| 【発明の名称】 |
排熱回収ボイラにおける伝熱管のサポート構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】村上 英治
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| 【要約】 |
【課題】隣接する伝熱管パネルの熱伸び差を逃がし、かつ伝熱管サポートに発生する引張り力によって伝熱管に応力を発生させない伝熱管パネルのサポート構造。
【解決手段】排気ガス1の水平方向の流れに対向し且つ管寄せ21,22の管軸方向に複数の伝熱管を配置した自立式伝熱管パネル60,61を設けて熱交換を行う排熱回収ボイラにおいて、前記伝熱管パネル60,61を伝熱管サポートで支持固定し、隣接する伝熱管パネル60,61のそれぞれの伝熱管サポート17をリンク式サポート63で結合し、前記リンク式サポート63の支持点は、それぞれの伝熱管サポートの排気ガス流れ方向における中央部に設けるとともに回動自在とする伝熱管のサポート構造。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 排気ガスの水平方向の流れに対向し且つ管寄せの管軸方向に複数の伝熱管を配置した自立式伝熱管パネルを設けて熱交換を行う排熱回収ボイラにおいて、前記伝熱管パネルを伝熱管サポートで支持固定し、隣接する伝熱管パネルのそれぞれの伝熱管サポートをリンク式サポートで結合し、前記リンク式サポートの支持点は、それぞれの伝熱管サポートの排気ガス流れ方向における中央部に設けるとともに回動自在とすることを特徴とする伝熱管のサポート構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は排熱回収ボイラに係わり、自立式伝熱管に発生する応力を低減可能な伝熱管サポート構造に関する。 【0002】 【従来の技術】コンバインドサイクル発電プラントは、ガスタービンで発電を行うと共に、ガスタービンから排出された排カズ中の熱を排熱回収ボイラで回収して蒸気を発生させ、蒸気タービンでも発電を行う。一般に、コンバインドサイクル発電プラントは、発電効率が高いことに加えて、負荷応答性が高く急激な電力需要の増加に対応出来るという特徴があり、近年多用される傾向にある。 【0003】図7に排熱回収ボイラの装置構成の一例を示す。図7の排熱回収ボイラは、上部に蒸気ドラム11,12を配置し、伝熱管を鉛直方向に配置した横置き型の自然循環ボイラであり、ケーシング2内のガス流れ方向に沿って、過熱器3、高圧蒸発器4、脱硝装置5、高圧節炭器6、低圧蒸発器7及び低圧節炭器8が配置されている。 【0004】ガスタービンからの排気ガス1はケーシング2内に流入し、まず過熱器3、高圧蒸発器4で熱交換された後、脱硝装置5に入り含有する窒素酸化物が除去される。更にこの排ガス1は高圧節炭器6、低圧蒸発器7、低圧節炭器8を順次通過し、伝熱管内の内部流体と熱交換を行い温度が低下し、図示していない煙突から排出される。 【0005】図7における過熱器3、高圧蒸発器4、高圧節炭器6、低圧蒸発器7及び低圧節炭器8は、それぞれ鉛直方向に配置した伝熱管群で構成され、これら伝熱管群の支持方法には吊り下げ式と自立式の2種類がある。吊り下げ式支持方法は、伝熱管群に座屈破壊が発生する心配がないという長所がある反面、伝熱管パネル全ての重量を吊り下げるため、支持鉄骨及びこれを基礎から支える鉄骨に剛性の高い大型部材を用いなければならず、コスト高になるという欠点がある。そのため、伝熱管群の支持方式には自立式の採用が望ましい。 【0006】図8に自立式伝熱管パネルの構成例を示す。この構成例は逆U字型の伝熱管を用いたものである。管寄せ13aと管寄せ13bは逆U字型の多数の伝熱管で連結され、伝熱管パネルを構成している。管寄せ13aには伝熱管14a,15a,16aが取りつけられ、これらの伝熱管はそれぞれ伝熱管14b,15b,16bとつながり逆U字を形成し、伝熱管14b,15b,16bは管寄せ13bにつながっている。管寄せ13a及び13bを上側から見た平面図を図9に示す。図9のように、伝熱管は管寄せに千鳥状に配置されており、多数の伝熱管から伝熱管パネルが構成されている。 【0007】図8に示した伝熱管パネルを自立させるための従来のサポート構造として、例えば図10に示す構造が提案されている。この構造は本願の発明者等が提案している先行技術であり、伝熱管に発生する熱応力を低減できるという特徴がある。図10において、1次過熱器伝熱管パネル60は支持鉄骨47からリンク構造の自立サポート30a,30bで倒れないように指示されている。更にこの1次過熱器伝熱管パネル60のガス流れ上流側にある2次過熱器伝熱管パネル61は、1次過熱器伝熱管パネル60からリンク構造の自立サポート29a,29bで支持されている。 【0008】ガス流れ下流側の伝熱管パネルからガス流れ上流側の伝熱管パネルをリンク構造で支持することがこの構造の特徴であり、1次過熱器伝熱管パネル60と2次過熱器伝熱管パネル61のメタル温度の違いによる熱伸び差をリンク構造の自立サポート29a,29bで逃がすことが可能である。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】上記先行技術は、リンク構造の自立サポートにより伝熱管パネルを支持しているので、隣接する伝熱管パネル間のメタル温度差により生じる伝熱管軸方向の熱伸び差を逃がすことが可能である。しかし、この時リンク構造の自立サポートに引張り力が発生し、この引張り力が伝熱管パネルに作用して伝熱管に応力が発生するという問題点があった。 【0010】図11に、図8の伝熱管パネル2組を図7の過熱器3(内部流体;蒸気)に適用した場合に生じる温度分布及び熱伸び量を模式的に示す。ガスタービンから排出された排ガスは伝熱管によって熱交換されるため、伝熱管のメタル温度は図11の上図に示す如く変化する。そのため、メタル温度が高いガス流れ上流側の伝熱管は熱伸び量が大きく、ガス流れ下流側のメタル温度の低い伝熱管は熱伸び量が小さくなるので、隣接する伝熱管パネルに温度差が生じる。この時の伝熱管パネルの上部領域の変形状態を図12に模式的に示す。 【0011】図12のように隣接する伝熱管パネルの温度差により伝熱管パネルに熱伸び差が生じ、伝熱管サポート29によって、伝熱管軸方向の熱伸び差を逃がすことが可能であるが、自立サポート29aには矢印で示すように引張り力が発生し、この引張り力により伝熱管に過大な応力が発生してしまう。 【0012】本発明の目的は、隣接する伝熱管パネルの熱伸び差を逃がすことが可能で、かつ伝熱管サポートに発生する引張り力によって伝熱管に応力を発生させない伝熱管パネルのサポート構造を提案することにある。 【0013】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために、本発明は次のような構成を採用する。 【0014】排気ガスの水平方向の流れに対向し且つ管寄せの管軸方向に複数の伝熱管を配置した自立式伝熱管パネルを設けて熱交換を行う排熱回収ボイラにおいて、前記伝熱管パネルを伝熱管サポートで支持固定し、隣接する伝熱管パネルのそれぞれの伝熱管サポートをリンク式サポートで結合し、前記リンク式サポートの支持点は、それぞれの伝熱管サポートの排気ガス流れ方向における中央部に設けるとともに回動自在とする伝熱管のサポート構造。 【0015】 【発明の実施の形態】本発明の実施形態に係る伝熱管サポート構造について、図1〜図6を用いて以下説明する。図1は、本発明の実施形態に係る伝熱管サポート構造の側面図であり、図7に示す過熱器3に適用した場合の構成例を示す。 【0016】基礎上に設置されている支持ばり45及びケーシング44上には伝熱管支持台43が設置されている。この伝熱管支持台43上には、管寄せ21a及び21bを伝熱管23,24,25で連結して構成される1次過熱器伝熱管パネル60と、管寄せ22a及び22bを伝熱管26,27,28で連結して構成される2次過熱器伝熱管パネル61の、2組の伝熱管パネルが設置されている。 【0017】ここで、伝熱管パネルとは、図1において、管寄せ21又は22毎に管軸方向に亘って多数の伝熱管が直立して、排気ガスの流れ方向に対向して伝熱管群があたかも板状体(パネル)を形成している構造体を云うのであって、図1では伝熱管パネル60,61を側面から見ている。 【0018】これらの伝熱管パネル60,61には、それぞれ伝熱管を束ねて固定するための伝熱管サポート17が配置されている。1次過熱器伝熱管パネル60の伝熱管サポート17にはリンク式サポート62が取り付けられている。このリンク式サポート62のもう一方はフレーム47に取りつけられており、1次過熱器伝熱管パネル60は、フレーム47からリンク式サポート62を介して、倒れないように自立して支持されている。ここにおいて、リンク式サポート62は、その一端が伝熱管サポート17の中央部に支持されていて且つその中央部においてサポート62は回動自在となっているものである。 【0019】更に、2次過熱器伝熱管パネル61と1次過熱器伝熱管パネル60とはリンク式サポート63で連結されており、リンク式サポート63は、その一端を伝熱管パネル60の伝熱管サポート17の中央部に、その他端は伝熱管パネル61の伝熱管サポート17の中央部にそれぞれ回動支持されているものである。結局、2次過熱器伝熱管パネル61は、フレーム47からリンク式サポート62、1次過熱器伝熱管パネル60、リンク式サポート63を介して自立支持されている。 【0020】図1において、73は過熱器伝熱管群を示し、71は蒸発器伝熱管群であって、図7に示す過熱器3と蒸発器4に対応する構成例を示している。フレーム47はケーシング41,44に固定されている枠体であるが、枠体に代えて例えば支持鉄骨であって良い。 【0021】図2に、伝熱管サポート17a,17bの中央部に支持点を設けてその支持点廻りで回動する構成のリンク式サポート62a,63aの取付け状態(図1のAA’断面)を示す。図2に示すように、伝熱管23a,24a,25a,23b,24b,25bには板状のサポート17aが、伝熱管26a,27a,28a,28b,27b,26bには伝熱管サポート17bが固定されている。伝熱管サポート17aと17bにはそれぞれピン64,65が取付けられ、ピン64とピン65はリンク式サポート63aで結合してピンの廻りで回動するリンク構造になっている。また、リンク式サポート62aの他端は、図1のフレーム47に回動支持されている。 【0022】本実施形態ではリンク式サポート62a,63aは、伝熱管パネル端部の他に、伝熱管パネルの中間部にも、同様構造のリンク式サポート62b,63bを配置して、各伝熱管パネルがスムーズに管軸方向に可動できるようになっている。 【0023】また、リンク式サポート62a,63aの取付の詳細構造とその変形構成例について図3に示す。図3によると、リンク式サポートはその両端部で回動支持されて伝熱管サポート17の中央部、即ち、伝熱管パネルにおける排ガス流れ方向の中央部で支持連結されている。そして、リンク式サポートは、回動支点間の構造が、直線状形状の外に、図3の(2)(3)に示すような、くの字形状、菱形形状であっても良く、これらの形状の方が伸縮特性が良いので支持点間の距離の調整がより可能であり、伝熱管の熱伸びに対してより容易に対応できる構造である。 【0024】そして、本発明の実施形態に係る伝熱管パネルの自立サポート構造によれば、隣接する伝熱管パネルをつなぐリンク機構の支持点が図1、図2に示した如く、各伝熱管パネルの中央部(排気ガスの流れ方向における)にあるため、リンク機構に引張り力が生じても伝熱管には過大な応力が発生しない。図1において、運転中、ガスタービンからの排気ガス1は矢印で示した方向から流れてくるので、1次過熱器伝熱管パネル60、2次過熱器伝熱管パネル61の各伝熱管のメタル温度は、図11に模式的に示したようになる。すなわちガス流れ上流側の伝熱管の温度がもっと高く、ガス流れ下流側にいくにつれて、メタル温度は徐々に低下する。 【0025】前述のように、運転中はガス流れに対して上流側の伝熱管26bのメタル温度が最も高く、下流側の伝熱管23aの温度が最も低くなる。したがって、伝熱管パネルの熱伸び量は、温度が高い伝熱管26bが大きく、伝熱管23aが小さくなる。1次過熱器伝熱管パネル60および2次過熱器伝熱管パネル61は、図1に示したように伝熱管支持台43上に設置されているので、伝熱管の熱伸びは上方に伸びることになる。 【0026】本発明の実施形態に係る伝熱管サポート構造では、中央リンク式伝熱管サポート63a,62aの支持点が伝熱管パネルの中央部にあるため、図3に矢印で示すように伝熱管パネルはこの支持点を中心に回転することが可能であり、中央リンク式伝熱管サポート63a,62aに引張り力が生じても、伝熱管には過大な応力は発生しない。 【0027】これに対して、図12に示した従来構造では、自立サポート29a,30aに生じた引張り力により伝熱管パネルが引張られ伝熱管に応力が発生する。 【0028】本発明の応力低減効果を確認するために有限要素法(FEM)を用いた応力解析を実施した。応力解析は図1の本実施形態に係るサポート構造と図10の従来構造について実施し、変形状態及び発生応力を比較した。図5に本実施形態に係るリンク式伝熱管サポートを用いた場合の伝熱管パネル上部の変形状態、図4に従来の伝熱管サポートの場合の変形状態を拡大して示す。比較の結果、本発明は、従来構造に比べて伝熱管パネルの変形が小さくなることを確認できた。 【0029】伝熱管に発生する最大応力は図5の本発明が約135MPa、図4の従来構造が約170MPaとなり、約20%の応力低減効果が確認できた。材料の疲労強度は鋼種によって異なるが、応力振幅と破断までの繰り返し数は両対数グラフ上で図6に示すような関係になる。応力がσ1からσ2に約20%低下すると、疲労寿命はN1からN2の数倍になるので、本発明により、プラントに許容できる起動停止回数を数倍にすることが可能となる。 【0030】以上説明したように、本発明の実施形態は、次のような構成と機能を奏するものを含むものである。水平方向に流れる排気ガス中に伝熱管パネルを配置して熱交換を行う排熱回収ボイラにおいて、隣接する伝熱管パネルをリンク機構で結合し、かつこのリンク機構の支持点をそれぞれの伝熱管パネルのガス流れ方向に対して中央部に設けて、ガス流れ上流側の伝熱管パネルをガス流れ下流側の伝熱管パネルから支持するものである。 【0031】そして、隣接する伝熱管パネルを結合するリンク機構の支持点を伝熱管パネルのガス流れ方向中央部に設けることにより、それぞれの伝熱管パネルはこの支持点を中心に回動することが可能となる。そのため、隣接する伝熱管パネルの温度差によって熱伸び差が生じても、伝熱管パネルはリンク機構の支持部を中心に回動し、伝熱管がリンク機構から引張り力を受けても、伝熱管にはこの引張り力による応力が発生しないものである。 【0032】 【発明の効果】本発明に係る排熱回収ボイラの伝熱管自立サポート構造によれば、熱伸び量が大きい大型排熱回収ボイラにおいても、伝熱管に過大な応力を発生させずに伝熱管パネルを自立させることが出来る。 【0033】これにより、排熱回収ボイラのコストを低減できるという効果があり、引いては発電コストの低減にもつながる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005441 【氏名又は名称】バブコック日立株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年3月1日(2000.3.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100078134 【弁理士】 【氏名又は名称】武 顕次郎
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| 【公開番号】 |
特開2001−241606(P2001−241606A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月7日(2001.9.7) |
| 【出願番号】 |
特願2000−56339(P2000−56339) |
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