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【発明の名称】 熱風発生装置
【発明者】 【氏名】篠島 宗雄

【氏名】西野 敏明

【氏名】高嶋 克之

【氏名】川畑 貴裕

【氏名】北村 公宏

【要約】 【課題】加熱空気と送風空気とを均一に混合することのできる熱風発生装置を提供する。

【解決手段】筒状の燃焼室内で燃焼炎を形成し、外部から送風空気を供給して燃焼室内の加熱空気と混合し、熱風を発生させる装置において、筒状の燃焼室22の前後の二箇所に送風空気の導入口24,26を設けたから、上流側で加熱空気と送風空気とが混合撹拌された後、下流側でも同様に混合された加熱空気と新たな送風空気とが混合撹拌されるので、より均一な混合撹拌が得られ、温度ムラ等がない。また二箇所から送風空気を導入することにより、未燃焼成分があれば、これを再燃焼させる働きもあり、未燃焼成分の減少やススの発生を抑制することが可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】筒状の燃焼室内で燃焼炎を形成し、外部から送風空気を供給して燃焼室内の加熱空気と混合し、熱風を発生させる装置において、筒状の燃焼室の前後の二箇所に送風空気の導入口を設けたことを特徴とする熱風発生装置。
【請求項2】筒状の燃焼室内で燃焼炎を形成し、外部から送風空気を供給して燃焼室内の加熱空気と混合し、熱風を発生させる装置において、内筒と外筒とで燃焼室を形成し、外筒の上流側端面と内筒の外周面との間に送風空気の一次導入口を形成し、外筒の下流側端面寄りの外周面に送風空気の二次導入口を形成したことを特徴とする熱風発生装置。
【請求項3】鉄道線路の分岐器の融雪装置に用いられる請求項1又は2に記載の熱風発生装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道線路の分岐器の融雪装置等として用いられる熱風発生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】多雪地域の鉄道線路では、雪が降ると、雪が分岐器の中に積もり、ポイントが切り換わらなくなる。そのため、雪が降り始めた時又は積雪が予想される時は、図4乃至図7に示すような融雪装置1を用いて分岐器2に降った雪を溶かして除去するようにしていた。従来の融雪装置1は、図4の全体概略斜視図に示すように、燃料タンク3内の灯油をバーナー4(図6参照)を備えた熱風発生装置5で燃焼させて、空気取入口から取り入れた新鮮空気と混合して熱風を発生させ、発生した熱風をダクト6及び軌道カバー7を介して鉄道線路8の分岐器2が設置された部分に供給吐出させ、該部分の雪を融雪除去するようにしている。
【0003】軌道カバー7は、図5の図(B)に示すように、分岐器2のトングレール9,9のベース部分9a,9aの上に載置されており、枕木10との間に所定の隙間が形成されている。また枕木10どうしの間にあっては、バラスト又はスラブとレール底部との間に隙間が形成されている。従って、軌道カバー7へ供給された熱風は、これらの隙間を通じて外部へ吹き出され、降った雪を融雪除去している。なお、灯油は、通常は地下の油タンク11内に貯蔵されており、ポンプ12を介して必要な分だけが外部の燃料タンク3へ供給されるようになっている。
【0004】また従来の熱風発生装置5は、図6に示すように本体ケーシング13内にファン14と燃料噴射ノズル15とが組み込まれたバーナー4を有し、このバーナー4の先端側に、筒状部材16からなる燃焼室17が取り付けられている。燃焼室17では、前記バーナー4による燃焼炎18で加熱された空気に対して送風空気(新鮮空気)が取り入れられて混合され、熱風となって吹き出されるようになっている。而して、従来の熱風発生装置5では、図7に示すように、筒状部材16の長手方向のほぼ中間部外周面に形成された導入口19から送風空気を燃焼室17へ導入するようになっている。同図において、符号20は、送風空気の導入をし易くするための傘状の遮蔽板である。
【0005】このように構成された鉄道線路の分岐器2における融雪装置1は、鉄道線路に沿って信号線等が付設されているので、融雪のために吹き出される熱風の温度には制限があり、極端に高くならないことが必要である。温度が極端に高くなると、前記信号線が焼損したり、枕木10にしみ込ませた油が溶けてしみ出し、火災の原因になったり、枕木10が乾燥して亀裂が入ったり、腐食の原因となるためである。また吹き出される熱風には、温度ムラのないことが必要である。温度ムラは送風空気と加熱空気とが均一に混合されないことに起因し、熱風装置5に近い部位から吹き出される熱風は極端に温度が高くなり、熱風装置5から遠く離れた部位から吹き出される熱風は温度が低くなり、所望する融雪効果が得られず、結果として運転時間が長くなり、燃料の使用量が多くなって無駄なエネルギーを消費するという問題があるからである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来の熱風発生装置5では、燃焼室17への送風空気の導入が筒状部材16のほぼ中間部外周面に設けられた導入口19の一か所からのみ行われるため、燃焼炎18によって加熱された加熱空気と送風空気との混合が均一に行われ難く、吹き出される熱風に温度ムラが発生していた。そのため、上述した温度ムラによる多くの問題点を抱えていた。しかも、加熱空気と送風空気との不均一な混合のために、筒状部材16自体が熱くなり過ぎて変形したり、ダクト6が変形したりする原因となる欠点があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は従来の前記課題に鑑みてこれを改良除去したものであって、加熱空気と送風空気とを均一に混合することのできる熱風発生装置を提供せんとするものである。
【0008】而して、前記課題を解決するために本発明が採用した請求項1の手段は、筒状の燃焼室内で燃焼炎を形成し、外部から送風空気を供給して燃焼室内の加熱空気と混合し、熱風を発生させる装置において、筒状の燃焼室の前後の二箇所に送風空気の導入口を設けたことを特徴とする熱風発生装置である。この発明によれば、筒状の燃焼室の前後に送風空気の導入口が形成されているので、上流側で加熱空気と送風空気とが混合撹拌された後、下流側でも同様に混合撹拌されるので、均一な混合撹拌となり、温度ムラ等がない。また二箇所から送風空気を導入することにより、未燃焼成分があれば、これを再燃焼させる働きもあり、未燃焼成分の減少やススの発生を抑制することが可能である。
【0009】本発明が採用した請求項2の手段は、筒状の燃焼室内で燃焼炎を形成し、外部から送風空気を供給して燃焼室内の加熱空気と混合し、熱風を発生させる装置において、内筒と外筒とで燃焼室を形成し、外筒の上流側端面と内筒の外周面との間に送風空気の一次導入口を形成し、外筒の下流側端面寄りの外周面に送風空気の二次導入口を形成したことを特徴とする熱風発生装置である。この発明では、二重筒構造で燃焼室の前後に送風空気の導入口を形成したので、一次導入口から燃焼室内へ導入される送風空気によって外筒自体の冷却が行われ、異常加熱となることはない。その他は、前記請求項1の場合と同じである。本発明が採用した請求項3の手段は、鉄道線路の分岐器の融雪装置に用いられる請求項1又は2に記載の熱風発生装置である。このように熱風発生装置を鉄道線路の分岐器の融雪装置に用いた場合は、温度ムラのない熱風装置を提供でき、融雪効果に優れるの運転時間も短くでき、燃料の使用量を抑制することが可能である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の構成を図面に示す発明の実施の形態に基づいて説明すると次の通りである。なお、従来の場合と同一符号は同一部材である。図1及び図2は本発明の一実施の形態に係るものであり、図1は熱風発生装置21の全体を示す部分縦断面図、図2は二重筒構造の燃焼室22を示す側面図である。同図に示す如く、この実施の形態にあっては、熱風発生装置21のケーシング13内に配設されたバーナー4の先端側に内筒部材23を取り付け、更にこの内筒部材23の外周面側に外筒部材25を被せて取り付けている。そして、外筒部材25の内周面と内筒部材23の外周面との間に、一次空気の導入口24を形成している。また外筒部材25の後端側(図1及び図2の右側)には、環状に配設された二次空気導入口26が設けられている。二次空気導入口26の外周面側には、傘状の遮蔽板27が取り付けられており、二次空気を安心して導入できるようになっている。なお、外筒部材25は、図2に示すように、側面から見ると上流側の端面形状がストレートではない。上部側が最も長く、上部から中心線の位置までは徐々に短くなり、中心線の位置から下部側までは同じ長さに形成されている。これは、送風ファン14の構造上、上部側を流れる風量が下流側を流れる風量よりも多いので、燃焼室17内へ導入される送風空気の量を環状に形成された二次空気導入口26の全体で均一化するようにしたためである。
【0011】次に、このように構成された熱風発生装置21の動作態様を説明する。バーナー4の燃料噴射ノズル15から噴射された灯油に着火が行われると、燃焼炎18が燃焼室22内で形成される。この燃焼炎18によって加熱された燃焼室内の空気に対して先ず一次空気導入口24から送風空気が導入され、混合される。そして、更にこの混合空気に対して二次空気導入口26から送風空気が導入され、混合される。従って、上流側で加熱空気と送風空気とが混合撹拌された後、下流側でも同様に混合撹拌された空気と送風空気とが混合撹拌されるので、混合撹拌がより均一に行われることになり、温度ムラ等がない。また二箇所から送風空気を導入することにより、導入されたこれらの送風空気は、未燃焼成分があればこれを再燃焼させる働きもあり、未燃焼成分の減少やススの発生を抑制することが可能である。
【0012】更に、内筒部材23と外筒部材25との二重筒構造で燃焼室の前後に送風空気の導入口を形成したので、一次空気導入口24から燃焼室22内へ導入される送風空気によって外筒部材25自体の冷却が行われ、異常加熱となることはない。また均一で温度ムラのない熱風が得られるため、この実施の形態に係る熱風発生装置21を、図4及び図5に示す融雪装置へ適用した場合、ダクト6の熱風発生装置21に近い部分の温度が上昇して変形する等のことはない。しかも、熱風の温度ムラがないため、分岐器の全体をムダなく均一加熱して融雪することができ、融雪効果に優れ、結果として融雪装置を運転する時間が短くなり、燃料の使用量を低減することが可能である。
【0013】図3は、本発明に係る熱風発生装置21と従来の熱風発生装置5とを融雪装置1として用いた場合の工場内と現場における二箇所で温度ムラの発生状況を確認したシステムの全体構成を示すものである。同図において、27は空気取入口、28は空気取入ダクト、29は送風側ダクト、EF−1は熱風の第一の吹出口、EF−2は熱風の第二の吹出口である。熱風発生装置から第一の吹出口までの距離は0.465m、第二の吹出口までの距離は2.145mである。また本発明に係る熱風発生装置21と従来の熱風発生装置5の運転条件は、次の通りである。熱風発生機の風量については、1800m3 /hで、熱量は40.67Kw、外軌温度は5℃、熱風の吹き出し面積は、0.0355m2 の同一条件として試験を行った。
【0014】
【表1】

【0015】表1は、これらの実験結果を示すものであり、第一の吹出口と第二の吹出口との温度差を求めたものである。この表1によれば、本発明に係る熱風発生装置21の場合は、工場内での実験結果における温度差は27℃であり、現場における温度差は36℃である。これに対して従来の熱風発生装置5の場合は、工場内での実験結果における温度差は39℃であり、現場における温度差は68℃もあった。従って、本発明に係る熱風発生装置21は、従来の熱風発生装置5に比較して、工場内で39℃−27℃=12℃も温度差が少なく、現場で68℃−36℃=32℃も温度差が少なくなっている。しかも、第二の吹出口での温度は、本発明に係る熱風発生装置21の場合が、工場内で68℃、現場で57℃であるのに対し、従来の熱風発生装置5の場合は、工場内で60℃、現場で36℃といずれも本発明に係る装置よりも低いことが明らかである。つまり、本発明に係る装置21は、温度ムラが少なく、しかも第二の吹出口での温度も高いために、分岐器の全体において優れた融雪効果が得られることが明らかである。
【0016】ところで、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、適宜の変更が可能である。例えば、熱風発生装置21の一次空気導入口24を、内筒部材23と外筒部材25との間の環状の隙間を利用して形成するようにしたが、全体を一つの筒部材とし、その前端側に一次空気の導入口を形成し、後端側に二次空気の導入口を形成するようにすることも可能である。また送風ファン14及び燃料噴射ノズル15を含めたバーナー4は、市販のものを利用することが可能であり、これらの性能等は熱風発生装置21が設置される現場の状況等に応じて適宜選択するようにすればよい。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように本発明にあっては、筒状の燃焼室内で燃焼炎を形成し、外部から送風空気を供給して燃焼室内の加熱空気と混合し、熱風を発生させる装置において、筒状の燃焼室の前後の二箇所に送風空気の導入口を設けたから、上流側で加熱空気と送風空気とが混合撹拌された後、下流側でも同様に混合された加熱空気と新たな送風空気とが混合撹拌されるので、より均一な混合撹拌が得られ、温度ムラ等がない。また二箇所から送風空気を導入することにより、未燃焼成分があれば、これを再燃焼させる働きもあり、未燃焼成分の減少やススの発生を抑制することが可能である。
【0018】また本発明にあっては、内筒と外筒とで燃焼室を形成し、外筒の上流側端面と内筒の外周面との間に送風空気の一次導入口を形成し、外筒の下流側端面寄りの外周面に送風空気の二次導入口を形成したから、一次導入口から燃焼室内へ導入される送風空気によって外筒自体の冷却が行われ、異常加熱となるようなことはない。
【0019】更に、このような熱風発生装置を鉄道線路の分岐器の融雪装置に用いた場合は、温度ムラのない熱風装置を提供でき、融雪効果に優れるの運転時間も短くでき、燃料の使用量を抑制することが可能である。
【出願人】 【識別番号】000196587
【氏名又は名称】西日本旅客鉄道株式会社
【識別番号】391039173
【氏名又は名称】株式会社ジェイアール西日本テクノス
【出願日】 平成11年11月2日(1999.11.2)
【代理人】 【識別番号】100082016
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敏彦
【公開番号】 特開2001−132904(P2001−132904A)
【公開日】 平成13年5月18日(2001.5.18)
【出願番号】 特願平11−312252