トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F23 燃焼装置;燃焼方法




【発明の名称】 酸素燃料の燃焼形状及び方法
【発明者】 【氏名】マヘンドラ・エル・ジョシ

【氏名】ハーレー・ボーダーズ

【氏名】オリビエ・シャロン

【要約】 【課題】酸素燃料の燃焼形状及び方法【解決手段】酸素燃料の燃焼形状、方法、及び装置は酸素燃料燃焼工程での酸素及び燃料の消費を減少させることができる。本発明に従う方法は振動弁及びコントローラを制御する自動化ロジック制御装置の操作を含む。弁及びコントローラを用いて炉内の個々のバーナへ供給された燃料および酸素を振動させる。周波数、振幅、デューティサイクル、及び個々のバーナとそれらの化学量論比との間の相差のような振動パラメータを設定して、その炉での好ましい酸素の燃焼を開始させる。炉内の選択的バーナ配置は極めて強力な加熱及び完全な燃焼を与え得るデフラグレーション地域の形成を可能とする。

【解決手段】酸素燃料の燃焼形状、方法、及び装置は酸素燃料燃焼工程での酸素及び燃料の消費を減少させることができる。本発明に従う方法は振動弁及びコントローラを制御する自動化ロジック制御装置の操作を含む。弁及びコントローラを用いて炉内の個々のバーナへ供給された燃料および酸素を振動させる。周波数、振幅、デューティサイクル、及び個々のバーナとそれらの化学量論比との間の相差のような振動パラメータを設定して、その炉での好ましい酸素の燃焼を開始させる。炉内の選択的バーナ配置は極めて強力な加熱及び完全な燃焼を与え得るデフラグレーション地域の形成を可能とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内部スペース、側壁、及び排気ガス出口を持った炉;燃料及びオキシダントが少なくとも一つのバーナへ供給されたとき、炉の内部スペース内に炎を向けるように位置決めされた少なくとも一つのバーナ;少なくとも一つのバーナと液の流通がある少なくとも一つの弁であって、前記少なくとも一つの弁は開放状態及び閉止状態を持っており、前記少なくとも一つの弁は、少なくとも一つの弁が開放状態にあるときには前記少なくとも一つのバーナに燃料を通し、また燃料のソースに流動的に接続されたときには前記少なくとも一つの弁は開放と閉止の状態の間で可動であるもの;及び少なくとも一つの弁に作動可能に接続されて少なくとも一つの弁を開放及び閉止するようになった、自動化ロジック制御装置で、自動化ロジック制御装置は、少なくとも一つの弁が開放及び閉止する少なくとも一つの周波数、少なくとも一つの弁のデューティサイクル、及び前記少なくとも一つの弁の流速振幅を制御するように形造られたロジックを含むもの;から成る、熱を用いた材料を処理するのに有用なシステム。
【請求項2】 前記少なくとも一つのバーナは第1のバーナと第2のバーナとから成り、また少なくとも一つの弁は夫々前記第1のバーナ及び前記第2のバーナと流体連通している第1の弁と第2の弁とから成る、請求項1記載のシステム。
【請求項3】 炉は炉内部スペースと流体連通している排気煙突を含む、請求項1記載のシステム。
【請求項4】 自動化ロジック制御装置がメモリを有する汎用コンピュータで、ロジックがメモリ内にあるもの;コンピュータと連通しているマルチチャンネルのデジタル/アナログ変換器;デジタル/アナログ変換器と連通している少なくとも一つの増幅器;及び少なくとも一つの弁コントローラの各々が少なくとも一つの弁の一つと連通している、少なくとも一つの弁コントローラから成る、請求項1記載のシステム。
【請求項5】 コンピュータが入力部を含み、そしてロジックが入力部からデータを受け入れてデータを少なくとも一つの弁の各々の一つに対する波形のデジタル化表示に変換するように構成された、請求項4記載のシステム。
【請求項6】 コンピュータとロジックとは波形の各々のデジタル化表示をデジタル/アナログ変換器と連通するように構成されており、デジタル/アナログ変換器は各波形をデジタルからアナログへの形に変換する、請求項5記載のシステム。
【請求項7】 デジタル/アナログ変換器は各々のアナログ波形を別の増幅器へ連通する、請求項6記載のシステム。
【請求項8】 ロジックが、波形のデジタル化表示が所定の値からの相差を制御するように構成された、請求項1記載のシステム。
【請求項9】 自動化ロジック制御装置がプログラム可能なロジックコントローラから成る、請求項1記載のシステム。
【請求項10】 炉の側壁が互いに対面した第1と第2の長さ方向に延びる部分から成り、前記少なくとも一つのバーナが第1のバーナアレイと第2のバーナアレイとから成り、前記第1のバーナアレイは炉の側壁の第1の長手方向に延びた部分に沿って位置決めされ、前記第2のバーナアレイは炉の側壁の第2の長手方向に延びた部分に沿って位置決めされた、請求項1記載のシステム。
【請求項11】 第1のバーナアレイは第1の中心軸を持ったバーナを含み、前記第2のバーナアレイは第2の中心軸を持ったバーナを含み、前記第1の中心軸と前記第2の中心軸とは長手方向にオフセットされている、請求項10記載のシステム。
【請求項12】 第1のバーナアレイは複数の等間隔をおいて離れたバーナを含み、前記第2のバーナアレイは複数の等間隔をおいて離れたバーナを含む、請求項10記載のシステム。
【請求項13】 更に炉の内部スペースと連通し、かつ排気ガス出口に隣接して位置した、少なくとも一つのオキシダントから成る、請求項1記載のシステム。
【請求項14】 炉内で少なくとも一つのバーナを制御する方法であって、前記少なくとも一つのバーナは少なくとも一つの弁から燃料を受け入れ、またオキシダントのソースからオキシダントを受け入れるようになったもので、弁デューティサイクル、弁振動周波数、及び弁を通る燃料の流れ振幅を測定し、そしてデューティサイクル、振動周波数、及び燃料流れ振幅に従って弁を通ってバーナへの燃料の流れを振動させる工程、から成る方法。
【請求項15】 更に所定の値からの弁振動の相移動を測定することから成り、そして少なくとも一つの弁を通る燃料の流れを振動させる工程が更に弁振動の相移動に従って振動させることから成る、請求項14記載の方法。
【請求項16】 前記測定工程が弁デューティサイクル、弁振動周波数、及び燃料流れ振幅から波形のデジタル表示を形成することから成る、請求項14記載の方法。
【請求項17】 前記形成工程が更に波形相移動から波形のデジタル表示を形成することから成る、請求項16記載の方法。
【請求項18】 更に波形のデジタル表示をアナログ波形に変換することから成る、請求項16記載の方法。
【請求項19】 更に、アナログ波形を増幅すること,及び増幅したアナログ波形で弁を制御することから成る、請求項14記載の方法。
【請求項20】 前記少なくとも一つのバーナは炉の第1の長手方向に延びる部分に位置する第1のバーナアレイと、第1の部分に面する炉の第2の長手方向に延びる部分に位置する第2のバーナアレイとから成り、各バーナアレイは少なくとも一つのバーナを含み、各アレイの各バーナは燃料流れ弁と連通しており、また測定工程が、各弁に対して、弁デューティサイクル、弁振動周波数、及び弁を通る燃料流れ振幅を測定することから成り、また振動工程が、前記バーナに対するデューティサイクル、振動周波数、及び燃料流れ振幅に従って各バーナに対して各弁を通って燃料の流れを振動させることから成る、請求項14記載の方法。
【請求項21】 更に、各弁に対して所定の値からの弁振動相移動を測定することから成り、各弁を通る燃料の流れを振動させる工程が、更に各弁の弁振動相移動に従って振動させることから成る、請求項20記載の方法。
【請求項22】 振動工程が、第1のバーナアレイのバーナに対して同一の相移動で各弁を振動させることから成る、請求項20記載の方法。
【請求項23】 振動工程が、第2のバーナアレイのバーナに対して同一の相移動で各弁を振動させることから成る、請求項20記載の方法。
【請求項24】 振動工程が、第1のバーナアレイのバーナに対して同一の相移動で各弁を振動させ、第2のバーナアレイのバーナに対して同一の相移動で各弁を振動させることから成り、また第1の相移動と第2の相移動とは異なる、請求項20記載の方法。
【請求項25】 振動工程が、第1のバーナアレイのバーナに対する各弁を、第2のバーナアレイのバーナに対する各弁から180度の相移動で振動させることから成る、請求項20記載の方法。
【請求項26】 バーナの第1のアレイがバーナの第1と第2のサブセットを含み、バーナの第2のアレイがバーナの第3と第4のサブセットを含み、そして振動工程が相の第1と第3のサブ工程を振動させ、また相の第2と第4のサブ工程を振動させることから成る、請求項20記載の方法。
【請求項27】 振動工程が、第2と第4のサブ工程とは相が外れた第1と第3のサブ工程を振動させることから成る、請求項26記載の方法。
【請求項28】 更に、少なくとも一つのバーナから離れた炉の内部へオキシダントを注入することから成る、請求項14記載の方法。
【請求項29】 振動工程が、燃料豊富な化学量論比で燃料の流れを振動させることから成る、請求項14記載の方法。
【請求項30】 炉から出るより前に炉内の過剰の一酸化炭素を燃焼し尽くすことから更に成る、請求項14記載の方法。
【請求項31】 前記少なくとも一つのバーナが第1と第2のバーナから成り、また振動工程が、第1のバーナへの燃料の流れを50%より大きいデューティサイクルで振動させ、第2のバーナへの燃料の流れを50%未満のデューティサイクルで振動させる、請求項14記載の方法。
【請求項32】 前記少なくとも一つのバーナが第1と第2のバーナから成り、また振動工程が、第1のバーナへの燃料の流れを燃料豊富な化学量論比で振動させ、第2のバーナへの燃料の流れを燃料希薄な化学量論比で振動させる、請求項14記載の方法。
【請求項33】 第1と第2のバーナが炉の長さに沿って反れて位置した、請求項32記載の方法。
【請求項34】 振動工程が、炉の一部に還元雰囲気を作り出すように燃料の流れを振動させることから成る、請求項14記載の方法。
【請求項35】 振動工程が、炉の一部に酸化雰囲気を作り出すように燃料の流れを振動させることから成る、請求項34記載の方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酸素燃料の燃焼制御に関し、より詳細には炉での酸素燃料の燃焼を制御するシステム及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】過去においてNOxの放出を減少させるための振動燃焼(OC)が提案された。参照文献:Shamp,D.ら,“Improving Oxy−fuelFurnace Operating Efficiency:An Operator’s Perspective”,presented at the59th Conference on Glass Problems,Ohio State University,Columbus,OH,October 27−28,2998;Wagner,J.ら,“Oscillating Combustion Increases Productivity and Decreases NOx emissions from industrial furnaces”,1998 American−Japanese Flame Research Committees International Symposium,Maui,Hawaii,October 11−15,1998;Charon,O.ら,“PulsatedO1/Fuel flame as a new technique for low NOx emissions”,Combustion Science and Tech.,Vol.90,pp.1−1(1993);および米国特許第4,846,665号及び第5,302,111号.
振動燃焼理論(例えば、米国特許第4,846,665号の図1及び図2を参照)は、炎のある長さの中及びそれに沿って連続した、一酸化窒素の遅延、燃料豊富かつ燃料希薄のゾーンの生成を含んでいる。この技術はバーナへの燃料の流速の強制振動を含むものである。ゾーンが混合して炎温度の全体のピークを減少させる前にゾーンから熱を除去し、従って、NOxの形成を減少させる。
【0003】従来の振動燃焼技術は振動弁に依存しており、流れにおける望ましい燃料豊富および燃料振動を導くために使用された。上述のShampらの研究において、米国特許第5,222,713合に記載されるような、またCeramPhysics社から入手可能な弁が使用された。
【0004】Shampらの研究はNOxの放出を減少させる目的でなされた。しかしながら、Shampの研究で使用された弁コントローラは望ましいバーナ燃焼形状を提供するメカニズムを提供することなく、また個々のバーナの振動周波数、振幅およびデューティサイクルなどの弁振動パラメータを制御または偏向するメカニズムをも提供しなかった。
【0005】酸素燃焼炉における燃料効率を改善する既知の燃焼技術あるいは燃焼改良はない。多くの酸素燃料の燃焼プロセスは燃料と酸素との両方に別になった通路を含む標準のノズル混合の酸素燃料バーナを用いている。燃料とオキシダントとは一般的にそれらの夫々のノズル端部で混合して、点火されたとき混合及び炎を作り出す。
【0006】全て炎の長さに沿って安定した燃料及び酸素の拡散を用いて炎が作り出される。多くの拡散プロセスは混合について必ずしも100%効率的であるとは限らず、それゆえ過剰の酸素(即ち、理論的に正しい量のもの)を必要とする。それゆえ、約5%乃至約10%の過剰の酸素をバーナへ供給することが典型的なやり方になった。これらの量の過剰の酸素を供給することをしなかった場合は過去には不完全な全体的燃焼及び望ましくないCO及び/又は不燃の炭化水素(HC)を生成した。
【0007】米国特許第5,545,031号及び第5,575,637号には、より大きい炎の表面積、従って負荷に対して改善された放射を提供することができる平坦炎酸素バーナを用いることが提案された。しかし、これらの平坦炎バーナは伝統的な円筒形炎バーナよりも燃料効率が改善されたものを達成した。例えば、米国特許第5,199,866号及び米国特許第5,620,316号では、3%乃至4%程度のものに過ぎない。燃料流れ計測器の正確さがあまり大きくないために、これらの平坦炎燃料の効率の改善はせいぜい限界のものであった。
【0008】酸素燃料炉での酸素消費を減少させる他の提案された技術は、酸素/燃料及び/又は原材料を予備加熱する廃ガスを用いた熱回復を含むものである。これらの技術は資本投資を必要とし、そして熱回復を行うための装置のコストは、これらの技術が効果的であるためには、エネルギー節約の点で合理的な払い戻し、即ち実現することが困難であると証明される払い戻しを提供するものでなければならない。
【0009】更にまた別の提案された方法は酸素・空気・燃料の燃焼を用いるものを含む。これは、(窒素を含む)周囲の又は予備加熱された空気の利用のために、産業酸素消費が少ない、単純な富化された空気燃焼法を含むものである。しかし、燃料消費及びNOx放射は、酸素富化のレベルにより、100%酸素燃料消費に比較して大幅に高くなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、酸素燃料の燃焼制御に関し、より詳細には炉での酸素燃料の燃焼を制御するシステム及び方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の例示的実施形態によれば、熱を用いる材料を処理するのに有用なシステムは、内部スペース、側壁、及び排ガス出口を持った炉、燃料及びオキシダントが少なくとも一つのバーナへ供給されたとき、炉の内部スペース内に炎を向けるように位置決めされた、少なくとも一つのバーナ、少なくとも一つのバーナと流体連通がある少なくとも一つの弁を備え、該少なくとも一つの弁は開放状態及び閉止状態を有しており、該少なくとも一つの弁は、該少なくとも一つの弁が開放状態にあるとき、及び燃料のソースに流動的に接続されたときには該少なくとも一つのバーナに燃料を通し、該少なくとも一つの弁は開放と閉止の状態の間で可動であるもの、及び該少なくとも一つの弁に作動的に接続されて少なくとも一つの弁を開放及び閉止するようになった、自動化ロジック制御装置であり、該自動化ロジック制御装置は、少なくとも一つの弁が開放及び閉止する少なくとも一つの周波数、少なくとも一つの弁のデューティサイクル、及び該少なくとも一つの弁の流速振幅を制御するように構成されたロジックを含んでいる。
【0012】第2の例示的実施形態によれば、炉内で少なくとも一つのバーナを制御する方法で、該少なくとも一つのバーナは少なくとも一つの弁から燃料を受け入れ、またオキシダントのソースからオキシダントを受け入れるものは、弁デューティサイクル、弁振動周波数、及び弁を通る燃料の流れ振幅を測定し、そしてデューティサイクル、振動周波数、及び燃料流れ振幅に従って弁を通ってバーナへの燃料の流れを振動させる工程、から成る。
【0013】
【発明の実施の形態】更に本発明のその他の目的、特徴、及び付随する利点は、それに従って構成された実施形態の下記の詳細な説明を添付の図面に関連して読むことにより、当業者にとって明らかとなるであろう。
【0014】図面を参照すると、同様の参照番号は幾つかの図を通じて同一の又は対応する要素を示す。
【0015】本発明による新規な酸素燃焼形状、方法、及び装置は酸素燃料燃焼工程での酸素及び燃料の消費を減少させることができる。本発明に従う方法は振動弁及びコントローラを制御する自動化ロジック制御装置の操作を含む。弁及びコントローラを用いて炉内の個々のバーナへ供給される燃料および/または酸素を振動させる。周波数、振幅、デューティサイクル、及び個々のバーナとそれらの化学量論(燃料に対するオキシダント、すなわち化学量論比:SR)との間の相差などの振動パラメータを設定して、その炉での好ましい酸素の燃焼を開始させる。
【0016】酸素燃料バーナの配置、振動パラメータ、個々のバーナの化学量論、及び所望の煙突ガス組成を選択することによって、得られる燃焼は全体の酸素及び燃料の消費を節減して、より低い耐火温度(より長い寿命をもたらす)、改善された製品品質、及び所定の炉内の低下したNOxの放射を与える。本発明によれば、炉内の予め選択されたバーナの位置によって、振動している炎の周波数で生じている周期的デフラグレーションプロセスを持った炉内に特別のゾーンを作り出すことができる。この周期的デフラグレーションは熱の活発な混合及び発出を起こし、それによってより高い炎速度を与えることができる。より高い炎速度、より高い可燃性限界、及び酸素燃料デフラグレーションプロセスにより燃料と酸素の混合物を予備加熱することができて、それによって全体の燃焼プロセスで必要とする過剰のオキシダントを少量又は不要として燃焼させる。振動する炎もまた、より高い負荷包括ゾーンのために負荷への増大した熱移転を改善させ、それゆえより高い燃料効率を与える。振動する弁及び独特のコントローラの自動化ロジック制御により酸素・燃焼内部炉の内部を最適化する。
【0017】次に、図面を参照すると、図1は本発明に従う第1の例示的実施形態を概略的に示すものである。図1に示したように、炉100は炉壁102、開放内部スペース104、材料10を炉内部スペースへ加えるか又は導入することができるエントランス106、加工した材料12を炉内部から出すか又は取除くことができる材料出口108、及び排気ガス14を炉から出すことができるようにする排気煙突又は出口110を含む。通常の当業者によって容易に認められるように、炉100には、炎16を炉の内部へ向けるように方向付けされた少なくとも一つの、好ましくは複数の、バーナ112を設けてある。
【0018】図1は二つのバーナ112を示し、またバーナは互いから反れているが、二つ以上のバーナを持った炉、並びに互いに対して直接対向になったバーナを持った炉、及び直接対向したバーナの組とそれたバーナの組との組合せ、もまた本発明の精神及び範囲内に入る。炉の長さ方向に沿って互いから反れたバーナを配置すると、バーナの燃焼中、炎の衝突を減少させるか又は除去する。対向になったバーナの中心線の間に選択された距離は全体の炉の長さ、個々のバーナの燃焼能力、及びバーナの全体の数に依存し、そして好ましくは3フィートから10フィートまでの間で変わって良い。
【0019】図1は各バーナの炎16に直接対向する炉内部104の領域又はゾーン18を示す。ゾーン18は燃料及びオキシダントの燃焼が炉内部の強烈な温度及び不燃になった燃料及び燃焼ができるに十分なオキシダントの存在の結果達成できる、炉内の区域である。この燃焼はデフラグレーションと定義することができ、そしてそれゆえゾーン18をデフラグレーションゾーンと定義することができる。この型の燃焼はまた自動点火又は爆発と定義することもできる。燃焼がデフラグレーション、自動点火、爆発、又は他の用語で定義されるかどうかに関わらず、それは、ゾーン内のガスの潜在温度以外の炎又は点火原の必要性無しに、ゾーン内で利用できる燃料及びオキシダントの極めて早くかつ殆ど又は全く完全な燃焼ということを特徴とする。
【0020】炉100はまた、炉のバーナ112の各々への燃料の流れを制御する自動化ロジック制御装置118を含む。自動化ロジック制御装置118はコントローラ116と制御連通をしており、これはそれを通って燃料20をバーナ112へ流す弁114の作動を制御する。弁114は開放、閉止、及び中間位置の間を振動させて弁を通る流体の流れを制御することができる適当な弁であれば良い。多くのそのような弁がそれゆえ本発明において使用可能であるが、ひとつの適当な弁がCeramPhysics社から入手可能で、モデル#7、固体プロポーショニング弁と言い、これは500kW(1.7mm Btu/時)の公称燃焼速度能力の定格となっている。選択的には、各々の弁114には、弁の出口で燃料圧力を監視してこの圧力を示すデータ信号を発生させる圧力変換器を設けることができる。こうして、各弁の機能が監視される。加えて、各弁の圧力変換器からのデータ信号をマルチチャンネル・オシロスコープのような中央監視装置へフィードバックでき、弁作動のため(以下により詳細に論じる)自動化ロジック制御装置118へフィードバックして自動フィードバック制御をするか、又は両方をすることができる。
【0021】こうして、自動化ロジック制御装置118は燃料20の炉100内への流速を制御する。自動化ロジック制御装置118はまた、同時に又は択一的に、オキシダント22、例えば産業用酸素、酸素富化空気、酸素富化(非空気)ガス、又は空気の、本発明の精神及び範囲内でのバーナ112の各々への流れを制御することができる。自動化ロジック制御装置118はそれゆえバーナ112の各々に対する、また全体として炉100に対する、SRを制御する。デフラグレーション及び最小放出に対する好ましいSRは約1.85と約2.05の間で変化する。より好ましくは、SRは約1000Btu/cfHHVの天然ガス及び100%純酸素に対して約1.95である。
【0022】自動化ロジック制御装置118は通常の当業者によって容易に認識されるように多数の方法のうちのいずれか一つに達成されることができる。例えば、自動化ロジック制御装置118は、アナログ、デジタル、又はハイブリッドのアナログ/デジタル形態のプログラム可能ロジックコントローラ(PLC)、記憶装置に記憶されたソフトウエアで実施されたロジックを含む一般的目的のコンピュータ、又は通常の当業者に容易に明らかとなるような他の設定とすることができる。それゆえ、例示の実施形態を下記するが、それは自動化ロジック制御装置118の単なる例であって、本発明の或る特徴を説明するために記述されるものである。
【0023】各弁112の振動パラメータ(流れの振幅、周波数、及びデューティサイクルなど、以下により詳細に論じる)及び煙突ガス組成は、デフラグレーション型の酸素燃料燃焼用の幾つかのゾーン18が作り出されるように調整される。ゾーン18では、周期的デフラグレーションプロセスが得られる。デフラグレーションゾーン18では、(バーナの振動サイクルの燃料豊富な部分の間に注入された)燃料のポケットが次のサイクルの過剰な酸素のポケットと合って動的な炎フロントを作り出す。このデフラグレーションプロセスは全ての又は殆ど全ての利用できる酸素の分子を極めて能率的に消費する。このプロセスは、高い炎速度、予備加熱された燃料及び予備過熱された酸素の体積の存在、より高い温度炉環境(典型的には2600°F(1427°C)から3000°F(1649°C))によって極めて早く、また振動する炎によって作り出される圧力パルスによって良好な混合を発生する。
【0024】デフラグレーションプロセスは能率的であって、多くの安定した拡散炎において必要とするような過剰の酸素分子を必要としない。熱はデフラグレーションのために急速な爆発から殆ど瞬間的に開放される。燃焼効率は理論的に正しい量の酸素を用いて完全燃焼に達することができる。そのような完全燃焼は典型的なノズル混合バーナを用いる標準の燃焼プロセスでは可能でない。その上、本発明によるバーナ配置では、産業オキシダント、例えば炉に供給される酸素の量を減少させることができる。
【0025】図1に示したように、バーナ112は、連続的な振動サイクル(燃料豊富と燃料希薄のサイクル)の間、燃料と酸素の体積の蓄積のために充分なスペース又はゾーンが取れるように、食い違いになっている。ガラス溶融炉のような、高温炉は、滞留時間(振動周波数)及びこれらのゾーンにある燃料及び酸素の実際の量に依存して急速な燃焼又はデフラグレーションのために殆ど理想的な状態を提供する。図2を参照して以下に記すように、燃料流れの振幅(流れ量)及び周波数(ガスの集積のための滞留時間)のような、バーナの振動パラメータを選択してこのデフラグレーションプロセスを高めるようにする。
【0026】図2を参照して以下に記述したように、振動の周波数、流れ振幅、デューティサイクル、及び個々のバーナの化学量論のような、個々のバーナに対する振動パラメータは、デフラグレーションゾーンの作動を仕立てるように選択する。慎重に最適化されたデフラグレーションゾーンは、プロセスでの最小の酸素の使用で完全な燃焼を与えることができる。同時に、デフラグレーションからの熱解除によって製品品質及び炉の生産性を改良させることになる。炉内の効率的なデフラグレーションゾーン18の確立の他の方策もまた本発明の範囲内に入るのであるが、全体的なCOの生産を最小にして排気煙突ガスのOを最大にすることは炉内で燃料とオキシダントとを効率的に燃焼させる確立されたデフラグレーションゾーンを有する一つの方法である。
【0027】本発明による方法及びシステムはまた、バーナのデューティサイクル及び周波数を変えることによって炉内に酸素のステージングをできるようにし、デューティサイクルを変えることによって厳密な耐火温度制御ができるようにし、デューティサイクルの変化によって炎が減少しているか又は酸化しているかというような、種々の炎の状態を制御することができるようにする。他の進歩事項は、燃料の流れの振幅の制御によって種々の炎の長さが作り出せること、周波数変化による可変の加熱制御、周波数制御による高められた炎の安定性(オキシダント富化された空気燃焼の場合)を含む。その上、本発明はリアルタイムでの効率的な炉作動のために種々のパラメータを変える簡単な人間マシンインタフェースを提供する。
【0028】図2は自動化ロジック制御装置118として用いることができるシステム130の例示的な実施形態を図式的に示す。システム130はメモリ記憶装置142(HDD)及び144(FDD)を含む汎用コンピュータ132を含み、また更に、通常の当業者によって容易に認識されるように、CD−ROM、フラッシュ・メモリなどの追加のメモリ保存装置142を含んでもよい。デジタル/アナログ変換器(DAC)134はコンピュータ132と通信して制御信号を受ける。DAC134はバーナ112につき少なくとも一つの増幅器と通信している。適当な増幅器は、Ultravolt型#1/8 A24P125を含むがこれに必ず限定されるものではない。図2に例示した実施形態では、本実施形態の10個の増幅器の内の僅か2つの増幅器136、138を、各バーナについては一つの増幅器を示した。各々の増幅器136、138は、各弁コントローラ116と連通しているアナログ高電圧/電流出力部146、148、150、152を含む。コンピュータ132は好ましくはコンピュータがそれ自身のメモリ装置以外のソースからデータ又はロジック指示を受けることができるようにする、直列、並列、FEE−488バス、又は他の入力チャンネルのような入力チャンネル154を含む。
【0029】システム130の一つの例示的な実行は、システムへの入力ポート、例えばRS−232シリアル・ポートを含むものである。コンピュータ132は、燃料流速波形のデジタル表示に対する振動周波数、増幅度、デューティサイクル、及び相のような、各バーナの振動変数の関数をマップする、例えばソフトウエア・アプリケーションのような、指示のロジックセット組を含む。次に、コンピュータ132は、デジタル波形信号をDAC134へ通信する。DAC134は、入力振動パラメータを具体化する、デジタル波形信号を同等のアナログ(電圧又は電流)波形信号に変換する。DAC134は好ましくは炉内のバーナの各々につき一つの、複数の出力チャンネルを含むので、各バーナに対するアナログ燃料流れ波形は夫々の増幅器へ出力される。代わりに、増幅器136、138はデジタル型のコンピュータ132に従って高電圧又は電流の波形を発生させる。
【0030】図3はバーナを通る燃料の流速(R)対時間(t)のグラフ又はチャートを示す。両変数とも、本発明に従うバーナ制御の理解を助ける、任意の単位を持っている。本発明によれば、自動化ロジック制御装置118は炉110の少なくとも一つのバーナ、好ましくは全てのバーナを制御して、バーナを通る燃料の流速が時間と共に変化するように、例えば振動するようにする。図3は、純粋に正弦波ではない燃料流速と時間との振動関数関係を示すが、それもまた、燃料流速の純粋に正弦波の、方形波の、そして鋸歯振動を与える本発明の範囲内のものである。より好ましくは、方形波振動が本発明において利用される。
【0031】図3に示したように、Rとtとの関係は幾つかの変数をもって部分的に以下のように特徴づけられる:RAVE=サイクル当たりの平均燃料流速D=デューティサイクル、全サイクルと比較して、R>RAVEであるサイクル当たりのパーセント時間T=1サイクルの時間=1/ff=サイクル周波数=1/TA=RAVE超の、パーセントでの、最大流速振幅θ=何れか特定のバーナのサイクルの他のバーナからの相移動Dは下記によって合計時間Tのパーセンテージとして表すことができる:(D/T)・100θは度か半径かで表すか、又は秒単位の時間に変換するかする。そして、先ずマスターバーナとして全てのバーナから一つのバーナを選択し、次に各バーナに対するR対tグラフ又は関数上の対応する点の間で時間の差を測定することによって、定められる。
【0032】上に簡単に論じたように、図3の例示グラフのDは50%より大きく、燃料豊富なバーナ・サイクルを示している。異なった記述をすれば、バーナが作動しているサイクル当たりの時間の50%以上に亘って、バーナは燃料豊富な、オキシダントの少ないモードで作動するが、サイクル当たりの時間の50%未満に対しては、バーナは燃料の少ない、オキシダントの豊富なモードで作動する。それゆえ、D>50%はまた、バーナは局部還元雰囲気を作り出すことを意味し、そしてD<50%は、バーナは局部酸化雰囲気を作り出すことを意味する。デューティサイクルD、流速振幅A、及び周波数f(又は特徴時間T)を調整することによって、どの特定のバーナでも広い範囲の化学量論的比に亘って作動させることができ、そして過剰の燃料、オキシダントの存在、及び炉100内の両者も制御することができる。
【0033】好ましくは、Dは約30%と約70%の間、Aは約30%と約80%の間、fは約0.2Hzと約2Hzの間、そしてθは約180度である。更に、5Rは約1.95と約2.05の間とするのが好ましい。
【0034】システム118に設けられたロジックによって、使用者は標準入力装置、例えばキーボード、指示装置(例えばマウス)、タッチスクリーンなど(一般に、HMI)を用いて一組のバーナ操作変数に入力することができて、それによりロジックが作動して特定のバーナ又はバーナセットに対する燃料流れ波形に変換する。例えば、ユーザ入力はキーボードからの命令と同様に簡単であり、或いはロジックが解釈することができる所定の構文に従う、入力ポートを通って遠隔操作でコンピュータ132へ送られる。例示のために、限定のためではなく、ロジックはユーザが個々のチャンネル(バーナ)をプログラムし、現在の操作パラメータ、チャンネル(バーナ)を表示し、そしてどのプログラムされたチャンネルからでも最も最近の電圧及び電流のデータを表示することができるように形作られる。ロジックには、また更に任意に、当業者にとって容易に明白となるように、立ち上がりの際に、また正常の作動時に、用いられるシステム試験及びエラーチェッキングを設けることもできる。
【0035】また、例示のために、限定のためではなく、コンピュータ132のロジックへの簡単な入力には、その操作が変更されるチャンネル/バーナ;最大燃料流速;最小燃料流速;デューティサイクル;周波数;特定のバーナが別のバーナと同期されるべきかどうか;特定のバーナが同期されるべきバーナの数又はチャンネル;及び特定のバーナがマスターバーナに対してどれだけ相が入り又は出ているかの値を含めることができる。通常の当業者にとって容易に明白となるように、追加の作動パラメータは、「全てオフ」及び「全てオン」命令、構成部品の機能不良に対する不良コードの発生などのように、コンピュータ132に存在しているロジックの日常の形態によるユーザ入力によって制御することができる。一つの好ましい実施形態によれば、コンピュータ132は、標準のキーボードと、上記の機能を実行するようにコードされたコンピュータのメモリに含まれる、ソフトウエア説明書のロジックセットを含むモニターとを含む、Pentium(登録商標)に基づくAT−プラットフォームパーソナルコンピュータである。
【0036】表1は本発明に従った振動燃焼システムを備えたガラス炉を用いた比較試験から得られたデータを表している。バーナの配置は図1に示したように配置されている。上記のように10個の酸素−バーナが振動するように調整された。表1は使用した振動パラメータ、燃料及び酸素の消費、電気によるエネルギー投入、及び炉の放射、並びに酸素バーナの標準の、非振動操作と比較したNOx減少を示す。
【0037】
【表1】

表1に詳細に述べたように、酸素供給の10%削減及び燃料消費の5%減少が、本発明の振動燃焼によって達成された。ガラス炉オペレータに対しては、これは運転コストの大きな節約を表す。更に、これらの酸素と燃料の節約は炉に対するベースラインの非振動NOx放射と比較して45%以上のNOx削減で達成された。
【0038】図4は対向した対:212、214;216,218;220,222;224,226;及び228,230に配置された10個のバーナを含む炉200の例示的実施形態を示す。上に記述したように、各バーナの対は二つの方法、即ちオフセットと,直接対向させたものとのいずれか一つで並べることができる。図4に示した実施形態では,バーナの対は互いにからオフセットされている、即ち、バーナ212の中心線軸240はバーナ214の中心線軸242から長手方向にオフセットされている。残りの対のバーナの中心線軸も同様に反れている。図1に関して上に記述したように、一対のバーナのバーナをオフセットすると、デフラグレーションゾーン234、238のようにデフラグレーションゾーンの形成及び存在を容易に受け入れる。何故ならバーナ212、214の炎232、236は夫々反れるので、それらは対向するバーナのゾーンを壊すことはないからである。
【0039】図4と図5とは、炉が、より詳細には、炉のバーナアレイが、本発明の一つの実施形態に従ってどのように操作できるかを示している。図4と図5とに示したように、バーナの全てはθ=0で操作される、即ち、夫々のバーナの燃料流れ速度サイクルの全てはイン・フェイズであって、各々は他のバーナと同時にその最大RMAXに達し(図4参照)、また同時にその最小RMINに達する(図5参照)。更に選択的には、バーナの燃料流れ速度サイクルは同一である、即ち、それらは全て同一の波形を持つことができるのである。それゆえ、炉内の材料の負荷は周期的に異なった熱伝送率に曝されることができて、それが恩恵的に向上した炉の性能をもたらす結果となる。
【0040】図6及び7図は本発明に従う炉250を示している。炉250はまた、炉の一方の側のバーナが対向するバーナと相外180度で制御されて作動することを除いて、炉200と同一ともなる。こうして、バーナ212をマスターバーナとして割り当てると、バーナ214と各炉の同じ側のものとがθ=180度で作動され,一方、バーナ212と各炉の同じ側のものとがθ=0度で作動される。こうして、バーナ212、214の炎232、236は炉の幅を横切って側方に往復振動する。
【0041】図8は本発明による更に別の実施形態を説明する。炉260は、バーナが異なった方法で制御され作動することを除いて、炉200、250と同一である。図8に示したように、バーナ212、216、220はバーナ214、218、222と同期して作動する、即ち、バーナ214、218、222は、炉250のバーナの作動と同様にバーナ212、216、220と180度相が外れている。バーナ224、228はバーナ226、230と相外れで作動し、またバーナ212、216、220と相外れで作動する。こうして、炉260の異なった長さ方向の部分は製品品質に恩恵的な効果を持ち得る異なった方法で加熱される。
【0042】一つのグループのバーナ対別のグループのバーナの相内又は相外れ点火の利点は、負荷に対する熱解除を最適化すること、耐火煉瓦の熱点を最小にすること、ガラス上の一定の型の泡を不安定化する理想的な条件を作り出すこと、NOxとCOの最適化放出を減少させること、及び全体の酸素及び燃料の消費を減少させること、を含む。
【0043】本発明の一つの別の例示的な実施形態はガラス炉の振動燃焼の使用に関する。ガラス炉では、ガラス表面上の炎を脈動低減させることは硫酸塩型のガラスの化学組成に大きく影響を与える。泡は溶融プロセスの間にガラスバッチの分解から生ずる天然の生成物である。泡は極めて貧しい熱伝導性を持っており、また泡の厚さを下げることによって熱のより大きい割合のものをガラス溶融物へ移すことができるので、ガラスのメーカーにとっては泡の層の急速な腐食が望ましい。
【0044】泡の形成は主として温度に依存する。ガラス表面を例えばバーナからのように過度に局在化した加熱をすると、泡の形成を促進することがある。より低い炎の温度及び従来の炎と比較して大きい炎の包括面積を持った、本発明の脈動炎を用いると、ガラス表面上により低い温度署名をもたらす。このより低い温度によって泡の形成が少なくなる。更に、泡沫の不安定化の促進が還元雰囲気に生じる。(Laimbock,P.R.,“Foaming of Glass Melts”,Eindhoven,Technisches Universiteit Eindhoven,1998,pp.41−51)しかし、減圧雰囲気中で作られたガラスは望ましくない色変化を起こし易い。本発明に従って炎を脈動させることによって、ガラス表面に亘って局在した、かつ一時的な還元雰囲気をガラス表面に樹立することができて、しかも全体としての炉内の全体の化学量論は依然として酸化の状態にあるので、ガラスの色に影響を及ぼさない泡不安定化プロセスを高めることができる。
【0045】本発明の別の例示的実施形態は、鋼の再加熱炉での振動燃焼に関するものである。本発明によれば、鋼の再加熱炉の加熱ゾーンは互いに対して相外になった一群のバーナで作動させることができる。加熱ゾーンのバーナは振動をして大いに高い点火速度で点火できて、比較的冷たい負荷へ効果的な熱移転を与える。この形態でもまた、(長い炎長さ及びデフラグレーション熱移転による)増大した負荷包括度をとることができ、また非振動のバーナ加熱でするよりもより均質な熱プロフィルが得られる。高められた熱移転によって、鋼製品は再加熱炉の加熱部分で少ない時間を費やすことができる。下流の浸漬ゾーンのバーナは非常に低い点火速度で比較的安定した点火で(極めて長いか又は無振動で)作動している一群のバーナを持って、負荷に一定の(最終製品)温度プロフィルを維持させることができる。
【0046】そのような再加熱炉の鋼ビレット上のスケールの形成は再加熱プロセスの望ましくない結果である。鋼表面のスケールの発生は放物線の法則に従う。
【0047】DXox/dt=2kox速度定数koxは下の式によって与えられる:Log10(1.877kox)=−8868/T(K)+0.977(Sheaby,J.S.ら,“Scale growth on steels at 1200 C;Rationale of reate and morphology”,Metal Science,Vol.18,pp 127−136,March 1984.)
スケールの形成は温度の作用であることが多いが、製品がプロセス温度に達する速さが早いほど,形成するスケールは少なくなる。本発明に従って加熱ゾーンのバーナを脈動させることによって、向上した熱移転を発生させることができて、スケール形成の少ない製品が得られる。
【0048】更に、還元性の化学量論を持った振動炎は鋼再加熱炉のスケール形成プロセスに影響することがある。燃焼雰囲気の分圧はスケール形成の化学反応に寄与する。(引用文献:Ormerod,R.C.ら,“Effects of process variables on scale formation insteel reheating”,The Canadian Journal of Chemical Engineering,Vol.75,pp.401−413(1977))関連の主化学種は酸素、二酸化炭素、及び水である。反応経路及び力学は各々の種によって異なるが、これらの種の全ては全体のスケール形成プロセスに寄与する。上記のように、本発明に従ってバーナを脈動させると、化学量論的条件の近く又はそこで完全燃焼を達成することができる。5%過剰の酸素での従来の連続(非振動の)点火バーナ操作と比較して、本発明の振動バーナは減少した酸素の状態で、例えば、<2%過剰の酸素で、作動できる。振動炎及び低い全体の炎温度によって発生させた還元性の化学量論的雰囲気はスケール形成率を下げることができるので、スケールの厚さも下げることができる。通常の当業者によって容易に認識されるように、製品に亘ってスケール層があるためにより良好な鋼の品質と少ない廃棄物とが得られることは、本発明に属する利点である。
【0049】本発明の更に別の実施形態によれば、炉100、200、250、及び260にはオキシダント・ランス300を設けてよく、これらは好ましくは炉の長手方向の軸に対して例えば30度で、炉の中心線の方へ向ける。ランス300はオキシダントのソース,例えば,酸素、酸素富化した空気、酸素富化した(非空気の)ガス、及び/又は空気(図示せず)と、炉の内部スペースを持って、流動的に連通する。ランス300はステージに載せた,振動する燃焼で,上記の炉のいずれかを作動させるように用いることができる。
【0050】本発明による振動燃焼はステージ化燃焼プロセスでNOx放射を下げるようにして更に選択的に用いることができる。本発明によれば、酸素炉を利用した振動燃焼;デューティサイクル変化,及びオキシダント・ランシングを利用した酸素炉でのステージ化燃焼を含む少なくとも二つの実施形態がある。
【0051】本発明によれば、炉内のバーナのデューティサイクルは変化させることができる。より詳細には、少なくとも一つの、好ましくは整列した酸素バーナで,好ましくは炉の排気部から離れた位置にあるものを、より高いデューティサイクルで(例えば、D>50%)又は燃料富化条件(SR<2.00)下で操作し、また残りのオキシバーナ又は整列したオキシバーナで、好ましくは炉排気口の近くで、より低いデューティサイクル(例えば、D<50%)で、作動させることができる。高いデューティサイクル又は燃料富化した酸素バーナは、より低い炎温度条件のために、NOxを下げることができる。燃料富化した酸素バーナは過剰なCOの放出を生じることがあるが、低デューティサイクルの、又は排気場所の近くの燃料の乏しいオキシバーナは、それらのより低いデューティサイクルによって、過剰な酸素を与えることができ、それは高いデューティサイクルのバーナによって作られたCOの大部分又は全部を燃焼させることができる。
【0052】本発明に従った炉からの全体のNOxの低減は、顕著なCO生成無しに60%の高さとなり得る。通常の当業者によって容易に認識されるように、より低いデューティサイクル下で作動しているバーナの数、及びより高いデューティサイクル下で作動しているバーナの数は、個々の点火速度及び必要とするNOx低減を含む、炉の特定の必要性に従って選択することができる。バーナの化学量論的比を手動で調整するか、又は好ましくは装置118のような、自動化ロジック制御装置を用いて煙突ガス組成の測定に基づいてオキシバーナの作動を制御することにより、炉性能及び能率を先行技術に対して向上させることができる。再び例示のためであって、限定のためではなく、70%のデューティサイクルで作動している(少なくとも一つのバーナを含む)バーナの列と、30%のデューティサイクルで作動している(少なくとも一つのバーナを含む)バーナの列との組合せにより向上した性能を得ることができる。
【0053】本発明の前記の実施形態に加えて、一つ又はそれ以上のオキシダント・ランス300を本発明の炉内に組み込むことができる。上に簡単に記したように、少なくとも一つのオキシバーナを、より高いデューティサイクル(D>50%又はSR<2.00)で、作動させ、また少なくとも一つのオキシダント・ランスを炉の排出口に隣接して位置させる。オキシダントを炉の内部に注入すると、オキシバーナによって作られたCOの大部分、好ましくはその全部を、焼きつくすことができる。こうして、本発明はまた燃料豊富な状態下で低い目の炎温度にも関わらずNOxを減少させることができるのである。
【0054】図4に示したように、オキシダント注入ランス300を炉の排気口の近くに位置させて燃料豊富なオキシバーナ燃焼中に生成したCO、不燃の燃料、又は他の炭化水素を燃焼させる。炉内への適当なオキシダント流速を保つことは本発明の範囲内のことであるが、オキシ炉の大きさにより、オキシダント流速は約2000scfhから約30,000scfhまでの間であってよい。全体の炉の化学量論のパーセントとして、ランス300を通って注入される酸素の量は2%から15%までの間であってよい。全体の化学量論の5%に近い量はオキシダント注入には最適である。非振動の酸素/燃料燃焼用の全体のSRは典型的に約2.10と約2.15の間、典型的には煙突内で約5%から約7%過剰の酸素になるようにする。
【0055】対照的に、本発明によるオキシ燃料ガラス溶融炉の全体の酸素消費は炉の大きさ(ガラス10トン/日から600トン/日までの間)により、約5,000scfh(5トン/日)と約300,000scfh(300トン/日)の間である。オキシダント・ランス300はステージ投入された燃焼酸素として炉に用いられる合計オキシダントの約5%と約10%の間のものを好ましくは注入する。オキシダント・ランス300はまた、オキシバーナの全部よりも少ないものが振動燃焼で作動させられる炉内に入れることもできる。これによってある程度のNOxの低減及びある程度のCOの生成(より高いデューティサイクル又は燃料豊富な作動による)が得られるであろう。
【0056】バーナ振動周波数、流れ振幅、デューティサイクル、及び相差などの振動パラメータを、個々のバーナ点火速度、個々のバーナSR、及び炉の体積に基づいて決定することができる。本発明による、炉を含む、炉温度の測定、ガス組成の測定、及び炉によって作られた生成物は、通常の当業者によって良く理解されることであるので、ここでは詳細説明しない。モデル負荷又は実際の負荷で本発明に従って炉を作動させ、前記の炉の出力を評価し、そして好ましくは本発明に従って自動化ロジック制御装置で、バーナ配列の作動を変更し、また炉の出力をフィードバックしてその作動を更に調整することによって、本発明の一つ又はそれ以上の特典を達成することができる。
【0057】その結果を表1に詳細に示す前記の実施例から、本発明に従ってガラス炉を下記の条件で作動させた。
【0058】振動の周波数(f):0.5Hz流れの振幅(A):90%(RMAX−RMINのパーセンテージとして、RAVEを超えるAの反れ)
デューティサイクル(D):50%同期:相外の対向するバーナ(第6及び7図参照)
排気ガス組成(乾燥)を、下記の構成要素について測定した:過剰O(%)
CO(ppm,vol.)
NOx(ppm,vol.)
CO2(%)
ベースライン(非振動)と振動燃焼との双方に対して約3%の過剰の酸素及び100ppm(vol.)未満のCOを維持した。
【0059】表1に詳述したように、本発明による炉は、非振動燃焼性能と比較した場合、燃料節減(4%)と酸素節減(12%)とを達成した。その上、炉は、ホットスポットの場所で、かつガラス底温度の低下無しに、50°F(28°C)のクーラー耐火クラウン温度で、作動した。
【0060】前記の例では、振動炎はまたガラス表面上で泡を不安定化するのを助けた。溶融したガラスの添加物及びSO、HO、COなどのガス及びガラス浴組成物からの酸素の発生を含む一定の化学反応のために、一般に泡が種々の厚さで(1/2”乃至6”)存在する。泡はガラスの溶融には望ましくない。何故ならばそれはバーナの炎及び耐火煉瓦のクラウンからの熱エネルギーがガラス層内に浸透するのを遮断するからである。表1の振動パラメータを選択することによって、オキシバーナによって注入された高い目のCO濃度を含む、燃料豊富なパルスが、この泡の層を実際に減少させたことが、前記の例での炉の作動中に観察された。特定の理論に限定されることなく、振動パルスによって作り出された局在化された還元条件は泡の層を不安定にし、そしてそれゆえ、ガラス上の全体の泡の厚さを減少させたと信じられる。
【0061】要約すれば、本発明は幾つかの様相を持っている。炉内で酸素燃料バーナをオフセットすることによって、振動する酸素燃料バーナに対向する多数のデフラグレーションゾーンを維持することができる。流れ振幅、周波数、デューティサイクル、及び対向する側及び/又は隣接するバーナの間の相差のようなバーナ振動パラメータを選択して動力学的に制御してサイクル・デフラグレーションプロセスの影響を最大化するようにすることができる。特典としては、燃料節減、酸素節減、より低い耐火温度、改善された炉生産性、及び改良された製品品質を含むことができる。
【0062】化学量論比率及び煙突ガス組成などの炉作動パラメータはまた変化させて炉から最小の放出物(CO、CO、SOx、及びNOx)を得る。COの低減は、デフラグレーションプロセスから生じる低下した燃料及び酸素の消費による。低下したNOx及びSOxの放出は振動する炎と低下した燃料消費に帰することができる。
【0063】本発明はまた、ガラスメルター、金属熱処理炉、鋼再加熱炉、などのような炉の形式、及び炉の幾何学的なサイズに基づいて設定された新規な点火形態(相内、相外、グループ相合わせ、グローバル相合わせ)に関する。自動化ロジック制御同期が、炉の作動のために更に利用される。デューティサイクルの変化による炉内の酸素ステージングも組み込むことができ、その場合はデューティサイクルを変えることによってステージ化燃焼を得ることができる。燃料富化燃焼のためより高いデューティサイクルに或るバーナを選択的に作動させ、より低いデューティサイクルに残りのバーナを作動させることによって、低いNOx放射及び低い炎温度、そしてそれゆえより低い耐火温度を得ることができる。
【0064】デューティサイクルの変化による耐火温度の制御、デューティサイクルの変化による種々の炎状態(還元、酸化)の発生、燃料流れ振幅、デューティサイクル、及び周波数制御による炎の長さの制御、周波数変化による対流加熱制御、周波数制御による高められた炎の安定化はまた本発明の態様である。自動化された、又は自動化可能な、効率的な炉操作のため種々のパラメータを変えるロジック基礎のコントローラ及び人間マシンインターフェース、並びにバーナ対の間で択一的に周波数、振幅、相設定、及びデューティサイクルを変えて炉負荷についての局在炉雰囲気を還元から酸化へと制御すること、もまた本発明の様相である。更に、バーナの対向した対の化学量論的比も、開始及び終了の燃料流れ速度を制御し、次に流れ速度を反対にすることによって定期的に交互に変えることができ、それによって全体に均衡のとれた炉の化学量論を持った酸化か還元かの条件の局在するゾーンを設定することができる。
【0065】本発明をその例示的な実施形態を参照して詳細に記述したが、発明の範囲から外れることなく、種々の変更を行うことができ、また同等物を使用することができることは、当業者には明白なことであろう。上述の特許及び文献書類の全てをそれらの各々に本書に参考のため組み入れた。
【出願人】 【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード・ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
【出願日】 平成13年3月30日(2001.3.30)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外4名)
【公開番号】 特開2001−311505(P2001−311505A)
【公開日】 平成13年11月9日(2001.11.9)
【出願番号】 特願2001−99692(P2001−99692)