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【発明の名称】 噴霧式燃焼装置
【発明者】 【氏名】吉川 秀一

【要約】 【課題】燃料拡散板の脱落を防止し、故障の少ない噴霧式燃焼装置の開発を課題とする。

【解決手段】燃料拡散部材60の両端部分には取付け部63が形成されている。取付け部63は、水平部64を持ち、さらに水平部64にはネジ挿通開口が設けられている。水平部64の先端は延長されて折り返し部が設けられ、燃料拡散部材60の取付け部63が鉤状を成す。燃料拡散板60の折り返し部65が開口からエアーガイド16の裏面側に回り込み、裏面側と係合して燃料拡散板60の落下を防ぐ。またエアーガイド16の裏面側において、燃料拡散板60の折り返し部65の端部がネジと接触し、ネジ山と係合するので、ネジ50の回転や抜け落ちが防止される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 燃料噴霧ノズルを内蔵した燃料噴霧部と、燃料拡散部材を備え、燃料拡散部材は燃料噴霧部の下流側にあって、所定の固定部材に締結要素によって取り付けられている噴霧式燃焼装置において、燃料拡散部材は固定部材と係合する係合部を有していることを特徴とする噴霧式燃焼装置。
【請求項2】 燃料噴霧ノズルを内蔵した燃料噴霧部と、燃料拡散部材を備え、燃料拡散部材は燃料噴霧部の下流側にあって、所定の固定部材に取り付けられている噴霧式燃焼装置において、固定部材には開口又は切り欠きと、ネジ挿通穴が設けられ、燃料拡散部材の固定部材に対する取付け部位にはネジ挿通穴と折り返し部が設けられ、当該折り返し部は、前記開口又は切り欠きから固定部材のネジ挿通穴の裏面側に回り込み、両者のネジ挿通穴にネジが挿通されて燃料拡散部材が固定部材に固定されると共に、燃料拡散部材の折り返し部がネジ挿通穴の裏面側においてネジと接触していることを特徴とする噴霧式燃焼装置。
【請求項3】 加熱雰囲気に置かれるつり下げ状構造物を、所定の固定部材に取り付ける取付構造において、固定部材には開口又は切り欠きと、ネジ挿通穴が設けられ、つり下げ状構造物の固定部材に対する取付け部位にはネジ挿通穴と折り返し部が設けられ、当該折り返し部は、前記開口又は切り欠きから固定部材のネジ挿通穴の裏面側に回り込み、両者のネジ挿通穴にネジが挿通されてつり下げ状構造物が固定部材に固定されると共に、つり下げ状構造物がネジ挿通穴の裏面側においてネジと接触していることを特徴とするつり下げ状構造物の取付構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、給湯器等に使用される噴霧式燃焼装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】給湯器等においては、石油等の液体燃料を噴霧して燃焼させる噴霧式燃焼装置が多用されている。またこの種の噴霧式燃焼装置の一つとして、その本体部に燃料攪拌部材が取り付けられたものが知られている。以下、従来技術について説明する。
【0003】図5は、従来技術の噴霧式燃焼装置を採用した給湯器の断面図である。図6は、図5の噴霧式燃焼装置の燃料拡散部材の取付け部分の断面図および分解断面図である。かかる従来の給湯装置100は、図に示すように、噴霧式燃焼装置の本体2に、銅板等によって角筒状に構成された燃焼ケース3と、該燃焼ケース3内の下部に内蔵された熱交換器5によって構成されている。また噴霧式燃焼装置の本体2の上部には、ファン7が装着されている。
【0004】ここで、噴霧式燃焼装置の本体2は、空気ケース10の中に石油を燃料とするバーナ11が内蔵されたものである。また空気ケース10は、本体箱12の前部に前板13とエアーガイド16がスポット溶接されたものである。空気ケース10先端部分の接合構造は、図6の通りであり、本体箱12の開口フランジ14に、前板13、エアーガイド16が順次取り付けられている。ここで前板13は、図6の様に中心部分に開口が設けられた板体である。また全周部分及び中央の開口部分の周囲には縁部20,21が設けられている。さらに開口の縁部21の端部には、水平部22が形成されている。
【0005】エアーガイド16は、中央に開口が設けられ、図の様に外周水平部25と、垂直部26、内周水平部27、および内周垂直部28が設けられている。そして内周垂直部28の端部、すなわち開口端は、やや折り返されている。また空気ケース10の内部には、仕切り30が設けられている。
【0006】バーナ11は、逆燃式と称される形式であって、下方に向かって火炎を噴射するものである。また、このバーナ11は、液体燃料の燃焼を行ういわゆる二段燃焼筒を用いた燃焼量可変式ガンタイプバーナであって、バーナにおける気流はほぼ下向きである。すなわちバーナ11は、燃料噴射ノズル31を内蔵した端部開放型のノズル収納筒32と当該ノズル収納筒32の開放端に接続された端部開放型の燃焼筒33を備える。また燃焼筒33は、ノズル収納筒32の開放端に接続された第一燃焼筒34と当該第一燃焼筒34にさらに接続された、より大径の第二燃焼筒35からなる。第一燃焼筒34及び第二燃焼筒35には、多数の空気導入口40が設けられている。また燃焼筒33の開口端は、二重に折り返され、水平部45と垂直部46が形成されている。そして当該折り返し部の水平部45に開口38が設けられている。なお当該開口38は、後記する燃料拡散板を冷却するための空気を噴射する穴である。
【0007】バーナ11は、前記した空気ケース10の内部であって、仕切り30によって囲われた部位にある。そしてバーナ11の燃焼筒33の開口端は、エアーガイド16の開口部分に装着されている。具体的には、燃焼筒33の端部の垂直部46と、エアーガイド16の内周垂直部28が合致され、さらにエアーガイド16の先端の折り返し部が燃焼筒33と当接している。
【0008】またさらに噴霧式燃焼装置の本体2の下流側には、燃料拡散板102が取り付けられている。燃料拡散板102は、燃料の攪拌を促進するための部材であり、略棒状をしている。ここで従来技術の噴霧式燃焼装置では、燃料拡散板102の取付け構造は、単にネジ50によるものであった。すなわち従来技術においては、燃料拡散板102は、両端に水平部103を持ち、当該水平部103にネジ挿通開口105が設けられている。一方、エアーガイド16の内周水平部27には、バーリング穴(ネジ挿通開口)51が設けられている。そして燃料拡散板102の水平部103は、エアーガイド16の内周水平部27と合致され、開口105及びバーリング穴51にネジ50が挿通され、燃料拡散板102が固定されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術による噴霧式燃焼装置は、燃料拡散板102を単にネジ50によって固定しているだけであるため、経時変化等によりネジ50が抜け落ちた場合には、燃料拡散板102が脱落し、落下してしまうという問題点があった。すなわち噴霧式燃焼装置の燃料拡散板102は、燃料の圧力が当たってかなりの圧力がかかり、そのため振動も生じてねじが外れやすい。もちろん燃料拡散板102が落下すると、燃焼に異常を来すこととなる。このように燃料拡散板102は、ネジ止めしても外れやすく、万一外れると燃焼に異常を来すので、より確実にネジ固定できる手段が強く望まれていた。
【0010】そこで本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、燃料拡散板102の脱落を防止し、故障の少ない噴霧式燃焼装置の開発を課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】そして上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、燃料噴霧ノズルを内蔵した燃料噴霧部と、燃料拡散部材を備え、燃料拡散部材は燃料噴霧部の下流側にあって、所定の固定部材に締結要素によって取り付けられている噴霧式燃焼装置において、燃料拡散部材は固定部材と係合する係合部を有していることを特徴とする噴霧式燃焼装置である。ここで締結要素とは、ネジ、鋲その他のものを含む概念である。
【0012】本発明の噴霧式燃焼装置では、燃料拡散部材は固定部材と係合する係合部を有している。そのため仮にネジ等が外れても、係合部が固定部材との係合を維持し、燃料拡散部材の脱落を防ぐ。
【0013】また同様の課題を解決するための請求項2に記載の発明は、燃料噴霧ノズルを内蔵した燃料噴霧部と、燃料拡散部材を備え、燃料拡散部材は燃料噴霧部の下流側にあって、所定の固定部材に取り付けられている噴霧式燃焼装置において、固定部材には開口又は切り欠きと、ネジ挿通穴が設けられ、燃料拡散部材の固定部材に対する取付け部位にはネジ挿通穴と折り返し部が設けられ、当該折り返し部は、前記開口又は切り欠きから固定部材のネジ挿通穴の裏面側に回り込み、両者のネジ挿通穴にネジが挿通されて燃料拡散部材が固定部材に固定されると共に、燃料拡散部材の折り返し部がネジ挿通穴の裏面側においてネジと接触していることを特徴とする噴霧式燃焼装置である。
【0014】本発明の噴霧式燃焼装置では、燃料拡散部材の固定部材に対する取付け部位に折り返し部が設けられており、当該折り返し部が、固定部材に設けられた開口又は切り欠きから本体のネジ挿通穴の裏面側に回り込む。そのため本発明の噴霧式燃焼装置では、燃料拡散部材の折り返し部が、ネジ挿通穴の周辺部分と係合する。そのため仮にネジが外れても、係合部が固定部材との係合を維持し、燃料拡散部材の脱落を防ぐ。加えて本発明の噴霧式燃焼装置では、燃料拡散部材の折り返し部がネジ挿通穴の裏面側においてネジと接触している。そのため本発明の噴霧式燃焼装置では、燃料拡散部材の折り返し部がネジの回り止めや抜け止めとしての機能を果たす。
【0015】また請求項3に記載の発明は、加熱雰囲気に置かれるつり下げ状構造物を、所定の固定部材に取り付ける取付構造において、固定部材には開口又は切り欠きと、ネジ挿通穴が設けられ、つり下げ状構造物の固定部材に対する取付け部位にはネジ挿通穴と折り返し部が設けられ、当該折り返し部は、前記開口又は切り欠きから固定部材のネジ挿通穴の裏面側に回り込み、両者のネジ挿通穴にネジが挿通されてつり下げ状構造物が固定部材に固定されると共に、つり下げ状構造物がネジ挿通穴の裏面側においてネジと接触していることを特徴とするつり下げ状構造物の取付構造である。
【0016】本発明は、前記した請求項2に記載の発明と略同一の作用を有するものであり、つり下げ状構造物は、固定部材に対する取付け部位に折り返し部が設けられており、折り返し部が、ネジ挿通穴の周辺部分と係合する。そのため仮にネジが外れても、係合部が固定部材との係合を維持し、つり下げ状構造物の脱落を防ぐ。また折り返し部がネジ挿通穴の裏面側においてネジと接触しているので、折り返し部がネジの回り止めや抜け止めとしての機能を果たす。
【0017】
【発明の実施の形態】以下さらに本発明の噴霧式燃焼装置の実施形態について説明する。なお、下記の実施形態の噴霧式燃焼装置は、燃料拡散部材とその取付け構造のみが従来技術と異なる。そのため実施形態は、従来技術との相違点の説明に重点を置き、従来技術と同一の構成部品は、従来技術の図面に付した番号と同一の番号を付す等によって重複した説明を省略する。図1は、本発明の実施形態の噴霧式燃焼装置の断面図である。図2は、図1の実施形態で採用する燃料拡散部材の斜視図である。図3は、図1の実施形態で採用する燃料拡散部材の正面図および開口との位置関係を示す説明図である。図4は、図1の噴霧式燃焼装置の燃料拡散部材の取付け部分の断面図とその部分拡大図、及び分解断面図である。
【0018】図1は、本発明の実施形態の噴霧式燃焼装置1を示す。噴霧式燃焼装置1は、従来技術と同様に本体2に燃料拡散部材(つり下げ状構造物)60が取り付けられたものである。本実施形態の噴霧式燃焼装置で採用する燃料拡散部材60は、図2,図3の通りであり、中心に円板部61を持ち、脚部62によって円板部61を支持する構成となっている。また脚部62は、断面形状は「コ」の字状をしている。脚部62は円板部61に対してやや傾斜して取り付けられている。
【0019】燃料拡散部材60の両端部分には取付け部63が形成されている。取付け部63は、従来技術と同様の水平部64を持ち、さらに水平部64にはネジ挿通開口72が設けられている。そして本実施形態で採用する燃料拡散部材60は、さらに水平部64の先端が延長されて折り返し部65が設けられている。
【0020】折り返し部65は、図3の様に、略垂直方向に折り曲げられて垂直部66が形成され、さらに先端部分が約45°内側に向かって傾斜している。また垂直部66と傾斜部67の中間部分には、外側に張出た張出部68が形成されている。この様に本実施形態では、燃料拡散部材60の取付け部63が鉤状を成し、係合部としての機能を果たす。
【0021】一方、本体部側2においては、従来技術と同様にエアーガイド(固定部材)16の内周水平部27に、バーリング穴51が設けられている他、バーリング穴51の外側の部位にスリット状の開口70が形成されている。
【0022】ここで開口70同士の内側の距離A、同外側の距離B、燃料拡散部材60の張出部68間の長さC(燃料拡散部材60の全長)、及び折り返し部65の先端部同士間の長さDの関係は、「C>B」であり、且つ「D<B」である。
【0023】そして本実施形態では、燃料拡散板60の水平部64は、エアーガイド16の内周水平部27と合致されると共に折り返し部65は、開口70からエアーガイド16の裏面側に回り込む(図4 b)。そしてその状態において、図4cの様に燃料拡散板60のネジ挿通開口72及びバーリング穴51にネジ(タッピンスクリュー)50が挿通され、燃料拡散板60はネジ50によってエアーガイド16に一体的に締結される。そして加えて本実施形態では、エアーガイド16の裏面側において、燃料拡散板60の折り返し部65の端部がネジ50のネジ山と接触し、折り返し部65の端部はネジ山と係合する。
【0024】本実施形態の噴霧式燃焼装置では、燃料拡散板60は以上の様な構成により本体に取り付けられるが、本実施形態の噴霧式燃焼装置では、経時変化によっても燃料拡散板60が落下しにくい。すなわち実施形態の噴霧式燃焼装置では、燃料拡散板60の折り返し部65が開口70からエアーガイド16の裏面側に回り込む。そのため折り返し部65の一部が係合部として機能し、エアーガイド16の裏面側と係合し、燃料拡散板60の落下を防ぐ。特に本実施形態においては、燃料拡散部材60の張出部68間の長さC(燃料拡散部材60の全長)が、開口70同士の内側の距離A、同外側の距離Bよりも大きいので、熱変形によって燃料拡散板60が伸びても、燃料拡散部材60は本体との係合を維持することができる。
【0025】また燃料拡散部材60の折り返し部65の先端部同士間の長さDは、開口70同士の内側の距離Aよりも小さいので、燃料拡散部材60と本体との係合は確実であり、仮にねじが外れた場合であってもここで引っ掛け係合され、ただちに燃料拡散部材60が外れてしまうことはない。
【0026】さらに本実施形態では、エアーガイド16の裏面側において、燃料拡散板60の折り返し部65の端部がネジと接触し、ネジ山と係合するので、ネジ50の回転や抜け落ちが防止される。また特に本実施形態では、折り返し部65の先端は、ネジ50の抜け防止方向に傾斜しており、且つ折り返し部65の張出部68が、折り返し部65の弾性機能を増大させるので、ネジ50の抜け落ちを防ぐ効果が顕著である。
【0027】以上説明した実施形態では、エアーガイド16を固定部材として燃料拡散板60を取り付けた構成を例示したが、本発明は、この構成に限定されるものではなく、燃料噴霧ノズルを内蔵した燃料噴霧部の下流側であれば、どの様な部材を固定部材として採用してもよい。また上記した実施形態では、固定部材たるエアーガイド16に開口70を設けたが、開口70に代わって切り欠きを設けても、同様の作用効果を発揮されることができる。
【0028】また上記した実施形態は、加熱雰囲気に置かれるつり下げ状構造物の代表例として燃料拡散板を示したものであるが、本発明は、同様の条件下に置かれる他のつり下げ状構造物を固定部材に取り付ける場合にも採用可能である。
【0029】
【発明の効果】以上説明した様に、請求項1に記載の噴霧式燃焼装置は、燃料拡散部材は固定部材と係合する係合部を有しているため、仮にネジ等が外れても、係合部が固定部材との係合を維持し、燃料拡散部材の脱落を防ぐことができる効果がある。
【0030】また請求項2に記載の噴霧式燃焼装置は、ネジ挿通穴の周辺部分と係合するので、仮にネジが外れても、係合部が固定部材との係合を維持し、燃料拡散部材の脱落を防ぐことができる効果がある。加えて本発明の噴霧式燃焼装置では、燃料拡散部材の折り返し部がネジ挿通穴の裏面側においてネジと接触しているので、燃料拡散部材の折り返し部がネジの回り止めや抜け止めとしての機能を果たし、ネジの脱落を防止して燃料拡散部材の脱落を防ぐことができる効果がある。
【0031】また請求項3に記載のつり下げ状構造物の取付構造についても、請求項2に記載の発明と同様であり、ネジ挿通穴の周辺部分と係合し仮にネジが外れても脱落しない。また加えて、折り返し部がネジの回り止めや抜け止めとしての機能を果たし、ネジの脱落を防止して脱落を防ぐことができる効果がある。
【出願人】 【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
【出願日】 平成11年8月27日(1999.8.27)
【代理人】 【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
【公開番号】 特開2001−65813(P2001−65813A)
【公開日】 平成13年3月16日(2001.3.16)
【出願番号】 特願平11−241948