| 【発明の名称】 |
難燃性燃料の燃焼方法及び装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】井川 郁男
【氏名】田仲 隆
【氏名】本田 正吾
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| 【要約】 |
【課題】難燃性燃料の燃焼効率を一層向上させるようにした難燃性燃料の燃焼方法及び装置を提供する。
【解決手段】バーナ4を介し噴霧される難燃性燃料を、摂氏1100度以上に急速加熱させる前炉5を介し燃焼させるようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】難燃性燃料を燃焼する燃焼方法において、バーナ部から供給される難燃性燃料とこれを噴霧させる噴霧媒体との混合流体を、被加熱流体を加熱する熱交換部を有する主燃焼室に導入する前に予め摂氏1100度以上の燃焼雰囲気温度で燃焼することを特徴とする難燃性燃料の燃焼方法。 【請求項2】主燃焼室に導入する前に予め摂氏1100度以上の燃焼雰囲気温度で燃焼する場所がバーナ部と主燃焼室との間に設けた断熱壁構造の前炉内であることを特徴とする請求項(1)記載の難燃性燃料の燃焼方法。 【請求項3】前記難燃性燃料が常温で固体の可燃物と水とのスラリー燃料であることを特徴とする請求項(1)または(2) 記載の難燃性燃料の燃焼方法。 【請求項4】前記難燃性燃料が、石炭、超重質油、石油系溶剤脱歴残渣、石油分解残渣、石油コークス、合成樹脂、カーボンのうちの少なくとも一つを水に分散させたスラリー燃料であることを特徴とする請求項(1)または(2) 記載の難燃性燃料の燃焼方法。 【請求項5】難燃性燃料を主燃料として被加熱流体を加熱する燃焼装置であって、前記難燃性燃料とこれを噴霧させる噴霧媒体との混合流体を噴霧および燃焼するバーナ部と、被加熱流体を加熱する熱交換部を有する主燃焼室と、該主燃焼室と前記バーナ部との間に配設され、該バーナ部から噴霧される前記混合流体の燃焼雰囲気温度を摂氏1100度以上にすることが可能な断熱壁構造の前炉とを具えたことを特徴とする難燃性燃料の燃焼装置。 【請求項6】前記難燃性燃料が常温で固体の可燃物と水とのスラリー燃料であることを特徴とする請求項(5)記載の難燃性燃料の燃焼装置。 【請求項7】前記難燃性燃料が、石炭、超重質油、石油系溶剤脱歴残渣、石油分解残渣、石油コークス、合成樹脂、カーボンのうちの少なくとも一つを水に分散させたスラリー燃料であることを特徴とする請求項(5)記載の難燃性燃料の燃焼装置。 【請求項8】前記バーナ部には冷却手段が配設されていることを特徴とする請求項(5) 記載の難燃性燃料の燃焼装置。 【請求項9】前記冷却手段は冷却空気が通過するエアージャケットであることを特徴とする請求項(5) 記載の難燃性燃料の燃焼装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、石炭、石油残渣等を主燃料とする難燃性燃料を効率良く燃焼させるようにした難燃性燃料の燃焼方法及び装置に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、石炭、石油残渣等を主燃料とする燃料は難燃性燃料であり、このような難燃性燃料を例えば水冷壁構造の燃焼室(ボイラー)内で燃焼させる場合、従来では、難燃性燃料および、この難燃性燃料を噴霧させる蒸気等の噴霧媒体とを混合させた混合流体を噴射する主燃料バーナを主要構成要素とする燃焼装置を使用するとともに、この燃焼装置を上述した燃焼室に隣接して配置し、この燃焼装置の主燃料バーナから噴出される火炎と燃焼ガスを直接水冷壁構造の燃焼室内に噴射させて当該燃焼室を加熱させるようにしていた。 【0003】なお、上述した蒸気等の噴霧媒体は難燃性燃料の微粒化と空気との混合を促進し、その燃焼効率を向上させるために使用されるものである。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した、主燃料バーナから噴射される主燃料の火炎と燃焼ガスを直接水冷壁構造の燃焼室内に噴射させる従来の方法においては、発生する燃焼熱を水冷壁内を通過する被加熱流体に賦与して被加熱流体を加熱することを目的としているため、必然的に燃焼室内の雰囲気温度が断熱火炎温度より大きく低下していた。このとき、主燃料の燃焼性がよいほど、燃焼室雰囲気における許容できる温度低下の程度を大きく出来た。しかし本発明が対象とする石炭、石油残渣等の難燃性物質を主燃料とするときは、燃焼室雰囲気温度が低いと、難燃性燃料と噴射媒体との混合流体中の成分のうち、水分および燃焼に寄与する揮発分の蒸発が遅く、即ち難燃性燃料中の水分の蒸発とそれに続く燃焼プロセスの進行が遅くなり、そのため難燃性燃料の燃焼性が悪くなる難点があった。 【0005】即ち、燃焼室雰囲気温度が低いと、また難燃性燃料と噴霧媒体との混合流体の加熱速度が遅くなり、主燃料バーナから噴射される難燃性燃料と噴霧媒体との混合流体中の成分のうち、水分の蒸発時に難燃性燃料中の可燃物が凝集し易く、このため難燃性燃料の燃焼効率が低下する難点があることを見出だした。 【0006】さらに、完全燃焼に一層時間を要する難燃性燃料の場合は、燃焼ガスが直接水冷壁構造の燃焼室内に噴射されるので、その燃焼ガスが直ちに温度の低い燃焼室冷却壁で冷却され、そのため十分な燃焼を達成できず、未燃焼物を生成する難点もあった。 【0007】なお、上述した各難点を解決するため、従来では燃焼性の良い重油等の助燃料を難燃性燃料と混焼する方法も採用されているが、難燃性燃料の場合は完全な解決には至らなかった。 【0008】この発明は上述した事情に鑑み、難燃性燃料の燃焼効率を一層向上させるようにした難燃性燃料の燃焼方法及び装置を提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】上述した課題を解決するため、この発明の難燃性燃料の燃焼方法では、バーナ部から供給される難燃性燃料とこれを噴霧させる噴霧媒体との混合流体を、被加熱流体を加熱する熱交換部を有する主燃焼室に導入する前に予め摂氏1100度以上の燃焼雰囲気温度で燃焼させるようにしている。 【0010】また、この発明の難燃性燃料の燃焼装置では、難燃性燃料を主燃料として被加熱流体を加熱する燃焼装置であって、前記難燃性燃料とこれを噴霧させる噴霧媒体との混合流体を噴霧および燃焼するバーナ部と、被加熱流体を加熱する熱交換部を有する主燃焼室と、該主燃焼室と前記バーナ部との間に配設され、該バーナ部から噴霧される前記混合流体の燃焼雰囲気温度を摂氏1100度以上にすることが可能な断熱壁構造の前炉とを具えている。 【0011】 【発明の実施の形態】この発明は難燃性燃料の燃焼性を改良するための難燃性燃料の燃焼方法及び装置に関する。 【0012】一般に炭化水素燃料はその燃料を構成する化合物の平均分子量が大きくなるほど、また炭素含有率が高くなるほど、その燃焼性は悪くなる。通常用いられる石炭類や石油類等の歴青質燃料においては、平均分子量が大きく、また炭素含有率が高いことは、その化学構造の芳香族化度が高く、さらにその芳香族環構造の縮合度も高く、その結果として化学的安定性が高くなっていることを意味する。従って、平均分子量が大きく炭素含有率が高い化合物で構成される燃料においては、その酸素との化学反応である燃焼反応が起こりにくいため、難燃性を示すと考えられている。また燃料構成物質の平均分子量が大きくなり、炭素含有率が高くなるに伴い、その燃料の流動性は低くなり、液状燃料であってもその粘度は著しく高くなるか、あるいは固体燃料としてしか存在できなくなる。 【0013】このような、性状をもつ化合物の蒸気圧は極めて低く、そのためその着火性も極めて悪くなるのが一般的である。本発明が対象とする難燃性燃料とは上述したように、燃料構成物質の高い平均分子量あるいは高い炭素含有率に起因して、その着火性および燃焼性が悪い燃料であり、代表的な例として石炭、石油蒸留残渣油、石油溶剤脱歴残渣、石油系分解残渣、石油系コークス、天然ビチューメン、合成樹脂、合成ゴム、カーボン等を主成分とする燃料である。また、上述の燃料は常温で固体状であるため、その取扱いが難しい面があったが、最近になり、これらの固体燃料の水スラリー化技術が開発され、市販重油と同等の流動性を持たせることができるようになった。従って、本発明の好ましい適用対象としては難燃性燃料が石炭、石油蒸留残渣油、石油溶剤脱歴残渣、石油系分解残渣、石油系コークス、天然ビチューメン、合成樹脂、合成ゴム、カーボンの内の少なくとも一つを水に分散させたスラリー燃料である。本発明に適用される難燃性燃料の具体的形態の例を以下に示す。 【0014】石炭:石炭−水スラリー(CWM:Coal−Water Mixture)燃料。 【0015】超重質油:豊富な資源量で埋蔵されているオリノコビチューメンやタールサンド油で代表される常温で固体の天然ビチューメン類を水に分散させたビチューメン−水スラリー燃料。また、これらの天然ビチューメンを熱分解、水素化分解、あるいはコーキング処理した後、生成した軽質分を除去した残渣を水に分散させた水スラリー燃料。 【0016】石油蒸留残渣油:石油精製工程で得られる減圧蒸留残渣油、例えば、典型的な油種であるアラビアン・ヘビーの減圧蒸留残渣油は摂氏59度以下では固体状であり、加熱分解時の残留炭素(コンラドソン・カーボン)は27重量パーセントに達する。 【0017】石油溶剤脱歴残渣:超重質油、石油精製工程において得られる常圧蒸留残渣油あるいは減圧蒸留残渣油等をパラフィン系溶剤等で溶剤抽出して脱歴油を得るときに残留する石油溶剤脱歴残渣を水に分散させた石油溶剤脱歴残渣−水スラリー(RWM:Residual−Water Mixture)燃料。ここで、石油溶剤脱歴技術としては超臨界条件下のプロパン等を抽出溶剤とする超臨界溶剤抽出法等が上げられる。 【0018】石油分解残渣:超重質油、石油精製工程において得られる常圧蒸留残渣油あるいは減圧蒸留残渣油等を熱分解あるいは水素化分解処理して軽質油を製造するときに、処理油から軽質油を分離して得られる常温で固体の分解残渣を水に分散させた、石油分解残渣−水スラリー燃料。なお、常温で固体の分解油残渣は熱分解タールあるいは熱分解ピッチとも呼ばれる。 【0019】石油コークス等炭素状可燃物:石油蒸留残渣油を過酷な条件で熱分解するときに、副生する炭素分に富んだコークスを水に分散させたコークス−水スラリー燃料。石油コークスはディレードコーキングプロセスやフルードコーキングプロセスで製造される。また、石油コークス以外にいわゆるチャー等の炭素状物質の水スラリー燃料へも適用可能。 【0020】合成樹脂:いわゆる、プラスチック廃棄物の燃料化が上げられる。例えば、電線被覆材は使用環境下における変質を防止するために、架橋重合により三次元網目構造をとる架橋ポリエチレンとカーボンブラック等から構成される非常に安定な材料であるが、この粉砕物と水とのスラリー燃料。なお、プラスチックの微粉砕技術としては凍結粉砕法が上げられる。 【0021】以下、この発明に係わる難燃性燃料の燃焼方法及び装置の一実施例を、給水加熱管で構成する水冷壁構造の火炉(燃焼室)をもつボイラーを例に詳述する。 【0022】図1はこの発明に係わる難燃性燃料の燃焼装置1を示す概念図で、特にこの燃焼装置1を、図1のXX概念断面図で示す図2のように、燃焼室内壁面に冷却水を通過させるボイラ給水加熱用熱交換部である水冷管2を囲繞させて配置した水冷壁構造の火炉3に連設させた状態を示している。 【0023】この燃焼装置1は、図1の要部拡大断面図で示す図3のように、石炭、石油残渣等を主燃料とする難燃性燃料と、このような難燃性燃料の微粒化と空気との混合を促進し、その燃焼効率を向上させる蒸気等の噴霧媒体とを混合させた混合流体を噴射する2流体バーナ4と、難燃性燃料の燃焼を補助するための燃焼性の良い重油等と噴霧媒体とを混合した助燃料を噴霧する助燃バーナ40と、この助燃バーナ40から噴霧された助燃料に点火する点火バーナ7と、前記2流体バーナ4の先端が嵌挿する断熱壁構造の前炉5とから構成されている。 【0024】なお、上述した2流体バーナ4、助燃バーナ40、点火バーナ7とによりバーナ部41が構成される。 【0025】この前炉5内には、前記二流体バーナ4の先端を嵌挿する導入孔5aが形成され、この導入孔5aに連設して径が拡大した大径孔5bが形成されている。 【0026】また、この前炉5内には上述した大径孔5bの先端に燃焼ガスを噴出する噴出孔5cが連設されており、この噴出孔5cは、前記水冷壁構造の火炉3の燃焼ガス導入孔3a内に臨んで配設されている。 【0027】一方、前記前炉5の後端5dには、一時空気Aを導入するウインドボックス6が配設されている。 【0028】このウインドボックス6内には、前述した二流体バーナ4、助燃バーナ40、点火バーナ7とからなるバーナ部41が位置決め固定されている。 【0029】また、上述したウインドボックス6の上方には燃焼用空気を供給する第1のエアーダクト8が連設されており、この第1のエアーダクト8を介して案内された一次空気Aの一部は、ウインドボックス6の後端6aに配設された角度調整可能な複数枚の旋回羽根からなるエアレジスタベーン9を介し、その旋回程度が調整されて前炉5の導入孔5a側へ供給される。 【0030】一方、前記前炉5の先端側には二次空気Bを導入する第2のエアーダクト10が設けられ、この第2のエアーダクト10を介して供給された二次空気Bは、前炉5に穿設された二次空気噴出孔11を介し前炉5の大径孔5b内に供給される。さらに、前記前炉5の先端側には三次空気Cを供給する第3のエアーダクト12が配設され、この第3のエアーダクト12を介して供給された三次空気Cは、前炉5に穿設された三次空気噴出孔13を介し火炉3の燃焼ガス導入孔3a内に供給されるように構成されている。 【0031】なお、前記第1乃至第3のエアーダクト8、10、12へは図示せぬ押し込み通風機から燃焼用空気が供給され、さらにこのエアーダクト8、10、12へ供給される一次空気A、二次空気B、三次空気Cへの空気供給量の分配比は前記第1乃至第3のエアーダクト8、10、12内に配設されたダンパー100、101、102、103の開度を調節して行われる。 【0032】次に、上述した燃焼装置1の作用を説明する。 【0033】図3で示すように、バーナ部41による、燃焼工程は、まず最初にLPG等を燃料とする点火バーナ7に着火し、その後、助燃バーナ40から助燃料を噴霧して、当該助燃料を燃焼させる。 【0034】なお、助燃バーナ40から噴霧される助燃料の燃焼が安定すると点火バーナ7への燃料の供給を停止する。 【0035】次に、助燃バーナ40から噴霧される助燃料の燃焼を維持して前炉5と火炉3の温度を上昇させ、前炉5内の燃焼温度がある特定の温度領域に達した時点で、二流体バーナ4から難燃性燃料と噴霧媒体とを混合させた混合流体の噴霧を開始し、当該難燃性燃料の燃焼を開始させる。 【0036】次に、当該難燃性燃料の燃焼開始後、その燃焼性が十分でないと判断した場合は助燃料の燃焼をさらに持続して難燃性燃料の完全燃焼を維持し、また、当該難燃性燃料の燃焼開始後、その燃焼性が十分で自燃可能であると判断した場合は助燃料の供給を停止する。 【0037】本発明において、難燃性燃料とこれを噴霧させる噴霧媒体との混合流体を、主燃焼室である火炉3に導入する前に予め前炉5で摂氏1100度以上に加熱するが、摂氏1100度以上に加熱する手段は、特に限定なく、例えば助燃料の燃焼、酸素富化空気の供給、加熱空気の供給等の任意の手段の組み合わせで良い。 【0038】本願の発明者は上述した燃焼装置1における難燃性燃料の燃焼実験を繰り返した結果、二流体バーナ4から難燃性燃料の噴霧を開始するときの前炉5内の温度と、その温度における難燃性燃料の燃焼効率との関係について、助燃料による助燃を継続し、あるいは助燃料の供給を途中停止した場合のいずれの場合でも、前炉5内の燃焼雰囲気温度が摂氏1100度以上であれば、二流体バーナ4から噴霧される難燃性燃料の燃焼効率が80%以上を達成することを発見した。 その具体的な実験結果を図4の別表に示す。 【0039】なお、実験では主燃料としての難燃性燃料は石油減圧蒸留残渣油を溶剤抽出して残存した残渣(アスファルテン)を70重量パーセント含む石油残渣−水スラリー(RWM)を用いた。 【0040】図4の別表で、試験番号1は、バーナシステムを二流体バーナ/助燃途中停止、かつ前炉5を設けない場合であり、二流体バーナ4から噴霧した難燃性燃料を助燃料の助燃焼により燃焼させた後、当該助燃を途中停止させ、難燃性燃料の燃焼ガスを直接水冷壁構造の火炉(水冷壁テスト炉)3内に導入する場合の、当該火炉3内における難燃性燃料の燃焼ガス最高温度と、その燃焼効率とを調べた。 【0041】その結果は別表の第1欄で示すように、その火炉3内におけるガス最高温度は摂氏1000度以内で、難燃性燃料の燃焼効率は60乃至70%であり、その燃焼効率が著しく低いことが判明した。 【0042】次に、試験番号2は、二流体バーナ/助燃途中停止、かつ前炉5を設けた場合で、図3で示す助燃バーナ40から噴霧される助燃料を燃焼させ、それにより前炉5の炉内温度を上昇させ、その炉内温度を最高摂氏1100乃至1300度に上昇させた後、二流体バーナ4から難燃性燃料(図3の矢印F)を噴霧させて燃焼させ、その後、助燃料による助燃焼を途中停止して難燃性燃料を自燃させた場合の、前記火炉3内における難燃性燃料の燃焼ガス(図3の矢印G)の最高温度と、その燃焼効率を調べた。 【0043】その結果は別表の第2欄で示すように、火炉(水冷壁テスト炉)3内における難燃性燃料の燃焼ガス(図3の矢印G)のガス最高温度は摂氏850乃至900度以内で、難燃性燃料の燃焼効率が80乃至90%となり、前炉5を設けて、かつその炉温を摂氏1100度以上に維持することにより、難燃性燃料の燃焼効率が著しく向上することが判明した。 【0044】次に、試験番号3は、バーナシステムを二流体バーナ/助燃継続、かつ前炉5を設けない場合であり、二流体バーナ4から噴霧した難燃性燃料を助燃料の助燃により燃焼させた後も、当該助燃を継続し、難燃性燃料の燃焼ガスを直接水冷壁構造の火炉3内に導入する場合の、前記燃焼室(水冷壁テスト炉)3内における難燃性燃料の燃焼ガス最高温度と、その燃焼効率とを調べた。 【0045】その結果は、別表の第3欄で示すように、その燃焼室(水冷壁テスト炉)3内におけるガス最高温度は摂氏1100度以内で、その燃焼効率は70乃至80%であり、助燃を継続するだけでは、難燃性燃料の燃焼効率があまり上がらないことが確認された。 【0046】一方、試験番号4は、図3の実施例のように、二流体バーナ/助燃継続、かつ前炉5を設けた場合であり、助燃バーナ40から噴霧される助燃料を燃焼させ、それにより前炉5の炉内温度を上昇させ、その炉内温度を最高摂氏1100乃至1300度に上昇させた後、二流体バーナ4から難燃性燃料(図3の矢印F)を噴霧させて燃焼させた後も、助燃料による助燃を継続した場合の、前記火炉3内における難燃性燃料の燃焼ガス(図3の矢印G)の最高温度と、その燃焼効率を調べた。 【0047】その結果は表の第4欄で示すように、火炉3内における燃焼ガス(図3の矢印G)のガス最高温度は摂氏900乃至950度以内で、その燃焼効率は90乃至100%で、その燃焼効率が著しく向上した結果となった。 【0048】上述した図4の別表で示す実験結果から明らかなように、二流体バーナ4から難燃性燃料の噴霧を開始するときの前炉5内の温度と、その温度における難燃性燃料の燃焼効率との関係について、助燃料による助燃を継続し、あるいは助燃を途中停止した場合のいずれの場合でも、前炉5内の雰囲気温度を摂氏1100度以上に保持して難燃性燃料を急速加熱させて燃焼させると、いずれの場合も、著しくその燃焼効率が向上することが判明した。 【0049】このように、前炉5を使用して摂氏1100度以上に加熱させて燃焼させると、難燃性燃料の燃焼効率が著しく向上する理由は、図5で示す難燃性燃料の燃焼プロセスで示すように、二流体バーナ4から難燃性燃料Hを噴霧すると、当該難燃性燃料Hが水と石油の残渣等とが集合した単一滴20になるが、この単一滴20が前炉5により摂氏1100度以上に加熱されると、水分が急激に蒸発して単一滴20が細かく分散し、これにより難燃性燃料の粒子21の周囲に揮発分22が大量に拡散して燃焼しやすい環境となるので、揮発分22の燃焼が促進され、その後、各細かい粒子21がすなわちチャー燃焼に移行し、それが完全燃焼して燃焼灰となると考えられる。 【0050】これに対し、従来では、図5で示すように、単一滴20が高温に加熱されないため水分が急激に蒸発することなく、逆に単一滴20内で各粒子21が互いに凝集して分散にくい環境となり、これにより凝集し大型化した難燃性燃料の粒子21の周囲に揮発分22の拡散が進まず燃焼しにくい環境となる。その結果、大型化した粒子21がチャー燃焼に移行しても粒子21が大型化しているため燃焼しにくく未燃分が残留するから、燃焼効率が向上しないと考えられる。 【0051】なお、上述した難燃性燃料を摂氏1100度以上に加熱する場合、実験では前炉5を高燃焼室負荷のコンパクトな炉、例えば、前炉5を燃焼室負荷 200×(10の4乗)Kcal/立方メートル・h以上が可能な炉で運転すると難燃性燃料の燃焼効率が向上することが確認された。 【0052】なお、上記実施例において、図2に示す第1のエアーダクト8を介して供給される一次空気A、第2のエアーダクト10を介して供給される二次空気B、および第3のエアーダクト12を介して供給される三次空気Cは、空気予熱器、あるいは火炉3の炉廃熱回収により回収することが可能な熱による加熱空気を利用することも可能である。 【0053】この場合、火炉3の炉廃熱回収により回収された熱による摂氏300度以上の加熱空気を、各エアーダクト8、10、12へ供給することにより燃焼が改善されて、より迅速に前炉5を摂氏1100度以上に急速加熱することができ好ましい。 【0054】なお、上述した実施例では、図3に示すように前炉5の導入孔5a内に臨むように難燃性燃料と噴霧媒体とを混合させた混合流体を噴射する二流体バーナ4を配設する構造であるから、高温に保持された前炉5の輻射熱や燃焼用熱空気により、二流体バーナ4が加熱され、当該二流体バーナ4内を通過する難燃性燃料の水分が蒸発して、その固形分が乾燥固化し、これにより二流体バーナ4の難燃性燃料の通路や噴射ノズル等が閉塞する虞がある。 【0055】そこで、上述した難燃性燃料の固形分が二流体バーナ4内で乾燥固化することを防止するため、図3と同一部分を同一符号で示す図6のように、二流体バーナ4の周囲に、当該二流体バーナ4を冷却する冷却手段25を配設するようにしても良い。 【0056】この冷却手段25は、実施例では冷却空気が通過するエアージャケット30で構成され、このエアージャケット30内を通過する冷空気Iにより二流体バーナ4の加熱を防止するようにしている。 【0057】この図6では、送風ファン31から送風された冷空気Iは、ダクト32を介してエアージャケット30内へ供給され、そこで二流体バーナ4の冷却を図った後、二流体バーナ4の前方から前炉5内に燃焼用の一次空気として供給される。 【0058】また送風ファン31から送風された冷空気Iは、ダクト33を介して空気予熱器34に供給され、そこで加熱された後、ダクト35を介してウインドボックス6へ供給され、そこから一時空気Aとして、前炉5内に供給される。また、空気予熱器34により加熱された空気はダクト36を介して前炉5の二次空気噴出孔11へ供給され二次空気Bとなる。さらに、空気予熱器34により加熱された空気はダクト37を介して前炉5の三次空気噴出孔13へ供給され三次空気Cとなる。 【0059】なお、上記実施例では、二流体バーナ4を冷却する冷却手段25を冷空気Iを通過させるエアージャケット30で構成するようにしたが、この発明は上記実施例に限定されることなく、この冷却手段25を冷却水等の冷媒を通過させるジャケットで構成してもよく、その場合は火炉3の冷却水管2(図1)に供給されるボイラ給水を冷却水として利用するようにしても良い。 【0060】なお、上記実施例では、難燃性燃料と噴霧媒体の二流体を噴霧する二流体バーナ4と助燃料を噴霧する助燃バーナ40とを使用するようにしたが、この発明は上記実施例に限定されることなく、このような二流体バーナ4と助燃バーナ40とを一本にまとめた、いわゆる三流体バーナを使用するようにしてもよい。 【0061】 【発明の効果】以上説明したように、この発明の難燃性燃料の燃焼方法では、バーナ部から噴霧される、石炭、石油残渣等を主燃料とする難燃性燃料を燃焼室に導入する前に予め摂氏1100度以上に加熱させるようにしたので、難燃性燃料中に含有する水分や揮発分を急速に蒸発させることができ、その結果、石炭や石油残渣等の難燃性物質を微粒化して拡散した揮発分中に分散させて燃焼しやすい環境とすることができ、このため難燃性燃料の燃焼効率を大幅に向上させることができる。また、この発明の難燃性燃料の燃焼装置では、バーナ部を介し噴霧される難燃性燃料を、摂氏1100度以上に加熱させる前炉を介し燃焼させるようにしたから、難燃性燃料の燃焼効率を大幅に向上させ、かつ燃焼効率を大幅に向上させた難燃性燃料の燃焼装置をコンパクトに提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004411 【氏名又は名称】日揮株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年8月25日(1999.8.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100071054 【弁理士】 【氏名又は名称】木村 高久
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| 【公開番号】 |
特開2001−65814(P2001−65814A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月16日(2001.3.16) |
| 【出願番号】 |
特願平11−238307 |
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