| 【発明の名称】 |
蒸気温度低減装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】丸本 隆弘
【氏名】福宿 具和
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| 【要約】 |
【課題】二重管構造のスプレノズル外筒の熱衝撃に起因する障害を回避できる蒸気温度低減装置の提供。
【解決手段】内筒8と外筒9の二重管構造からなるスプレノズル5を蒸気配管4内に突出するように設置し、このスプレノズル5の上流側に円柱状の圧力低減部材7を設置する。このような構成により、圧力低減部材7の下流側に圧力の低い領域が形成され、スプレノズル5の下流側には圧力の低い領域が形成されなくなるため、冷却水の巻き戻りが防止され、スプレノズル外筒9の熱衝撃に起因する障害を回避することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 蒸気配管内に二重管構造のスプレノズルを設置し、このスプレノズルから冷却水を噴霧することにより、前記蒸気配管内を流れる過熱蒸気または再熱蒸気の温度を低減させる蒸気温度低減装置において、前記蒸気配管内の前記スプレノズルの上流側近傍に圧力低減部材を設置したことを特徴とする蒸気温度低減装置。 【請求項2】 請求項1の記載において、前記圧力低減部材の外径寸法を前記スプレノズルの外径寸法以上に設定したことを特徴とする蒸気温度低減装置。 【請求項3】 請求項1または2の記載において、前記圧力低減部材と前記スプレノズルとの間隔を前記蒸気配管の内径寸法以下に設定したことを特徴とする蒸気温度低減装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ボイラ等の燃焼装置において過熱蒸気や再熱蒸気を低減するための冷却水噴霧用のスプレノズルを備えた蒸気温度低減装置に関する。 【0002】 【従来の技術】図10に示すように、石炭焚きボイラ等の燃焼装置は、燃料をバーナ3で燃焼させ主として輻射伝熱により熱量を吸収する火炉1と、燃焼ガスを伝熱管群に流通させ主として対流伝熱により熱量を吸収する横置き伝熱部2とで構成されている。一般的に事業用ボイラでは、電力消費量の多い昼間は100%負荷で運転されるが、電力消費量が少ない夜間は30〜50%負荷で運転されるようになっており、かかる負荷変化の際には、投入する燃料量を変化させることになる。しかし、燃料量を変化させてから蒸気温度が変化するまでにはかなりの時間を要するため、燃料量が突発的に変化するような状況では、設定値よりも蒸気温度が高くなる場合がある。このように蒸気温度が設定値を超え、蒸気タービンの耐熱温度を超えてしまった場合、燃料量を調整しても瞬時に蒸気温度を低減できないという問題があるため、蒸気配管内にスプレノズルを設置し、蒸気中に直接スプレ水を噴射することにより、蒸気温度を瞬時に低減する蒸気温度低減装置を設置して対処している。 【0003】図11は蒸気温度低減装置の従来例を示し、特開平1−193508号公報等に記載されたものである。同図において、4は蒸気配管、5はスプレノズル、6は保護筒であり、保護筒6は蒸気配管4内に必要長さだけ配設されている。スプレノズル5は蒸気配管4内に突出するように設置されており、スプレノズル5から蒸気配管4内を流れる高温の過熱蒸気に冷却水(スプレ水)を噴霧することにより、過熱蒸気の蒸気温度を低減するようになっている。このスプレノズル5は内筒と外筒との二重管構造であり、内筒と外筒のすき間に冷却水と蒸気温度の中間温度の蒸気が供給されている。これは、冷却水が間欠的に供給される間欠制御方式の場合、冷却水が供給されていない間はスプレノズル5が蒸気温度に達するのに対し、冷却水が供給されるとスプレノズル5が急激に冷却されて熱衝撃を受けるからであり、スプレノズル5を二重管構造とすることで冷却水が供給される内筒を熱衝撃から保護している。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、蒸気配管内の蒸気流速は約40〜50m/sと高速であるため、前述した従来の蒸気温度低減装置にあっては、主蒸気流れ方向に対してスプレノズルの背後となる下流側は極端に圧力が低くなる。このため、スプレノズルより噴霧された冷却水はミスト状になって蒸気流に同伴されるが、一部はスプレノズルに巻き返って外筒に設けられた窓部から内部へ流入した後、ドレン水となって重力の作用で外筒の底部に到達する。外筒底部に到達したドレン水は、外筒の底部中央部に設けられたドレン穴から常時流出する。これは、スプレノズル底部近傍の蒸気流速が極端に大きく圧力が低いため、外筒底部のドレン水がドレン穴から抜き出されるからである。ドレン穴より流出したドレン水は、スプレズル外筒の底部を濡らしながら飛散するため、スプレノズル外筒底部の温度はドレン水の温度まで低下するが、外筒の上部は蒸気配管内の蒸気温度と等しく、温度が高いため、スプレノズル外筒の上部と下部とで温度差を生じることになる。したがって、このような場合は、スプレノズルの外筒底部に熱応力が発生し、スプレノズル外筒の亀裂割れや寿命低下を招来するという問題があった。また、スプレノズルに巻き戻る冷却水のうち、極微量の冷却水はスプレノズルの外筒上部に衝突するため、この部分では熱衝撃による微細亀裂を生じるという問題もあった。 【0005】本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、スプレノズル外筒の障害を回避することのできる蒸気温度低域装置を提案することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、二重管構造のスプレノズルの上流側近傍に圧力低減部材を設置することとする。このように構成すると、圧力低減部材の下流側に圧力の低い領域が形成され、スプレノズル背後の下流側には圧力の低い領域が形成されなくなるため、冷却水の巻き戻りが防止され、スプレノズル外筒の熱衝撃に起因する障害を回避することができる。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明の蒸気温度低減装置では、蒸気配管内に二重管構造のスプレノズルを設置し、このスプレノズルから冷却水を噴霧することにより、前記蒸気配管内を流れる過熱蒸気または再熱蒸気の温度を低減させる蒸気温度低減装置において、前記蒸気配管内の前記スプレノズルの上流側近傍に圧力低減部材を設置した。 【0008】上記構成において、前記圧力低減部材の外径寸法を前記スプレノズルの外径寸法以上に設定することが好ましく、また、前記圧力低減部材と前記スプレノズルとの間隔を前記蒸気配管の内径寸法以下に設定することが好ましい。 【0009】 【実施例】以下、本発明を超臨界圧変圧貫流ボイラに設置された蒸気温度低減装置に適用した実施例を図面を参照して説明すると、図1は第1実施例に係る蒸気温度低減装置の説明図、図2は該蒸気温度低減装置に備えられるスプレノズルの概略構成図であり、図11に対応する部分には同一符号を付してある。 【0010】本実施例に係る蒸気温度低減装置が前述した従来例と相違する点は、蒸気配管4内におけるスプレノズル5の上流側に円柱状の圧力低減部材7を設置したことにあり、それ以外の構成は基本的に同じである。スプレノズル5は蒸気配管4内に突出するように設置されており、図2に示すように、内筒8と外筒9の二重管構造となっている。内筒8には複数個の冷却水噴霧孔11が設けられ、外筒9には冷却水噴霧孔11に対向する部位に冷却水噴霧窓10が設けられると共に、その底部にドレン穴12が設けられている。冷却水は内筒8の冷却水噴霧孔11から間欠的に噴霧するように制御され、内筒8と外筒9のすき間には冷却水と蒸気温度の中間温度の蒸気が供給されるようになっている。本実施例の場合、蒸気配管4の内径は約300mm、スプレノズル5の外径D(外筒9の外径)は約20mmであり、圧力低減部材7の外径はスプレノズル5の外径と等しい約20mmに設定されている。 【0011】図3はスプレノズル5の後流側の静圧分布を示す説明図であり、黒丸は圧力低減部材7が設置されていない従来例、白丸は圧力低減部材7が設置された本実施例である。同図から明らかなように、圧力低減部材7が設置されていない場合、スプレノズル5の後流側の静圧分布は周囲の圧力より極端に低くなることが分かり、スプレノズル5より噴霧された冷却水は過熱蒸気と接触することで微粒化されて微細なミストになり、圧力の低いスフプレノズル5の後流側に巻き戻る。したがって、前述したように、スプレノズル5まで巻き戻って来た冷却水の多くは、外筒9の冷却水噴霧窓10から内部へ流入した後、ドレン水となって外筒9の底部まで到達し、スプレノズル外筒9に亀裂割れが発生するという問題がある。一方、本実施例のように、スプレノズル5の上流側に圧力低減部材7を設置した場合、スプレノズル5の後流側の静圧分布は周囲との圧力差が小さくなるため、噴霧されたミスト状の冷却水は、スプレノズル5側に巻き戻ることなく過熱蒸気流に同伴されて下流に流される。したがって、スプレノズル5の外筒9の底部にドレン水は溜らず、スプレノズル外筒9の亀裂割れを防止することができ、また、スプレノズル外筒9の微細亀裂も防止することができる。 【0012】図4はミストの巻き戻り量と圧力低減部材7の外径との関係を示す説明図であり、圧力低減部材7の外径がスプレノズル5の外径D以上になると、ミストのスプレノズル5への巻き戻り量が極端に減少することが分かる。 【0013】図5はミストの巻き戻り量と圧力低減部材7の設置位置との関係を示す説明図であり、スプレノズル5の外径Dと圧力低減部材7の外径が等しい場合に、両者の間隔を変化させてミストの巻き戻り量を測定した結果である。同図から明らかなように、スプレノズル5と圧力低減部材7の間隔が蒸気配管4の内径以下になると、ミストのスプレノズル5への巻き戻り量が大幅に低減することが分かる。 【0014】図6は第2実施例に係る蒸気温度低減装置の説明図であり、本実施例では、スプレノズル5の上流側に設置する圧力低減部材7を蒸気配管4の底部から突き出し、その高さを蒸気配管4の内径の約1/2に設定してある。このような構造でも、スプレノズル5下流側の静圧の低下を抑制でき、噴霧した冷却水のスプレノズル5側への巻き戻り量を低減できる。 【0015】図7は第3実施例に係る蒸気温度低減装置の説明図であり、本実施例では、スプレノズル5の上流側に設置する圧力低減部材7を角柱状となし、この圧力低減部材7をスプレノズル5の設置方向と直交させている。このような構造であっても、スプレノズル5下流側の静圧の低下を抑制でき、噴霧した冷却水のスプレノズル5側への巻き戻りを量を低減できる。 【0016】図8は第4実施例に係る蒸気温度低減装置の説明図であり、本実施例では、スプレノズル5の上流側に設置する圧力低減部材7を保護筒6に一体的に設けてある。このような構造であっても、スプレノズル5下流側の静圧の低下を抑制でき、噴霧した冷却水のスプレノズル5側への巻き戻りを量を低減できる。 【0017】図9は第5実施例に係る蒸気温度低減装置の説明図であり、本実施例では、スプレノズル5の上流側に設置する圧力低減部材7をスプレノズル5の外筒9に一体的に設けてある。このような構造であっても、スプレノズル5下流側の静圧の低下を抑制でき、噴霧した冷却水のスプレノズル5側への巻き戻りを量を低減できる。 【0018】 【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。 【0019】二重管構造のスプレノズルの上流側近傍に圧力低減部材を設置することにより、圧力低減部材の下流側に圧力の低い領域が形成され、スプレノズル背後の下流側には圧力の低い領域が形成されなくなるため、冷却水の巻き戻りが防止され、スプレノズル外筒の熱衝撃に起因する障害を回避することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005441 【氏名又は名称】バブコック日立株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年7月5日(1999.7.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100078134 【弁理士】 【氏名又は名称】武 顕次郎
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| 【公開番号】 |
特開2001−21109(P2001−21109A) |
| 【公開日】 |
平成13年1月26日(2001.1.26) |
| 【出願番号】 |
特願平11−190713 |
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