| 【発明の名称】 |
ボイラの脱硝方法およびその装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】若狭 暁
【氏名】田窪 昇
【氏名】一色 幸博
【氏名】増田 幸一
【氏名】石▲崎▼ 信行
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| 【要約】 |
【課題】大幅な低NOx化の達成と、ボイラシステムの小型化を達成することのできるボイラの脱硝方法および装置を提供すること。
【解決手段】燃焼反応部へ脱硝剤を投入するボイラの脱硝方法である。また、伝熱管群5に対面させてバーナ8を設けたボイラ1において、燃焼反応部への還元剤の投入手段13を設けたボイラの脱硝装置である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 燃焼反応部へ還元剤を投入することを特徴とするボイラの脱硝方法。 【請求項2】 還元剤投入後に脱硝触媒によって還元反応を促進させることを特徴とする請求項1に記載のボイラの脱硝方法。 【請求項3】 前記還元剤が、アンモニアであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のボイラの脱硝方法。 【請求項4】 前記還元剤が、尿素水そのものあるいは尿素水を分解してアンモニアとしたものであることを特徴とする請求項2に記載のボイラの脱硝方法。 【請求項5】 伝熱管群5に対面させてバーナ8を設けたボイラ1において、燃焼反応部への還元剤の投入手段13を設けたことを特徴とするボイラの脱硝装置。 【請求項6】 前記投入手段13が、前記バーナ8のウインドボックス12へ還元剤を投入するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載のボイラの脱硝装置。 【請求項7】 前記投入手段13が、前記バーナ8の表面側へ還元剤を投入するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載のボイラの脱硝装置。 【請求項8】 前記投入手段13が、前記伝熱管群5内の上流側部分へ還元剤を投入するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載のボイラの脱硝装置。 【請求項9】 環状伝熱管列23内側に燃焼室26を形成し、前記環状伝熱管列23に開口部27を設けたボイラ19において、前記開口部27の近傍に前記燃焼室26内への還元剤の投入手段13を設けたことを特徴とするボイラの脱硝装置。 【請求項10】 環状伝熱管列23の内側に燃焼室26を形成し、この燃焼室26内に冷却用伝熱管列35を形成してなるボイラ19において、前記冷却用伝熱管列35の内側への還元剤の投入手段13を設けたことを特徴とするボイラの脱硝装置。 【請求項11】 前記投入手段13の下流側に脱硝触媒17,33を備えたことを特徴とする請求項5〜10のいずれか1項に記載のボイラの脱硝装置。 【請求項12】 前記投入手段13が、尿素水の分解手段38を備えていることを特徴とする請求項5〜11のいずれか1項に記載のボイラの脱硝装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、ボイラの脱硝方法およびその装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、ボイラについても一層の低NOx化が要望されている。その対策としては、ボイラ自体の低NOx化に加え、ボイラの排ガス出口側に脱硝装置を接続した構成が提案されている。このような脱硝装置は、還元剤の投入装置と脱硝触媒とを備えている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の脱硝装置は、ボイラの排ガス出口に接続する構成であるため、脱硝装置には、低温の排ガスが導入されることになる。そのため、NOxの還元反応の効率が悪く、脱硝触媒も大型化する傾向がある。しかも、脱硝触媒において、NOxと還元剤とを効率よく反応させるためには、脱硝触媒へ至るまでに排ガスと還元剤とを充分に混合しておく必要がある。そのため、従来の脱硝装置は、還元剤の投入位置と脱硝触媒との距離を長くする必要があって脱硝装置が大型化してしまう。さらに、このような脱硝装置をボイラに接続しているため、ボイラシステムが大型化してしまう。 【0004】そこで、この発明は、大幅な低NOx化の達成と、ボイラシステムの小型化を達成することのできるボイラの脱硝方法および装置を提供することを目的としている。 【0005】 【課題を解決するための手段】この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、燃焼反応部へ還元剤を投入することを特徴としている。 【0006】請求項2に記載の発明は、還元剤投入後に脱硝触媒によって還元反応を促進させることを特徴としている。 【0007】請求項3に記載の発明は、前記還元剤が、アンモニアであることを特徴としている。 【0008】請求項4に記載の発明は、前記還元剤が、尿素水そのものまたは尿素水を分解してアンモニアとしたものであることを特徴としている。 【0009】請求項5に記載の発明は、伝熱管群に対面させてバーナを設けたボイラにおいて、燃焼反応部への還元剤の投入手段を設けたことを特徴としている。 【0010】請求項6に記載の発明は、前記投入手段が、前記バーナのウインドボックスへ還元剤を投入するように構成されていることを特徴としている。 【0011】請求項7に記載の発明は、前記投入手段が、前記バーナの表面側へ還元剤を投入するように構成されていることを特徴としている。 【0012】請求項8に記載の発明は、前記投入手段が、前記伝熱管群の上流側部分へ還元剤を投入するように構成されていることを特徴としている。 【0013】請求項9に記載の発明は、環状伝熱管列内側に燃焼室を形成し、前記環状伝熱管列に開口部を設けたボイラにおいて、前記開口部の近傍に前記燃焼室内への還元剤の投入手段を設けたことを特徴としている。 【0014】請求項10に記載の発明は、環状伝熱管列の内側に燃焼室を形成し、この燃焼室内に冷却用伝熱管列を形成してなるボイラにおいて、前記冷却用伝熱管列の内側への還元剤の投入手段を設けたことを特徴としている。 【0015】請求項11に記載の発明は、前記投入手段の下流側に脱硝触媒を備えたことを特徴としている。 【0016】さらに、請求項12に記載の発明は、前記投入手段が、尿素水の分解手段を備えていることを特徴としている。 【0017】 【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態について説明する。この発明は、ボイラ,たとえば多管式ボイラの脱硝方法およびその装置として好適に実施される。 【0018】まず、この発明の脱硝方法は、ボイラの燃焼反応部へ還元剤を投入する。ここで、燃焼反応部は、燃焼室のように燃料と空気とが燃焼反応している部分である。このように、前記燃焼反応部へ還元剤を投入すると、NOxと還元剤とが活発に反応するため、充分な脱硝作用を得ることができる。 【0019】そして、この発明の脱硝方法は、前記燃焼反応部への還元剤の投入後、脱硝触媒によってNOxの還元反応を促進させることもできる。このように脱硝触媒を用いると、前記燃焼反応部で反応しきれなかったNOxと還元剤とを反応させることができるため、一層の低NOx化を達成できる。 【0020】ここで、前記還元剤は、アンモニアや尿素水などを用いる。アンモニアを用いる場合は、水溶液の状態またはガスの状態で用いる。また、尿素水は、そのまま用いることもできるし、尿素水を分解してアンモニアとしてから用いることもできる。さらに、前記還元剤としては、前記のようなアンモニアや尿素水のほか、加熱などによって分解し、アンモニアを発生するような化合物,たとえばシアヌル酸,メラミン,ビウレットなどを用いることもできる。 【0021】そして、前記還元剤としてアンモニアを用いる場合、このアンモニアは、前記燃焼反応部における約1050℃以下の温度のところへ投入する。この理由は、アンモニアからNOxが発生するのを防止するためである。また、前記還元剤として尿素水を用いる場合、尿素水は、前記燃焼反応部における約450〜約1050℃の温度のところへ投入する。この理由は、尿素水は、約450℃以上でアンモニアとCO2とに完全に分解するためである。尿素水を用いる場合、前記のように脱硝触媒を用いると、尿素水の分解も促進されるため、下限温度を約380℃とすることができる。また、尿素水を用いる場合においても、前記燃焼反応部における約1050℃以下の温度のところへ投入するのは、発生したアンモニアからNOxが発生するのを防止するためである。 【0022】さらに、前記のような還元剤を用いる場合、前記燃焼反応部における約850〜約1050℃の温度のところへ投入するのが好ましい。このような温度範囲の燃焼反応部へ還元剤を投入すると、還元剤によるNOxの還元反応が促進されるため、充分な脱硝作用を得ることができる。 【0023】この発明は、つぎのような構成のボイラにおいて実施する。まず、伝熱管群に対面させてバーナを設けた構成のボイラである。この構成のボイラは、前記伝熱管群内においても燃焼反応が継続するように前記伝熱管群にバーナが近接配置されている場合と、前記伝熱管群とバーナとの間に燃焼室として機能する空間が設けられている場合とがある。 【0024】前記伝熱管群に対面させてバーナを設けた構成のボイラの場合には、燃焼反応部への還元剤の投入手段を設ける。この投入手段としては、たとえばタンク内の還元剤をポンプによって噴出ノズルへ供給し、この噴出ノズルから還元剤を噴出する構成とする。前記タンクに収容する還元剤としては、アンモニアや尿素水を用いる。また、尿素水からアンモニアを発生させ、このアンモニアを前記噴出ノズルから噴出させる場合、前記投入手段に尿素水からアンモニアへの分解手段を設ける。この分解手段は、たとえば尿素水を加熱することによってアンモニアを発生させる構成とする。そして、還元剤の供給量は、ボイラの燃焼量に応じて調整する。 【0025】さて、つぎに前記伝熱管群に対面させてバーナを設けた構成のボイラにおける還元剤の投入位置について詳細に説明する。 【0026】まず、前記伝熱管群にバーナが近接配置されているボイラの場合、前記投入手段は、前記バーナのウインドボックスへ還元剤を投入するように構成する。この構成の場合には、還元剤は、前記ウインドボックス内の空気や燃料または両者の混合物と混合した状態で、前記バーナから前記燃焼反応部へ向けて噴出する。そのため、前記燃焼反応部においては、燃焼反応と還元剤によるNOxの還元反応とが同時に行われる。したがって、燃焼反応によってサーマルNOxが生じたとしても、このサーマルNOxは、還元剤によって即座に還元される。 【0027】また、前記投入手段は、前記バーナの表面側へ還元剤を投入するように構成する。この構成の場合、前記バーナの表面側において、還元剤は、前記バーナから噴出する空気や燃料または両者の混合物と即座に混合する。そのため、前記のように、前記燃焼反応部において、燃焼反応と還元剤によるNOxの還元反応が同時に行われる。 【0028】ここで、前記伝熱管群にバーナが近接配置されているボイラの場合、前記ウインドボックス内または前記バーナの表面側へ還元剤を投入するのは、つぎの理由による。すなわち、このような構成のボイラの場合、前記燃焼反応部は前記伝熱管群によって冷却されるため、前記燃焼反応部には極端に高温の箇所が生じない。したがって、このような前記燃焼反応部へ還元剤を投入すると、還元剤によるNOxの還元反応を促進することができる上に、還元剤からNOxが発生するのを防止することができる。また、前記のように、前記ウインドボックス内または前記バーナの表面側へ還元剤を投入するようにすると、還元剤の投入位置から前記ボイラの排ガス出口までの距離が長くなって、NOxと還元剤とが充分に混合するため、充分な脱硝作用を得ることができる。 【0029】さらに、前記投入手段は、前記伝熱管群内の上流側部分へ還元剤を投入するように構成する。この構成の場合には、前記伝熱管群における各伝熱管の隙間や、前記伝熱管群内の上流側部分に設けた伝熱管非存在領域へ還元剤を投入するように構成する。前記伝熱管群内の上流側部分では、燃焼反応中のガスまたは燃焼ガスの温度が前記伝熱管群との伝熱によって若干低下しているため、還元剤がNOxに変化するのを防止できる。この構成は、伝熱管群とバーナとの間に燃焼室として機能する空間が設けられているボイラにも適用することができる。 【0030】つぎに、この発明は、環状伝熱管列の内側に燃焼室を形成し、前記環状伝熱管列の一部に開口部を設けた構成のボイラにおいて実施することもできる。ここで、この構成のボイラは、前記燃焼室を形成する前記環状伝熱管の外側に所定数の環状伝熱管列が同軸状に設けられている場合を含んでいる。 【0031】さて、前記環状伝熱管列を備えたボイラの場合には、前記開口部近傍に前記燃焼室内への還元剤の投入手段を設ける。この投入手段は、前記伝熱管群に対面させてバーナを設けた構成のボイラの場合と同様の構成である。 【0032】前記環状伝熱管列を備えたボイラにおいては、前記燃焼室内で生じた燃焼反応中のガス,すなわち火炎状態の燃焼ガスは、前記燃焼室内で燃焼反応がほぼ完了する。燃焼反応がほぼ完了した燃焼ガスは、前記開口部から前記燃焼室の外側へ流れる。そして、前記燃焼室内から前記開口部近傍へ流れてきた燃焼ガスに対して、還元剤が投入される。この燃焼ガスは、比較的高温であるため、還元剤によるNOxの還元反応が促進されるため、充分な脱硝作用を得ることができる。 【0033】つぎに、この発明は、前記燃焼室を形成している環状伝熱管列の内側にさらに環状伝熱管列を設けた構成のボイラにおいても実施することができる。この構成のボイラは、前記燃焼室内に所定本数の伝熱管を所定の隙間を介在させた状態で環状に配置し、これらの伝熱管によって火炎状態の燃焼ガスを冷却するための環状伝熱管列(以下、「冷却用伝熱管列」という)を形成した構成となっている。この構成のボイラにおいては、前記各隙間の近傍に前記冷却用伝熱管列の内側への還元剤の投入手段を設ける。 【0034】前記冷却用伝熱管列を備えたボイラにおいては、前記冷却用伝熱管列の内側から前記各隙間を介して流れてきた燃焼反応中のガス,すなわち火炎状態の燃焼ガスに対して還元剤が投入される。前記各隙間から流れ出た火炎状態の燃焼ガスは、前記冷却用伝熱管列によって冷却されているが、還元剤によるNOxの還元反応が促進されるのに充分な温度である。したがって、この発明は、前記冷却用伝熱管列を備えたボイラにおいても、充分な脱硝作用を得ることができる。 【0035】ここにおいて、前記各構成のボイラに脱硝触媒を設ける場合、この脱硝触媒は、たとえば缶体における排ガス出口に設ける。また、前記伝熱管群に対面させてバーナを設けた構成のボイラの場合、前記脱硝触媒は、前記伝熱管群中またはその下流に設けることもできる。 【0036】 【実施例】以下、この発明の第一実施例を図1および図2を参照しながら説明する。図1は、この発明の第一実施例を示す断面説明図であり、また図2は、図1のII−II線に沿う断面の説明図である。この第一実施例は、この発明を伝熱管群に対面させてバーナを設けた構成のボイラに適用した実施例である。 【0037】図1および図2において、ボイラ1は、上部管寄せ2および下部管寄せ3を備えている。これら両管寄せ2,3間には、複数の伝熱管4,4,…が千鳥状配列で5列に配列されている。これらの各伝熱管4によって、伝熱管群5が構成されている。前記各伝熱管4の上端および下端は、前記上部管寄せ2および前記下部管寄せ3にそれぞれ接続してある。そして、前記伝熱管群5のうち両外側の列における各伝熱管4は、第一縦ヒレ部材6,6,…によって隣り合うもの同士を連結することによって、伝熱管壁7,7を構成している。 【0038】前記各伝熱管壁7間の一端側には、バーナ8が設けられており、また他端側には、排ガス出口9が設けられている。したがって、前記各伝熱管壁7間には、前記バーナ8から前記排ガス出口9へ至るガス通路10が形成されている。また、前記ボイラ1においては、前記バーナ8が前記伝熱管群5に近接させて配置されている。 【0039】前記バーナ8は、この第一実施例においては、予混合式の面燃焼バーナとしてある。したがって、前記バーナ8は、多数の予混合気の噴出孔(図示省略)を有する保炎体11を備えている。また、前記バーナ8は、ウインドボックス12を備えている。このウインドボックス12は、前記保炎体11へ予混合気を供給する。 【0040】前記ボイラ1には、還元剤の投入手段13が設けられている。この投入手段13は、還元剤タンク14内の還元剤をポンプ15によって所定個数(第一実施例では1個)の噴出ノズル16へ供給する構成である。この第一実施例において、前記投入手段13は、前記ウインドボックス12内へ還元剤を投入する構成となっている。すなわち、前記投入手段13の噴出ノズル16は、前記ウインドボックス12内に設けてある。そして、前記噴出ノズル16は、還元剤が前記ウインドボックス12内における予混合気の供給方向と同じ方向,すなわち下方向へ噴出されるように配置してある。ここで、第一実施例および以下の各実施例においては、還元剤としてアンモニアを用いている。このアンモニアは、水溶液,すなわちアンモニア水の状態で前記還元剤タンク14に貯留されている。 【0041】以上の構成において、前記バーナ8を作動させると、前記保炎体11からの予混合気は燃焼を開始し、燃焼反応中のガス,すなわち火炎状態の燃焼ガスとなる。そして、この火炎状態の燃焼ガスは、前記伝熱管群5内において燃焼反応を継続しながら、前記排ガス出口9へ向けて流れ、前記排ガス出口9から排ガスとして排出される。したがって、前記ボイラ1においては、前記保炎体11から前記伝熱管群5までの間のみならず、前記伝熱管群5内における前記各伝熱管4の隙間が燃焼反応部となっている。 【0042】そして、前記バーナ8の作動中において、前記投入手段13を作動させる。すると、前記ポンプ15によって、前記還元剤タンク14内の還元剤が前記噴出ノズル16へ供給される。ここで、前記ポンプ15は、前記ボイラ1の燃焼量に応じた量の還元剤を前記各噴出ノズル16へ供給するように調整してある。 【0043】前記噴出ノズル16は、前記ウインドボックス12内へ還元剤を噴出する。この還元剤は、前記ウインドボックス12内の予混合気と混合し、前記保炎体11から前記伝熱管群5へ向けて噴出する。そのため、燃焼反応部においては、燃焼反応と還元剤によるNOxの還元反応とが同時に行われる。したがって、燃焼反応によってサーマルNOxが生じたとしても、このサーマルNOxは、還元剤によって即座に還元される。 【0044】ここで、前記ボイラ1においては、前記バーナ8と前記伝熱管群5とが近接配置されているため、火炎状態の燃焼ガスは、前記伝熱管群5との伝熱によって急激に冷却される。そのため、燃焼反応部には極端に高温の箇所が生じない。したがって、このような燃焼反応部へ還元剤を投入すると、還元剤によるNOxの還元反応を促進することができる上に、還元剤からNOxが発生するのを防止することができる。 【0045】また、前記ボイラ1において、前記ウインドボックス12内へ還元剤を投入すると、前記排ガス出口9へ至るまでに還元剤と燃焼反応中のガス(火炎状態の燃焼ガスを含む)とが充分に混合するため、充分な脱硝作用を得ることができる。 【0046】ここで、前記ボイラ1においては、前記のように、前記バーナ8からの火炎状態の燃焼ガスが前記伝熱管群5によって急激に冷却されるため、サーマルNOxが発生するような高温の領域がほとんど生じない。そのため、前記ボイラ1は、もともとNOxの排出量が少ないが、前記のように、還元剤を投入することによって一層の低NOx化を達成することができる。さらに、前記ボイラ1においては、図1および図2に示すように前記排ガス出口9に脱硝触媒17を設置してある。そのため、前記排ガス出口9の位置において、NOxと還元剤との反応が促進される。したがって、前記脱硝触媒17へ至るまでに反応しきれなかったNOxと還元剤とを反応させることができるため、一層の低NOx化を達成することができる。 【0047】つぎに、この発明の第二実施例について、図3および図4を参照しながら説明する。図3は、この発明の第二実施例の要部を示す断面説明図であり、また図4は、図3のIV−IV線に沿う断面を示す説明図である。この第二実施例を示す図3および図4において、前記第一実施例を示す図1および図2と同一の符号は、同一の部材を示し、それらの詳細な説明は省略する。 【0048】この第二実施例のボイラ1は、前記第一実施例のボイラ1と同じ構成であるが、還元剤の投入位置を前記バーナ8の表面側,すなわち保炎体11の表面側とした場合の実施例である。したがって、この第二実施例においては、噴出ノズル16は、前記保炎体11を貫通させて設けてある。また、前記噴出ノズル16は、前記保炎体11の上下方向に2個設けてある。 【0049】前記ボイラ1において、前記投入手段13を作動させると、還元剤は、前記各噴出ノズル16から前記各伝熱管群5へ向けて噴出する。すなわち、還元剤は、予混合気の噴出方向と同じ方向に噴出する。また、還元剤は、前記保炎体11から噴出する予混合気と混合することになる。そのため、燃焼反応部においては、燃焼反応と還元剤によるNOxの還元反応とが同時に行われる。したがって、燃焼反応によってサーマルNOxが生じたとしても、このサーマルNOxは、還元剤によって即座に還元される。 【0050】前記ボイラ1において、前記各噴出ノズル16は、前記保炎体11を貫通するように設けてあるが、還元剤を前記保炎体11の表面側へ投入する構成は、この第二実施例の構成に限らない。たとえば、前記各噴出ノズル16は、前記保炎体11の側方に設け、前記保炎体11の側方から前記保炎体11の表面側へ向けて還元剤を噴出するように構成することもできる。 【0051】つぎに、この発明の第三実施例について、図5を参照しながら説明する。図5は、この発明の第三実施例の要部を示す断面説明図である。この第三実施例を示す図5において、前記第一実施例を示す図2と同一の符号は、同一の部材を示し、それらの詳細な説明は省略する。 【0052】この第三実施例のボイラ1は、前記第一実施例または前記第二実施例のボイラ1と同様の構成であるが、伝熱管群5内の上流側部分において所定本数(図5においては2本)の伝熱管4を取り除いて伝熱管非存在領域18,18を設けてある。これらの伝熱管非存在領域18は、燃焼反応中のガスを所定温度に維持することにより、COをCO2に酸化させる酸化反応促進領域として機能する領域である。 【0053】この第三実施例においては、還元剤を前記各伝熱管非存在領域18のそれぞれへ投入する構成としている。そのため、この第三実施例においては、2個の噴出ノズル16,16は、前記各伝熱管非存在領域18のそれぞれに隣接する第一縦ヒレ部材6,6を貫通させて設けてある。そして、前記各噴出ノズル16からの還元剤の噴出方向は、保炎体11からの予混合気の噴出方向と交差する方向としてある。さらに、前記各噴出ノズル16は、前記各伝熱管非存在領域18に対して上下方向に所定個数(たとえば、3本)ずつ設け、前記各伝熱管非存在領域18内のそれぞれへ均等に還元剤を投入するように構成してある。 【0054】前記ボイラ1において、前記投入手段13を作動させると、還元剤は、前記各噴出ノズル16から前記各伝熱管非存在領域18内へ噴出する。そして、還元剤は、前記各伝熱管非存在領域18内において、燃焼反応中のガスと混合することになる。そのため、前記各伝熱管非存在領域18内においては、燃焼反応と還元剤によるNOxの還元反応とが同時に行われる。また、前記各伝熱管非存在領域18内では、燃焼反応中のガスの温度が前記各伝熱管非存在領域18より上流側の各伝熱管4との伝熱によって若干低下している。そのため、前記各伝熱管非存在領域18内へ還元剤を噴出すると、還元剤からNOxが発生するのを防止できる。 【0055】この第三実施例において、前記各噴出ノズル16は、前記保炎体11からの予混合気の噴出方向と交差する方向に還元剤を噴出するように配置してあるが、予混合気の噴出方向と同じ方向に噴出するように配置することもできる。 【0056】つぎに、この発明の第四実施例について、図6および図7を参照しながら説明する。図6は、この発明の第四実施例を示す断面説明図であり、また図7は、図6のVII−VII線に沿う断面の説明図である。この第四実施例は、この発明を環状伝熱管列を備えた多管式ボイラに適用した実施例である。 【0057】図6および図7において、ボイラ19は、上部管寄せ20および下部管寄せ21を備えている。これらの上部管寄せ20および下部管寄せ21の間には、複数の伝熱管22,22,…が環状に配置されている。これらの伝熱管22は、内外二重の環状伝熱管列,すなわち内側の第一伝熱管列23および外側の第二伝熱管列24を形成している。また、前記各伝熱管22の上端および下端は、前記上部管寄せ20および前記下部管寄せ21にそれぞれ接続してある。 【0058】そして、前記上部管寄せ20にバーナ25を取り付けることによって、前記第一伝熱管列23の内側を燃焼反応部としての燃焼室26としている。また、前記バーナ25は、送風機(図示省略)を備えている。 【0059】前記第一伝熱管列23には、その一部に第一開口部27が設けられている。そして、前記第一伝熱管列23における各伝熱管22は、前記第一開口部27を除いて第二縦ヒレ部材28,28,…によってそれぞれ連結してある。また、前記第二伝熱管列24には、その一部に第二開口部29が設けられている。そして、前記第二伝熱管列24における各伝熱管22は、前記第二開口部29を除いて第三縦ヒレ部材30,30,…によってそれぞれ連結してある。ここで、前記第二開口部29は、前記第一開口部27に対して約180度反対側の位置に設けてある。 【0060】前記第一伝熱管列23と前記第二伝熱管列24との間には、前記第一開口部27から前記第二開口部29へ至るガス通路31,31が形成されている。これらの各ガス通路31は、前記第一開口部27を介して前記燃焼室26と連通し、前記第二開口部29を介して排ガス出口32と連通している。 【0061】前記ボイラ19には、還元剤の投入手段13が設けられている。この投入手段13は、前記第一実施例と同様の構成であるので、詳細な説明は省略する。この第四実施例において、前記投入手段13の各噴出ノズル16は、前記第一開口部27近傍における前記各第三縦ヒレ部材30のうちの1つを貫通させて設けてある。そして、前記各噴出ノズル16は、前記第一伝熱管列23の内側,すなわち前記燃焼室26へ向けて還元剤を噴出するように配置してある。 【0062】以上の構成において、前記バーナ25を作動させると、前記燃焼室26内には、燃焼反応中のガス,すなわち火炎状態の燃焼ガスが発生する。この火炎状態の燃焼ガスは、前記燃焼室26内で燃焼反応がほぼ完了し、前記第一開口部27から前記各ガス通路31へそれぞれ流入する。そして、この燃焼ガスは、前記各ガス通路31のそれぞれを流れた後、前記第二開口部29において合流し、前記排ガス出口32から排ガスとして排出される。 【0063】そして、前記バーナ25の作動中において、前記投入手段13を作動させると、前記還元剤タンク14内の還元剤が前記各噴出ノズル16へ供給される。前記各噴出ノズル16は、前記燃焼ガス通路31側から前記第一開口部27を介して前記燃焼室26へ向けて還元剤を噴出する。この還元剤は、前記燃焼室26からの燃焼ガスと対向する流れとなっているため、燃焼ガスとの混合が促進される。また、前記第一開口部27付近における燃焼ガスは、還元剤によるNOxの還元反応が促進される温度範囲,すなわち約850〜約1050℃となっている。したがって、還元剤は、燃焼ガスと良好に混合するとともに、還元反応が促進されるため、充分な脱硝作用を得ることができる。 【0064】前記のように、この第四実施例において、前記燃焼室26内へ向けて還元剤を投入すると、効率よく脱硝を行うことができるため、前記ボイラ19から排出されるNOxを大幅に低減することができる。また、前記燃焼室26内へ向けて還元剤を投入すると、燃焼ガスが前記各ガス通路31を通過する間においても還元剤と燃焼ガスとが混合し、反応するため、充分な脱硝を行うことができる。 【0065】さらに、この第四実施例においては、図6および図7に示すように、前記排ガス出口32に脱硝触媒33を設置してある。そのため、前記第一実施例と同様に、一層の低NOx化を達成できる。 【0066】つぎに、この発明の第五実施例について、図8および図9を参照しながら説明する。図8は、この発明の第五実施例を示す断面説明図であり、また図9は、図8のIX−IX線に沿う断面の説明図である。この第五実施例を示す図8および図9において、前記第四実施例を示す図6および図7と同一の符号は、同一の部材を示し、それらの詳細な説明は省略する。 【0067】この第五実施例においては、燃焼室26を画成する第一伝熱管列23の内側に、所定本数(第五実施例では10本)の伝熱管34,34,…を所定間隔で環状に配置してある。これらの各伝熱管34は、火炎状態の燃焼ガスを冷却するための環状伝熱管列(以下、「冷却用伝熱管列」という)35を形成している。また、前記各伝熱管34の上端および下端は、前記上部管寄せ20および前記下部管寄せ21のそれぞれに接続してある。したがって、前記冷却用伝熱管列35は、前記燃焼室26を外側と内側とに区画している。 【0068】さらに、前記冷却用伝熱管列35において、前記各伝熱管34の隣り合うもの同士の間には、それぞれ所定の隙間36,36,…が形成されている。したがって、前記冷却用伝熱管列35によって内側と外側とに区画された前記燃焼室26は、前記各隙間36を介して互いに連通している。ここで、前記燃焼室26のうち、前記冷却用伝熱管列35より外側の部分の部分は、火炎状態の燃焼ガスを所定温度に維持することにより、COをCO2に酸化させる酸化反応促進領域として機能する燃焼反応継続領域37としてある。 【0069】さて、この第五実施例において、投入手段13の各噴出ノズル16は、前記燃焼反応継続領域37内における前記各隙間36の近傍にそれぞれ配置されている。すなわち、前記各噴出ノズル16は、前記上部管寄せ20を貫通させて設けられ、前記各隙間36を通して前記冷却用伝熱管列35の内側へ向けて還元剤を噴出するように配置されている。 【0070】この第五実施例において、前記バーナ25を作動させると、前記第四実施例と同様に、前記燃焼室26内に火炎状態の燃焼ガスが発生する。この火炎状態の燃焼ガスは、前記各隙間36から前記燃焼反応継続領域37内へ噴出し、さらに燃焼反応を継続しながら燃焼反応中のガスとして前記燃焼反応継続領域37内を前記第一開口部27へ向けて流れる。そして、この燃焼反応中のガスは、前記第四実施例と同様に、前記燃焼室26内で燃焼反応をほぼ完了して前記各ガス通路31へ流入し、前記排ガス出口32から排ガスとして排出される。 【0071】そして、前記バーナ25の作動中において、前記投入手段13を作動させると、前記各噴出ノズル16は、前記燃焼反応継続領域37内において前記各隙間36へ向けて還元剤を噴出する。この還元剤は、前記各隙間36からの火炎状態の燃焼ガスと対向する流れとなっているため、火炎状態の燃焼ガスとの混合が促進される。また、前記燃焼反応継続領域37内における火炎状態の燃焼ガスは、前記冷却用伝熱管列35との伝熱によって温度が低下しているため、極端に高温の箇所が生じない。したがって、このような位置へ還元剤を投入すると、還元剤によるNOxの還元反応を促進することができる上に、還元剤からNOxが発生するのを防止することができるため、効率よく脱硝を行うことができる。 【0072】ここで、この第五実施例のボイラ19においては、前記のように、火炎状態の燃焼ガスが前記冷却用伝熱管列35との伝熱によって急激に冷却されるため、サーマルNOxが発生するような高温の領域がほとんど生じない。そのため、前記ボイラ19は、もともとNOxの排出量が少ないが、前記のように、還元剤を投入することによって一層の低NOx化を達成することができる。また、この第五実施例においても、前記第四実施例のように、前記排ガス出口32に前記脱硝触媒33を設けて、一層の低NOx化を達成することもできる。 【0073】さて、前記各実施例においては、還元剤としてアンモニアを用いているが、還元剤として尿素水を用いることもできる。この尿素水は、前記還元剤タンク14に貯留し、前記噴出ノズル16から尿素水として噴出されるようにする。すなわち、尿素水を前記のような燃焼反応部へ投入すると、燃焼反応部の熱によって分解してアンモニアが発生し、このアンモニアによってNOxを還元することができるためである。 【0074】ここで、還元剤として尿素水をそのまま用いる場合、その投入位置は、燃焼反応部の温度が約450〜約1050℃のところとする。この理由は、尿素水は、約450℃以上でアンモニアとCO2とに完全に分解するためである。この下限温度は、前記脱硝触媒17,33が設けられている場合には、前記脱硝触媒17,33が尿素水の分解も促進するため、約380℃とすることができる。また、還元剤として尿素水をそのまま用いる場合、前記のような温度条件から、前記第二実施例〜前記第五実施例において用いるようにする。 【0075】また、尿素水をそのまま燃焼反応部へ投入することに代えて、尿素水を分解してアンモニアを発生させ、このアンモニアを燃焼反応部へ投入することもできる。この場合、前記投入手段13は、図10に示すように、尿素水の分解手段38を設けた構成とする。この分解手段38は、たとえば前記ポンプ15と噴出ノズル16との間に設ける。そして、前記分解手段38は、たとえば電気ヒータなどの適宜の加熱手段(図示省略)を設けた構成とする。この構成において、前記投入手段13を作動させると、前記ポンプ15は、前記還元剤タンク14内の尿素水を前記分解手段38へ供給する。前記分解手段38では、尿素水を加熱してアンモニアを発生させ、このアンモニアを前記噴出ノズル16へ供給する。 【0076】前記のように、還元剤として尿素水を用いる場合、アンモニアに比べて安全性が高いため、アンモニアのように特別な還元剤タンクや配管を必要とせず、また危険物取扱いのための資格を持った責任者をおく必要もない。そのため、尿素水を還元剤として用いるのが、取り扱いの点で有利である。 【0077】 【発明の効果】この発明によれば、大幅な低NOx化の達成と、ボイラシステムの小型化を達成することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000175272 【氏名又は名称】三浦工業株式会社 【識別番号】391010219 【氏名又は名称】株式会社三浦研究所
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| 【出願日】 |
平成11年12月16日(1999.12.16) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−173907(P2001−173907A) |
| 【公開日】 |
平成13年6月29日(2001.6.29) |
| 【出願番号】 |
特願平11−356922 |
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