空気中に燃料ガスが噴射されて燃焼し、燃焼によって生じた燃焼ガスが開放面から放出される燃焼装置において、前記空気噴射孔は、開放面側に向かって千鳥状に配置されていることを特徴とする燃焼装置。 【請求項2】 空隙を設けて対向する壁面を有し、壁面同士の間の少なくとも一面が開放され、前記壁面には複数の空気噴射孔が平面的に分布して配され、当該空気噴射孔から空気又は希薄な燃料ガスを含有する空気が噴射され、当該噴射空気中に燃料ガスが噴射されて燃焼し、燃焼によって生じた燃焼ガスが開放面から放出される燃焼装置において、前記空気噴射孔は、開放面側の開口密度が燃料ガス噴射側に比べて小さいことを特徴とする燃焼装置。 【請求項3】 空隙を設けて対向する壁面を有し、壁面同士の間の少なくとも一面が開放され、前記壁面には複数の空気噴射孔が平面的に分布して配され、前記空隙内に1又は2以上の燃料ガス噴射孔が開口し、前記空気噴射孔から空気又は希薄な燃料ガスを含有する空気が噴射され、当該噴射空気中に前記燃料ガス噴射孔から燃料ガスが噴射されて燃焼し、燃焼によって生じた燃焼ガスが開放面から放出される燃焼装置において、前記壁面の1又は1群の燃料ガス噴射孔の近傍部分は、他の部位よりも空気噴射孔の開口密度が低く、前記壁面の1又は1群の燃料ガス噴射孔から開放面に至る領域の側部には列状に空気噴射孔が配されていることを特徴とする燃焼装置。 【請求項4】 対向して設けられた1又は列をなす空気噴射孔と、該空気噴射孔又は空気噴射孔列同士が対向する間に設けられた燃料ガス噴射孔を有し、前記空気噴射孔から空気又は希薄な燃料ガスを含有する空気が噴射され、当該噴射空気中に前記燃料ガス噴射孔から燃料ガスが噴射される燃焼装置において、燃料ガス噴射孔は空気噴射孔の間に複数又は複数列設けられていることを特徴とする燃焼装置。 【請求項5】 空気噴射孔又は空気噴射孔列に最も近接する燃料ガス噴射孔又は燃料ガス噴射孔列と、空気噴射孔又は空気噴射孔列との間の間隔は、対向する空気噴射孔又は空気噴射孔列の中心における燃料ガス噴射孔同士の間隔よりも狭いことを特徴とする請求項4に記載の燃焼装置。 【請求項6】 交差した溝を有し、当該溝の壁面に空気噴射孔が配されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の燃焼装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、NOX の発生が少ない燃焼装置に関するものである。本発明の燃焼装置は、家庭用や業務用のコンロとして好適である。 【0002】 【従来の技術】大気汚染は地球規模で発生し、我々の生活環境を破壊しようとしている。そのため各分野で規制がなされ、大気汚染防止の努力がなされているものの、環境改善にはほど遠い状態であると言える。大気汚染の要因の一つであるNOX に関して、わが国の年間総排出量は130万トンであり、そのうちコンロ等の家庭用燃焼機器からの排出量は、3万トンと推定される。これらの小規模燃焼機器では、ユーザ側の燃焼管理技術によってNOX の排出抑制を行うことは困難であるから、機器の設計・製造段階において低NOX 化を図る必要がある。 【0003】この目的を達成するための方策の一つとして、いわゆる希薄燃焼の採用が挙げられる。ここで希薄燃焼とは、燃料ガスと空気を希薄状態に混合して燃焼させる燃焼方式であり、火炎の温度が比較的低いのでNOX の発生が少ない。しかしながら希薄燃焼は、火炎が不安定であり、火飛びが発生しやすいため、燃焼燃料の可変範囲(TDR)が狭いという問題がある。 【0004】そこでこの問題を解決するために、対向燃焼または衝突燃焼と称させる燃焼方法が提案されている。対向燃焼は、例えば特開昭62−242762号、特開昭63−14007号、特開昭63−161308号他に開示された技術である。 【0005】また燃料ガスと空気を希薄状態に混合する方法として、予混合方式と称される形式と、拡散方式と称される形式が知られている。予混合方式とは燃焼部以外に混合室を持ち、当該混合室で燃焼ガスと空気とを所定の割合に混合した後、噴射孔から混合ガスを噴射させ、火炎を発生させるものである。この方式は、燃焼ガスと空気との混合が十分に行われるので、火炎が安定するという利点がある反面、逆火が発生しやすいという欠点を持つ。これに対して燃焼の直前で空気と燃焼ガスとを混合する拡散方式と称される形式が知られており、この方式によると逆火の発生は極めて少ない。 【0006】対向燃焼を採用し、且つ拡散方式の燃焼装置の構造は、概ね図9〜11の通りである。すなわち図9は、従来技術の燃焼装置の部分斜視図である。図10は、図9のA−A断面図である。図11は、図9のB−B断面図である。 【0007】従来技術の対向燃焼を活用した燃焼装置100は、直線的な溝101を有し、その溝101の内壁面103,105に多数の空気噴射孔102が設けられたものである。すなわち一方の内壁面103に設けられた空気噴射孔102と他方の内壁面105に設けられた空気噴射孔102は、直線的な溝101を介して互いに対向している。ここで従来技術の燃焼装置100では、空気噴射孔102は、内壁面103,105に平面的に分布して配され、且つ図10の様に整列状に並べられていた。また従来技術のおいては、空気噴射孔102の大きさはいずれも同一であり、内壁面103,105の全域において、空気噴射孔102の開口密度は均一であった。 【0008】また溝101の底部106には、図10,11の様に燃料ガス噴射孔107が設けられていた。ここで従来技術の燃焼装置100では、燃料ガス噴射孔107は、溝101の中央に一列だけ設けられていた。 【0009】従来技術の燃焼装置100では、空気又は希薄な燃料ガスを含有した空気が内壁面103,105に設けられた空気噴射孔102から噴射され、この中に燃料ガス噴射孔107から燃料ガスが噴射される。そして両者は混合され、溝101内で火炎を発生させるが、空気噴射孔102が対向し、火炎同士が衝突するので、火飛びが発生しにくく、火炎は安定する。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】図9〜11に示した燃焼装置100は、拡散方式を採用するので、逆火の発生は少ない。しかしながら上記した燃焼装置100は、燃料ガスと空気との混合が十分に行われにくく、煤や黄火が発生する場合が多い。この原因の一つは、従来技術の燃焼装置100では、内壁面103,105に多数の空気噴射孔102が配されているが、空気噴射孔102の配列は、整列状であったので、空気噴射孔102の縦列の間を燃料ガスが流れてしまうためである。すなわち一般的に、希薄燃焼を行う燃焼装置では、空気噴射孔102から噴射される空気の圧力は、燃料ガス噴射孔107から噴射されるガスの圧力よりも高い。そして従来技術の燃焼装置1では、空気噴射孔102が整列状に配置されていたから、この縦列の間に圧力の谷間が生じ、この谷間を図10の矢印の様に燃料ガスが流れてしまい、空気との混合機会を失う。そのため燃料ガスの一部が未燃焼のままで排出され、COやHCの濃度が高くなってしまうためである。 【0011】またもう一つの原因は、従来技術の燃焼装置100では、内壁面103,105の全域において、空気噴射孔102の開口密度は均一であったためである。すなわち燃焼装置100では、溝101の底106近傍に火炎の基端部があり、溝101の開放側に進むに従って燃焼反応が進行して行くので、溝101の底106近傍で最も大量に酸素を必要とし、開放側では多くの酸素を必要としない。しかしながら従来技術の燃焼装置では、空気噴射孔102の開口密度が均一であったため、開放側が過度に空気過剰状態となってしまい、火炎自体が形成されない。そのためCOやHCの濃度が高くなってしまうのであった。 【0012】さらにもう一つの原因は、従来技術の燃焼装置100では、燃料ガス噴射孔107が、溝101の中央に一列だけ設けられていたためである。すなわち拡散燃焼方式では、燃焼の直前に燃料ガスと空気とを混合するものであり、従来技術においても双方の内壁面103,105から噴射される空気流の中に燃料ガス噴射孔107から燃料ガスが噴射される。ここで理想的には、双方の内壁面103,105から噴射される空気は、その圧力が等しく、空気は溝101の中央で衝突するべきであるが、現実的に双方の内壁面103,105から噴射される空気の圧力を等しくすることは困難である。そのため例えば図11の様に、右側の内壁面105から噴射される空気の圧力が、左側の内壁面103から噴射される空気の圧力よりも強い場合、内壁面105の空気噴射孔102から噴射される空気のみが燃料ガスと当接する。そのため発生する火炎に偏りが生じ、不完全燃焼となってしまう。 【0013】そこで本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、逆火が少ないという拡散方式の利点を生かしつつ、安定した燃焼を行うことができ、COやHCの発生が少なく、さらにNOX の発生も抑制することができる燃焼装置の開発を課題とするものである。 【0014】 【課題を解決するための手段】そして上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、空隙を設けて対向する壁面を有し、壁面同士の間の少なくとも一面が開放され、前記壁面には複数の空気噴射孔が平面的に分布して配され、当該空気噴射孔から空気又は希薄な燃料ガスを含有する空気が噴射され、当該噴射空気中に燃料ガスが噴射されて燃焼し、燃焼によって生じた燃焼ガスが開放面から放出される燃焼装置において、前記空気噴射孔は、開放面側に向かって千鳥状に配置されていることを特徴とする燃焼装置である。 【0015】本発明の燃焼装置では、壁面に設けられた複数の空気噴射孔から空気が噴射され、当該噴射空気中に燃料ガスが噴射されて燃焼する。そのため本発明の燃焼装置では、火炎が衝突する。また本発明の燃焼装置では、空気噴射孔が開放面側に向かって千鳥状に配置されている。そのため本発明の燃焼装置では、従来技術で問題となった様な圧力の谷間は生じない。言い換えると、本発明の燃焼装置では、空気噴射孔が開放面側に向かって千鳥状に配置されているので、開放側に向かって流れる燃料ガスは、空気噴射孔より噴射する空気とぶつかる機会が多い。そのため本発明の燃焼装置では、燃料ガスと空気との攪拌がより確実に行われる。このように本発明の燃焼装置は、火炎が衝突する点と、燃料ガスと空気との攪拌がより確実に行われる点があいまって、火炎が安定していてCOやHCの発生が少なく、且つNOX の発生も少ない。 【0016】また同様の目的を達成するための請求項2に記載の発明は、空隙を設けて対向する壁面を有し、壁面同士の間の少なくとも一面が開放され、前記壁面には複数の空気噴射孔が平面的に分布して配され、当該空気噴射孔から空気又は希薄な燃料ガスを含有する空気が噴射され、当該噴射空気中に燃料ガスが噴射されて燃焼し、燃焼によって生じた燃焼ガスが開放面から放出される燃焼装置において、前記空気噴射孔は、開放面側の開口密度が燃料ガス噴射側に比べて小さいことを特徴とする燃焼装置である。 【0017】本発明の燃焼装置も前記した燃焼装置と同様に、火炎を衝突させる作用を持つものである。また加えて本発明の燃焼装置では、空気噴射孔は、開放面側の方が開口密度が小さい。そのため本発明の燃焼装置は、開放面側で空気が過剰となることがなく、確実に火炎が形成される。 【0018】さらに請求項3に記載の発明は、空隙を設けて対向する壁面を有し、壁面同士の間の少なくとも一面が開放され、前記壁面には複数の空気噴射孔が平面的に分布して配され、前記空隙内に1又は2以上の燃料ガス噴射孔が開口し、前記空気噴射孔から空気又は希薄な燃料ガスを含有する空気が噴射され、当該噴射空気中に前記燃料ガス噴射孔から燃料ガスが噴射されて燃焼し、燃焼によって生じた燃焼ガスが開放面から放出される燃焼装置において、前記壁面の1又は1群の燃料ガス噴射孔の近傍部分は、他の部位よりも空気噴射孔の開口密度が低く、前記壁面の1又は1群の燃料ガス噴射孔から開放面に至る領域の側部には列状に空気噴射孔が配されていることを特徴とする燃焼装置である。 【0019】本発明の燃焼装置も前記した燃焼装置と同様に、火炎を衝突させる作用を持つものである。また加えて本発明の燃焼装置では、1又は1群の燃料ガス噴射孔の近傍部分は、他の部位よりも空気噴射孔の開口密度が低い。そのため燃料ガス噴射孔の近傍部分は、空気の噴射が少なく、局部的に気圧が低い部位が形成される。一方本発明の燃焼装置では、1又は1群の燃料ガス噴射孔から開放面に至る領域の側部に列状に空気噴射孔が配されている。そのため燃料ガス噴射孔の周囲に空気が噴射され、当該部位の圧力が上昇し、燃料ガス噴射孔の周囲に一種のエアーカーテンが形成される。そのため燃料ガスは、圧力が局部的に低い部位に流れ、周囲に広がらない。従って燃料ガスは、確実に空気と混合される。このように本発明の燃焼装置は、火炎が衝突する点と、燃料ガスと空気との攪拌がより確実に行われる点があいまって、火炎が安定していてCOやHCの発生が少なく、且つNOX の発生も少ない。 【0020】さらに請求項4に記載の発明は、対向して設けられた1又は列をなす空気噴射孔と、該空気噴射孔又は空気噴射孔列同士が対向する間に設けられた燃料ガス噴射孔を有し、前記空気噴射孔から空気又は希薄な燃料ガスを含有する空気が噴射され、当該噴射空気中に前記燃料ガス噴射孔から燃料ガスが噴射される燃焼装置において、燃料ガス噴射孔は空気噴射孔の間に複数又は複数列設けられていることを特徴とする燃焼装置である。 【0021】本発明の燃焼装置は、対向して設けられた空気噴射孔から空気が噴射され、この噴射空気中に燃料ガスが噴射されるものであり、火炎を衝突させる作用を持つものである。そして本発明では、燃料ガス噴射孔は空気噴射孔の間に複数又は複数列設けられている。そのため本発明の燃焼装置では、従来技術に比べて燃料ガス噴射孔は、空気噴射孔により近接したものとなる。そのため対向する空気噴射孔から噴射される空気の圧力に差異があっても、燃料ガスと空気はより確実に混合される。このように本発明の燃焼装置は、火炎が衝突する点と、燃料ガスと空気との攪拌がより確実に行われる点があいまって、火炎が安定していてCOやHCの発生が少なく、且つNOX の発生も少ない。 【0022】また請求項5に記載の発明は、空気噴射孔又は空気噴射孔列に最も近接する燃料ガス噴射孔又は燃料ガス噴射孔列と、空気噴射孔又は空気噴射孔列との間隔は、対向する空気噴射孔又は空気噴射孔列の中心における燃料ガス噴射孔同士の間隔よりも狭いことを特徴とする請求項4に記載の燃焼装置である。 【0023】本発明の燃焼装置は、2以上、又は2列以上の燃料ガス噴射孔を持つ場合に推奨される構成である。すなわち本発明の燃焼装置では、燃料ガス噴射孔は、空気噴射孔に近い部位にあり、中央部分には少ない。そのため対向する空気噴射孔から噴射される空気の圧力に差異があっても、燃料ガスと空気はより確実に混合される。 【0024】さらに請求項6に記載の発明は、交差した溝を有し、当該溝の壁面に空気噴射孔が配されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の燃焼装置である。 【0025】本発明の燃焼装置は、交差した溝を有し、当該溝に向かって空気噴射孔が開口している。そのため従来、直線的であった溝の配置が平面的な広がりを持つものとなり、鍋の底の形状に合致する。また本発明の燃焼装置は、同一の熱量を発生させる従来技術の燃焼装置に比べて、外形が小さい。 【0026】 【発明の実施の形態】以下さらに本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態のコンロの構成図である。図2は、図1のコンロで使用する炎孔部材の斜視図及び分解斜視図である。図3は、図2の炎孔部材のC−C断面図である。図4は、図2の炎孔部材のD−D断面図である。図5は、本発明の他の実施形態の炎孔部材のC−Cに相当する断面図である。図6は、本発明の他の実施形態の炎孔部材のC−Cに相当する断面図である。図7は、本発明のさらに他の実施形態の炎孔部材のD−Dに相当する断面図である。図8は、本発明の他の実施形態の炎孔部材の正面図である。 【0027】図1において、1は、本発明の実施形態のコンロを示す。コンロ1は、主として家庭で使用されることを意図したものであり、大きく燃焼部2、絞り板3,多孔質体5及び熱線透過体6によって構成されている。燃焼部2は、下部材10、中間部材11及び蓋部材12によって構成されたケース15を持ち、その内部に炎孔部材20が配されたものである。 【0028】すなわちケース15の下部材10は、筒状であり、一端側(図面 上側)が開放され、他端側は閉塞している。また開放側にはフランジ13設けられている。 【0029】中間部材11は、一端(図面 下側)にフランジ14を持ち、他端側が開放された部材である。また蓋部材12は、中央部分に開口16が設けられた部材である。蓋部材13の開口16周辺は、垂直方向に折り返されている。ケース15は、上記した下部材10,中間部材11及び蓋部材12の三者が重ねられたものであり、【0030】炎孔部材20は、図2(a)の分解斜視図に示すように、上板21と下板22を持ち、両者の間に十字状の側壁部材23が設けられたものである。すなわち上板21は、円盤状であって中心部に十字状が開口25が設けられたものである。 【0031】また下板22は、円板状であり、図の様に二列の小孔が交差して設けられている。当該小孔は、燃料ガス噴射孔27として機能する。 【0032】側壁部材23は、薄い鋼板によって十字形を囲んだ形状をしており、空気噴射孔30となる小孔が多数設けられている。空気噴射孔30は、最も外側の平面を除く全ての部位に面状の広がりをもって設けられている。 【0033】炎孔部材20は、図2(b)の様に下板22、側壁部材23及び上板21が順次重ねられて構成されており、上部が開放された十字溝状の空隙32を有する。すなわち、空隙32の十字溝の腕の部位は、平行な内壁面33,35を持ち、壁面が対向している。本実施形態では、空隙32の形状が十字溝状であるため、4組の対向する内壁面33,35の組を持つ。 【0034】そして当該内壁面33,35に前記した空気噴射孔30が設けられている。ここで本実施形態における、空気噴射孔30の分布状態は、図3の通りである。すなわち本実施形態では、空気噴射孔30は、底部37(下板22側)から開放側38に向かってa,b,c,d,eの5列に配置されており、各列の空気噴射孔30a〜30dは、互いに千鳥状に配置されている。より具体的には、第1列の空気噴射孔30aの投影位置は、図3の様に燃料ガス噴射孔27の中心線の延長上にあり、溝状部分の長手方向(図面 横方向)に対しては等間隔に配列されている。これに対して第2列の空気噴射孔30bは、第1列の空気噴射孔30aの間隔部分に設けられている。そしてさらに第2列の空気噴射孔30bの間隔部分に第3列の空気噴射孔30c があり、第3列の空気噴射孔30cの間隔部分に第4列の空気噴射孔30dがあり、第4列の空気噴射孔30dの間隔部分に第5列の空気噴射孔30eが設けられている。 【0035】また各列の空気噴射孔30の大きさは、底部37(下板22側)から開放側38に向かうに連れて順次小さくなっている。従って各空気噴射孔の間には、次の関係がある。 【0036】30a≧30b≧30c≧30d≧30e【0037】従って空気噴射孔30は、開放側38に向かうに従って開口密度が減少していく。 【0038】また本実施形態における、燃料ガス噴射孔27の分布状態は、図4の通りである。すなわち本実施形態では、空隙32の底部37に2列に燃料ガス噴射孔27が配置されている。そして燃料ガス噴射孔27と、内壁面33又は内壁面35間の距離(近い方の距離)は、燃料ガス噴射孔27同士の間の距離よりも短い。すなわち空気噴射孔30の列に最も近接する燃料ガス噴射孔27の列と、空気噴射孔30の間隔lは、対向する空気噴射孔30の中心部の燃料ガス噴射孔27同士の間隔Lよりも狭い。 【0039】炎孔部材20は、前記した様にケース15の中間部材11の部位に配置されているが、炎孔部材20の外径は、中間部材11の内径よりも小さい。そのため炎孔部材20とケース15の内壁との間には図1の様に空隙36がある。炎孔部材20の溝状の空隙32は、前記したケース15の蓋部材12の開口16と面しており、空隙32は開口16を介して外部に露出している。一方、炎孔部材20の頂面の外周寄りの部位は、図示しないパッキングを介して蓋部材12の内面と接している。従って空隙36と外部とは、炎孔部材20の空気噴射孔30を経由してのみ連通する。 【0040】ケース15内においては、図1の様に炎孔部材20の上流側、すなわち底面側(図面の姿勢を基準)に、燃料ガス室39が設けられており、当該燃料ガス室39には2本のガス導入管40が接続されている。ガス導入管40は、図示しないプロパンガスボンベに接続されている。従って、燃料ガス室39内は、燃料ガスたるプロパンガスで満たされ、炎孔部材20の十字溝状の空隙32の底部37に設けられた燃料ガス噴射孔27から燃料ガスが噴射される。 【0041】また本実施形態で採用するケース15では、底面に空気導入管41が接続されている。空気導入管41は、図示しない送風機と接続されており、ケース15の内部に空気を導入するものである。 【0042】絞り板3は、厚さが3mm〜10mm程度の円板であり、中央に燃焼ガス通過開口43が設けられている。 【0043】多孔質体5は、具体的にはセラミック製のポーラス体である。多孔質体5の材質は、チタン酸アルミニウム、ムライト、コージライト或いはこれらの混合材料が使用可能であるが、耐熱性が優れるという点で、チタン酸アルミニウムが最も適切である。多孔質体5の厚さは3mm〜20mm程度、より好ましくは3mm〜10mm程度である。また多孔質体5の気孔率は、75%〜85%である。 【0044】多孔質体5の形状は、円板状である。多孔質体5の裏面(上流側)の中心には、円形の閉塞部材(図示せず)が設けられており、当該部分は通気性が無い。熱線透過体6は、液体は通過しえないが、赤外線等の熱線は透過するものであり、透明な耐熱部材が採用され、具体的には石英ガラスが使用されている。熱線透過体6は円板状であり、中央に開口45が設けられている。なお熱線透過体6は、鍋からのふきこぼれが、コンロ1内に落ち込むことを防止する機能を果たすものである。 【0045】コンロ1は、前記した燃焼部2の上に絞り板3が載せられ、さらにその上に多孔質体5が配され、最も上部に熱線透過体6が配されたものである。そしてそれぞれの間には、パッキンが配され、隙間からガスが漏れない様に工夫されている。 【0046】次に、本実施形態のコンロ1の作用について説明する。コンロ1は、図示しない送風機からの送風を受け、空気導入管41からケース15内に通風され、同時に図示しないプロパンガスボンベからガス導入管40を経てケース15内に燃料ガスが導入されて使用される。すなわち空気導入管41からケース15内に入った空気は、炎孔部材20の周囲とケース15の内面との間の空隙36に流れ込み、炎孔部材20の上板21と下板22の間に流れ込む。そして側壁部材23に設けられた各空気噴射孔30から対向する内壁面33,35間の空隙32に噴射される。 【0047】ここで本実施形態のコンロ1では、炎孔部材20の内壁面における空気噴射孔30は、底部37から開放側に向かうに連れて開口密度が小さくなっている。そのため空隙32内への通風量は、図4の様に開放側に向かうに従って減少する。また空気噴射孔30は、千鳥状に配されているので、気圧の谷間は生じない。 【0048】一方燃料ガスは、燃料ガス室39を経て十字溝状の空隙32の底部37に設けられた燃料ガス噴射孔27から空隙32内に噴射される。ここで本実施形態のコンロ1では、燃料ガス噴射孔27は、空隙32の底部37に二列に設けられており、且ついずれの列も内壁面33,35,すなわち空気噴射孔30に近い位置に設けられている。そのため燃料ガス噴射孔27から噴射された燃料ガスは、確実に、空気噴射孔30から噴射された空気と衝突する。加えて本実施形態のコンロ1では、空気噴射孔30は、千鳥状に配されているので、燃焼ガスが開放側38から出るまでの間に、燃焼ガスは必ずいずれかの空気噴射孔30の近傍を通過することとなり、燃料ガスと空気との衝突はより確実となる。 【0049】こうして本実施形態のコンロ1では、十字溝状の空隙32内で燃料ガスと空気が希薄状態(空気過剰率1.4〜3.0)に混合される。また空気噴射孔30は、溝32の内壁面33,35の両側に設けられているので、混合されたガス同士はただちに衝突する。そのため発生した火炎は互いに衝突することとなり、安定した状態で燃焼する。さらに加えて、本実施形態のコンロ1では、空隙32の底部37から開放側に向かうに従い、空気噴射孔30の開口密度が小さくなっており、通風量は、図4の様に開放側に向かうに従って減少するので、火炎の基端部では多量の空気が供給され、炎の先部では弱い通風が行われる。そのため燃焼反応の時期に応じた適切な空気量が供給され、火炎は安定する。なお本実施形態では、空気噴射孔30が十字状の溝内に設けられているので、空気噴射孔30は、平面的な広がりを持って分布する。そのため火炎は、平面的広がりをもって発生する。 【0050】そして本実施形態のコンロ1では、火炎および燃焼ガスは、絞り板3によって絞られ、燃焼ガス通過開口43を経て多孔質体5と絞り板3の間に入る。そして燃焼ガスは空洞部の全体に広がり多孔質体5に均等に入る。燃焼ガスは、多孔質体5の中を抜け、熱線透過体6の開口45から外部に噴射し、鍋等(図示せず)の底に当たって鍋等を加熱する。 【0051】一方、燃焼ガスが多孔質体5を通過する際に、多孔質体5が加熱され、多孔質体5が赤熱する。その結果、多孔質体5から熱線が放射され、当該熱線は、熱線透過体6を透過して鍋(図示せず)の底に照射される。そのため鍋は、多孔質体5から放射される熱線によっても加熱される。従って本実施形態のコンロ1は、燃焼ガスによる対流加熱と、熱線による輻射加熱の双方によって鍋等を加熱することができ、熱効率が高いという効果がある。また前記した様に、本実施形態のコンロ1では、火炎が平面的な広がりをもって発生するので、鍋等の底を無駄なく加熱することができる。さらに本実施形態のコンロ1は、燃料ガスを希薄な状態で燃焼させるので、NOX の発生が少ない。 【0052】以上説明した実施形態のコンロ1では、空隙32を介して対向する内壁面33,35に空気噴射孔30を千鳥状に配置した上、さらに空気噴射孔30の大きさが、底部37(下板22側)から開放側38に向かうに連れて順次小さくなる様に設計した。この構成は、最も推奨される構成ではあるが、図5に示すように空気噴射孔30の大きさをいずれも同じものとし、その配列を単に千鳥状としても相当の効果がある。また空気噴射孔30の全てを千鳥状に配置することが望ましいが、千鳥状の部位や、整列状の部位が混在していてもよい。 【0053】また空気噴射孔30の配列が整列状であっても、開放側における開口密度が燃料ガスの噴射側のそれに比べて小さければ、相当の効果が期待できる。なお上記した実施形態では、空気噴射孔30の大きさを変化させて開口密度を減少させたが、開放側に向かうに従って空気噴射孔30の個数が減少する構成としても同様の作用が発揮される。 【0054】また先の実施形態では、空気噴射孔30は、溝(空隙32を形成する溝)に沿った方向に均等に配された例を示したが、図6に示す様に最も燃料ガス噴射孔27寄りにある空気噴射孔30の列については、燃料ガス噴射孔27の位置に相当する部位だけ、空気噴射孔を間引くと特有の効果が期待できる。すなわち図6に示した構成では、燃料ガス噴射孔27は、3個ずつの群となって設けられている。これに対して空気噴射孔30の最も燃料ガス噴射孔27寄りに或るa列は、燃料ガス噴射孔27に相当する部位に開口を持たない。他のb列〜e列については、燃料ガス噴射孔27の開放側に開口を持つ。また底部37の燃料ガス噴射孔27が間引かれた部位50の側部については、底部37直近のa列から開放端側のe列まで、整列状に空気噴射孔30が配されている。 【0055】本実施形態では、燃料ガス噴射孔27の位置に相当する部位の直近部分に空気噴射孔が無いので、燃料ガスが噴射される部位には、直接的な通風はない。そのため当該部位(図6 二点鎖線で囲んだ部位)は気圧が低い。 【0056】また本実施形態では、燃料ガス噴射孔27の群52の両側部に列状に空気噴射孔が配されている。より具体的には、燃料ガス噴射孔27の群52の両側の一点鎖線で囲んだ範囲55には、最も燃料ガス噴射孔27寄りのa列から最も開放側のe列に至るまで、一列状に空気噴射孔30が並べられている。すなわち壁面33.35の低部37から開放側38に至る領域の側部に、列状に空気噴射孔30が配されている。そして各空気噴射孔30から空気が噴射されるので、燃料ガス噴射孔27の群52の両側部には、底部37に近い部位から開放側38に至る圧力の高い領域が発生する。すなわち燃料ガス噴射孔27の群52の両側部の一点鎖線で囲んだ範囲55に、一種のエアーカーテンが出現する。 【0057】そして燃料ガスは、前記した様に二点鎖線で囲んだ気圧が低い部位50に噴射され、さらにその周囲にはエアーカーテンが存在するので、燃焼ガスは、横に流れることなく開放側38に向かって進む。そのため燃料ガス噴射孔27から噴射された燃料ガスは、確実に空気と混合され、安定して燃焼する。 【0058】なお付言すると、本実施形態は空気噴射孔30を均等に分布できない事情がある場合に特に推奨されるものである。すなわちコンロの大きさやレイアウトによっては、空気噴射孔30を設ける内壁面をネジ56(図6)で固定する場合があり、このような構成を採用する場合、ネジ56が存在する縦列に空気噴射孔を設けることが困難である。そのため燃料ガスがネジ56が存在する列に逃げ、空気との混合機会を失う場合がある。これに対して本実施形態の様に、燃料ガス噴射孔群の近傍部分(低部37近傍)に、他の部位よりも空気噴射孔の開口密度が低い部分を設け、さらに燃料ガス噴射孔群から開放面に至る領域の側部に、列状に空気噴射孔を配することにより、ネジ56側への燃料ガスの逃げを阻止することができる。上記した実施形態では、燃料ガス噴射孔27が、3個ずつの群となった構成を例に説明したが、群を構成する燃料ガス噴射孔27の個数は任意であり、ただ一つの燃料ガス噴射孔27に対して上記した構成を採用してもよい。 【0059】また先の実施形態では、燃料ガス噴射孔27を2列に設けたが、3列以上の燃料ガス噴射孔27を設けてもよい。図7は、4列の燃料ガス噴射孔27を設けた例を示すものである。4列あるいはそれ以上の燃料ガス噴射孔27を設ける場合は、燃料ガス噴射孔27の配置は、内壁面33,35側に重点的に配し、空気噴射孔30の列に最も近接する燃料ガス噴射孔27の列間の間隔lが、対向する空気噴射孔30の中心部の燃料ガス噴射孔27同士の間隔Lよりも狭いものとすることが望ましい。 【0060】以上説明した実施形態では、炎孔部材20に十字形状の溝が設けられたものを例示し、十字の溝は、溝は幅が等しいものを図示した。しかしながら、本発明は、十字の溝を有するものに限定されるものではなく、例えば図8(a)に示す様に、中央部分に向かって溝幅が広がったものであってもよい。また図8(b)の様に星型に近いものであってもよい。また図8(c)の様な環状であってもよい。さらには、「T」字状や「Y」字状、或いは「米」字状であってもよい。もちろん直線状の空隙も採用可能である。 【0061】また上記した実施形態では、空気噴射孔30から空気のみを噴射する構成を示したが、当該空気に希薄な燃料ガスが混入されていてもよい。逆に燃料ガス噴射孔27から噴射される燃料ガスに、多少の空気が混入されていてもよい。 【0062】上記した実施形態では、燃料ガスとして、プロパンガスを例示したが、ガスの種類についてはこれに限定されるものではなく、他のあらゆる燃料ガスを使用することができる。 【0063】 【発明の効果】以上説明した様に、請求項1乃至6に記載の発明は、いずれも空気噴射孔が対向して設けられ、火炎同士が衝突する。さらに加えて請求項1に記載の燃焼装置では、空気噴射孔が開放面側に向かって千鳥状に配置されているため、燃料ガスと空気との接触機会が多い。そのため請求項1に記載の燃焼装置は、火炎が衝突する点と、燃料ガスと空気との攪拌がより確実に行われる点があいまって、火炎が安定していてCOやHCの発生が少なく、且つNOX の発生も少ないという効果がある。 【0064】また特に請求項2に記載の燃焼装置は、開放面側における空気噴射孔の開口密度が小さいので、開放面側で空気が過剰となることがなく、確実に火炎が形成される。そのため火炎が安定していてCOやHCの発生が少なく、且つNOX の発生も少ないという効果がある。 【0065】さらに請求項3に記載の燃焼装置は、意図的に空気の噴射が少ない部位を作るとともにその周囲に一種のエアーカーテンを構成するものであり、燃料ガスは空気と衝突する方向に導かれる。そのため燃料ガスは、確実に空気と混合される。従って本発明の燃焼装置は、火炎が衝突する点と、燃料ガスと空気との攪拌がより確実に行われる点があいまって、火炎が安定していてCOやHCの発生が少なく、且つNOX の発生も少ないという効果がある。 【0066】請求項4,5に記載の燃焼装置は、対向する空気噴射孔から噴射される空気の圧力に差異があっても、燃料ガスと空気はより確実に混合されるので、燃料ガスと空気との攪拌がより確実に行われ、火炎が安定していてCOやHCの発生が少なく、且つNOX の発生も少ないという効果がある。 【0067】また請求項6に記載の燃焼装置は、交差した溝を持ち、当該溝に向かって前記噴射孔が開口しているので、噴射孔の配置が平面的な広がりを持つ。そのため本発明の燃焼装置は、火炎の分布を鍋の底の形状に合致させやすいという効果がある。また本発明の燃焼装置は、同一の発熱量を発生させる従来技術の燃焼装置に比べて外形が小さいという効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001144 【氏名又は名称】工業技術院長
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| 【出願日】 |
平成11年8月30日(1999.8.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100100480 【弁理士】 【氏名又は名称】藤田 隆
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| 【公開番号】 |
特開2001−65820(P2001−65820A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月16日(2001.3.16) |
| 【出願番号】 |
特願平11−243287 |
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