トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F23 燃焼装置;燃焼方法




【発明の名称】 流動状態監視装置
【発明者】 【氏名】下平 克己

【氏名】深山 幸穂

【要約】 【課題】流動層内の局部的な流動状態の変化を検知すること。

【解決手段】流動層10内に挿入された伝熱管20の管路のうち流動層10外の管路に加速度センサ24を設置し、上昇する気泡18や気泡18に同伴して移動する流動媒体12の粒子が伝熱管20に順次衝突するときに発生する流動音を加速度センサ24で検出し、この検出信号をバンドパスフィルタ28と検波器30で処理して流動音の強度を求め、この求めた流動音の強度と流動音に関する上下限値とを比較器32で比較し、求めた流動音の強度が上下限値から外れたときに警報表示器36から警報を発生したり、警報表示器36に異常状態を表示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 流動層ボラの外部から前記流動層ボラの流動層内に亘って配置された伝熱管を伝播する流動音を検出する流動音検出手段と、この流動音検出手段の検出出力に基づいて前記流動層内における流動媒体の流動状態を監視する監視手段とを備えてなる流動状態監視装置。
【請求項2】 流動層ボラの外部から前記流動層ボラの流動層内に亘って配置された伝熱管を伝播する流動音を検出して検出信号を出力する流動音検出手段と、この流動音検出手段の検出信号を処理して前記流動音の強度を算出する信号処理手段と、この信号処理手段の処理により得られた流動音の強度がその上下限値から外れたときに警報を発生する警報発生手段とを備えてなる流動状態監視装置。
【請求項3】 流動層ボラの外部から前記流動層ボラの流動層内に亘って配置された伝熱管を伝播する流動音を検出して検出信号を出力する流動音検出手段と、この流動音検出手段の検出信号を処理して前記流動音の強度を算出する信号処理手段と、この信号処理手段の処理により得られた流動音の強度と流動音の強度に関する上下限値を表示する表示手段とを備えてなる流動状態監視装置。
【請求項4】 流動層ボラの外部から前記流動層ボラの流動層内に亘って配置された複数の伝熱管をそれぞれ伝播する流動音を検出して検出信号を出力する複数の流動音検出手段と、前記複数の流動音検出手段の検出信号をそれぞれ処理して前記各伝熱管における流動音の強度を算出する信号処理手段と、この信号処理手段の処理により得られた各伝熱管における流動音の強度を表示する表示手段とを備えてなる流動状態監視装置。
【請求項5】 前記流動音検出手段は、前記伝熱管の管路のうち前記流動層からの取り出し部と管寄せへの接合部とを結ぶ部位に設置されてなることを特徴とする請求項1、2、3または4に記載の流動状態監視装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流動状態監視装置に係り、特に、流動層ボイラにおける流動層内の局部的な流動状態の異常発生を検知するに好適な流動状態監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の流動層ボイラとしては、例えば図3及び図4に示すものが知られている。この流動層ボイラの流動層50内には、流動媒体(BM;Bed Material)52が充填されており、この流動媒体52は、空気分散板54を通じてウインドボックス56から供給される空気により流動化され、気泡58の上昇に伴って撹拌されるようになっている。一方、石炭などの燃料は、燃料ノズル(図示省略)より、流動層50内の下部側に供給され、流動媒体52によって拡散され、空気と反応して燃焼するようになっている。
【0003】また流動層50内には、複数の伝熱管60が挿入されており、各伝熱管60は、燃料により発生する熱を回収するようになっている。そして各伝熱管60は、流動層50外に設置された管寄せ(ヘッダ、集合管とも呼ばれる)62に接続されている。
【0004】上記構成における流動層ボイラを安定に運転するためには、流動層50全体が均一に、良好な流動状態に保たれることが重要である。
【0005】そこで、従来技術では、流動層50の上面を監視する炉内カメラ64や、分散板差圧あるいは層差圧を計測する差圧計測器66を設け、炉内カメラ64や差圧計測器64によって流動状態を監視していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来技術では、炉内カメラ64や差圧計測器66を用いて流動状態を監視しているが、炉内カメラ64で監視する場合、流動層50の炉壁に孔を設けたり、パージ空気などの設備を設けたりする必要があり、炉内カメラ64を多数設置することは困難である。このため、炉内カメラ50の監視による視野は限られ、炉内カメラ64によって流動層50全体を詳細に見渡すことは困難である。したがって、炉内カメラ50の画像から、流動層50の内部に局部的に流動状態が悪化したことを見いだすことは難しい。さらに、流動層50上のフリーボード部には、流動空気に同伴されて高温の微粒子(燃料灰など)が飛散する。これらの粒子は赤熱して炉内カメラ64の視界を遮るため、炉内カメラ64によって流動層50上面を観察することが困難となることがある。
【0007】一方、差圧計測器64で監視する場合、流動層50全体の状態を監視する目的には適当である。しかし、差圧計測器66で監視する場合、空気分散板54の一部のノズルが閉塞したときなど、流動層50内の局部的な流動状態の変化を検出することは困難である。
【0008】本発明の目的は、流動層内の局部的な流動状態の変化を検知することができる流動状態監視装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、本発明は、流動層ボラの外部から前記流動層ボラの流動層内に亘って配置された伝熱管を伝播する流動音を検出する流動音検出手段と、この流動音検出手段の検出出力に基づいて前記流動層内における流動媒体の流動状態を監視する監視手段とを備えてなる流動状態監視装置を構成したものである。
【0010】また、本発明は、流動層ボラの外部から前記流動層ボラの流動層内に亘って配置された伝熱管を伝播する流動音を検出して検出信号を出力する流動音検出手段と、この流動音検出手段の検出信号を処理して前記流動音の強度を算出する信号処理手段と、この信号処理手段の処理により得られた流動音の強度がその上下限値から外れたときに警報を発生する警報発生手段とを備えてなる流動状態監視装置を構成したものである。
【0011】前記流動状態監視装置を構成するに際して、前記警報発生手段の代わりに、前記信号処理手段の処理により得られた流動音の強度と流動音の強度に関する上下限値を表示する表示手段を用いることもできる。
【0012】また、本発明は、流動層ボラの外部から前記流動層ボラの流動層内に亘って配置された複数の伝熱管をそれぞれ伝播する流動音を検出して検出信号を出力する複数の流動音検出手段と、前記複数の流動音検出手段の検出信号をそれぞれ処理して前記各伝熱管における流動音の強度を算出する信号処理手段と、この信号処理手段の処理により得られた各伝熱管における流動音の強度を表示する表示手段とを備えてなる流動状態監視装置を構成したものである。
【0013】前記各流動状態監視装置を構成するに際しては、以下の要素を付加することができる。
【0014】(1)前記流動音検出手段は、前記伝熱管の管路のうち前記流動層からの取り出し部と管寄せへの接合部とを結ぶ部位に設置されてなる。
【0015】前記した手段によれば、伝熱管を伝播する流動音を検出し、この検出出力に基づいて流動層内における流動媒体の流動状態を監視するようにしたため、流動層内の局部的な流動状態の変化を検知することができる。すなわち、流動層の内部では、流動媒体中を上昇する気泡や気泡に同伴して移動する流動媒体の粒子が伝熱管に次々に衝突し、この衝突に伴って音(以下、流動音と称する。)が発生する。伝熱管から発生する流動音は、伝熱管の周囲の流動状態を反映すると考えられ、その強度は、流動媒体の流動が活発になるにしたがって大きくなる。したがって、伝熱管を伝播する流動音の強度を監視することで流動層内の局部的な流動状態の変化を検知することが可能になる。
【0016】具体的には、伝熱管を伝播する流動音を検出し、この検出信号を処理して流動音の強度を求め、この流動音の強度がその上下限値から外れたときに警報を発生したり、信号の処理により得られた流動音の強度と流動音の強度に関する上下限値を表示したりすることができる。
【0017】また、流動層内の複数の伝熱管をそれぞれ伝播する流動音をそれぞれ検出し、各検出信号をそれぞれ処理して各伝熱管における流動音の強度を算出し、この算出結果に従って各伝熱管における流動音の強度を表示することができる。
【0018】また、流動音検出手段としては、例えば、加速度センサを用い、伝熱管の管路のうち流動層からの取り出し部と管寄せへの接合部とを結ぶ部位に加速度センサを設置することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の第1実施形態を示す流動状態監視装置の全体構成図である。図1において、流動層ボイラの流動層10内には、流動媒体が充填されており、この流動媒体12は、空気分散板14を通じてウインドボックス16から供給される空気により流動化され、気泡18の上昇に伴い撹拌される。一方、石炭などの燃料は、燃料ノズル(図示省略)より、流動層10内の下部側に供給され、流動媒体12によって拡散され、空気と反応して燃焼するようになっている。
【0020】また、流動層ボイラには、流動層ボイラの外部から流動層10内に亘って伝熱管20が配置されており、この伝熱管20は、流動層10内に設置された管寄せ(ヘッダ、集合管とも呼ばれる)22に接続され、燃焼により発生する熱を回収するようになっている。そして伝熱管20の管路のうち流動層10からの取出部と管寄せ22への接合部とを結ぶ部位に流動音検出手段としての加速度センサ24が設置されている。この加速度センサ24は、流動層10内で上昇する気泡18や、気泡18に同伴して移動する流動媒体12の粒子が伝熱管20に順次衝突するときに発生する流動音が伝熱管20を伝播するときに、この流動音を検出し、検出信号を信号処理器26に出力するようになっている。なお、加速度センサ24の稼働時の環境条件は、650℃程度が上限である。このため、燃焼中、少なくとも800℃の高温となる流動層10内に加速度センサ24を設置することは困難である。一方、伝熱管20の炉外部分では、伝熱管20の表面温度はその内部を流れる流体の温度にほぼ等しい。この内部流体の温度は、最も高温と思われる発電用ボイラの再熱蒸気においても高々600℃である。従って、伝熱管20の管路の取出部と管寄せ22への接合部とを結ぶ部位は、加速度センサ24の環境条件を満たしている。
【0021】信号処理器26は、信号処理手段としてバントパスフィルタ28、検波器30、比較器32、設定器34を備え、警報表示器36とともに流動層10内における流動媒体12の流動状態を監視する監視手段を構成するようになっている。
【0022】具体的には、バンドパスフィルタ28は、加速度センサ24の検出信号を取り込み、この検出信号に含まれる周波数成分のうち目的外の周波数成分を除去して特定の周波数成分の信号のみを検波器30に出力するようになっている。検波器30はバンドパスフィルタ28からの信号を検波して流動音の強度を算出し、この算出した強度の信号を比較器32に出力するようになっている。比較器32は、検波器30からの信号と設定器34にあらかじめ設定された強度に関する上下限値とを比較し、検波器30からの信号が上下限値から外れたときに警報指令信号を警報表示器36に出力するようになっている。なお、設定器34には、正常な運転状態において、流動音の強度として取りうる値の上下限値があらかじめ設定されており、この上下限値は、試運転などにより経験的に求めることができる。
【0023】警報表示器36は、比較器32からの警報指令信号に応答して警報を発生する警報発生手段として構成されている。また、この警報表示器36は、比較器32からの警報指令信号に応答して、検波器30により得られた流動音の強度と流動音の強度に関する上下限値を画面上に表示する表示手段としても構成されている。
【0024】この場合、オペレータは、表示画面上の流動音の強度と上下限値とを比較することで、流動層10内で局部的に流動状態の変化が生じたことを視覚によって把握することができる。
【0025】また、流動層10内の局部的な流動状態の悪化を警報によって運転員に通知することで、異常時の処理に対して早期に対処することが可能となり、プラントの効率的な運転を実現することが可能になる。
【0026】次に、本発明の第2実施形態を図2にしたがって説明する。
【0027】本実施形態は、流動層ボイラの内外に亘って8本の伝熱管20を配設し、各伝熱管20の管路途中にそれぞれ加速度センサ24を設置し、8個の加速度センサ24を1チャンネルから8チャンネルの加速度センサとして用い、各加速度センサ24の検出信号を信号処理器38に伝送し、信号処理器38をバンドパスフィルタ28と検波器30で構成し、検波器30の出力を表示手段としての表示器40に出力するようにしたものであり、図1と同一のものには同一符号を付してある。
【0028】本実施形態においては、8本の伝熱管20がそれぞれ流動層10内に分散して配置され、各伝熱管20を伝播する流動音がそれぞれ加速度センサ24によって検出され、1チャンネルから8チャンネルの加速度センサ24によって検出された流動音に関する検出信号が信号処理器38に伝送されると、各チャンネルの検出信号がバンドパスフィルタ28、検波器30によって処理され、表示器40の画面上には、各チャンネルの加速度センサ24に対応して流動音の強度が表示される。
【0029】この場合、運転員は、表示器40の画面上を見ることで、流動状態の偏りの有無を判断することができる。例えば、チャンネル2の流動音の強度が他のチャンネルの強度に比べて明らかに弱く、2チャンネルに対応する伝熱管20の周囲の流動状態が低下していると判断することができる。
【0030】また、本実施形態においては、信号処理器38の代わりに信号処理器26を用い、表示器40の代わりに警報表示器36を用い、各チャンネルの流動音の強度とその上下限値とをともに警報表示器36の画面上に表示したり、いずれかのチャンネルの流動音のレベルが上下限値から外れたときに警報を発生したりする構成を採用することもできる。
【0031】本実施形態によれば、表示器40の画面上を運転員が見るだけで、流動状態の偏りの有無を視覚的に把握することができるとともに流動層10内の流動状態の分布を視覚的に把握することができる。
【0032】また、前記各実施形態においては、流動層10内に新たな構造物を設けたり、炉壁に穴を空けたりすることなく実施することが可能である。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、伝熱管を伝播する流動音を検出し、この検出出力に基づいて流動層内における流動媒体の流動状態を監視するようにしたため、流動層内の局部的な流動状態の変化を検知することができる。
【0034】また、伝熱管を伝播する流動音を検出し、この検出信号を処理して流動音の強度を求め、この流動音の強度がその上下限値から外れたときに警報を発生するようにしたため、流動層内の局部的な流動状態の悪化を警報によって運転員に通知することで、異常時の処理に対して早期に対処することが可能となり、プラントの効率的な運転を実現することが可能になる。
【0035】さらに、伝熱管を伝播する流動音を検出し、この検出信号を処理して流動音の強度を求め、信号の処理により得られた流動音の強度と流動音の強度に関する上下限値を表示するようにしたため、流動層内で局部的に流動状態の変化が生じたことを視覚によって把握することができる。
【0036】また、流動層内の複数の伝熱管をそれぞれ伝播する流動音をそれぞれ検出し、各検出信号をそれぞれ処理して各伝熱管における流動音の強度を算出し、この算出結果に従って各伝熱管における流動音の強度を表示するようにしたため、表示器の画面上を運転員が見るだけで、流動状態の偏りの有無を視覚的に把握することができるとともに流動層内の流動状態の分布を視覚的に把握することができる。
【出願人】 【識別番号】000001144
【氏名又は名称】工業技術院長
【出願日】 平成11年10月27日(1999.10.27)
【代理人】 【識別番号】100066979
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜沼 辰之
【公開番号】 特開2001−124306(P2001−124306A)
【公開日】 平成13年5月11日(2001.5.11)
【出願番号】 特願平11−305098