| 【発明の名称】 |
流動層炉 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐藤 吉信
【氏名】斉喜 佳一
【氏名】山田 尚武
【氏名】田村 建弘
【氏名】大沼 裕之
【氏名】鈴木 清
【氏名】山▲崎▼ 秀明
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| 【要約】 |
【課題】噴出管11の熱膨張の影響を受けたり不燃物の移動を阻害したりすることなく、しかも流動媒体および被処理物の均一な流動が可能であって、特に炉底9の低部側でも被処理物を十分に流動させて処理することが可能な流動層炉を提供する。
【解決手段】流動媒体と被処理物とを保持する炉本体1と、この炉本体1内の炉底9側に配設されて流動媒体と被処理物とを流動せしめる流動流体を噴出する流動流体噴出管11とを備えた流動層炉において、この流動流体噴出管11を、炉底9の上方に間隔をあけて炉底9に対して略平行に延びるように配設する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 流動媒体と被処理物とを保持する炉本体と、この炉本体内の炉底側に配設されて上記流動媒体と被処理物とを流動せしめる流動流体を噴出する流動流体噴出管とを備え、この流動流体噴出管が、上記炉底の上方に間隔をあけて該炉底に対して略平行に延びるように配設されていることを特徴とする流動層炉。 【請求項2】 上記炉底は下方に向けて傾斜させられているとともに、この炉底の傾斜方向に沿って複数の上記流動流体噴出管が互いに並列に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の流動層炉。 【請求項3】 上記複数の流動流体噴出管のうち、傾斜した上記炉底の低部側に位置する噴出管からの上記流動流体の噴出速度が、上方側に位置する噴出管からの流動流体の噴出速度よりも大きくされていることを特徴とする請求項2に記載の流動層炉。 【請求項4】 上記炉底には該炉底側に滞留する滞留物を上記炉本体内から排出する排出口が設けられるとともに、該炉本体内の上記流動流体噴出管よりも炉底側には、この排出口側に向けて上記滞留物を移送する移送手段が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の流動層炉。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば都市ゴミや産業廃棄物として廃棄される廃プラスチック、廃木材、段ボールを含む故紙、および厨芥等の固形廃棄物や、汚泥、廃油、および汚水等の廃棄物の焼却処理などに用いられる流動層炉に関するものである。 【0002】 【従来の技術】この種の流動層炉としては、例えば特開平5−223230号公報に、流動媒体と都市ゴミ等の被処理物とを保持する炉本体の傾斜した炉底に、流動流体としての空気を噴出する吹き出しノズルを多数設けて分散板を構成するとともに、この炉底よりも上部には水平に同じく流動流体を噴出する散気管(噴出管)を水平に配設したものが提案されている。また、本発明の発明者等も、特開平7−127834号公報において、炉本体の傾斜した炉底を階段状に形成するとともに、この炉底に流動流体の噴出ノズル(噴出管)を設けた流動層炉を提案している。しかるに、これらの流動層炉では、上記分散板や散気管、噴出管から噴出させられる流動流体によって流動媒体と被処理物とを流動させつつ燃焼させて解砕し、燃焼物は流動流体ととも炉本体上部から排出する一方、炉底側に滞留する被処理物中の不燃物等は傾斜した炉底に沿ってその低部側に移動させて排出するようにしている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところが、まず後者のように炉底に流動流体の噴出管を設けようとした場合には、一般に鋼材等の金属よりなる噴出管とキャスタブル等の耐火材により内張りされた炉底とでは熱膨張率が大きく相違するため、噴出管を炉底に密着させて埋設することはできず、炉底と噴出管との間に噴出管の膨張を許容する隙間を設けた状態で埋設するか、あるいは噴出管を炉底の上に敷設しなければならない。しかしながら、噴出管は所定量の流動流体を噴出させるために比較的大径とならざるを得ないため、隙間を設けて噴出管を炉底に埋設するにしても、かかる大径の噴出管の膨張を許容するのにはやはり大きな隙間を確保しなければならなくなって、この隙間に流動媒体や不燃物等が入り込んで隙間が埋められてしまったり、また噴出管を炉底上に敷設した場合でも、大径の噴出管によって不燃物等の移動が阻害されてしまうという不都合が生じる。 【0004】一方、前者のように噴出管を炉底よりも上部に配設したものにおいては、このように噴出管を炉底に配設した場合の不都合が生じることはない。ところが、その反面、上記従来の流動層炉では傾斜した炉底に対して噴出管が水平に配設されているため、炉底と噴出管との間の間隔が、傾斜した炉底の上部側では小さくなる一方で炉底の低部側では大きくなってしまって流動媒体や被処理物を均等に流動させることが困難となり、特に炉底の低部側では噴出管から噴出された流動媒体が炉底までの間の流動媒体および被処理物を十分に流動させることができなくなるため、この炉底に上述のような分散板を設けなければ、未燃焼の被処理物が不燃物等とともに排出されてしまうおそれがある。 【0005】本発明は、このような事情を鑑みてなされたもので、噴出管の熱膨張の影響を受けたり不燃物の移動を阻害したりすることなく、しかも流動媒体および被処理物の均一な流動が可能であって、特に炉底の低部側でも被処理物を十分に流動させて処理することが可能な流動層炉を提供することを目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、流動媒体と被処理物とを保持する炉本体と、この炉本体内の炉底側に配設されて上記流動媒体と被処理物とを流動せしめる流動流体を噴出する流動流体噴出管とを備え、この流動流体噴出管を、上記炉底の上方に間隔をあけて該炉底に対して略平行に延びるように配設したことを特徴とする。従って、このように構成された流動層炉においては、まず流動流体の噴出管が炉底との間に間隔をあけてその上方に配設されているため、熱膨張を考慮して噴出管を配設したりする必要がなく、また当該噴出管によって炉底における不燃物の移動が妨げられたりするようなこともない。そして、その一方で、こうして炉底の上方に間隔をあけた噴出管が該炉底に対して略平行に延びるように配設されているので、上記構成の流動層炉によれば、炉底と噴出管との間の上記間隔を略一定として流動媒体および被処理物を均一かつ確実に流動させることができる。 【0007】ここで、上記従来の流動層炉のように炉底が下方に向けて傾斜させられているものにおいて、この炉底に対し噴出管を平行に配設するには、例えば当該噴出管自体を炉底の傾斜方向に沿って傾斜させて配設してもよいが、このときには、1本の噴出管で流動層内における深さが変化することとなり、特に流動層の層厚が大きくなる低部側において流動媒体および被処理物を十分に流動させるのに必要な噴出速度を流動流体に与えることが困難となるおそれが生じるので、こうして炉底が下方に向けて傾斜させられている場合には、この炉底の傾斜方向に沿って複数の上記流動流体噴出管を互いに並列に配設するようにし、すなわち各噴出管が炉底に略平行な平面上に位置してその上部側から低部側に並ぶように配設するのが望ましい。また、特にこの場合において、上述のように流動層の層厚が大きくなる低部側で流動媒体および被処理物をより確実に流動せしめるには、これら複数の流動流体噴出管のうち、傾斜した炉底の低部側に位置する噴出管からの流動流体の噴出速度を、上部側に位置する噴出管からの流動流体の噴出速度よりも大きくするのが望ましい。 【0008】さらに、上記炉底に滞留する不燃物等の滞留物を炉本体内から効率的に排出するには、この炉底に上記滞留物を排出する排出口を設けるとともに、該炉本体内の上記流動流体噴出管よりも炉底側に、この排出口側に向けて滞留物を移送する移送手段を設けるのが望ましい。しかるに、このような移送手段として、例えば上記従来の流動層炉の場合においての炉底上に敷設された噴出管と同じように、炉底上に移送流体を散気する散気管を敷設したりしたとしても、かかる移送流体の散気管は流動流体の噴出管に比べてその径を小さくすることができるので、このような移送手段を採用したとしても不燃物等の移送が阻害されるようなことはない。 【0009】 【発明の実施の形態】図1および図2は、本発明の一実施形態を示すものである。本実施例の流動層炉は、内部に硅砂等の流動媒体と被処理物とを保持する炉本体1と、この炉本体1の幅方向(図1、2において左右方向)における一方の側(図1、2において左側)の側壁2に沿って該炉本体1の天井部3から鉛直上向きに延びた後、炉本体1の他方の側(図1、2において右側)に水平に折れ曲がる流動流体の排出流路4と、この水平に折れ曲がった排出流路4の先端にあって炉本体1の他方の側寄りの天井部3の上方に位置し、排出流路4を通って排出された流動流体から上記流動媒体や被処理物等の固形物を分離する分離手段としてのサイクロン5とから概ね構成されている。なお、これら炉本体1、排出流路4、およびサイクロン5の内周面は、キャスタブル等の耐火材によって内張りされている。また、このうち炉本体1は、図1に示す断面形状のまま該図1の図面に直交する方向に延びる箱体状をなしている。 【0010】ここで、上記サイクロン5の下端部には、流動流体から分離された上記固形物を炉本体1内に返送する返送管6が連結されており、この返送管6は鉛直下向きに延ばされて上記炉本体1の天井部3を貫通し、該炉本体1内に形成される流動層のうち後述する濃厚部A内に開口するように配設されている。なお、図1に示すようにこの返送管6の下端の開口部は、炉本体1の幅方向において上記他方の側から一方の側に向かうに従い下方に向かうように斜めに切り欠かれている。また、このサイクロン5の上部には、上記固形物と分離された流動流体を排出する排気口7が設けられている。さらに、炉本体1の天井部3は炉本体1の上記他方の側から一方の側に向かうに従い上方に向かうように緩やかに傾斜させられており、上記幅方向においてこの天井部3の上記返送管6と排出流路4との間には、炉本体1内に粗破砕された固形の被処理物や固形燃料を供給するための供給口8が設けられている。 【0011】一方、炉本体1の炉底9には、上記排出流路4が鉛直上向きに延びる部分の直下に、炉本体1内に形成された流動層のうち上記濃厚部Aよりも該炉底9側の滞留部Bに滞留する被処理物中の不燃物を流動媒体とともに抜き出して排出するための排出口10が設けられている。しかして、この炉本体1の炉底9は、上記幅方向においてこの排出口10側に向かうに従い下方に向かうように傾斜させられており、すなわち上記排出口10よりも上記一方の側において炉底9は他方の側に向かうに従い下方に向けて傾斜するとともに、逆に炉底9の大部分を占める排出口10よりも上記他方の側の部分において該炉底9は一方の側に向かうに従い下方に向かうように傾斜させられている。なお、本実施形態における炉底9は、その傾斜の勾配が一定とされており、すなわち上記従来の流動層炉のうちの後者の流動層炉の炉底のように階段状とされていたりはせず、平面状の傾斜面とされていて、特に図2に示すように上記他方の側における炉底9の傾斜角αは45°以下に設定されている。 【0012】そして、この炉本体1の炉底9側には、流動流体としての空気が噴出する噴出管11が炉底9の上方に間隔をあけて設けられており、この噴出管11は炉底9に対して略平行に延びるように配設されている。すなわち、本実施形態では、この噴出管11は、図2に示すように鋼管等の円管に流動流体噴出用の噴出口12が該円管の中心線Oに対する径方向に貫通するように形成されたものであって、このような噴出管11がその上記中心線Oを図1、図2の図面に直交する方向に延びるように水平にして炉本体1内に配設されており、これにより同じく上述のように図1の図面に直交する方向に同一断面で延びる箱体状をなす炉本体1の炉底9に対して該噴出管11は平行に配設されることとなるのである。なお、この噴出管11には上記噴出口12が中心線Oに直交する断面において一対ずつ上記幅方向に互いに対称に反対側を向いて斜め下向きに開口するように形成されており、かつこのような噴出口12,12が上記中心線O方向に間隔をあけて多数形成されている。 【0013】さらに本実施形態では、炉本体1の排出口10よりも上記他方の側において、複数のこのような噴出管11が、上記幅方向に等しい間隔Wをあけて互いに平行に、かつ炉底9との間にも互いに等しい間隔をあけて配設されており、従って各噴出管11…の上記中心線O…を含む平面Pは炉底9と平行に配設されて、これら複数の噴出管11…は炉底9の傾斜方向に沿って互いに並列に配設されることとなる。なお、炉本体1の排出口10よりも上記一方の側においては、1本の噴出管11が炉底9の上方に他の上記複数の噴出管11…と等しい間隔をあけて該噴出管11…と平行に配設されている。また、本実施形態では、こうして炉底9の傾斜方向に沿って並列配置された噴出管11…のうち、傾斜した炉底9の低部側すなわち排出口10側に位置する噴出管11からの流動流体の噴出速度が、上方側に位置する噴出管11からの流動流体の噴出速度よりも大きくなるように、つまり流動層内において深い位置にある噴出管11ほど大きな噴出速度となるように設定されている。 【0014】さらにまた、炉底9の上方に間隔をあけて配されたこれらの噴出管11…よりも下方のさらに炉底9側には、該炉底9の直上に、上記滞留部Bに滞留する被処理物中の不燃物等を排出口10側に向けて移送する移送手段としての散気管13が配設されている。この散気管13は、上記噴出管11よりも小径の鋼管等の円管に、上記一方の側すなわち排出口10側を向いて斜め下向きに開口する散気口14が、該円管の中心線Q方向に間隔をあけて多数形成されたものであって、本実施形態では炉底9の上方に小さな間隔をあけて図1、2の図面に直交する方向に延びるように、すなわち噴出管11…および炉底9と平行に延びるように配設されており、上記噴出管11と同様にこの散気管13内に供給される移送流体としての空気を上記散気口14から噴出して散気することにより、上記不燃物等を排出口10側に向けて移送可能とされている。 【0015】さらに、この移送手段においても、排出口10よりも上記他方の側には複数の上記散気管13…が幅方向に等しい間隔をあけて互いに平行に、かつ炉底9との間にも互いに等しい間隔をあけて配設されており、従って各散気管13…も、その上記中心線Q…を含む平面Rが炉底9および上記平面Pと平行に配設されて炉底9の傾斜方向に沿って互いに並列に配設されることとなる。ただし、この移送手段の散気管13…は、それぞれ上記幅方向においては上記噴出管11…との位置がずらされて、この幅方向に隣接する噴出管11,11の間に位置するように配設されるとともに、このうち最も上記他方の側に位置する散気管13は、この他方の側の炉本体1の側壁15に隣接するように配設されている。また、排出口10よりも上記一方の側には、1本の散気管13が、その散気口14を斜め下向きに排出口10側に向けて開口させ、やはりこの一方の側の上記1本の噴出管11と幅方向にずらされて、該一方の側の炉本体1の上記側壁2に隣接して配設されている。 【0016】なお、この炉本体1の側壁2には、鉛直方向において上記返送管6の下端と略同じ位置に、廃油等の可燃性液状の被処理物を炉本体1内に供給する噴出ノズル16が設けられるとともに、この噴出ノズル16の上方には2次流動流体として空気を噴出する噴出ノズル17が設けられている。また、この側壁2の上方に連なる上記排出流路4の内壁には、汚泥等の泥状の被処理物を排出流路4を通して炉本体1内に供給する投入ノズル18と、汚水等の不燃性の液状被処理物を供給する噴出ノズル19とが設けられている。なお、この噴出ノズル19からの汚水等の噴出方向は下方に向けて傾斜させられており、また噴出される汚水等の液状被処理物は500〜700ミクロンから数ミリメートル程度の比較的粗い粒子径の粒子として噴出されるように設定されている。 【0017】このように構成された流動層炉において、上記供給口8や噴出ノズル16,19、投入ノズル18から供給された各種被処理物と流動媒体とは、上記噴出管11…および噴出ノズル17から噴出させられる流動流体によって流動させられて炉本体1内に流動層を形成するとともに、このうち被処理物は、上記流動流体としての空気や散気管13…から噴出させられる移送流体としての空気と供給口8から供給される固形の燃料や噴出ノズル16から噴出させられる可燃性の液状被処理物とによって燃焼させられる。そして、さらにこの被処理物のうち供給口8から供給された固形物や投入ノズル18から供給された泥状のものは、燃焼と流動層における流動媒体との流動とによって細かく解砕されてゆく。 【0018】ここで、上記炉本体1内に形成される流動層においては、炉底9側の噴出管11…から噴出される流動流体の噴出速度に基づく空塔速度により、炉底9側に流動媒体と固形状あるいは解砕されて粒子状となった被処理物とが比較的高い濃度で流動する上記濃厚部(デンスベッド)Aが所定の高さで形成されるとともに、この濃厚部Aの上部には、流動媒体や粒子状の被処理物が濃厚部Aよりも低い濃度で浮遊しながら流動する希薄部(フリーボード)Cが形成されることとなる。また、上記濃厚部Aにおいて噴出管11…よりも下方の炉底9との境界部には、供給された被処理物中の不燃物などが濃厚部Aから沈降して流動媒体とともに滞留する上記滞留部Bが形成される。 【0019】そして、上記流動流体は、希薄部Cの一部の流動媒体および被処理物の粒子を伴って排出流路4から排出され、サイクロン5によってこれら同伴された流動媒体や被処理物が分離された後、排気口7を経て排出されて適宜の排ガス処理が施される一方、サイクロン5で分離された流動媒体や被処理物は返送管6を通って炉本体1内の流動層の上記濃厚部Aに返送される。なお、このとき本実施形態では、この返送管6の下端が上記濃厚部A内に達するように延設されているので、この濃厚部Aによって返送管6の下端をシールすることができ、上記希薄部Cから返送管6に流動流体等が逆流したりするのを防止することができる。また、滞留部Bに滞留した不燃物等は、炉底9の傾斜と上記散気管13から間欠的あるいは連続的に噴出させられる移送流体によって排出口10側に移送させられ、この排出口10からやはり間欠的あるいは連続的に抜き出されて排出される。 【0020】しかるに、このような流動層炉において上記流動流体の噴出管11は、上述のように炉底9の上方に間隔をあけて配設されており、従って炉本体1内での被処理物の燃焼による熱によって熱膨張が生じても炉底9に干渉したりすることがないので、このような熱膨張を考慮して隙間を設けるなどの必要もなく、また炉底上に大径の噴出管を敷設したりする場合のように該噴出管によって滞留部Bにおける上記不燃物の移送が妨げられたりすることもない。そして、その一方で、この噴出管11は炉底9に対して略平行に延びるように配設されており、従ってこの噴出管11と炉底9との間の上記間隔を噴出管11の全長に亙って略一定とすることができるので、本実施形態のように炉底9が傾斜していても炉底9との間に必要以上の大きさの滞留部Bを形成することなく、この噴出管11の噴出口12…から噴出する流動流体によって流動媒体および被処理物を均一かつ確実に流動させることが可能となり、未燃焼の被処理物が滞留部Bに滞留して排出されたりするのを防いで効率的な処理を行うことが可能となる。 【0021】また、本実施形態では、このように炉本体1の炉底9が傾斜させられているのに対して、それぞれ炉底9に略平行とされた複数の噴出管11…がこの炉底9の傾斜方向に沿って互いに並列に並ぶように配設されており、すなわち個々に水平にされた噴出管11…がその中心線O…を炉底9に略平行な平面P上に位置させて傾斜した炉底9の上部側から低部側に並ぶように配設されている。従って、個々の噴出管11は、その全長に亙って流動層内における深さが等しい位置に配設されることとなるので、この個々の噴出管11ごとには流動媒体や被処理物を流動させるのに要する流動流体の噴出速度は変わることがなく、このため一層均一かつ確実に流動媒体および被処理物を流動させることが可能となるとともに、噴出管11への流動流体の供給の制御が容易となる。 【0022】しかも、本実施形態ではこのように炉底9の傾斜方向に沿って複数の噴出管11…が互いに並列に配設されていることにより、流動層内での各噴出管11…の深さに応じて、それぞれの噴出管11…からの流動流体の噴出速度を個々に制御することが可能となるので、本実施形態のように傾斜した炉底9の低部側すなわち流動層の層厚が大きくなる側に位置する噴出管11からの流動流体の噴出速度を、この炉底9の上部側すなわち流動層の層厚が小さい側に位置する噴出管11からの流動流体の噴出速度よりも大きく設定することができる。このため、層厚が大きくて周辺の流動媒体や被処理物に大きな圧力が作用している炉底9の低部側の噴出管11にあっては、流動流体に与えられる大きな噴出速度によって該流動媒体や被処理物をさらに確実に流動させることができる一方、層厚が小さくて流動媒体や被処理物に作用する圧力も小さい炉底9の上部側では、噴出管11からの噴出速度も抑えて流動状態に乱れが生じたりするのを防ぐとともに流動流体の供給動力の軽減を図ることができ、結果的により一層均一な流動状態を得ることが可能となる。 【0023】一方、本実施形態では、この噴出管11…よりも炉底9側に、この炉底9側に形成される上記滞留部Bに滞留した不燃物等の滞留物を排出口10側に向けて移送する移送手段として、複数の散気管13…が炉底9の直上に上記噴出管11…と同様この炉底9の傾斜方向に沿って互いに並列に配設されており、この散気管13の排出口10側に開口する散気口14から噴出させられる移送流体としての空気により、上記排出口10側に滞留物を押し出すことができるので、炉底9の傾斜と相俟って該滞留物を確実に排出することが可能となる。しかも、このように炉底9上に散気管13…を配設した場合でも、かかる移送流体を散気するための散気管13は、流動流体を噴出する噴出管11等と比べて小径とすることができるので、例えば従来の流動層炉において噴出管を炉底上に敷設した場合のようにこの散気管13…によって滞留物の移送が妨げられたりすることもなく、より確実に滞留物の排出を図ることができる。 【0024】ところで、本実施形態では上述のように噴出管11を炉底9の上方に間隔をあけて配設しているが、この噴出管11の下方の炉底9側に形成される間隔Hは、これが上記供給口8から供給される粗破砕された固形の被処理物や固形燃料の最大長さ寸法に対して小さすぎると、特に被処理物中に含まれる不燃物が滞留物として該噴出管11の下方に形成される上記滞留部Bに滞留した際に、これを円滑に排出口10側に移送して排出したりするのが困難となるおそれがある一方、この間隔Hが必要以上に大きすぎると、滞留部Bが大きくなって均一かつ確実な流動が阻害されるおそれが生じる。また、本実施形態ではこのように間隔Hをあけた複数の噴出管11…が傾斜した炉底9の傾斜方向に沿って互いに並列に配設されているが、こうして並列に並べられた噴出管11…の上記幅方向に隣接する噴出管11,11同士の間の間隔Wが上記固形の被処理物や燃料の最大長さ寸法に対して小さすぎると、やはり被処理物中の不燃物がこれら噴出管11…に遮られて滞留部Bに沈降し難くなる一方、逆にこの間隔Wが大きすぎると噴出管11,11同士の中央部分でも均一な流動状態を確保するのが困難になるおそれが生じる。 【0025】従って、噴出管11下方の炉底9側に形成される間隔Hは、上記供給口8から供給される固形の被処理物や固形燃料の最大長さ寸法をXとしたときに、0.75〜2.0×Xの範囲に設定されるのが望ましく、また複数の噴出管11…を互いに並列に配設した際の隣接する噴出管11,11同士の間隔Wは、上記幅方向すなわち水平方向において、0.5〜2.0×Xの範囲に設定されるのが望ましい。ただし、ここで上記間隔Hは、本実施形態のように複数の噴出管11…が炉底9の傾斜方向に沿って互いに並列となるように配設されるとともに炉底9側にも複数の散気管13…が同傾斜方向に沿って互いに並列に配設されている場合には、図2に示すようにこれら噴出管11…の下面部分に接する包絡面Sと散気管13…の上面部分に接する包絡面Tとの間の鉛直方向の間隔となり、また炉底9側にこのような散気管13…が設けられていない場合には、上記包絡面Sと炉底9との鉛直方向の間隔となる。 【0026】一方、本実施形態では炉底9の傾斜角αを45°以下としているが、これは、この傾斜角αが大きすぎると所定の幅の炉本体1に対して炉本体1の高さが大きくなりすぎてしまうからである。ただし、本実施形態ではこのように炉底9を傾斜させているが、炉底9は傾斜することなく水平な平坦面とされていてもよく、すなわち傾斜角αが0°であってもよく、この場合には上記噴出管11…や散気管13…も水平方向に並列配設されることとなる。また、こうして並列配置された複数の噴出管11…や散気管13…の傾斜方向、すなわち上記平面Pや平面Rの傾斜方向は厳密に炉底9と平行でなくとも構わないが、これら平面P,Rの傾斜角β,γと上記傾斜角αとの差が大きすぎると、噴出管11や散気管13が炉底9に近づきすぎたり逆に離れすぎたりしてやはり均一な流動が阻害されるおそれが生じる。従って、上記傾斜角βについては傾斜角αに対してα−10°〜α+15°の範囲に、また傾斜角γについてはα±10°の範囲に、それぞれ設定されるのが望ましい。 【0027】さらに、これら噴出管11に互いに上記幅方向反対側を向いて形成される一対の噴出口12,12の傾斜角δ,εや、散気管13に上記排出口10向きに形成される散気口14の傾斜角θについても、これらと上記傾斜角βや傾斜角γとの差が大きすぎると流動媒体および被処理物を均一かつ確実に流動させることが困難となったり、滞留物を確実に排出口10側に移送することが難しくなったりするおそれが生じる。このため、上記傾斜角δ,εについては傾斜角βに対してβ±15°の範囲に、また傾斜角θについては傾斜角γに対してγ±10°の範囲に、それぞれ設定されるのが望ましい。なお、このような範囲に傾斜角α,β,γ,δ,εを設定した結果、上記噴出口12,12や散気口14が斜め上向きに開口するように形成される場合があっても構わない。 【0028】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、炉本体内に流動流体を噴出する噴出管を、炉底の上方に間隔をあけて該炉底に略平行に配設することにより、噴出管の熱膨張や滞留物の移送の妨げなどを考慮することなく、均一かつ確実に流動媒体や被処理物を流動させることができ、これにより被処理物の効率的な処理を図ることが可能となる。また、炉底が傾斜している場合には、複数の噴出管をこの炉底の傾斜方向に沿って並列に配設することにより、異なる層厚に対して流動媒体や被処理物を十分に流動させ得る流動流体の噴出速度を各噴出管に与えることができ、特に炉底の低部側の噴出速度を上部側よりも大きくすれば、一層均一かつ確実な流動状態を得ることができる。一方、この噴出管よりも下方の炉底側に移送手段を設ければ、この炉底側に滞留する不燃物等の滞留物を確実かつ容易に排出することが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000165273 【氏名又は名称】月島機械株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年2月24日(2000.2.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064908 【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 正武 (外6名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−241612(P2001−241612A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月7日(2001.9.7) |
| 【出願番号】 |
特願2000−48009(P2000−48009) |
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