| 【発明の名称】 |
燃焼装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】近藤 靖男
【氏名】上原 昌徳
【氏名】伊藤 彰
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| 【要約】 |
【課題】触媒燃焼部4を用いた燃焼装置において、着火性の向上および燃焼性の向上を図る。
【解決手段】触媒燃焼部4は、平板と波板からなるハニカム層15を螺旋状に巻いて下流側に突出させたものであり、螺旋状に配置されたハニカム層15の角部には、複数の高温発熱体が螺旋状に露出する。その位置で触媒燃焼部4を通過したガス化燃料と2次空気とが混合するため、早期に確実に着火できる。着火後は、2次空気吹出口9から吹き込まれた2次空気が触媒燃焼部4に衝突して乱流が発生するため、均一な可燃混合気が作られ、燃焼性が向上する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】流体が流れる多数の貫流孔を有するハニカム状を呈し、通電を受けると発熱する通電発熱体と、この通電発熱体の上流の予混合室に燃料を供給する燃料供給手段と、前記予混合室および前記通電発熱体の下流の燃焼室に空気を供給する空気供給手段と、を備える燃焼装置であって、前記通電発熱体の内側は、下流側に突出して設けられたことを特徴とする燃焼装置。 【請求項2】請求項1の燃焼装置において、前記通電発熱体の下流側突出部分の角部には、局部的に高温になる高温発熱部が設けられたことを特徴とする燃焼装置。 【請求項3】請求項1または請求項2の燃焼装置において、前記通電発熱体は、平板と波板とを組み合わせたハニカム層を積層して設けられ、このハニカム層をずらして積層することにより、前記通電発熱体の内側が下流側に突出して設けられたことを特徴とする燃焼装置。 【請求項4】請求項1ないし請求項3のいずれかの燃焼装置において、前記空気供給手段によって前記通電発熱体の下流の前記燃焼室に空気を供給する吹出口は、前記通電発熱体における下流側突出部分に向けて空気を吹き出すことを特徴とする燃焼装置。 【請求項5】請求項1ないし請求項4のいずれかの燃焼装置において、前記通電発熱体は、表面に触媒が担持して設けられたことを特徴とする燃焼装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、通電を受けると発熱する通電発熱体を搭載した燃焼装置に関するものである。 【0002】 【発明の背景】本願出願人は、通電発熱体を搭載した燃焼装置を出願した(特願平11−80594号、この技術は周知技術ではない)。この出願明細書に開示される燃焼装置は、通電を受けると発熱する通電発熱体の上流に予混合気を供給するとともに、通電発熱体の下流側にも燃焼用の空気を供給するものであり、通電発熱体はハニカム状を呈した略円柱、円盤形状のものであった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】通電発熱体が略円柱、円盤形状のものでは、通電発熱体の下流側の端の面が平坦になる。このため、通電発熱体の下流に供給された空気と、通電発熱体の接触面積が少なく、特に着火時の着火遅れの要因になってしまう。また、通電発熱体の下流側に局部的に発熱する高温発熱部を設けても、その高温発熱部で発生した熱が隣接するハニカム層に伝わり、高温発熱部の温度上昇率が悪くなり、これも着火遅れの要因になってしまう。さらに、通電発熱体の下流側の端の面が平坦であると、通電発熱体の下流に供給された空気と、通電発熱体を通過した混合気(一部酸化反応が進んだ混合気を含む)との混合性が悪く、エミッション発生の要因になってしまう。 【0004】 【発明の目的】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、着火性の向上および燃焼室における混合気と空気との混合性の向上を図ることのできる燃焼装置の提供にある。 【0005】 【課題を解決するための手段】〔請求項1の手段〕通電発熱体の内側が下流側に突出して設けられたことにより、通電発熱体を通過した混合気と、通電発熱体の下流に供給された空気との混合性が向上するとともに、この混合気と通電発熱体の接触面積が多くなり、着火性が向上する。 【0006】〔請求項2の手段〕通電発熱体の下流側突出部分の角部に設けた高温発熱部の発生した熱は、他の部材に伝わる不具合が抑えられるため、素早く高温になる。このように、高温発熱部が素早く高温になるため、着火性が向上する。 【0007】〔請求項3の手段〕ハニカム層をずらして通電発熱体の内側を下流側に突出させているため、通電発熱体の高温発熱部を外表面上に露出して形成できる。 【0008】〔請求項4の手段〕通電発熱体の下流側突出部分に向けて空気を吹き出すことにより、吹き出された空気が突出部分にぶつかって乱流になり、通電発熱体を通過した混合気との混合性が向上する。このため、燃焼室における燃焼性が向上し、エミッションを下限させることができる。 【0009】〔請求項5の手段〕通電を受けると発熱する通電発熱体は表面に触媒を担持したものであるため、通電を受けると触媒の作用を高めることができ、始動開始初期における触媒の作用を高めることができる。 【0010】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、2つの実施形態および変形例を用いて説明する。 〔第1実施形態〕図1〜図3は第1実施形態を示すもので、まず、図1を基に触媒燃焼装置を説明する。なお、実施形態中に示す上側は図1における上側を示し、下側は図1における下側を示すものとする。 【0011】この実施形態に示す触媒燃焼装置は、2重管構造を採用するもので、内側の内筒1と、この内筒1の下外側を覆う外筒2とを備える。なお、内筒1は内部で燃料と空気との混合や燃料の燃焼を行う筒であり、外筒2は内筒1との間に空気通路3を形成する筒である。 【0012】内筒1は、耐熱性金属(ステンレス等)よりなる略有底の円筒体であり、その中間部分には触媒燃焼部4(通電発熱体に相当する)が装着される。この触媒燃焼部4の下側(燃料供給側)が燃料と空気とを混合する予混合室5を形成する予混合筒1aであり、触媒燃焼部4の上側(燃焼ガス排出側)が触媒燃焼部4を通過した燃料の燃焼を行う燃焼室6を形成する燃焼筒1bである。 【0013】予混合筒1aの下側中央部分には、気化器7から供給される気化燃料と、空気通路3を流れる空気(1次空気)とを予混合筒1a内の予混合室5へ導く混合気導入穴8が形成されている。また、触媒燃焼部4に近い側の燃焼筒1bには、空気通路3によって供給される空気(2次空気)を燃焼筒1b内の燃焼室6に流入させるための2次空気吹出口9が複数形成されている。この2次空気吹出口9については後述する。 【0014】なお、混合気導入穴8から予混合室5に供給される空気量は、予混合室5に供給される燃料供給量に対して燃料供給過剰となる空燃比(理論空燃比よりも低空燃比)となるように調整されるとともに、2次空気吹出口9から燃焼室6に供給される空気量は、燃料供給量に対して空気供給過剰となる空燃比(理論空燃比よりも高空燃比)となるように調整されるものである。 【0015】混合気導入穴8に対向する外筒2には、燃料タンク10から燃料ポンプ11(燃料供給手段に相当する)によって送られてくる液体燃料(例えば軽油等)を気化させて混合気導入穴8に供給する気化器7が装着されている。また、外筒2の下側端部には、空気通路3内に空気を供給するためのエアポンプ12(空気供給手段に相当する)が接続されている。 【0016】触媒燃焼部4は、多数の貫流孔4aを備える略ハニカム状通電発熱体の表面に、部分酸化反応を促進させる触媒(Pt、Pd、Rn等の貴金属、Ni、Cu等の金属、アルミナ、ジルコニア等の酸化物)を担持したものである。なお、絶縁層を形成するアルミナ等の酸化物層をそのまま利用しても部分酸化反応は可能である。 【0017】また、この触媒燃焼部4は、中心側が下流側に突出して設けられるものであり、この実施形態では略円錐状に下流側に突出して設けられている。触媒燃焼部4の具体的な構造は、図2、図3に示すように、例えばFe−Cr−Alフェライト系ステンレス製の通電抵抗により発熱する平板13(例えば厚さ50μm)と波板14(例えば厚さ50μm)からなるハニカム層15の表面にアルミナ等の薄い絶縁層を設け、その表面に着火燃焼と部分酸化反応促進のためのPt、Pd等の触媒を担持したものであり、その複数のハニカム層15を中心電極16に溶接して螺旋状に巻いて略円錐状に形成したものである。あるいは、中心電極16の周りに略円盤状に複数のハニカム層15を巻いた後に、中心電極16を外側電極19に対して相対的に下流側軸方向へスライドさせて円錐状に形成したものである。この結果、触媒燃焼部4には、ハニカム層15の巻き層毎に下流側へ突き出して形成する創生面15aに複数の高温発熱部21を触媒燃焼部4の中心側から外周に亘って配設することができる。 【0018】触媒燃焼部4の中心の中心電極16は、絶縁ブッシュ17を介して内筒1および外筒2の外部へ導かれる電源端子18に接続されるものであり、触媒燃焼部4の外側は外側電極19を介して内筒1にアース接続されており、外側電極19を介して中心電極16が電圧の印加を受けると、触媒燃焼部4が通電されて発熱する。 【0019】触媒燃焼部4を構成するハニカム層15の下流側には、図3に示すように、高温発熱部21が部分的に設けられている。この高温発熱部21は通電により着火に適した温度(例えば700〜800℃)以上に素早く達するものである。高温発熱部21は、ハニカム層15を構成する平板13に打抜きによるスリット部23を設けて形成したものである。このように平板13にスリット部23を設けることにより、平板13を流れる電流は、高温発熱部21に集中して流れることになり、高温発熱部21を構成する軸方向長L1 によって、高温発熱部21の温度が設定されている。なお、高温発熱部21は、平板13の巻き方向に適切な個数、適度な間隔で設定されるものであり、触媒燃焼部4の下流側突出部分の角部(螺旋状に配置されたハニカム層15の角部)にも高温発熱部21が配置されるものである。この角部の高温発熱部21は、外側に接触する部材がなく、素早く温度上昇する。このため、角部の高温発熱部21が着火に適した温度に上昇するまでの時間が短縮されるとともに、少ない電力で着火に適した温度に上昇する。 【0020】ここで、触媒燃焼部4の下流側に2次空気を供給する2次空気吹出口9は、触媒燃焼部4の下流側突出部へ向けて2次空気を吹き出すように設けられており、この実施形態では、円錐状に突出する触媒燃焼部4の周囲に2段に亘って複数の2次空気吹出口9が設けられている。これによって、触媒燃焼部4と2次空気との接触性が向上するとともに、2次空気吹出口9から吹き込まれた2次空気が触媒燃焼部4に衝突して乱流が発生し、触媒燃焼部4を通過して部分酸化した混合気と2次空気との混合性が向上するとともに、燃焼室6内においても乱流が発生して、燃焼性が向上する。 【0021】この実施形態の作動を説明する。図示しない運転スイッチがONされると、図示しない制御装置により、電源端子18に電力が供給され、中心電極16→触媒燃焼部4→外側電極19→内筒1の経路で通電される。中心電極16に電圧が印加されると、触媒燃焼部4が発熱して燃料を部分酸化させる温度に上昇するとともに、触媒燃焼部4の下流側に複数設けられた高温発熱部21が着火温度以上に先行して発熱する。 【0022】高温発熱部21が着火温度以上に発熱する時期に達すると、制御装置が燃料ポンプ11およびエアポンプ12を通電し、燃料および燃焼用空気の供給を開始する。ここで、燃料ポンプ11およびエアポンプ12は、着火に適した低速で運転させ、着火後に増速させるように設けても良い。 【0023】液体燃料は、燃料タンク10から燃料ポンプ11によって気化器7に送られる。気化器7は、例えば電熱蒸発器を内蔵するものであり、気化器7で気化した燃料は混合気導入穴8から予混合室5へ送られる。燃焼用空気は、エアポンプ12により空気通路3内に供給され、混合気導入穴8から予混合室5へ送られるとともに、2次空気吹出口9から燃焼室6内に供給される。なお、混合気導入穴8から予混合室5へ送られる空気量と、2次空気吹出口9から燃焼室6内に供給される空気量との比率は、例えば1:2に設定されるものであり、混合気導入穴8と2次空気吹出口9から内筒1内に供給される空気量は、予混合室5に供給される燃料に対する空燃比が17.5〜29.2(1.2≦空気過剰率≦2)に設けられている。 【0024】予混合室5に供給される燃料と1次空気の割合は空燃比が理論空燃比(空気と燃料との重量比14.6)以下の燃料過剰(空気過剰率≦1)であり、この混合気は予混合室5で混合された後に触媒燃焼部4に流入する。触媒燃焼部4は、通電を受けて触媒反応開始温度以上に発熱しているため、触媒燃焼部4を通過する混合気中の燃料が比較的低温(300℃以上)で触媒反応し、ガス化燃料(CO、H2 、軽質成分燃料等)に変性する。そして、このガス化燃料は、2次空気吹出口9から吹き出される2次空気と混合して可燃性混合気を形成する。この時、触媒燃焼部4の下流側突出部分の角部(螺旋状に配置されたハニカム層15の角部)に配置された複数の高温発熱部21が素早く着火温度以上に発熱しているため、可燃性混合気中に含まれるガス化燃料が高温発熱部21に触れて多点着火し、直ちに火炎が拡散して燃焼が開始され、下流側の燃焼室6内で燃料が完全燃焼する。なお、定常燃焼時では、燃焼室6における燃焼熱を触媒燃焼部4が受けるため、触媒燃焼部4の通電を停止しても、触媒燃焼部4が触媒活性温度以上に維持され、自立安定燃焼を継続する。 【0025】そして、燃焼室6内で燃焼完結した高温の燃焼ガスは、図示しない熱交換器を介してエンジン冷却水等の熱媒体液を加熱して外部へ排気ガスとして排出される。一方、燃焼ガスによって加熱された高温の熱媒体液は図示しないウォーターポンプによって室内空調装置のヒータコアに送られる。そして、このヒータコアを通過する空気が温められて室内に吹き出され、車室内を暖房する。 【0026】〔実施形態の効果〕この実施形態では、複数の高温発熱部21が触媒燃焼部4の下流側に露出しており、その位置で触媒燃焼部4を通過したガス化燃料と、触媒燃焼部4の下流側に供給される2次空気とが会合して混合するとともに、その下流側の高温発熱部21でも混合気が接触可能になるので、早期に確実に着火できる。この結果、触媒燃焼部4のヒートアップの即効性の向上と、着火遅れに起因する未燃焼ガスの排出を抑制できる。 【0027】着火後は、2次空気吹出口9から吹き込まれた2次空気が触媒燃焼部4に衝突して乱流が発生し、ガス化燃料と2次空気とが逐次混合して均一な可燃混合気を作り、燃焼室6内における燃焼性が向上し、燃焼室6内で燃料が燃焼完結する。また、上記で示したように、触媒燃焼部4では空気供給不足による低温燃焼が行われるため、触媒の過熱が防がれ、長期に亘って安定して触媒燃焼を行うことができる。さらに、触媒燃焼部4が1段で済み、触媒燃焼部4で活性化された未燃焼燃料を完全に燃焼するシンプルな構成を採用するものであるため、触媒燃焼装置の小型化が可能になり、低コスト化が可能になる。 【0028】〔第2実施形態〕図4は巻回前のハニカム層15を示す斜視図である。この第2実施形態は触媒燃焼部4の上流側と下流側の双方に高温発熱部24、25を設けたものである。上流側の高温発熱部24は、通電開始初期において、他の部分に先行して素早く触媒の活性温度(例えば300℃以上)に達するものであり、その下流側に設けられた高温発熱部25は、通電開始初期において、他の部分に先行して素早く着火温度(例えば700〜800℃以上)に達するものである。 【0029】この高温発熱部24、25は、ハニカム層15を構成する平板13に打抜穴26を設けて形成したものである。このように平板13に打抜穴26を設けることにより、平板13を流れる電流は、高温発熱部24、25に集中して流れることになり、上流側の高温発熱部24の温度は軸方向長L2 によって設定され、下流側の高温発熱部25の温度は軸方向長L3 によって設定される。 【0030】このように設けられることにより、通電開始初期において、上流側の高温発熱部24を通過する混合気が触媒反応を急速に起こす。その結果、触媒反応熱で触媒燃焼部4の全体の触媒が温められるため、触媒燃焼部4を通過する混合気のガス化反応と発熱が加速的に進行し、低電力でも瞬時着火が可能になる。また、着火時間の短縮によって、フル燃焼到達時間も短縮でき、クリーンな燃焼を短時間に実現できる。 【0031】〔変形例〕上記の実施形態では、触媒燃焼部4の中心を略円錐状に下流側へ突出させた例を示したが、1段あるいは複数段など段階的に下流側へ突出させても良い。上記の実施形態では、気化器7を用いて液体燃料を気化させた後に触媒燃焼させた例を示したが、ガス燃料等を予混合室5に供給するように設けたり、燃料噴射装置によって霧化した燃料を予混合室5内に供給するように設けても良い。上記の実施形態では、触媒燃焼装置を自動車の暖房装置に用いた例を示したが、家庭用の暖房装置、給湯装置、乾燥機、工業用のバーナなど他の燃焼装置に適用しても良い。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004260 【氏名又は名称】株式会社デンソー
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| 【出願日】 |
平成11年8月31日(1999.8.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080045 【弁理士】 【氏名又は名称】石黒 健二
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| 【公開番号】 |
特開2001−65815(P2001−65815A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月16日(2001.3.16) |
| 【出願番号】 |
特願平11−245609 |
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