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【発明の名称】 ボイラ装置の制御方法
【発明者】 【氏名】大井 明

【氏名】安藤 明洋

【要約】 【課題】低コストで安定して制御することができるボイラ装置の制御方法を提供する。

【解決手段】燃料供給弁35は蒸気圧検出器31および燃料供給圧検出器34に基づいて、蒸気圧が予め定める圧力となるようにフィードバック制御される。空気供給量調整装置38は、燃料供給圧検出器34と空気供給量検出器37に基づいて制御される。給水弁33は水位検出器32に基づき、予め定める水位となるように制御されるが、給水量を増加させるとき、燃料供給量に基づく予め定める最大給水量よりも給水量が増加することが防がれる。これによって、バーナ負荷が減少し、燃料供給量が減少した状態で、給水量を急激に増大させるといったことが防がれる。これによってドラム水位のハンチングが防がれ、ボイラ装置20全体の制御が安定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ボイラの水位を検出する水位検出手段の検出出力に基づいて、ボイラの水位が所定の高さとなるように給水弁を制御し、ボイラの蒸気圧力を検出する蒸気圧検出手段に基づいて、蒸気圧が所定の圧力となるように燃料供給弁を制御するボイラ装置の制御方法において、燃料供給量に応じた予め定める最大給水量を記憶し、現在の燃料供給量に応じた最大給水量を導出する給水量設定手段を有し、水位検出手段の検出出力に基づいて給水量を増加させるとき、給水量が、前記最大給水量よりも増加することを制限することを特徴とするボイラ装置の制御方法。
【請求項2】 前記現在の燃料供給量は、燃料の供給量を検出する燃料供給量検出手段の検出出力であることを特徴とする請求項1記載のボイラ装置の制御方法。
【請求項3】 燃料供給量検出手段および蒸気圧検出手段の検出出力に基づいて、蒸気圧を所定の圧力とするための燃料供給量指令値を算出し、燃料供給弁は、算出された燃料供給量指令値に応答して弁開度を調整し、燃焼用空気の供給量を調整する空気供給量調整手段は、前記燃料供給量指令値に基づいて空気供給量を調整することを特徴とする請求項2記載のボイラ装置の制御方法。
【請求項4】 前記ボイラ装置を2つ備え、各ボイラ装置の蒸気排出管が互いに接続されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のボイラ装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボイラを自動運転するときボイラ装置の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図3は、典型的な従来のボイラ装置1の構成を示すブロック図である。ボイラ装置1は、たとえば水管ボイラであり、燃料として、たとえば重油を用いる。
【0003】供給された燃料は、バーナによって燃焼室内で燃焼し、発生した蒸気は、気水ドラム2に接続される蒸気排出管4から排出される。また、燃焼室には燃焼用の空気が送風機8から送られる。この燃焼用空気供給量は空気供給量調整装置9によって調整される。また、ドラム2には、給水弁6を介して水が供給されている。
【0004】ボイラ装置1の制御を行う制御装置3は、ドラム蒸気圧が一定に保たれるように燃焼制御を行い、また、ドラム水位が一定に保たれるように給水制御を行う。燃焼制御では、ドラム2内の蒸気圧を検出する蒸気圧検出器5、燃料の供給量を検出する燃料供給量検出器11、および燃焼用空気の供給量を検出する空気供給量検出器10に基づいて、蒸気圧が所定の蒸気圧となるように燃料供給弁7および空気供給量調整装置9を制御する。給水制御では、ドラム2の水面の高さを検出する水位検出器5の検出出力に基づいて、水位が所定の高さとなるように給水弁6を制御する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】給水制御において、ドラム2の水位が所定の高さを超えた場合には、給水弁6を絞り、給水量を減少させる。給水量が減るとドラム2内の水量が減少することになるが、このときバーナ負荷は一定であるので、ドラム水量が減少することによって蒸発作用が増大し、沸騰状態となる。沸騰すると、湯の沸きあがりによって見かけ上の水位が一次的に上昇する。この見かけ上の水位の上昇が水位検出器5によって検出されると、実際の水量が減少しているにもかかわらず、給水制御によってさらに給水量を減らすように制御される。これによって水位が所定の高さよりも低くなってしまう。
【0006】バーナ負荷が一定で、このように水量が低下すると蒸気圧が増加する。蒸気圧が増加すると燃焼制御によって燃料供給量を減少させ、バーナ負荷を減少させる。これによって、沸騰状態が収まり、ドラム水位の検出値が大きく低下し、給水制御によって給水弁を大きく開き、給水量を大きく増大させる。これによって、ドラム水位が再び所定の高さより高くなってしまう。このようにして、ドラム水位がハンチングし、給水制御が不安定となる。
【0007】また、給水される水の温度は50〜60℃程度であるので、バーナ負荷が減少した状態で給水量が増加するとドラム内の水が急激に冷やされ、蒸気圧が急激に低下する。これによって再びバーナ負荷を増大させる。このようにして、ドラム水位のハンチングによって、燃焼制御も不安定となってしまい、ボイラ装置全体の制御が不安定となってしまう。
【0008】このように、従来の制御方法ではボイラを安定に制御することが困難であると言った問題を有する。
【0009】また、蒸気排出管が互いに接続されるボイラ装置を2基同時に運転する場合、両ボイラ装置の蒸気圧が等しくなるように制御されている。このような状態で、前述したように一方のボイラ装置で水位が上昇して制御不安定になり蒸気圧が変動すると、この蒸気圧変動が蒸気排出管を介して他方のボイラ装置に伝達する。他方のボイラ装置の蒸気圧が変動すると、これをきっかけとして、この他方のボイラ装置においても前述と同様にボイラ装置全体の制御が不安定となってしまう。このようにして、2基のボイラ装置を同時に運転する場合には互いに干渉してしまい、ボイラ装置1基の場合よりもさらに安定して制御することが困難となる。
【0010】このような問題を解決するために、タービン船の主ボイラのように給水制御を実施すれば制御は安定するが、この場合、検出器などをを多数必要とし、コスト高となってしまう。また、たとえば、特開昭58−106310号公報に、蒸気消費の早い変動に追従するボイラの給水制御装置について開示されているが、この公報に記載される方法でも上述した問題を解消することは困難である。
【0011】本発明の目的は、コスト高とならず、安定してボイラ制御を行うことができるボイラ装置の制御方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明は、ボイラの水位を検出する水位検出手段の検出出力に基づいて、ボイラの水位が所定の高さとなるように給水弁を制御し、ボイラの蒸気圧力を検出する蒸気圧検出手段に基づいて、蒸気圧が所定の圧力となるように燃料供給弁を制御するボイラ装置の制御方法において、燃料供給量に応じた予め定める最大給水量を記憶し、現在の燃料供給量に応じた最大給水量を導出する給水量設定手段を有し、水位検出手段の検出出力に基づいて給水量を増加させるとき、給水量が、前記最大給水量よりも増加することを制限することを特徴とするボイラ装置の制御方法である。
【0013】本発明に従えば、燃料供給量に応じた最大給水量が給水量設定手段に予め記憶されており、給水量が、最大給水量よりも増大することを制限している。したがって、バーナ負荷が減少した状態で、給水制御によって給水量を大きく増加させようとしたとき、給水量が、燃料供給量に基づく最大給水量よりも増加することが制限されているので、給水量の増加によってドラム内の水が急激に冷却されるといったことが確実に防がれる。これによって、ドラム水位がハンチングし、給水制御が不安定となるといったことが防がれる。また、これによって蒸気圧が不安定となり、燃焼制御が不安定となることも防がれ、ボイラ装置全体の制御を安定させることができる。
【0014】また、本発明では新たに検出器などを追加する必要がなく、既存の検出器を用いて給水弁を制御するだけであり、ソフトウエアを変更するだけでよいので、製造コストを上昇させることなくボイラ装置を安定して制御することが可能となる。
【0015】請求項2記載の前記現在の燃料供給量は、燃料の供給量を検出する燃料供給量検出手段の検出出力であることを特徴とする。
【0016】本発明に従えば、現在の燃料供給量は、燃料供給量検出手段の検出出力であるので、たとえば燃料供給弁への燃料供給量指令値に基づいて給水量の低下を制限する場合よりも、実際のバーナ負荷に応じて給水量を制御することができ、良好に制御することができる。
【0017】請求項3記載の本発明は、燃料供給量検出手段および蒸気圧検出手段の検出出力に基づいて、蒸気圧を所定の圧力とするための燃料供給量指令値を算出し、燃料供給弁は、算出された燃料供給量指令値に応答して弁開度を調整し、燃焼用空気の供給量を調整する空気供給量調整手段は、前記燃料供給量指令値に基づいて空気供給量を調整することを特徴とする。
【0018】本発明に従えば、燃焼制御では燃料供給量の変動に基づいて燃焼用空気の供給量を制御するが、燃料供給量検出手段の検出出力に応答して空気供給量を制御したのでは、実際のバーナの負荷変動に追従できない場合がある。この点に鑑み、本発明では燃料供給弁への指令値である燃料供給量指令値に基づいて空気供給量を制御する。すなわち、実際の燃料供給量の変動に先行する燃料供給量指令値に基づいて空気供給量を制御することになり、バーナの負荷変動に迅速に応答して燃焼用空気を供給することができる。
【0019】請求項4記載の本発明は、前記ボイラ装置を2つ備え、各ボイラ装置の蒸気排出管が互いに接続されることを特徴とする。
【0020】前述したように、ボイラ装置を2つ備え、蒸気排出管が互いに接続される場合において、両ボイラ装置を同時に運転した場合、一方のボイラ装置の蒸気圧の変動が他方のボイラ装置に伝わり、両ボイラ装置が互いに干渉して制御がさらに不安定となるが、本発明ではこのような2基のボイラ装置を備える場合であっても、それぞれ安定して制御することができるので、2基のボイラ装置が互いに干渉しあって制御がさらに不安定となるいったことが確実に防がれる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の一形態であるボイラ装置の制御方法を用いるボイラ装置20の構成を示す模式図である。ボイラ装置20は、たとえば水管ボイラであり、第1ボイラ装置21および第2ボイラ装置22の2基のボイラ装置から構成される。このようなボイラ装置20は、たとえばタンカなどで荷役用のタービンを駆動するために用いられたり、または船内で使用する蒸気発生用に用いられる。
【0022】各ボイラ装置21,22はそれぞれ1缶当り44トン/時の蒸発量を有し、燃料として重油を用いる。第1ボイラ装置21の気水ドラム30に接続され、蒸気を排出する第1蒸気排出管26と、第2ボイラ装置22の気水ドラム30に接続される第2蒸気排出管27とはそれぞれ互いに接続され、蒸気排出口を共有する。第1ボイラ装置21は、自動運転時、第1制御装置23によって給水制御および燃焼制御が行われ、第2ボイラ装置22は第2制御装置24によって給水制御および燃焼制御が行われる。これらの制御装置23,24はPLC(Programmable logic controller)によって構成される。第1ボイラ装置21と第2ボイラ装置22とは同一の構成を有するので、以下第1ボイラ装置21についてのみ説明し、第2ボイラ装置22は、対応する構成に同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0023】燃料である重油は第1ボイラ装置21の燃焼室に空気とともに供給され、バーナ(図示せず)から霧化させて燃焼室に吹込んで燃焼させる。供給される燃料の圧力は燃料供給圧検出器34で検出され、燃料供給量が圧力として検出される。
【0024】燃焼用空気は送風機36によって燃焼室内に送込まれる。この燃焼用空気の供給量の調整は、空気供給量調整装置38によって行われる。空気供給量調整装置38は、インレット・ガイド・ベーンから構成され、ベーンの角度を調整することによって空気供給量を調整する。供給される空気量は空気供給量検出器37で検出される。空気供給量検出器37は風箱と燃焼室との差圧に基づいて供給される空気流量を算出する。
【0025】ドラム30には50〜60℃程度に加熱された水が供給され、給水量は給水弁33によって制御される。ドラム30の水位は水位検出器32によって検出される。ドラム30内の蒸気圧は蒸気圧検出器31によって検出される。制御装置23はドラム水位が所定の高さに保たれるように給水制御を行い、またドラム蒸気圧が所定の圧力に保たれるように燃焼制御を行う。
【0026】図2は、制御装置23の構成を示すブロック図である。なお、以下の説明では第1ボイラ装置21および第2ボイラ装置22を同時に運転する場合について説明する。燃料供給弁35は蒸気圧検出器31および燃料供給圧検出器34に基づいて制御される。蒸気圧検出器31で検出したドラム30内の蒸気圧Pdは第1PID(比例積分微分)制御回路41に入力される。第1PID制御回路41には蒸気圧設定回路40から圧力設定値Psが入力され、蒸気圧Pdが、圧力設定値Psとなるようにフィードバック制御する。
【0027】蒸気圧設定回路40は、運転開始からの経過時間に応じた予め定める蒸気圧を記憶しており、経過時間に応じた圧力設定値Psを第1PID制御回路41に入力する。運転開始時には、水が暖まっていないため圧力設定値Psを低く設定し、所定時間経過後、所定の圧力となるように圧力設定値Psを与える。
【0028】また、ボイラ装置21は、高圧モードと低圧モードの2つのモードで運転され、高低圧切換えスイッチ52によっていずれかの一方のモードが選択される。蒸気圧設定回路40は設定されたモードに基づき、所定時間経過後、高圧または低圧モードに対応した圧力設定値Psを第1PID制御回路41に入力する。
【0029】第1PID制御回路41は、検出した蒸気圧Pdと蒸気圧設定回路40からの圧力設定値Psに基づき、蒸気圧Pdが圧力設定値Psとなるような第1燃料供給量指令値C1aを算出し、高位選択器42に入力する。
【0030】またこの第1燃料供給量指令値C1aは、第2ボイラ装置22の第2制御装置24の高位選択器42に入力される。第2制御装置24でも、第2ボイラ装置22の蒸気圧検出器31および蒸気圧設定回路40に基づいて第1燃料指令値C1bが算出され、この第1燃料供給量指令値C1bが、第1ボイラ装置21の高位選択器42に入力される。
【0031】第1ボイラ装置21の第1蒸気排出管26と第2ボイラ装置22の第2蒸気排出管27とは互いに接続されているので、第1ボイラ装置21と第2ボイラ装置22とを同時に運転する場合、いずれか一方の蒸気圧が高い場合には、その高い方の蒸気圧のみ排出され、低い方の蒸気圧は排出されなくなるので、第1および第2ボイラ装置21,22の蒸気圧が等しくなるように制御しなければならない。そのために、たとえば第1ボイラ装置21の蒸気圧が第2ボイラ装置22の蒸気圧より低い場合には、この第2ボイラ装置22の蒸気圧に合わせて第1ボイラ装置20の蒸気圧を高くするように制御する必要がある。
【0032】本実施形態では、第1ボイラ装置21の第1PID制御回路41で算出した第1燃料供給量指令値C1aと第2ボイラ装置22で算出した第1燃料供給量指令値C1bとが高位選択器42に入力され、ここでいずれか高い方の指令値が選択されるので、第1および第2ボイラ装置21,22は、いずれも選択された高い方の指令値に基づいて制御される。これによって、両ボイラ装置21,22の蒸気圧を等しくすることができる。なお、ここでは第1ボイラ装置21で算出した第1燃料指令値C1aが選択されたものとする。
【0033】高位選択器42で選択された第1燃料指令値C1aは第2PID制御回路43に入力される。また、燃料供給圧検出器34で検出した燃料供給圧Fdは、燃料供給量変換回路45で燃料流量である燃料供給量Fqに変換され、第2PID制御回路43に入力される。第2PID制御回路43では、燃料供給量Fqが第1燃料供給量指令値C1aとなるような第2燃料供給量指令値C2を算出する。燃料供給弁35は、この第2燃料供給量指令値C2に基づいて弁開度が調整され、ドラム30の蒸気圧Pdが圧力設定値Psとなるようにフィードバック制御する。
【0034】次に空気供給量調整装置38の制御方法について説明する。空気供給量検出器37で検出した空気供給量検出値Adは、PI(比例積分)制御回路48に入力される。また、燃料供給圧検出器34で検出した燃料供給圧検出値Fdは空気供給量設定回路44に入力される。空気供給量設定回路44には、燃料供給圧に応じた空気供給量、すなわち、燃料供給量に必要な空気供給量が予め記憶されており、入力された燃料供給圧検出値Fdに応じた第1空気供給量設定値As1が導出される。この第1空気供給量設定値As1は、前述した高位選択器42から出力される第1燃料供給量指令値C1aと加算器47で加算され、乗算器46で、予め定める比例定数αが乗算されて第2空気供給量設定値As2が算出される。この第2空気供給量設定値As2が、PI制御回路48に入力される。PI制御回路48では、空気供給量検出値Adが第2空気供給量設定値As2となるような空気供給量指令値Caを算出する。空気供給量調整装置38は、この空気供給量指令値Caに応答して空気供給量を調整する。このようにして、空気供給量が第2空気供給量設定値As2となるようにフィードバック制御される。
【0035】空気供給量はバーナ負荷、すなわち燃料供給量に応じて調整されるが、燃料供給圧検出器34での検出値に応答して空気供給量を調整しただけでは、実際のバーナ負荷の変動に空気供給が追従できない場合がある。
【0036】この点に鑑み、本実施形態では空気供給量設定値を燃料供給圧検出値に基づいて導出するだけでなく、燃料供給弁35への指令値である第1燃料供給量指令値C1aにも基づいて算出する。燃料供給量指令値C1aは燃料供給弁35への指令信号であるので、燃料供給圧の変動に先行して変動する。したがって、この先行して変動する信号値に基づいて空気供給量設定値を算出することによって、バーナ負荷の変動に迅速に追従して空気供給量を調整することが可能となる。
【0037】次に給水制御について説明する。水位検出器32で検出したドラム水位検出値LdはPI制御回路49に入力される。また、このPI制御回路49には、予め定める設定水位Lsが入力され、PI制御回路49ではドラム水位検出値Ldが設定水位Lsとなるような第1弁開度指令値Cw1を算出する。給水弁33は、この第1弁開度指令値Cw1に基づいて制御され、ドラム水位が設定水位Lsとなるようにフィードバック制御される。
【0038】バーナ負荷が低下した状態で給水量を大きく増加させると、ドラム30内の水が急激に冷却され制御不安定となる。したがって、急激にドラム30内の水を冷却して制御不安定にならないための最大給水量を、バーナ負荷に応じて予め決定し、現在のバーナ負荷に応じた最大給水量よりも給水量が増加しないように制御することによって、安定して制御することができる。
【0039】本実施形態では、バーナ負荷に対応する値として燃料供給圧を用い、この燃料供給圧と、燃料供給圧に応じた最大給水量に対応した給水弁の弁開度を給水量設定回路50に予め記憶しておき、給水量設定回路50は、燃料供給圧検出器34からの燃料供給圧Fdに基づいて最大弁開度を第2給水弁開度指令値Cw2として導出し、切換えスイッチ55を介して低位選択器51に入力する。
【0040】低位選択器51にはPI制御回路49からの第1給水弁開度指令値Cw1と給水量設定回路50からの第2給水弁開度指令値Cw2が入力され、小さい方の弁開度指令値が選択される。
【0041】第2給水弁開度指令値Cw2は、制御不安定にならないための最大給水量であり、燃料供給量に応じて増加するので、バーナ負荷が高く、燃料供給量の大きい場合には、通常、第1給水弁開度指令値Cw1の方が小さく、第1給水弁開度指令値Cw1に基づいて給水弁が制御される。しかし、前述したように、ドラム内の水が沸騰し、ドラム水位が1次的に上昇するとともに、蒸気圧が高くなってバーナ負荷を減少させた状態にあるとき、沸騰状態が収まってドラム水位が低下し、これに応じて第1給水弁開度指令値Cw1が増大して、第2給水弁開度指令値Cw2を超えると、低位選択器51によって第2給水弁開度指令値Cw2が選択され、この第2給水弁開度指令値Cw2によって給水弁は制御される。これによって、給水量の急激な増大によってドラム30内の水の急激な冷却が防がれる。
【0042】これによってドラム水位のハンチングが防がれ、さらに第1ボイラ装置21全体の制御が安定する。
【0043】切換えスイッチ55には、給水量設定回路50側と、100%弁開度設定側とに切換え可能であり、通常は、給水量設定回路50側にあり、給水量設定回路50で算出された第2弁開度指令値Cw2が低位選択器51に入力される。
【0044】この切換えスイッチ55には、予め下限水位DLsが設定されており、ドラムの設定水位Lsよりも下限水位DLs以上ドラム水位が低い場合には、給水設定回路50が故障し、必要以上に給水量が制限されているものと判断し、切換えスイッチ55が100%弁開度指令値側に切換わる。これによって、低位選択器51には第2弁開度指令値Cw2として100%弁開度指令値が低位選択器51に入力される。したがって、低位選択器51は、第1弁開度指令値Cw1を選択し、給水弁33は、第1弁開度指令値Cw1によって制御される。
【0045】このようにして、給水量設定回路50の故障を確実に検出し、給水量を制限しすぎるといったことを防ぐことができる。なお、本実施形態では下限水位DLsは50mmが設定される。
【0046】また、第1ボイラ装置21および第2ボイラ装置22を同時に運転している場合、従来では第1ボイラ装置の蒸気圧の変動が第2ボイラ装置に伝わり、両ボイラ装置が互いに干渉してさらに制御不安定となっていたが、本発明では第1および第2ボイラ装置21,22を両方、上述したように制御することによって安定して制御することができるので、互いに干渉して制御不安定になるといったことも確実に防がれる。
【0047】また、本発明の制御方法では、従来から燃焼制御に用いられていた燃料供給圧検出値を用いて給水制御を行うので、新たに検出器などを設ける必要なく、ソフトウエアを変更するだけよく、低コストで安定したボイラ制御を実現することができる。
【0048】本実施形態では第2給水弁開度指令値Cw2は燃料供給圧検出器34からの燃料供給圧検出値Fdに基づいて算出したが、本発明の制御方法はこのような形態に限らず、たとえば第1燃料供給量指令値C1aまたは第2燃料供給量指令値C2に基づいて第2給水量指令値Cw2を導出してもよい。
【0049】また、本発明の制御方法は、ボイラ装置21,22の両方を同時に運転するときだけに限らず、いずれか一方を運転するときにも、適用することができる。
【0050】上述した実施形態では水管ボイラとして説明したが、本発明の制御方法はこのような形態に限らず、ボイラ一般の制御に適用可能である。
【0051】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、バーナ負荷が減少し、燃料供給量が減少した状態で、給水量を急激に増加させようとしたとき、燃料供給量に応じた予め定める最大給水量よりも給水量が増加することを制限することによって、ドラム水位のハンチングを防ぎ、ボイラ全体の制御を安定させることができる。
【0052】また本発明によれば、燃料供給量指令値に基づいて空気供給量を制御することによって、バーナ負荷の変動に迅速に追従して空気供給量を調整することができる。
【0053】またボイラ装置を2基備える場合においても、本発明の制御方法を適用することによって、両ボイラ装置を安定して制御することができ、これによって2つのボイラ装置が互いに干渉して不安定になるといったことを防ぐことができる。
【出願人】 【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
【出願日】 平成11年12月15日(1999.12.15)
【代理人】 【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎 (外3名)
【公開番号】 特開2001−173903(P2001−173903A)
【公開日】 平成13年6月29日(2001.6.29)
【出願番号】 特願平11−356581