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【発明の名称】 燃焼方法及び装置
【発明者】 【氏名】根本 功

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上下方向に複数段の燃焼室を形成し、燃焼物を上方の燃焼室から下方の燃焼室に順次落下させながら各燃焼室で燃焼させる燃焼方法であって、落下させた燃焼灰を含む未燃焼分を燃焼室底部に一旦保持する工程;及び各燃焼室底部に保持された燃焼灰と未燃焼分を再びその下方の燃焼室に落下させながら燃焼させる工程;を複数回繰り返すことを特徴とする燃焼方法。
【請求項2】 上下方向に並べて形成した複数段の燃焼室;上下の隣接する燃焼室間を連通させる、各燃焼室底部に形成した連通穴;各燃焼室の連通穴から燃焼灰を含む粉体を燃焼室底部に落下させる手段;及び各燃焼室内にそれぞれ設けられた燃焼手段;を有することを特徴とする燃焼装置。
【請求項3】 請求項2記載の燃焼装置において、燃焼室の底部は、複数段の底部円板から構成されていて、この底部円板にそれぞれ平面的に見て少なくとも上下に隣接する燃焼室の異なる位置に位置させて連通穴が形成されており、この連通穴から燃焼物を落下させる手段は、該底部円板に対して相対移動して未燃焼分を底部円板上から連通穴に掻き落とすスクレーパである燃焼装置。
【請求項4】 請求項3記載の燃焼装置において、複数段の底部円板は回転駆動され、スクレーパは、燃焼室周壁に固定されている燃焼装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【技術分野】本発明は、燃焼方法及び装置に関し、特に粉体や破砕体に適した燃焼方法及び装置に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】粉体や細かい破砕体は、積み上げた状態では固体よりも燃焼させることが難しい。特に、粒径の小さい粉体や、アスベスト粉のような高温での燃焼を必要とする粉体では、一層燃焼が困難である。一方、粉体は吹き上げた状態では比較的簡単に燃焼させることができるが、吹き上げ状態を作るには多くのエネルギを必要とし、燃焼効率が悪い。
【0003】
【発明の目的】本発明は、粒径によらず、燃焼物を効率的に燃焼させることができる燃焼方法及び装置を得ることを目的とする。
【0004】
【発明の概要】本発明は、燃焼物を落下させながら燃焼させるにつき、落下させながら燃焼する状態を任意回数作りながら燃焼させるという着眼に基づいてなされたもので、方法の態様では、上下方向に複数段の燃焼室を形成し、燃焼物を上方の燃焼室から下方の燃焼室に順次落下させながら各燃焼室で燃焼させる燃焼方法であって、落下させた燃焼灰を含む未燃焼分を燃焼室底部に一旦保持する工程;及び各燃焼室底部に保持された燃焼灰と未燃焼分を再びその下方の燃焼室に落下させながら燃焼させる工程;を複数回繰り返すことを特徴としている。
【0005】本発明は、装置の態様では、上下方向に並べて形成した複数段の燃焼室;上下の隣接する燃焼室間を連通させる、各燃焼室底部に形成した連通穴;各燃焼室の連通穴から燃焼灰を含む燃焼物を燃焼室底部に落下させる手段;及び各燃焼室内にそれぞれ設けられた燃焼手段;を有することを特徴としている。連通穴及び落下させる手段は、一つ燃焼室底部の連通穴から落下させた燃焼物がその直下の燃焼室底部の連通穴を素通りすることなく、一旦燃焼室底部に落下するように定める。最も簡単には、上下に隣接する燃焼室の連通穴の位置を平面的に見て異ならせることが好ましいが、連通穴の平面的な位置を同じあるいは一部オーバラップさせた上で、連通穴の上部に別途邪魔板を設けることにより、連通穴を素通りさせずに燃焼物を燃焼室底部に一旦落下させることができる。
【0006】燃焼室の底部は、例えば、複数段の底部円板から構成し、この底部円板にそれぞれ平面的に見て少なくとも上下に隣接する燃焼室の異なる位置に位置させて連通穴を形成する。そして、この連通穴から燃焼物を落下させる手段は、該底部円板に対して相対移動して未燃焼分を底部円板上から連通穴に掻き落とすスクレーパから構成する。底部円板とスクレーパは少なくとも一方を移動させればよいが、例えば、複数段の底部円板を回転駆動し、スクレーパを、燃焼室周壁に固定することができる。
【0007】この構成によれば、底部円板上に堆積される燃焼灰を含む燃焼物がスクレーパにより押されて連通穴から落下する。理論的には、燃焼室の段数をn段とすれば、各燃焼室に落下する際、1/nずつ燃焼物が燃焼するように諸条件を設定することにより、全ての燃焼物を燃焼させることができる。
【0008】
【発明の実施形態】図1は、本発明による燃焼装置100を含む燃焼システムの全体構成例である。燃焼装置100の排煙筒には、セラミックフィルタ101を有する排煙通路102が連結されていて、この排煙通路102は、さらに水冷却塔103、熱交換器104、及び排煙筒105に順に接続されている。
【0009】燃焼装置100は、全体として円筒状をなす燃焼筒10を備え、その中心部に、回転駆動軸11が回転自在に支持されている。燃焼筒10の上端部には、この燃焼筒10の回転駆動機構12が支持されている。回転駆動機構12は、燃焼筒10を可変速度で回転させることができる。本燃焼装置100は、粉体、破砕体その他の比較的粒径が細かい燃焼物の燃焼に適しており、以下の説明では燃焼物として粉体を想定して説明する。
【0010】燃焼筒10には、その上部あるいは中間部に、粉体(燃焼物)投入口13が開口している。回転駆動軸11には、この燃焼物投入口13より下方に位置させて順に、空気供給枠15と4段の回転底部円板16が間隔を置いて固定されている。空気供給枠15は、回転駆動軸11の軸部から供給される空気の吐出ノズル15aを多数備えていて、燃焼物投入口13から投入された燃焼物の燃焼効率を向上させる作用をする。燃焼筒10には、この空気供給枠15の上方に位置させて、第一の燃焼バーナー17が設けられており、燃焼物投入口13から投入された粉体は、この燃焼バーナー17により空気供給枠15の上部で一次的に燃焼する。
【0011】空気供給枠15は、図3に示すように、枠体からなっていて、未燃焼の粉体及び燃焼灰は自由に落下することができる。一方、各回転底部円板16は、図4ないし図9に示すように、平面的に見て異なる部分に連通穴16aを有し、それぞれの上部に燃焼室18を構成している。図示例では、4枚存在する回転底部円板16の連通穴16aはそれぞれ、回転駆動軸11を中心とする略90゜をなし、かつ、連通穴16aの位置は、下方の回転底部円板16に行くに従い、略90゜ずつ同じ方向にずれている。従って、一つの回転底部円板16の連通穴16aから落下した粉体の殆どは、必ず下方の回転底部円板16上に堆積され、上下の複数の連通穴16aを通して一気に粉体が下降することがない。回転底部円板16は、例えばメッシュ材から構成し、微細な粒子は、該底部円板16を通って落下するようにしてもよい。さらに、このメッシュ材の粗さを、上方の回転底部円板16程粗くしてもよい。
【0012】なお、上下に隣接する連通穴16aの平面的な位置を異ならせる代わりに、連通穴16aの平面的な位置を同じとしあるいは一部オーバラップさせた上で、連通穴16aの上部に別途邪魔板を設けることにより、連通穴を素通りさせずに粉体を回転底部円板16上に一旦落下させることができる。
【0013】燃焼筒10には、各燃焼室18内に位置させて、燃焼バーナー19が備えられている。各燃焼室18は、回転底部円板16の連通穴16aと燃焼バーナー19の位置(方向)を除いては、同じ構造をしている。燃焼バーナー17、19の位置と方向は一例を示すものであり、燃焼物の性状その他に応じて、その位置と方向を設定することができる。図4ないし図7では、連通穴16a部分を除く回転底部円板16の平面形状にハッチングを付した。なお、図示していないが、各燃焼室18には、回転駆動軸11の軸部その他から供給される空気の吐出ノズルが設けられており、燃焼に必要な空気が適宜供給される。
【0014】燃焼筒10には、各燃焼室18を燃焼筒10の上部から排煙通路102に連通させる個別煙突パイプ21(図8)が設けられている。勿論、個別排煙パイプ21に代えて、燃焼筒10を二重筒としてその内筒を燃焼筒とし、外筒を煙突筒としてもよい。
【0015】燃焼筒10にはさらに、各燃焼室18の回転底部円板16に対応させて、複数のスクレーパ22が固定されている。このスクレーパ22は、回転底部円板16の回転に伴い、回転底部円板16上の粉体を回転底部円板16上でならすとともに、連通穴16aに向けて押し出して落下させる作用をする。
【0016】燃焼筒10の最下方の回転底部円板16の下方には、集塵室23が設けられている。
【0017】上記構成の本装置は、回転駆動機構12により回転駆動軸11(全回転底部円板)16を低速(例えば15分に1回転)で回転駆動し、空気供給枠15の吐出ノズル15aから空気を噴射させ、燃焼バーナー17及び燃焼バーナー19の全てを点火した状態において、燃焼物投入口13から燃焼させるべき粉体を投入して使用する。投入された粉体は、まず空気供給枠15の吐出ノズル15aから吹き出される空気により一部が吹き上げられ、一部は空気供給枠15を通して第一段目の回転底部円板16上に落下する。この第一の工程において、空気供給枠15により吹き上げられた粉体は、燃焼バーナー17の燃焼熱によって燃焼する。このとき、燃焼せずに回転底部円板16上に落下した粉体の一部は連通穴16aから第二段目の回転底部円板16上に落下するが、第二段目の回転底部円板16の連通穴16aは、第一段目の連通穴16aとは平面的に見た位置が異なるので、二段目の回転底部円板13の上に留まる。
【0018】一段目の回転底部円板16上に落下堆積した未燃焼灰及び燃焼灰は、回転底部円板16(回転駆動軸11)の回転に伴い、相対移動するスクレーパ22により押されてその連通穴16aから二段目の回転底部円板16上に落下する。この落下の途中で燃焼バーナー19の燃焼熱により一部が燃焼し、残部が二段目の回転底部円板16上に堆積され、以下同じ動作が繰り返される。
【0019】この動作は、上下の回転底部円板16(燃焼室18)間で同一であるから、回転底部円板16の間隔を誇張して描いた図9により、その落下動作を説明する。図示例では、スクレーパ22は、回転底部円板16の上面との距離が大きい背の低いスクレーパ22Lと、距離が小さい背の高いスクレーパ22Hとが存在している。いま、粉体Pを堆積させた回転底部円板16が矢印方向(時計方向)に回転していくと仮定する。燃焼筒10に固定されているスクレーパ22Lの下方に連通穴16aの回転方向前方のエッジ部Fが至ると、まずスクレーパ22Lが堆積された粉体Pに当接してその高さがならされる。次に、高さがならされた粉体Pにスクレーパ22Hが当接して、回転底部円板16上の粉体Pを回転方向後方へと押していく。その結果、粉体は、連通穴16aの回転方向後方のエッジ部Rからこぼれ落ち、下方の燃焼室18に落下していくことになる。この落下の途中で、燃焼バーナー19の燃焼熱によって一部が燃焼し、未燃焼分は、下方の回転底部円板16上に堆積される。前述のように、上下の回転底部円板16の連通穴16aの位置は、平面的に見て異なっているため、落下した粉体が各連通穴16aを素通りして落下することはなく、以上の動作が、上下の燃焼室18(回転底部円板16)で繰り返されるため、粉体は良好に燃焼される。最下方の回転底部円板16の連通穴16aから落下する粉体は、燃焼灰だけとなり、この燃焼灰は、集塵室23内に溜められた後、適宜廃棄される。
【0020】別言すれば、回転底部円板16(燃焼室18)の設置段数や回転底部円板16(回転駆動軸11)の回転速度は、燃焼させるべき粉体の種類や粒状に応じて、最終段の回転底部円板16に至る迄に、全てが燃焼されるように定める。本発明は、燃焼させる燃焼物の種類(材質)や粒径を問わないが、例えば、アスベスト粉、木粉等の粉体は勿論、クラッシュされた各種の燃焼物(破砕体)等の燃焼に適用することができる。図示実施形態では、複数の底部円板16の連通穴16aの大きさを同一としたが、異ならせてもよい。
【0021】以上の燃焼過程で生じた燃焼灰等の不純物を含む燃焼ガスは、個別排煙パイプ21、セラミックフィルタ101を有する排煙通路102、水冷却塔103、熱交換器104及び排煙筒105を介して清浄化され、大気に放出される。もっとも、燃焼装置100の後方の構成は一例を示したものであり、本発明は、燃焼装置100で生じた燃焼ガスの処理の如何は問わない。
【0022】以上の実施形態では、回転底部円板16を回転させ、スクレーパ22を固定したが、回転底部円板16とスクレーパ22は、いずれか一方を回転させればよい。また、図示実施形態では、各燃焼室18内に板状のスクレーパ22を2枚配置したが、スクレーパの形状は、板状に限らない。特に燃焼物の高さをならすために、棒状のスクレーパを適宜追加することができる。
【0023】空気供給枠15は、粉体投入時にある程度の燃焼を行わせるため設置することが好ましいが、必須ではない。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、燃焼物を上方の燃焼室から下方の燃焼室に次々に落下させ、燃焼しやすい落下状態を次々に作りながら、燃焼させることができる。燃焼物は自重で落下させるものであるから、小さいエネルギで効率的に燃焼させることができる。
【出願人】 【識別番号】000230973
【氏名又は名称】日本工営株式会社
【識別番号】390027292
【氏名又は名称】根本企画工業株式会社
【出願日】 平成11年11月4日(1999.11.4)
【代理人】 【識別番号】100083286
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 邦夫
【公開番号】 特開2001−132903(P2001−132903A)
【公開日】 平成13年5月18日(2001.5.18)
【出願番号】 特願平11−313852