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【発明の名称】 流動層ボイラの散気装置
【発明者】 【氏名】菊地 勝実

【要約】 【課題】ベッド材の滞りをなくしてノズル孔の摩耗を抑制し得、散気管ノズルの互いに隣接する噴出管の間隔を均等にしてベッド材の流動の均一化並びに噴出管の外周面の摩耗の抑制を図ることができ、散気管ノズルの外観から容易にノズル孔の配置を均等となるよう管理し得、散気管ノズルの噴出管を厚肉とせずに強度を確保し得る流動層ボイラの散気装置を提供する。

【解決手段】散気管3上に突設される母管36から二本の枝管37をそれぞれ所要角度αで斜め上方へY字状に立ち上げ、且つ各枝管37の上端から、上端部外周面に複数のノズル孔38が穿設された噴出管39を略垂直に立ち上げて散気管ノズル30を構成し、該散気管ノズル30の互いに隣接する噴出管39の間隔が等しくなるよう、噴出管39の平面配置を正三角形状とし、枝管37が分岐される母管36の上部形状を半球形とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 流動層ボイラ本体内底部に、多数の散気管ノズルが突設された散気管を配設してなる流動層ボイラの散気装置において、母管から二本の枝管をそれぞれ所要角度で斜め上方へY字状に立ち上げ、且つ各枝管の上端から、上端部外周面に複数のノズル孔が穿設された噴出管を略垂直に立ち上げて散気管ノズルを構成したことを特徴とする流動層ボイラの散気装置。
【請求項2】 散気管ノズルの互いに隣接する噴出管の間隔が等しくなるよう、噴出管の平面配置を正三角形状とした請求項1記載の流動層ボイラの散気装置。
【請求項3】 枝管が分岐される母管の上部形状を半球形とした請求項1又は2記載の流動層ボイラの散気装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流動層ボイラの散気装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】流動層ボイラのうち、特に、流動層ボイラ本体を圧力容器で覆った加圧流動層ボイラは、図3に示される如く、内部が加圧雰囲気になっている圧力容器1の中に流動層ボイラ本体2が配置されており、該流動層ボイラ本体2内底部には、多数の散気管ノズル30を突設した散気管3が配設されている。
【0003】前記流動層ボイラ本体2内における散気管3の上部には、石炭等の燃料が供給されると共に、流動層を形成する石灰石等の脱硫材や砂等を混合したベッド材4が供給されて充填されており、コンプレッサ5からの加圧空気6が圧力容器1内に供給され、該圧力容器1内に供給された加圧空気6が散気管3を経て散気管ノズル30から流動層内全面に亘って上方へ噴出され、該加圧空気6と燃料が流動層の中で撹拌されて効率よく燃焼することにより、伝熱管7内の水が加熱されて蒸気を発生するようになっており、又、燃焼によって生じた灰及びベッド材4の一部は、散気管3の間から灰排出用ホッパ8に落下し、下部の切出バルブ9を介して取り出される一方、伝熱管7内の水を加熱した後の高圧の燃焼排ガスは、サイクロン10を介してガスタービン11へ導かれて該ガスタービン11を駆動し、該ガスタービン11は前記コンプレッサ5を駆動すると共に、余剰動力でガスタービン発電機12を駆動するようになっている。
【0004】従来の場合、前記散気管ノズル30としては、上端部外周面に複数のノズル孔が穿設された噴出管を前記散気管3の上面から略垂直に立ち上げてなる単管型のものや、或いは、図4に示される如く、上端部外周面に複数のノズル孔31が穿設された噴出管32を前記散気管3の上面から略垂直に立ち上げると共に、該噴出管32の中途部から水平管33を張り出し且つ該水平管33の先端から、上端部外周面に複数のノズル孔34が穿設された噴出管35を略垂直に立ち上げてなる分岐管型のものがあり、その平面配置は、例えば、図5に示される如く、碁盤目状になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の如き単管型の散気管ノズル30の場合、灰を灰排出用ホッパ8へ導くために形成される散気管3の間の空間の上方には、噴出管を配置できないため、炉底における散気管ノズル30の均一な配置が困難となり、ベッド材4の流動化が阻害されて灰が固まってしまう箇所が生じたりする虞があった。又、散気管3に対して単管型の散気管ノズル30を取り付ける際にそのノズル孔の位置を一つずつチェックするのは非常に手間がかかり、現実には配置上、ノズル孔がどこになるか管理不可能に近かった。
【0006】一方、図4に示されるような分岐管型の散気管ノズル30の場合、水平管33を有しているため、停止時等にノズル孔34から噴出管35内に流入したベッド材4が前記水平管33に滞り、起動時にそれがノズル孔34から吹き出されて、該ノズル孔34の摩耗の原因となっていた。又、図5に示されるような碁盤目配置では、正方形の一辺に相当する間隔より対角線に相当する間隔の方が長くなり、散気管ノズル30の互いに隣接する噴出管32,35の間隔が均等にならないため、ノズル孔31,34から吹き出した空気によりベッド材4が噴出管32,35に当りやすい箇所とそうでない箇所が生じ、ベッド材4が当りやすくなる噴出管32,35の外周面に摩耗が生じやすくなっていた。更に又、噴出管32中途部における水平管33の分岐部の強度確保上、噴出管32を厚肉とする必要があった。
【0007】本発明は、斯かる実情に鑑み、ベッド材の滞りをなくしてノズル孔の摩耗を抑制し得、散気管ノズルの互いに隣接する噴出管の間隔を均等にしてベッド材の流動の均一化並びに噴出管の外周面の摩耗の抑制を図ることができ、散気管ノズルの外観から容易にノズル孔の配置を均等となるよう管理し得、散気管ノズルの噴出管を厚肉とせずに強度を確保し得る流動層ボイラの散気装置を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、流動層ボイラ本体内底部に、多数の散気管ノズルが突設された散気管を配設してなる流動層ボイラの散気装置において、母管から二本の枝管をそれぞれ所要角度で斜め上方へY字状に立ち上げ、且つ各枝管の上端から、上端部外周面に複数のノズル孔が穿設された噴出管を略垂直に立ち上げて散気管ノズルを構成したことを特徴とする流動層ボイラの散気装置にかかるものである。
【0009】前記流動層ボイラの散気装置においては、散気管ノズルの互いに隣接する噴出管の間隔が等しくなるよう、噴出管の平面配置を正三角形状とすることが有効である。
【0010】又、枝管が分岐される母管の上部形状を半球形とすることが望ましい。
【0011】上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0012】散気管上に突設される母管から二本の枝管をそれぞれ所要角度で斜め上方へY字状に立ち上げ、且つ各枝管の上端から、上端部外周面に複数のノズル孔が穿設された噴出管を略垂直に立ち上げて散気管ノズルを構成すると、停止時等にノズル孔から噴出管内に流入したベッド材は枝管と母管を経て散気管内に落下し、散気管ノズル内にはベッド材が滞ることがなくなるため、起動時にベッド材がノズル孔から吹き出されて、該ノズル孔の摩耗が引き起こされることがなくなる。尚、散気管内の空気の流速は遅いため、散気管内に落下したベッド材がノズル孔から吹き出されることはない。
【0013】散気管ノズルの互いに隣接する噴出管の平面配置を正三角形状とすると、従来のような碁盤目配置と異なり、噴出管同士の間隔が全て等しくなるため、ベッド材の流動を均一化することが可能になると共に、ノズル孔から吹き出した空気によってベッド材が噴出管に当りやすい箇所とそうでない箇所が生じにくくなり、噴出管の間隔調整により噴出管の外周面に摩耗が生じることを抑制可能となる。
【0014】又、散気管ノズルの外観は略Y字状であって、散気管に対する散気管ノズルの取り付け時には、そのノズル孔の位置を意識しなくても、外観を基準として配置方向を決めることが可能となるため、ノズル孔の配置を均等となるよう管理することが単管型に比べて容易となる。
【0015】更に又、枝管が分岐される母管の上部形状を半球形とすると、母管の強度が高まり、散気管ノズルの噴出管を厚肉としなくて済む。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0017】図1及び図2は本発明を実施する形態の一例であって、図中、図4及び図5と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図4及び図5に示す従来のものと同様であるが、本図示例の特徴とするところは、図1及び図2に示す如く、散気管3上に突設される母管36から二本の枝管37をそれぞれ所要角度α(およそ40°程度)で斜め上方へY字状に立ち上げ、且つ各枝管37の上端から、上端部外周面に複数のノズル孔38が穿設された噴出管39を略垂直に立ち上げて散気管ノズル30を構成し、該散気管ノズル30の互いに隣接する噴出管39の間隔が等しくなるよう、噴出管39の平面配置を正三角形状とし、枝管37が分岐される母管36の上部形状を半球形とした点にある。
【0018】次に、上記図示例の作動を説明する。
【0019】前述の如く、散気管3上に突設される母管36から二本の枝管37をそれぞれ所要角度αで斜め上方へY字状に立ち上げ、且つ各枝管37の上端から、上端部外周面に複数のノズル孔38が穿設された噴出管39を略垂直に立ち上げて散気管ノズル30を構成すると、停止時等にノズル孔38から噴出管39内に流入したベッド材4は枝管37と母管36を経て散気管3内に落下し、散気管ノズル30内にはベッド材4が滞ることがなくなるため、起動時にベッド材4がノズル孔38から吹き出されて、該ノズル孔38の摩耗が引き起こされることがなくなる。尚、散気管3内の空気の流速は遅いため、散気管3内に落下したベッド材4がノズル孔38から吹き出されることはない。
【0020】散気管ノズル30の互いに隣接する噴出管39の平面配置を正三角形状とすると、従来のような碁盤目配置と異なり、噴出管39同士の間隔が全て等しくなるため、ベッド材4の流動を均一化することが可能になると共に、ノズル孔38から吹き出した空気によってベッド材4が噴出管39に当りやすい箇所とそうでない箇所が生じにくくなり、噴出管39の間隔調整により噴出管39の外周面に摩耗が生じることを抑制可能となる。
【0021】又、散気管ノズル30の外観は略Y字状であって、散気管3に対する散気管ノズル30の取り付け時には、そのノズル孔38の位置を意識しなくても、外観を基準として配置方向を決めることが可能となるため、ノズル孔38の配置を均等となるよう管理することが単管型に比べて容易となる。
【0022】更に又、枝管37が分岐される母管36の上部形状を半球形とすると、母管36の強度が高まり、散気管ノズル30の噴出管39を厚肉としなくて済む。
【0023】こうして、ベッド材4の滞りをなくしてノズル孔38の摩耗を抑制し得、散気管ノズル30の互いに隣接する噴出管39の間隔を均等にしてベッド材4の流動の均一化並びに噴出管39の外周面の摩耗の抑制を図ることができ、散気管ノズル30の外観から容易にノズル孔38の配置を均等となるよう管理し得、散気管ノズル30の噴出管39を厚肉とせずに強度を確保し得る。
【0024】尚、本発明の流動層ボイラの散気装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0025】
【発明の効果】以上、説明したように本発明の請求項1〜3記載の流動層ボイラの散気装置によれば、ベッド材の滞りをなくしてノズル孔の摩耗を抑制し得、散気管ノズルの互いに隣接する噴出管の間隔を均等にしてベッド材の流動の均一化並びに噴出管の外周面の摩耗の抑制を図ることができ、散気管ノズルの外観から容易にノズル孔の配置を均等となるよう管理し得、散気管ノズルの噴出管を厚肉とせずに強度を確保し得るという優れた効果を奏し得る。
【出願人】 【識別番号】000000099
【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
【出願日】 平成11年9月6日(1999.9.6)
【代理人】 【識別番号】100062236
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 恒光 (外1名)
【公開番号】 特開2001−74202(P2001−74202A)
【公開日】 平成13年3月23日(2001.3.23)
【出願番号】 特願平11−251548