トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F23 燃焼装置;燃焼方法




【発明の名称】 音響バーナ
【発明者】 【氏名】園田 圭介

【氏名】本田 巌

【氏名】橋口 和明

【要約】 【課題】本発明は、燃焼効率を上げることを課題とする。

【解決手段】ガス燃料に一次空気を加えた混合燃料を燃焼反応域26へ供給する主配管21と、この主配管21の外周部に配置され、二次空気を前記燃焼反応域26へ供給する副配管27と、前記燃焼反応域26へ音響を加える音響発振器22とを具備することを特徴とする音響バーナ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 燃料、あるいは燃料に酸化剤を加えた混合燃料を燃焼反応域へ供給する主配管と、この主配管の外周部に配置され、酸化剤を前記燃焼反応域へ供給する副配管と、前記燃焼反応域へ音響を加える音響発振器とを具備することを特徴とする音響バーナ。
【請求項2】 前記音響発振器から前記主配管内を通って燃焼反応域へ音響を加えることを特徴とする請求項1記載の音響バーナ。
【請求項3】 前記音響発振器から前記副配管内を通って燃焼反応域へ音響を加えることを特徴とする請求項1記載の音響バーナ。
【請求項4】 前記主配管の先端部に噴霧用ノズルを配置し、この噴霧用ノズルから液体燃料を前記燃焼反応域に供給することを特徴とする請求項1記載の音響バーナ。
【請求項5】 前記主配管は液体燃料を燃焼反応域側へ供給する第1の配管と噴霧用空気を燃焼反応域側へ供給する第2の配管とからなるとともに、前記第1、第2配管の先端部に噴霧用ノズルを配置し、この噴霧用ノズルから噴霧用空気を混入した液体燃料を前記燃焼反応域に供給することを特徴とする請求項1記載の音響バーナ。
【請求項6】 前記主配管の燃焼反応域側に、多数のガス吹出し穴を有した多孔板を配置したことを特徴とする請求項1記載の音響バーナ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス焚、油焚、微粉炭焚等のバーナとして、あるいは燃焼器に使用される音響バーナに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のバーナとしては、例えば主要な配管(主配管)からプロパン等のガス燃料(あるいは微粉炭)に一次空気を加えたものを燃焼反応域に供給するとともに、前記主配管の外周部に該主配管と同心円上に形成された別な配管(副配管)から二次空気をスワラ(旋回ベーン)により旋回させて燃焼反応域に供給して、燃焼を行うものが知られている。
【0003】こうしたバーナでは、従来、ガス燃料の噴霧の強度、流量を調整したり、スワラによる二次空気の旋回強さを調整したり、あるいはガス燃料の量を調整するなどして、NOx,CO,O等の燃焼生成物の量を制御していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、燃料あるいは燃料に酸化剤を加えた混合燃料を燃焼反応域へ供給する主配管と、この主配管の外周部に配置され、酸化剤を前記燃焼反応域へ供給する副配管と、前記燃焼反応域へ音響を加える音響発振器とを有する構成とし、音響発振器から音響を燃焼反応域に加えることにより、燃焼反応域での乱流混合を促進させ、火炎長を調節したり、燃焼生成物の量を制御し燃焼効率を高めることが可能な音響バーナを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、燃料、あるいは燃料に酸化剤を加えた混合燃料を燃焼反応域へ供給する主配管と、この主配管の外周部に配置され、酸化剤を前記燃焼反応域へ供給する副配管と、前記燃焼反応域へ音響を加える音響発振器とを具備することを特徴とする音響バーナである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の音響バーナについて詳しく説明する。本発明において、前記音響発振器は、前記主配管あるいは副配管、あるいは主配管又は副配管から分岐する分岐管のいずれに配置しても良い。但し、音響発振器からの音響は燃焼反応域に達し、ここで火炎噴射方向に疎密波を伝播させて、乱流混合層で乱流混合を促進させる必要がある。
【0007】図8は本発明に係る音響バーナの一例を示すもので、図8(A)は音響バーナの概略図、図8(B)は図8(A)の要部の説明図を示す。図8(A)に示すように、音響バーナは、主配管21と、この主配管21の上端外周部に該主配管21と同心円上に配置された副配管27と、主配管21の一端部(下端部)に配置された音響発振器22とを有している。ここで、主配管21の途中からは例えば(プロパン+一次空気)Xが主配管21の軸方向に沿って燃焼反応域26に供給され、副配管27からは図示しない旋回ベーンを経た例えば二次空気Yが燃焼反応域26に供給される。音響発振器から音響を燃焼反応域26に送って、プロパンを混合した一次空気に振動を与える。これにより、この一次空気の流れが二次空気に対して速くなったり遅くなったりし、乱流混合が促進される。
【0008】本発明において、主配管から燃焼反応域に供給する燃料としては、例えばプロパン等のガス燃料、微粉炭、あるいは液体燃料が挙げられる。
【0009】図1は、本発明に係るアクティブ音響燃焼試験装置の一例を示す。
【0010】図中の付番1は、一端部に音響発生器2を配置した主配管を示す。前記音響発生器2には、増幅器3、周波数変調器4が接続されている。前記主配管1には混合器5が分岐管6を介して接続され、前記混合器5には空気(一次空気)、LPG及びNHが供給されるようになっている。
【0011】前記主配管1の他端部には、主配管1と同心上に副配管7が配置され、この副配管7内に二次空気を旋回させる旋回ベーン(スワラ)8が配置されている。前記主配管1及び副配管7は、夫々観察窓9を有した風洞10に接続されている。
【0012】前記観察窓9から観察される燃焼反応域(図示せず)には、スパーク電源11に接続されたイグナイタ12が配置されている。また、前記風洞10の下流側には、排ガス成分を計測する排ガス成分計測器13が配置されている。
【0013】
【実施例】以下、本発明の各実施例について図面を参照して説明する。
(実施例1)図2を参照する。図2は、本発明の実施例1に係る音響バーナの例を示す。図中の付番21は、一端に音響発振器22が配置された主配管を示す。前記音響発振器22には、増幅器23、周波数変調器24が順次電気的に接続されている。前記主配管21には分岐管25が接続され、この分岐管25より(ガス燃料+一次空気)が主配管21を経て燃焼反応域26へ供給される。前記主配管21の他端部寄りの外周部には、主配管21と同心円上の副配管27が配置されている。この副配管27の先端には、二次空気を旋回するためのスワラ(旋回ベーン)28が配置されている。
【0014】こうした構成のガス焚バーナでは、分岐管25、主配管21を順次経た(ガス燃料+一次空気)の流れと、副配管27からの旋回された二次空気の流れを燃焼反応域26に供給し、両者の混合領域に音響発生器22から主配管21の軸方向に音響を与える。すなわち、ガス燃料を混合した一次空気に振動を与える。その結果、(ガス燃料+一次空気)と二次空気との乱流混合層では、一次空気の流れが二次空気に対して速くなったり遅くなったりし、乱流混合が促進される。これにより、火炎長を調整したり、NOx、CO、O等の燃焼生成物を制御することができる。
【0015】事実、上記実施例1に係る音響バーナを図1の音響燃焼試験装置のようにセットし、例えば下記の燃焼条件及び音響条件で試験をしたところ、下記表1のような結果が得られた。
【0016】
(燃焼条件)
流量:プロパン(0.25リットル/min) 一次空気(1.3リットル/min) 二次空気(9.0リットル/min) 流速:予混合 (1.0m/s) 二次空気(0.4m/s) (音響条件) 550Hz、 16.5W(99dB)
【0017】
【表1】

【0018】上記表1より、音圧を加えた場合、COが音圧を加えない通常の燃焼に比べて減少し、逆にNOxは増加することが確認された。また、火炎長に関しては、音圧を加えることにより、200mmから140mmに短くできることが確認された。
【0019】なお、上記実施例1では、分岐管を経て主配管から(ガス燃料+一次空気)を供給し、副配管から二次空気を供給する場合について述べたが、これに限らず、分岐管から主配管を経てからガス燃料のみを供給し、副配管から空気を供給する場合でもよい。
【0020】(実施例2)図3を参照する。但し、図2と同部材は同符号を付して説明を省略する。実施例2に係る音響バーナは、実施例1の音響バーナと比べ、主配管21に分岐管25から(ガス燃料+一次空気)の代わりに(微粉炭+一次空気)を供給する点が異なる。他の構成は同じである。
【0021】こうした構成の微粉炭焚バーナでは、分岐管25、主配管21を順次経た(微粉炭+一次空気)の流れと、副配管27からの旋回された二次空気の流れを燃焼反応域26に供給し、両者の混合領域に音響発生器22から主配管21の軸方向に音響を与える。すなわち、微粉炭を混合した一次空気に振動を与える。その結果、(微粉炭+一次空気)と二次空気との乱流混合層では、(微粉炭+一次空気)の流れが二次空気に対して速くなったり遅くなったりし、乱流混合が促進され、実施例1と同様な効果が得られる。
【0022】(実施例3)図4を参照する。但し、図2と同部材は同符号を付して説明を省略する。実施例3に係る音響バーナは、実施例1の音響バーナと比べ、音響発振器22を分岐管25の一端部に配置すること、及び(微粉炭+一次空気)を主配管25の一端側から燃焼反応域26に供給することが異なる。他の構成は同じである。
【0023】こうした構成の音響バーナでは、分岐管25からの(微粉炭+一次空気)の流れと、副配管27からの旋回された二次空気の流れを燃焼反応域26に供給し、両者の混合領域に音響発生器22から分岐管25を経て主配管21の軸方向に音響を与える。すなわち、微粉炭を混合した一次空気に振動を与える。その結果、(微粉炭+一次空気)と二次空気との乱流混合層では、一次空気の流れが二次空気に対して速くなったり遅くなったりし、乱流混合が促進され、実施例1と同様な効果が得られる。
【0024】(実施例4)図5を参照する。但し、図2と同部材は同符号を付して説明を省略する。実施例4に係る音響バーナは、実施例1の音響バーナと比べ、音響発振器22を副配管27の一端部に配置して二次空気に音響を印加すること、及び(ガス燃料+一次空気)の代わりに(微粉炭+一次空気)を主配管25の一端側から燃焼反応域26に供給することが異なる。他の構成は同じである。
【0025】こうした構成の音響バーナでは、主配管21からの(微粉炭+一次空気)の流れと、副配管27からの旋回された二次空気の流れを燃焼反応域26に供給し、両者の混合領域に音響発生器22から副配管27を経て主配管21の軸方向に音響を与える。すなわち、二次空気に振動を与える。その結果、(微粉炭+一次空気)と二次空気との乱流混合層では、二次空気の流れが微粉炭を混合した一次空気に対して速くなったり遅くなったりし、乱流混合が促進され、実施例1と同様な効果が得られる。
【0026】(実施例5)図6を参照する。但し、図2と同部材は同符号を付して説明を省略する。実施例5に係る音響バーナは、実施例1の音響バーナと比べ、音響発振器22を副配管27の一端部に配置して二次空気に音響を印加すること、及び(微粉炭+一次空気)の代わりに液体燃料を分岐管29から副配管27を経て燃焼反応域26に供給すること、及び主配管21の他端側に液体燃料噴霧用ノズル31を設けたことが異なる。他の構成は同じである。
【0027】こうした構成の音響バーナでは、主配管21からの液体燃料を前記噴霧用ノズル31を経て燃焼反応域26へ供給し、かつ分岐管29からの旋回された二次空気を燃焼反応域26に供給し、ここで両者を混合する。液体燃料は、前記噴霧用ノズル31により圧力を加えて燃焼反応域26に供給される。そして、この混合領域に音響発生器22から副配管27を経て主配管21の軸方向に音響を与える。すなわち、二次空気に振動を与える。その結果、噴霧用ノズル31から圧力により噴霧される液体燃料と二次空気との乱流混合層では、この二次空気の流れが液体燃料に対して速くなったり遅くなったりし、乱流混合が促進され、実施例1と同様な効果が得られる。
【0028】(実施例6)図7を参照する。但し、図2、図6と同部材は同符号を付して説明を省略する。実施例6に係る音響バーナは、実施例1の音響バーナと比べ、音響発振器22を副配管27の一端部に配置して二次空気に音響を印加すること、及び(微粉炭+一次空気)の代わりに液体燃料と噴霧用空気を主配管25の一端側から燃焼反応域26に供給すること、及び主配管21の他端側に液体燃料噴霧用ノズル31’を設けたことが異なるのみで、他の構成は同じである。ここで、主配管21は、液体燃料を供給する第1の配管21aと、噴霧用空気を供給する第2の配管21bとから構成されている。
【0029】こうした構成の音響バーナでは、第1の配管21aからの液体燃料と第2の配管21bからの噴霧用空気は前記噴霧用ノズル31’を経て燃焼反応域26へ供給され、かつ副配管27からの旋回された二次空気の流れは燃焼反応域26に供給され、ここで両者が混合される。そして、この混合された領域に音響発生器22から副配管27の一端部から主配管21の軸方向に沿って音響を与える。その結果、(液体燃料+噴霧空気)と二次空気との乱流混合が促進され、実施例1と同様な効果を有する。
【0030】なお、以上の実施例では、副配管の先端にスワラ(旋回ベーン)を設置した場合を説明したが、スワラがない場合もありえる。
【0031】また、上記実施例では、主配管から燃料あるいは燃料に酸化剤を加えた混合燃料が燃焼反応域へ直接あるいは噴霧用ノズルを介して供給される音響バーナの場合について述べたが、図9(A)、(B)に示すようにフラットバーナにも適用できる。ここで、図9(A)はフラットバーナの全体図、図9(B)は図9(A)の一構成部材である多孔板の平面図を示す。
【0032】多孔板41は、図9(B)に示すように平面的にみて略等間隔にガス吹出し部(白ヌキ部)41a,ガス吹出し部(斜線部)41bを有している。ここで、主配管21の分岐管21aから供給された空気は多孔板41のガス吹出し部41aを矢印Xのように通過し、副配管27から供給されたガス燃料は多孔板41のガス吹出し部41bを矢印Yのように通過する(図9(A)参照)。他の構成は上記実施例と同様である。
【0033】図9のフラットバーナでは、主配管から空気が副配管からガス燃料が供給される場合について述べたが、これに限らず、例えば主配管から二次空気及び副配管から(ガス燃料+一次空気)が供給される場合、あるいは主配管からガス燃料及び副配管から空気が供給される場合、あるいは主配管から(ガス燃料+一次空気)及び副配管から二次空気が供給される場合でもよい。
【0034】こうした構成のフラットバーナによれば、上記実施例と同様に燃焼生成物を制御したり、燃焼効率を上げることができるという利点を有する他、短炎化を実現することができる。
【0035】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、燃料あるいは燃料に酸化剤を加えた混合燃料を燃焼反応域へ供給する主配管と、この主配管の外周部に配置され、酸化剤を前記燃焼反応域へ供給する副配管と、前記燃焼反応域へ音響を加える音響発振器とを有する構成とし、音響発振器から音響を燃焼反応域に加えることにより、燃焼反応域での乱流混合を促進させ、火炎長を調節したり、燃焼生成物の量を制御して燃焼効率を高めることが可能な音響バーナを提供できる。
【出願人】 【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
【出願日】 平成11年10月25日(1999.10.25)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外4名)
【公開番号】 特開2001−124308(P2001−124308A)
【公開日】 平成13年5月11日(2001.5.11)
【出願番号】 特願平11−302389