トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F22 蒸気発生




【発明の名称】 循環形ボイラの降水管構造
【発明者】 【氏名】積田 佳満

【要約】 【課題】循環形ボイラの降水管構造の構造を簡潔化し、降水管の施工上の制約を解消し、コストの低減、更には設置スペースの節約を図る。

【解決手段】炉壁管3によって壁面が形成される火炉1の隅部に、斜めに角部受熱パネル15を設け、該角部受熱パネルによって遮蔽された隅部19,19の炉壁管を気水分離ドラムの液部に連通して降水管20として使用する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 炉壁管によって壁面が形成される火炉の隅部に、斜めに角部受熱パネルを設け、該角部受熱パネルによって遮蔽された隅部の炉壁管を気水分離ドラムの液部に連通して降水管として使用したことを特徴とする循環形ボイラの降水管構造。
【請求項2】 前記角部受熱パネルが炉壁管を連設して構成され、背面側に保温材を設けた請求項1の循環形ボイラの降水管構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、循環形ボイラの降水管構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、火力発電設備等ではボイラ水を自然循環又は強制循環させている循環形ボイラが使用されている。図3により循環形ボイラの一例を説明する。
【0003】図中1は火炉であり、該火炉1の平断面形状は矩形となっており、該火炉1の前後左右の壁面2は炉壁管3によって形成されている。前記火炉1の上部には気水分離ドラム4が配設され、該気水分離ドラム4の液部5には給水管11が連通し、該給水管11を介して外部から加温された水が供給される様になっており、前記火炉1の分離部6には前記炉壁管3が上部管寄せ7を介して連通し、前記炉壁管3は火炉1の下部で下部管寄せ8に連通している。
【0004】前記液部5には複数の降水管9が連通し、該降水管9は前記火炉1の外側を降下し、前記火炉1の下部で水平部9aを形成している。該水平部9aと前記下部管寄せ8とは連絡管10により連通されている。
【0005】前記気水分離ドラム4で気水分離された取出された蒸気Sは天井壁12を経て図示しない過熱器に導かれる。
【0006】上記した循環形ボイラに於いて、前記炉壁管3をボイラ水が上昇し加熱され、水蒸気を含む加熱水が前記気水分離ドラム4に導かれてボイラ水Wと蒸気Sとに分けられ、取出された蒸気Sは前記天井壁12に供給された後図示しない過熱器等に導かれ、又前記気水分離ドラム4内のボイラ水Wは前記降水管9を降下して、水平部9a、下部管寄せ8を経て再び前記炉壁管3に供給されて加熱が行われる様になっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記降水管9は前記気水分離ドラム4で蒸気Sが分離されたボイラ水Wを降下させるものであり、分離されたボイラ水Wを降下させるに必要な流路断面積が必要であり、而も高温、高圧を保っている。従って、前記降水管9は大径で肉厚の大きい配管となっており、大重量であり、火炉1外部に独立して設けられる為、配管の設置スペースが必要となると共にバーナ、支持鉄骨等他の構造物との取合いがあり、支持構造が複雑となっていた。この為、設備コストが高くなると共にボイラ全体としての設置スペースが大きくなるという問題があった。
【0008】本発明は斯かる実情に鑑み、循環形ボイラの降水管構造の構造を簡潔化し、降水管の施工上の制約を解消し、コストの低減、更には設置スペースの節約を図るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、炉壁管によって壁面が形成される火炉の隅部に、斜めに角部受熱パネルを設け、該角部受熱パネルによって遮蔽された隅部の炉壁管を気水分離ドラムの液部に連通して降水管として使用した循環形ボイラの降水管構造に係り、又前記角部受熱パネルが炉壁管を連設して構成され、背面側に保温材を設けた循環形ボイラの降水管構造に係るものであり、火炉の炉壁の一部を降水管として使用することから、別途降水管を設ける必要がなく、レイアウトの制約を受けることがなく、又降水管として使用する配管の径が小さくなるので、肉厚を薄くでき重量の軽減が図れる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
【0011】図1、図2は共に火炉1の角部の部分を示し、図中図3中で示したものと同様のものには同符号を付し、共通部分については説明を省略する。
【0012】隣接する壁面2と壁面2との角部に掛渡る角部受熱パネル15を設ける。該角部受熱パネル15は炉壁管16を受熱フィン17で連結したものであり、前記壁面2と同構造である。前記角部受熱パネル15の背面側(反炉内側)にはロックウール、グラスウール等の保温材18を設ける。
【0013】前記角部受熱パネル15、保温材18を設けることで角部受熱パネル15を斜辺とする3角形の他の2辺を構成する壁面2,2の隅部分即ち降水パネル19,19が前記角部受熱パネル15、保温材18により火炉1内部より物理的に又熱的に遮断される。前記降水パネル19に含まれる炉壁管3は降水管20として機能する。従来設けられていた降水管9は省略する。従って、前記降水管20の流路断面積の総和が少なくとも従来の降水管9の流路断面積の総和と等しくなる様に前記降水管20の数、降水管20の内径を設定する。
【0014】前記角部受熱パネル15の炉壁管16は、前記壁面2の炉壁管3と同様上部が上部管寄せ7を介して気水分離ドラム4に連通され、下端は下部管寄せ8を介して前記降水管20に連通する。
【0015】又、前記降水管20の上端部は前記気水分離ドラム4の液部5に連通され、下端部は前記下部管寄せ8に連通される。
【0016】上記角部受熱パネル15を設けたことで、2つの降水パネル19で受熱していたものが角部受熱パネル15で受熱することになる為、角部受熱パネル15で形成される3角形状が直角2等辺3角形であるとすると受熱面積は略70%に減少する。ところが、従来隅部の炉壁管3は蒸発管としての能力は低く、又角部受熱パネル15としたことで、角部受熱パネル15自体は炉内からの熱を受け易くなり、角部受熱パネル15の蒸発能力としては70%迄減少することはない。又、受熱面積を確保する為には壁面2の水平長を長くすればよく、長くした寸法は火炉1全体から見ると殆ど問題とならない程度のものである。
【0017】尚、図1中22はバックステーであり、前記壁面2に作用する内圧等を支持する強度部材である。
【0018】以下、作用について説明する。
【0019】上記した様に、炉内からの熱は前記角部受熱パネル15、保温材18により遮断され、前記降水パネル19,19は炉内から直接過熱されることはない。
【0020】前記炉壁管16を上昇するボイラ水は前記分離部6で気水分離され、分離された蒸気は天井壁12を流通して図示しない過熱器に送出される(図3参照)。
【0021】気水分離で分離された加温水は液部5に貯留し、前記降水管20を経て降下し、下部管寄せ8を経て前記炉壁管3を上昇して循環する。
【0022】前記降水管20を降下する温水は炉内からの熱が遮断されているが、循環するボイラ水は全体として飽和水であるので、前記降水管20を降下するボイラ水の温度と前記炉壁管16、炉壁管3を上昇するボイラ水の温度とは温度差はなく、降水パネル19と壁面2、角部受熱パネル15とは連続しているが境界部に於いて熱応力等の熱的負荷は発生しない。
【0023】而して、従来の様に降水管9を別途設ける必要がないので、設置スペースが少なくて済み、バーナ、支持鉄骨等他の構造物との取合いを考慮する必要がなく、構造が簡潔となり、更に、従来の降水管9に比し小さな配管でよいので肉厚が薄くてよく、重量の軽減が可能となる。
【0024】尚、角部受熱パネル15は4隅に設ける必要はなく、温水の降下水量に見合った流量を確保できればよいので、3隅でも、2隅であってもよい。更に、降水管20と炉壁管3とは必ずしも同一寸法である必要はない。
【0025】
【発明の効果】以上述べた如く本発明によれば、降水管を別途設ける必要がなく、従って設置スペースが少なくて済み、バーナ、支持鉄骨等他の構造物との取合いを考慮する必要がなく、構造が簡潔となり、更に、従来の降水管9に比し小さな配管でよいので肉厚が薄くてよく、重量の軽減が可能となるという優れた効果を発揮する。
【出願人】 【識別番号】000000099
【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
【出願日】 平成11年6月28日(1999.6.28)
【代理人】 【識別番号】100083563
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 祥二
【公開番号】 特開2001−12702(P2001−12702A)
【公開日】 平成13年1月19日(2001.1.19)
【出願番号】 特願平11−182134