トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F23 燃焼装置;燃焼方法




【発明の名称】 低NOxラジアントチューブバーナ
【発明者】 【氏名】雫石 伸

【要約】 【課題】筒状の一次燃焼室をラジアントチューブの中央に同軸状に保持して二段燃焼を行う従来のラジアントチューブバーナでは、支持構造が複雑になり、コストアップにつながると共に、バーナのラジアントチューブへの取り付け、取り外し作業が難しくなったり、支持要素による二次空気の流れに対する悪影響が生じたり、一次/二次空気量(一次/二次空気通過面積)の調節が困難であるという課題があった。

【解決手段】そこで本発明では、バーナの燃料供給部5及び燃焼用空気供給部4の前方のラジアントチューブ1内に耐火仕切板6を挿入して、この耐火仕切板により区画される第1、第2の空間を構成し、第1の空間7に燃料供給部からの燃料を供給するように配置して一次燃焼室として構成すると共に、第2の空間8を二次空気流路として構成した低NOxラジアントチューブバーナを提案する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 バーナの燃料供給部及び燃焼用空気供給部の前方のラジアントチューブ内に耐火仕切板を挿入して、この耐火仕切板により区画される第1、第2の空間を構成し、第1の空間に燃料供給部からの燃料を供給するように配置して一次燃焼室として構成すると共に、第2の空間を二次空気流路として構成したことを特徴とする低NOxラジアントチューブバーナ【請求項2】 バーナの燃料供給部及び燃焼用空気供給部の前方のラジアントチューブの内壁に耐火断熱材の筒体を装置すると共に、筒体内に耐火仕切板を挿入して、この耐火仕切板により区画される第1、第2の空間を構成し、第1の空間に燃料供給部からの燃料を供給するように配置して一次燃焼室として構成すると共に、第2の空間を二次空気流路として構成したことを特徴とする低NOxラジアントチューブバーナ【請求項3】 バーナの燃料供給部及び燃焼用空気供給部の前方のラジアントチューブ内に耐火仕切板を挿入して、この耐火仕切板により区画される第1、第2の空間を構成し、第1の空間に燃料供給部からの燃料を供給するように配置して一次燃焼室として構成すると共に、第2の空間を二次空気流路として構成し、一次燃焼室側のラジアントチューブの内壁に耐火断熱材の切欠筒体を設置したことを特徴とする低NOxラジアントチューブバーナ【請求項4】 耐火仕切板に、この耐火仕切板により区画される第1、第2の空間を連通する連通孔を設けたことを特徴とする請求項1〜3までのいずれか1項に記載の低NOxラジアントチューブバーナ
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低NOxラジアントチューブバーナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】口径3〜8インチ程度の細い管の端に設置され、この管中で燃焼させ、その管の外表面からの熱放射で被加熱物を加熱するためのバーナはラジアントチューブバーナと呼ばれている。このバーナの低NOx手法の一つとして、空気を段階的に供給する多段燃焼法がある。図9はこの手法を適用したものとして現在実用化されているバーナの構造例を示すものである。図に示されるように、このバーナはラジアントチューブaと同軸上に配置された円筒状の一次燃焼室bを有し、そこで燃料と一次空気とが混合して一次燃焼が行われる。その後、その一次燃焼室の外側を流れる二次空気と、一次燃焼室内の燃焼生成物とが反応して二次燃焼が行われるものである。
【0003】以上のようなバーナにおいて、筒状の一次燃焼室をラジアントチューブの中央に同軸状に保持する手法として、次のような手法等が行われている。
a.図9に示されるように、一次燃焼室を燃料供給部cもしくはバーナ本体dと固定一体化して片持ちで支持する手法b.一次燃焼室は燃料供給部等とは分離して構成し、この一次燃焼室に図10に示すように突起状の支えeを設けて支持したり、又は図11に示すように半円弧状支持片等の大きな支えfを設けて支持する手法c.一次燃焼室を燃料供給部もしくはバーナ本体と固定一体化して片持ちで支持すると共に、先端側に突起状等の支えを設けるという、上記a,bを組み合わせたような手法【0004】一方、以上のバーナにおいて、一次燃焼室は高温に曝されるため、この影響を如何に抑えるかが課題となっており、高温になる場合には、金属では熱変形するため、ファインセラミック等を用いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述した従来の各手法では、次に示すような欠点がある。
(1) まずaの手法では、金属製の燃料供給部やバーナ本体と、セラミック製の一次燃焼室との固定が難しく、複雑な構造となる。また、バーナ全長が長くなり、そして、バーナに固定された一次燃焼部をラジアントチューブ内に挿入する必要があるため、バーナのラジアントチューブへの取り付け、取り外し作業が難しくなり、この際、何らかの機械的衝撃でセラミック製の一次燃焼室が破損するおそれがある。
(2) bの手法では、突起状の支えの支持面積が小さい場合には、破損がし易くなり、破損すると心ずれを生じる。一方、支えを大きくして支持面積を大きくすると、二次空気の流れが支えに影響を受けて、ラジアントチューブの表面温度分布が悪化する。
(3) cの手法では、(1)と(2)の両方の欠点が生じる。また従来の各手法に共通するものとして、次のような欠点がある。
(4) セラミックで複雑な部品を作成した場合には、コストアップにつながる。
(5) 一次/二次空気量(一次/二次空気通過面積)を変えることが難しい。特に、一次燃焼室の断面積は部品を交換しないと変えることができず、予備品を準備しないと燃焼微調整ができない。
本発明はこのような課題を解決することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決するために本発明では、バーナの燃料供給部及び燃焼用空気供給部の前方のラジアントチューブ内に耐火仕切板を挿入して、この耐火仕切板により区画される第1、第2の空間を構成し、第1の空間に燃料供給部からの燃料を供給するように配置して一次燃焼室として構成すると共に、第2の空間を二次空気流路として構成した低NOxラジアントチューブバーナを提案する。
【0007】また本発明では、バーナの燃料供給部及び燃焼用空気供給部の前方のラジアントチューブの内壁に耐火断熱材の筒体を装置すると共に、筒体内に耐火仕切板を挿入して、この耐火仕切板により区画される第1、第2の空間を構成し、第1の空間に燃料供給部からの燃料を供給するように配置して一次燃焼室として構成すると共に、第2の空間を二次空気流路として構成した低NOxラジアントチューブバーナを提案する。
【0008】また本発明では、バーナの燃料供給部及び燃焼用空気供給部の前方のラジアントチューブ内に耐火仕切板を挿入して、この耐火仕切板により区画される第1、第2の空間を構成し、第1の空間に燃料供給部からの燃料を供給するように配置して一次燃焼室として構成すると共に、第2の空間を二次空気流路として構成し、一次燃焼室側のラジアントチューブの内壁に耐火断熱材の切欠筒体を設置した低NOxラジアントチューブバーナを提案する。
【0009】そして本発明では、以上の各構成において、耐火仕切板に、この耐火仕切板により区画される第1、第2の空間を連通する連通孔を設けることを提案する。
【0010】本発明によれば、ラジアントチューブ内に耐火仕切板を挿入することにより一次燃焼室と二次空気流路を構成するので、構成が非常に単純で、安価なバーナを提供できる。
【0011】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図を参照して説明する。図1は本発明のラジアントチューブバーナの第1の実施の形態を示すもので、(a)は縦断面図、(b)は(a)のA−AA線断面図である。図1において、符号1はラジアントチューブ、2は断熱材等から成る炉壁であり、炉壁2の図中右側が炉内の加熱室、左側が炉の外側である。そして符号3はラジアントチューブ1における炉壁内対応部分を示すものである。炉の外側に位置するラジアントチューブ1の端部側には、燃焼用空気供給管4と燃料ガス供給管5を設けている。そして本発明では、ラジアントチューブ1の炉壁内対応部分3にファインセラミック製等の耐火仕切板6を挿入することによりラジアントチューブ1内空間を区画して、耐火仕切板6の上側の第1の空間7と、下側の第2の空間8とを構成している。耐火仕切板6の幅Wはラジアントチューブ1の内径よりも狭く構成しており、このため上側の第1の空間7は下側の第2の空間8よりも大きく構成されている。図に示されるように燃料ガス供給管5はラジアントチューブ1の軸方向中央側に燃料ガスを噴出するように構成しており、そして耐火仕切板6は燃料ガス供給管5よりも下側に位置しているため、燃料ガスは耐火仕切板6の上側の第1の空間7に供給される配置となっている。
【0012】以上の構成において、燃焼用空気は燃焼用空気供給管4から第1の空間7と第2の空間8の両方に供給され、また燃料ガスは燃料ガス供給管5から第1の空間7に供給される。従って第1の空間7においては燃料ガスと燃焼用空気が混合して一次燃焼が行われる一方、燃焼用空気の一部は第2の空間8を流れて下流側端部から流出して第1の空間7の燃焼生成物と合流し、混合して二次燃焼に供される。このことから第1の空間7は一次燃焼室として機能すると共に、第2の空間8は二次空気流路として機能して二段燃焼が行われる。尚、この動作は、図1に示している連通孔9が設けられていない場合に対応するものであり、耐火仕切板6の適所に連通孔9を設けた場合には、第2の空間8を流れる燃焼用空気の一部が連通孔9を通って第1の空間7内に流入して燃焼に供されるため、下流側端部から流出する燃焼用空気を含めて、三段以上の多段燃焼を行わせることができる。
【0013】一次燃焼室としての第1の空間7の断面積と、二次空気流路としての第2の空間8の断面積の比は、図2に示すように耐火仕切板6の幅を変えて調節することができる。即ち、図2において上側の耐火仕切板6の幅Wを狭くして幅W′(W>W′)とすることにより、上記比の値を大きくすることができる。即ち、一次燃焼室の大きさを拡大する方向に変更する場合には、耐火仕切板6を取り出し、端縁を削る等により幅WをW′に狭めた後、再びラジアントチューブ1内に挿入すれば良い。勿論、替わりの耐火仕切板6を準備して交換すれば一次燃焼室の大きさを縮小する方向に変更することもできる。
【0014】耐火仕切板6はラジアントチューブ1内に挿入して空間を区画するものであるから、その形状は適宜である。例えば図3に示す耐火仕切板6bは円弧断面の形状である。この耐火仕切板6bの幅はラジアントチューブ1の内径よりも僅かに狭く構成し、上側が凹になるように挿入している。この場合には、図1と同様に、耐火仕切板6aの上側に大きな第1の空間7、下側に小さな第2の空間8が構成される。次に図4は、図3と同様な円弧断面の耐火仕切板6aを上側が凸になるように挿入したものである。この場合には、図3とは逆に、耐火仕切板6aの下側に大きな第1の空間7、上側に小さな第2の空間8が構成される。次に図5に示す耐火仕切板6bは山形断面の形状である。この場合には図4と同様に、耐火仕切板6aの下側に第1の空間7、上側に第2の空間8が構成されており、それらの空間7,8の断面積はほぼ同等に構成されている。次に図6に示す耐火仕切板6cは、図1の平板の下側に凸片を一体に形成して断面T形に構成したものであり、この場合には、図1と同様に、耐火仕切板6cの上側に大きな第1の空間7、下側に小さな第2の空間8が構成される。以上の各形状の耐火仕切板6a,6b,6cについても、図2について述べたように幅を調節する等により一次燃焼室としての第1の空間7と二次空気流路としての第2の空間8の比を調節することができる。
【0015】次に図7は、本発明のラジアントチューブバーナの第2の実施の形態を示すもので、(a)は縦断面図、(b)は(a)のB−BB線断面図である。この実施の形態では、ラジアントチューブ1の炉壁内対応部分3に耐火断熱材の筒体10を挿入し、この筒体10内に第1の実施の形態と同様に耐火仕切板6を挿入することによりラジアントチューブ1内空間を区画して、耐火仕切板6の上側の第1の空間7と、下側の第2の空間8とを構成している。この構成においても第1の空間7は一次燃焼室として機能すると共に第2の空間8は二次空気流路として機能するものであり、これらの動作は第1の実施の形態と同様であるので、同様な構成要素に同一の符号を付して重複する説明は省略する。この第2の実施の形態では、ラジアントチューブ1の炉壁内対応部分3の内側に耐火断熱材の筒体10が設置されているため、一次燃焼において発生する熱によるラジアントチューブ1の炉壁内対応部分3の過熱を防止することができる。耐火断熱材の筒体10は、このように一次燃焼によるラジアントチューブ1の炉壁内対応部分3の過熱を防止するものであるから、二次空気流路として機能する第2の空間8側のラジアントチューブ1の内壁には必ずしも必要ではない。そこで図8に示す実施の形態では、ラジアントチューブ1の炉壁内対応部分3に耐火仕切板6を挿入することによりラジアントチューブ1内空間を区画して、耐火仕切板6の上側の第1の空間7と、下側の第2の空間8とを構成し、第1の空間7は一次燃焼室として機能させると共に第2の空間8は二次空気流路として機能させるように配置し、第1の空間7側のラジアントチューブ1の内壁に耐火断熱材の切欠筒体11を設置したものである。この構成においては、二次空気流路として機能する第2の空間8側は、これを流れる燃焼用空気の冷却効果により、ラジアントチューブ1の内壁に伝熱されないので過熱は防止される。
【0016】
【発明の効果】本発明は以上のとおりであるので、次のような効果がある。a.ラジアントチューブ内に耐火仕切板を挿入することにより一次燃焼室と二次空気流路を構成するので、構成が非常に単純で、安価な低NOxラジアントチューブバーナを提供できる。b.耐火仕切板の形状や幅を変えることにより、一次/二次空気量(一次燃焼室の断面積/二次空気流路の断面積)を容易に変えることができ、従って燃焼状態の微調整が可能である。c.特に、一次燃焼室の大きさを拡大する方向への変更は、耐火仕切板の幅を狭めることで容易に変えることができ、異なった幅の耐火仕切板を追加部品として調達する必要がないので、予備品等の準備も不要となる。
【出願人】 【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
【出願日】 平成11年7月9日(1999.7.9)
【代理人】 【識別番号】100071102
【弁理士】
【氏名又は名称】三觜 晃司
【公開番号】 特開2001−21118(P2001−21118A)
【公開日】 平成13年1月26日(2001.1.26)
【出願番号】 特願平11−195701