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【発明の名称】 ボイラ設備の排ガス混合制御装置
【発明者】 【氏名】宮前 茂広

【要約】 【課題】緊急負荷降下時にバーナの風箱内における酸素濃度の低下を抑制し得、火炎を安定させ失火に至ることを回避し得るボイラ設備の排ガス混合制御装置を提供する。

【解決手段】排ガス混合通風機9の運転中に緊急負荷降下が行われた場合に、排ガス混合通風機9へトリップ指令11を出力すると共に、排ガス混合通風機9の入口ダンパ10へ全閉指令12を出力する制御器13を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ボイラ本体から排出される排ガスの一部を排ガス混合通風機の作動により燃焼用空気に混合するようにしたボイラ設備の排ガス混合制御装置であって、排ガス混合通風機の運転中に緊急負荷降下が行われた場合に、排ガス混合通風機へトリップ指令を出力すると共に、排ガス混合通風機の入口ダンパへ全閉指令を出力する制御器を備えたことを特徴とするボイラ設備の排ガス混合制御装置。
【請求項2】 ボイラ本体から排出される排ガスの一部を排ガス混合通風機の作動により燃焼用空気に混合するようにしたボイラ設備の排ガス混合制御装置であって、排ガス混合通風機の運転中に緊急負荷降下が行われた場合に、排ガス混合通風機へトリップ指令を出力すると共に、排ガス混合通風機の入口ダンパへ全閉指令を出力し、且つ排ガス混合通風機へ回転数ミニマム指令を出力する制御器を備えたことを特徴とするボイラ設備の排ガス混合制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボイラ設備の排ガス混合制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図4は火力発電所等に用いられるボイラ設備の一例を表わすものであって、1はボイラ本体、2はボイラ本体1を構成する火炉、3は火炉2の下流側に一体に形成され図示していない再熱器と過熱器と節炭器等が内蔵された後部伝熱部、4はボイラ本体1の火炉2の下部に設けられ燃焼用空気が供給される風箱、5は風箱4を貫通するようにボイラ本体1の火炉2の下部に配設されガスや油等の燃料が噴射されるバーナ、6は風箱4へ燃焼用空気を圧送するための押込通風機(FDF)、7はボイラ本体1の後部伝熱部3から排出される排ガスと押込通風機6から風箱4へ供給される燃焼用空気とを熱交換させ該燃焼用空気を加熱するための空気予熱器、8は空気予熱器7を通過した排ガスを大気へ放出するための煙突である。
【0003】前述の如きボイラ設備においては、押込通風機6から圧送される燃焼用空気が空気予熱器7を通過して風箱4へ供給され、バーナ5から噴射される燃料と混合されてボイラ本体1の火炉2内で燃焼が行われ、発生した燃焼ガスの熱によりボイラ本体1の後部伝熱部3内の図示していない再熱器と過熱器と節炭器等が加熱され、蒸気が発生され、図示していない蒸気タービンが駆動されて発電が行われる一方、前記ボイラ本体1の後部伝熱部3内の図示していない再熱器と過熱器と節炭器等によって熱が奪われて温度降下した排ガスは、空気予熱器7において前記燃焼用空気と熱交換した後、図示していない脱硫装置等を経て清浄化され煙突8から大気へ放出される。
【0004】ところで、前述の如きボイラ設備の場合、燃焼ガスの低NOx化を図るために、図4に示されるように、排ガス混合通風機(GMF)9を設け、ボイラ本体1から排出される排ガスの一部を排ガス混合通風機9の作動により燃焼用空気に混合することが行われている。
【0005】前記排ガス混合通風機9の入口ダンパ10の開度や排ガス混合通風機9の回転数は、ボイラ負荷(MW)ベースで関数プログラム化されており、例えば、図示していない蒸気タービン側の給水ポンプが何らかの原因でトリップしたりして緊急負荷降下(ランバック)を行わなければならなくなったような場合には、燃料並びに燃焼用空気を急速に絞り込むと同時に、前記排ガス混合通風機9の入口ダンパ10の開度や排ガス混合通風機9の回転数を負荷指令に追従させて減少させ、排ガス混合流量を絞り込むことが行われていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、低NOx燃焼の火炉2で排ガス混合通風機9の容量が大きく且つ排ガス混合率がおよそ25[%]以上で運転されている場合、前述の如く、緊急負荷降下時に、排ガス混合通風機9の入口ダンパ10の開度や排ガス混合通風機9の回転数を負荷指令に追従させて減少させ、排ガス混合流量を絞り込む操作を行うのでは、応答遅れが生じると共に、緊急負荷降下による燃焼用空気の急速な絞り込みに伴う排ガス混合系統のドラフトの急激な低下により、燃焼用空気に対する排ガス混合流量が過渡的に増加し、バーナ5の風箱4内における酸素濃度が、図3中、仮想線で示される如く、13[%]以下に低下し、可燃限界以下になってしまい、緊急負荷降下(ランバック)の幅が大きい場合(例えば、負荷100[%]→50[%]のような場合)には、これが原因で火炎の安定性が大きく損なわれ、場合によっては失火に至る虞があった。
【0007】本発明は、斯かる実情に鑑み、緊急負荷降下時にバーナの風箱内における酸素濃度の低下を抑制し得、火炎を安定させ失火に至ることを回避し得るボイラ設備の排ガス混合制御装置を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ボイラ本体から排出される排ガスの一部を排ガス混合通風機の作動により燃焼用空気に混合するようにしたボイラ設備の排ガス混合制御装置であって、排ガス混合通風機の運転中に緊急負荷降下が行われた場合に、排ガス混合通風機へトリップ指令を出力すると共に、排ガス混合通風機の入口ダンパへ全閉指令を出力する制御器を備えたことを特徴とするボイラ設備の排ガス混合制御装置にかかるものである。
【0009】又、本発明は、ボイラ本体から排出される排ガスの一部を排ガス混合通風機の作動により燃焼用空気に混合するようにしたボイラ設備の排ガス混合制御装置であって、排ガス混合通風機の運転中に緊急負荷降下が行われた場合に、排ガス混合通風機へトリップ指令を出力すると共に、排ガス混合通風機の入口ダンパへ全閉指令を出力し、且つ排ガス混合通風機へ回転数ミニマム指令を出力する制御器を備えたことを特徴とするボイラ設備の排ガス混合制御装置にかかるものである。
【0010】上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0011】排ガス混合通風機の運転中に緊急負荷降下が行われた場合に、排ガス混合通風機へトリップ指令を出力すると共に、排ガス混合通風機の入口ダンパへ全閉指令を出力する制御器を備えたものにおいては、排ガス混合通風機の運転中に緊急負荷降下が行われた場合には、制御器から排ガス混合通風機へトリップ指令が出力されると共に、排ガス混合通風機の入口ダンパへ全閉指令が出力され、排ガス混合通風機が停止するように制御されると共に、排ガス混合通風機の入口ダンパが全閉となるように制御される。
【0012】この結果、低NOx燃焼の火炉で排ガス混合通風機の容量が大きく且つ排ガス混合率がおよそ25[%]以上で運転されている場合であっても、従来のように、緊急負荷降下時に、排ガス混合通風機の入口ダンパの開度や排ガス混合通風機の回転数を負荷指令に追従させて減少させ、排ガス混合流量を絞り込む操作を行うのとは異なり、応答遅れが生じにくくなると共に、緊急負荷降下による燃焼用空気の急速な絞り込みに伴う排ガス混合系統のドラフトの急激な低下が発生したとしても、燃焼用空気に対する排ガス混合流量が過渡的に増加する割合が少なくなり、バーナの風箱内における酸素濃度が13[%]以下に低下せず、可燃限界以下にならなくなり、緊急負荷降下の幅が大きい場合であっても、失火に至ることがなくなる。
【0013】又、排ガス混合通風機の運転中に緊急負荷降下が行われた場合に、排ガス混合通風機へトリップ指令を出力すると共に、排ガス混合通風機の入口ダンパへ全閉指令を出力し、且つ排ガス混合通風機へ回転数ミニマム指令を出力する制御器を備えたものにおいては、排ガス混合通風機の運転中に緊急負荷降下が行われた場合には、制御器から排ガス混合通風機へトリップ指令が出力されると共に、排ガス混合通風機の入口ダンパへ全閉指令が出力され、且つ排ガス混合通風機へ回転数ミニマム指令が出力され、排ガス混合通風機が停止するように制御されると共に、排ガス混合通風機の入口ダンパが全閉となるように制御され、且つ慣性で回り続けようとする排ガス混合通風機の回転数が急速に低下するように制御されることとなり、より大型の排ガス混合通風機を有するボイラ設備において、緊急負荷降下時にバーナの風箱内における酸素濃度の低下を抑制し、失火に至ることを回避する上で、非常に有効となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0015】図1及び図2は本発明を実施する形態の一例であって、図中、図4と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図4に示す従来のものと同様であるが、本図示例の特徴とするところは、図1及び図2に示す如く、排ガス混合通風機9の運転中に緊急負荷降下が行われた場合に、排ガス混合通風機9へトリップ指令11を出力すると共に、排ガス混合通風機9の入口ダンパ10へ全閉指令12を出力する制御器13を備えた点にある。
【0016】次に、上記図示例の作動を説明する。
【0017】排ガス混合通風機9の運転中に緊急負荷降下が行われた場合には、制御器13から排ガス混合通風機9へトリップ指令11が出力されると共に、排ガス混合通風機9の入口ダンパ10へ全閉指令12が出力され、排ガス混合通風機9が停止するように制御されると共に、排ガス混合通風機9の入口ダンパ10が全閉となるように制御される。
【0018】この結果、低NOx燃焼の火炉2で排ガス混合通風機9の容量が大きく且つ排ガス混合率がおよそ25[%]以上で運転されている場合であっても、従来のように、緊急負荷降下時に、排ガス混合通風機9の入口ダンパ10の開度や排ガス混合通風機9の回転数を負荷指令に追従させて減少させ、排ガス混合流量を絞り込む操作を行うのとは異なり、応答遅れが生じにくくなると共に、緊急負荷降下による燃焼用空気の急速な絞り込みに伴う排ガス混合系統のドラフトの急激な低下が発生したとしても、燃焼用空気に対する排ガス混合流量が過渡的に増加する割合が少なくなり、バーナ5の風箱4内における酸素濃度が、図3中、実線で示す如く、13[%]以下に低下せず、可燃限界以下にならなくなり、緊急負荷降下(ランバック)の幅が大きい場合(例えば、負荷100[%]→50[%]のような場合)であっても、失火に至ることがなくなる。
【0019】こうして、緊急負荷降下時にバーナ5の風箱4内における酸素濃度の低下を抑制し得、火炎を安定させ失火に至ることを回避し得る。
【0020】前記排ガス混合通風機9は、大型であればあるほど、制御器13からトリップ指令11が出力された後も慣性で回り続けようとするため、このような場合には、排ガス混合通風機9の運転中に緊急負荷降下が行われた場合に、制御器13から排ガス混合通風機9へトリップ指令11を出力すると共に、排ガス混合通風機9の入口ダンパ10へ全閉指令12を出力し、且つ、図2中、仮想線で示されるように、排ガス混合通風機9へ回転数ミニマム指令14を出力するように構成することが望ましい。
【0021】尚、排ガス混合通風機9へ出力される回転数ミニマム指令14とは、トリップ指令11が出力された後も慣性で回り続けようとする排ガス混合通風機9の回転数を、その流体継手等に働きかけることにより、急速に低下させるための指令である。
【0022】前述の如く構成すると、排ガス混合通風機9の運転中に緊急負荷降下が行われた場合には、制御器13から排ガス混合通風機9へトリップ指令11が出力されると共に、排ガス混合通風機9の入口ダンパ10へ全閉指令12が出力され、且つ排ガス混合通風機9へ回転数ミニマム指令14が出力され、排ガス混合通風機9が停止するように制御されると共に、排ガス混合通風機9の入口ダンパ10が全閉となるように制御され、且つ慣性で回り続けようとする排ガス混合通風機9の回転数が急速に低下するように制御されることとなり、より大型の排ガス混合通風機9を有するボイラ設備において、緊急負荷降下時にバーナ5の風箱4内における酸素濃度の低下を抑制し、失火に至ることを回避する上で、非常に有効となる。
【0023】尚、本発明のボイラ設備の排ガス混合制御装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0024】
【発明の効果】以上、説明したように本発明のボイラ設備の排ガス混合制御装置によれば、緊急負荷降下時にバーナの風箱内における酸素濃度の低下を抑制し得、火炎を安定させ失火に至ることを回避し得るという優れた効果を奏し得る。
【出願人】 【識別番号】000000099
【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
【出願日】 平成12年4月27日(2000.4.27)
【代理人】 【識別番号】100062236
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 恒光 (外1名)
【公開番号】 特開2001−311504(P2001−311504A)
【公開日】 平成13年11月9日(2001.11.9)
【出願番号】 特願2000−127936(P2000−127936)