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【発明の名称】 微粉炭燃焼装置
【発明者】 【氏名】須田 俊之

【要約】 【課題】微粉炭の燃え切り時間を短縮して熱回収装置のコンパクト化を図る。

【解決手段】燃焼炉1Aの炉壁1aに、部分燃焼炉20A,20Bを少なくとも1対配設し、部分燃焼炉の炉壁にバーナ3A,3Bを接続し、バーナの一方には蓄熱体16bを有する熱交換器16A,16Bを接続し、バーナ内筒には微粉炭供給管を接続し、各熱交換器の他方には燃焼空気供給管兼燃焼排ガス排出管15を接続し、この管の他端には燃焼空気供給管15aと燃焼ガス排出管15bとを四方切換弁25を介して連結する。四方切換弁を通して一方の部分燃焼炉のバーナに熱交換器で加熱された燃焼用空気11を送り、バーナ内筒から微粉炭19を送って部分燃焼炉で部分燃焼させ飛灰を溶融して回収し、部分燃焼ガスを燃焼炉に送って完全燃焼させる。以下、同様に四方切換弁を周期的に切り換えて、バーナの燃焼とバーナからの逆流とを交互に行わせる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 燃焼炉の炉壁に、部分燃焼炉を少なくとも1対配設し、該部分燃焼炉の炉壁に、バーナ内筒を囲むように設けた燃焼空気路兼燃焼排ガス排出路を有するバーナを接続し、該燃焼空気路兼燃焼排ガス排出路の上流側にはハニカム状セラミックス製の蓄熱体を有する熱交換器を接続し、バーナ内筒には微粉炭供給管を接続し、これらの熱交換器の上流側には燃焼空気供給管兼燃焼排ガス排出管を接続し、該燃焼空気供給管兼燃焼排ガス排出管の他端には燃焼空気供給管と燃焼排ガス排出管とを四方切換弁を介して連結してなり、四方切換弁を通して一方の部分燃焼炉のバーナに熱交換器を通って加熱された燃焼用空気を送るとともに、バーナ内筒から微粉炭を送って部分燃焼炉で部分燃焼させて飛灰を溶融させて回収し、部分燃焼ガスを燃焼炉に送って燃焼炉内で完全燃焼させ、かつ、他方の部分燃焼炉およびバーナを逆流した燃焼排ガスを熱交換器に送って熱交換器を加熱するとともに、燃焼排ガスの冷却を行わせ、四方切換弁を周期的に切り換えることによりバーナからの燃焼とバーナからの逆流とを交互に行わせるようにしたことを特徴とする微粉炭燃焼装置。
【請求項2】 部分燃焼炉は円筒状をしており、バーナは部分燃焼炉に接線方向に配設している請求項1記載の微粉炭燃焼装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微粉炭の燃焼装置に係り、特に高温空気中で微粉炭を燃焼して高温の燃焼ガスの熱回収を行う微粉炭燃焼装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】微粉炭燃焼は、粉砕機で粉砕した石炭を、燃焼空気とともにバーナに送り、バーナ部で空気通路を経て送られた二次空気と強制的に混合されながら燃焼室に噴射される。炉内に入った微粉炭を含む空気噴流は、高温放射熱および対流熱により着火されて火炎を形成し、燃焼するようになっている。
【0003】図3は従来の微粉炭焚きボイラの概念図である。図において、1は微粉炭焚きボイラの燃焼炉である。1aは燃焼炉1の炉壁である。2は燃焼室である。3は炉壁1aに配設された複数の燃焼バーナである。4は燃焼用空気供給管兼微粉炭供給管である。5は蒸気管である。6はスーパーヒータであり、6aはエコノマイザである。7は燃焼炉1の下流側に設けられた排煙脱硝装置であり、8は空気予熱器、9は電気式集じん機、10は排煙脱硫装置である。11は燃焼空気である。12は火炎、13は燃焼排ガスである。19は微粉炭である。
【0004】微粉炭19の燃焼によって発生した高温の燃焼排ガス13は、燃焼室2の上方から排出され、その下流側でスーパーヒータ6およびエコノマイザ6aを加熱した後、さらに燃焼炉1の下流側に設けられた排煙脱硝装置7を通り、空気予熱器8を通る際、燃焼空気11を300℃程度に加熱するとともに、温度を200℃以下まで降温して電気式集じん機9および排煙脱硫装置10を通って煙突から放出される。空気予熱器8を通って300℃程度に加熱された燃焼空気11は、燃焼空気供給管4の中間に接続された微粉炭供給管4aから送られた微粉炭19と混合されて燃焼バーナ3に送られ、燃焼室2内で燃焼される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の微粉炭焚きボイラでは、燃焼空気を、空気予熱器によって300℃程度にしか加熱することができないので、着火性と燃え切りが悪い。着火性が悪いため無煙炭などの燃料比の高い炭種が使用できない。また、燃え切りが悪いため燃え切り時間に支配される火炉の大きさを小さくできない。排熱回収のためエコノマイザや空気予熱器等の機器を設けなければならず熱伝達率をあまり大きくできないので、装置全体が大型化するなどの問題がある。
【0006】本発明は、上記のような問題点を解決するために創案されたもので、工業炉などで行われている気体燃料による高温空気燃焼を、微粉炭燃焼に適用することによって、高温の燃焼ガスの排熱を急速に回収し、エコノマイザや空気予熱器などの機器をなくして熱回収装置のコンパクト化を図るとともに、燃焼空気を高温化して燃焼炉内で高温燃焼し、燃え切り時間を短縮することによって燃焼室の体積をコンパクト化し、かつ、揮発分がなく燃料比の高い無煙炭も燃焼することのできる微粉炭燃焼装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明によれば、燃焼炉の炉壁に、部分燃焼炉を少なくとも1対配設し、該部分燃焼炉の炉壁に、バーナ内筒を囲むように設けた燃焼空気路兼燃焼排ガス排出路を有するバーナを接続し、該燃焼空気路兼燃焼排ガス排出路の上流側にはハニカム状セラミックス製の蓄熱体を有する熱交換器を接続し、バーナ内筒には微粉炭供給管を接続し、これらの熱交換器の上流側には燃焼空気供給管兼燃焼排ガス排出管を接続し、該燃焼空気供給管兼燃焼排ガス排出管の他端には燃焼空気供給管と燃焼排ガス排出管とを四方切換弁を介して連結してなり、四方切換弁を通して一方の部分燃焼炉のバーナに熱交換器を通って加熱された燃焼用空気を送るとともに、バーナ内筒から微粉炭を送って部分燃焼炉で部分燃焼させて飛灰を溶融させて回収し、部分燃焼ガスを燃焼炉に送って燃焼炉内で完全燃焼させ、かつ、他方の部分燃焼炉およびバーナを逆流した燃焼排ガスを熱交換器に送って熱交換器を加熱するとともに、燃焼排ガスの冷却を行わせ、四方切換弁を周期的に切り換えることによりバーナからの燃焼とバーナからの逆流とを交互に行わせるようにした微粉炭燃焼装置が提供される。
【0008】部分燃焼炉は円筒状をしており、バーナは部分燃焼炉に接線方向に配設しているのが好ましい。
【0009】次に本発明の作用を説明する。本発明の微粉炭燃焼装置によれば、燃焼炉内から排出される1,000℃以上の高温の燃焼ガスと燃焼炉内に供給する燃焼空気とを高温部と低温部の温度勾配が非常に大きいハニカム状セラミックス製の蓄熱体を有する熱交換器を介して熱交換するようにしたので、燃焼空気を800℃〜1,000℃に高温化して部分燃焼炉に供給することができ、部分燃焼炉では微粉炭を1,300℃以上の高温で部分燃焼させるとともに、その部分燃焼ガスを燃焼炉に供給して完全燃焼することができる。また、着火性が改善されるので、燃料比の高い無煙炭など燃焼できる炭種の拡大を図ることができる。高温の燃焼排ガスの排熱を200℃以下まで急速冷却できるので、エコノマイザや空気予熱器等の熱回収機器をなくして装置全体のコンパクト化を図ることができる。さらに、部分燃焼炉で飛灰を溶融してスラグとして排出するので、燃焼炉内での飛灰の発生を防止することができ、したがって、熱交換器の蓄熱体に飛灰が付着するのを防止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて説明する。図1は本発明の微粉炭燃焼装置の概念図であり、図2は部分燃焼炉の拡大図である。図3の従来例で説明したものと共通のものについては同じ符号を用いて説明し、重複する説明を省略する。図1および図2において、1Aは微粉炭燃焼装置の燃焼炉である。1aは燃焼炉1Aの炉壁である。2は燃焼炉1Aの燃焼室である。3A,3Bは微粉炭バーナ(バーナ)である。5Aは蒸気管である。蒸気管5Aは、1本で水から過熱蒸気まで変換するようになっているが、蒸気管と過熱蒸気管を別にするようにしてもよい。11は燃焼空気である。12は火炎である。13は燃焼排ガスである。14はバーナ3A,3Bのバーナ内筒3aに接続された微粉炭供給管である。15は一端を後述する蓄熱式熱交換器16A,16Bに接続し、他端を後述する四方切換弁25に接続している燃焼空気供給管兼燃焼排ガス排出管である。15aは四方切換弁25に接続している燃焼空気供給管であり、15bは燃焼排ガス排出管である。19は微粉炭である。20A,20Bは燃焼炉1Aに配設された部分燃焼炉である。部分燃焼炉20A,20Bは、1個の燃焼炉1Aに2対配設されている。22は一端を燃焼空気供給管兼燃焼排ガス排出管15に接続し、他端を燃焼炉1Aに接続した二次燃焼空気供給管で、二次燃焼空気11cを燃焼炉1Aへ供給する。なお、二次燃焼空気供給管22を、バーナ3A,3Bの後述する燃焼空気路兼燃焼ガス排出路17に接続して加熱された空気を供給するようにしてもよい。
【0011】部分燃焼炉20A,20Bは円筒状形状で、バーナ3A,3Bは、部分燃焼炉20A,20Bの炉壁20aに接線方向に配設されており、部分燃焼炉20A,20B内で部分燃焼ガス23に部分燃焼炉20A,20B円周方向の旋回流を形成するようになっている。バーナ3A,3Bは、内筒3aと、内筒3aを囲むように設けられた燃焼空気路兼燃焼排ガス排出路17とからなり、燃焼空気路兼燃焼排ガス排出路17には、アウターベーン18とインナーベーン18aが配設されている。アウターベーン18とインナーベーン18aは、一次燃焼空気11aと二次燃焼空気11bの送り込み量を制御するとともに、一次燃焼空気11aと二次燃焼空気11bに旋回流を形成するようになっている。部分燃焼炉20A,20Bは、飛灰を溶融してスラグ24をスラグ排出管21から排出するようになっている。20bはスラグ24が燃焼炉1A内に流入するのを防止する仕切板である(図2)。スラグ排出管21は、部分燃焼炉20A,20B底部の燃焼炉1A側に設けられている。
【0012】蓄熱式熱交換器16A,16Bは、バーナ3A,3Bの上流側に配設されている。蓄熱式熱交換器16A,16Bは、筒体16aと、筒体16aの中間に内装されたハニカム状アルミナセラミックス製の蓄熱体16bとから構成されている(図2)。セラミックスの材質は、低熱膨張率と耐熱衝撃性の点でコーディエライト(2KgO・2AI23 ・5SiO2 )が好ましい。燃焼空気11および燃焼排ガス13は、この蓄熱体16bに後述する四方切換弁25によって周期的に切り換えて送られるようになっている。なお、セラミックスの比熱は、おおよそ0.2KCaL/Kg℃であるのに対し、金属の比熱は0.1KCaL/Kg℃程度であるので、熱容量が大きい。ハニカム状セラミックスは、耐熱性が大きいので、蓄熱式熱交換器16A,16Bを高温化することができ、かつ、空孔率および表面積が大きいので、熱交換の効率がよい。また、低温側と高温側の間で高い温度勾配をとることができる。
【0013】四方切換弁25は、燃焼空気供給管兼燃焼ガス排出管15と燃焼空気供給管兼燃焼ガス排出管15他端の燃焼空気供給管15aおよび燃焼排ガス排出管15bとそれぞれ連結している。四方切換弁25を周期的に切り換えることにより、バーナ3A,3Bからの燃焼とバーナ3A,3Bからの逆流とを交互に行う。
【0014】次に実施形態に基づく作用について述べる。本発明の微粉炭燃焼装置によれば、燃焼炉1A内から排出される1,000℃以上の高温の燃焼ガス13と燃焼炉1A内に供給する燃焼空気11とを高温部と低温部の温度勾配が非常に大きいハニカム状セラミックス製の蓄熱体16bを有する熱交換器16A,16Bを介して熱交換するようにしたので、燃焼空気11を800℃〜1,000℃に高温化して部分燃焼炉20A,20Bに供給することができ、部分燃焼炉20A,20Bでは微粉炭19を1,300℃以上の高温で部分燃焼させるとともに、その部分燃焼ガス23を燃焼炉1Aに供給して完全燃焼することができる。また、着火性が改善されるので、燃料比の高い無煙炭など燃焼できる炭種の拡大を図ることができる。高温の燃焼排ガス13の排熱を200℃以下まで急速冷却できるので、エコノマイザや空気予熱器等の熱回収機器をなくして装置全体のコンパクト化を図ることができる。さらに、部分燃焼炉20A,20Bで飛灰を溶融してスラグ24として排出するので、燃焼炉1A内での飛灰の発生を防止することができ、したがって、熱交換器16A,16Bの蓄熱体16bに飛灰が付着するのを防止することができる。
【0015】本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更し得ることは勿論である。
【0016】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、燃焼空気と燃焼排ガスとを蓄熱式熱交換器により熱交換し、熱交換器により高温化した高温の燃焼空気を部分燃焼炉に供給して部分燃焼炉で部分燃焼させるとともに、その部分燃焼ガスを燃焼炉に供給して微粉炭の燃焼反応を促進するようにしたので、燃え切り時間を短縮することにより、燃焼室の体積をコンパクトにすることができるとともに、着火性の改善により使用できる炭種の拡大を図ることができる。また、熱交換器により高温の燃焼排ガスの排熱を急速冷却して熱回収できるので、エコノマイザや空気予熱器等の機器をなくして装置全体のコンパクト化を図ることができる。さらに部分燃焼炉で燃焼排ガス中に含まれる飛灰を溶融してスラグとして排出するので、熱交換器への飛灰の付着を防止することができるなどの優れた効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000000099
【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
【出願日】 平成12年3月2日(2000.3.2)
【代理人】 【識別番号】100091085
【弁理士】
【氏名又は名称】島村 芳明
【公開番号】 特開2001−241610(P2001−241610A)
【公開日】 平成13年9月7日(2001.9.7)
【出願番号】 特願2000−56612(P2000−56612)