| 【発明の名称】 |
ガス回収装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】渡辺 敦志
【氏名】横井 浩人
【氏名】植竹 直人
【氏名】志村 孝夫
【氏名】表 龍之
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| 【要約】 |
【課題】原子炉内構造物などの切断・加工作業で発生するガスを、未分離ガスや残存ガス等を含めて高効率で回収し、気中放射能濃度を低レベルに確保する。
【解決手段】作業個所から気液混合水を吸引するポンプ3の出力に応じて気液分離器4の内圧が低下することから、後段のガス排出系統の圧力を、気液分離器4の内圧以下に低圧化できる排気ポンプ5を設置する。また、未分離ガスや吸引できなかったガスはガス発生区域を覆う導電性カバー12(図8)で回収する。これにより、吸引ポンプ3の出力に依らない気水分離効果が確保でき、気中放射能濃度を低レベルに維持して作業員の被ばくを防止できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 原子炉内構造物の切断または加工時に発生する気体を含む気液混合水を、ガスと液体とに分離する気液分離手段と、前記分離されたガスの排出系統の圧力を、前記気液分離手段内の圧力より低減する排気手段とを備えてなるガス回収装置。 【請求項2】 原子炉内構造物の切断または加工時に発生する気体を含む気液混合水を吸引する吸引ポンプと、前記吸引された気液混合水をガスと液体とに分離する気液分離器と、前記分離されたガスの排出系統の圧力を、前記気液分離器内の圧力より低減する排気ポンプとを備えてなるガス回収装置。 【請求項3】 前記排気ポンプは、前記気液分離器を経て浄化フィルタを通過した水により駆動される請求項2に記載のガス回収装置。 【請求項4】 前記排気ポンプの駆動を、予め設定した時間間隔で実施するためのタイマーを備えてなる請求項2に記載のガス回収装置。 【請求項5】 前記排気ポンプの駆動を、前記気水分離器内の予め設定した液位で実施するための液位計を備えてなる請求項2に記載のガス回収装置。 【請求項6】 前記原子炉構造物の切断または加工個所からの吸引漏れ気体、あるいは前記気液分離器を通過した気体を回収するために、原子炉ウエルを覆う導電性カバーを備えてなる請求項2ないし5のうちいずれかに記載のガス回収装置。 【請求項7】 前記気液分離器で分離されたガスを浄化するためのエアフィルタを備えてなる請求項2ないし6のうちいずれかに記載のガス回収装置。 【請求項8】 前記原子炉内構造物の切断または加工時に発生する気体は、材料表面に水を吹き付けたときの攪拌で発生する気泡、加熱で生じる蒸気、あるいは物質を衝突させたときの噴流で発生する気泡を含むものである請求項1ないし7のうちいずれかに記載のガス回収装置。 【請求項9】 原子炉圧力容器を開放し、ウラン燃料および作業に干渉する機器類を取り出した後、炉内構造物の切断または加工作業を実施し、前記作業の終了後、前記ウラン燃料および機器類の再設置を行う原子炉内構造物の取扱方法において、前記炉内構造物の切断または加工時に発生するガスを、請求項1ないし8のうちいずれかに記載のガス回収装置により回収することを特徴とする原子炉内構造物の取扱方法。 【請求項10】 前記炉内構造物の切断または加工作業は、前記炉内構造物の補修、交換または廃棄のために実施される請求項9に記載の原子炉内構造物の取扱方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はガス回収装置に係り、特に、原子力プラント構造材料の予防保全技術において、炉内構造物の切断あるいは加工時などに発生するガス(気体)の回収に好適な装置に関する。 【0002】 【従来の技術】BWR発電プラントにおける原子炉内構造物は新材料等への取替や、あるいは耐用年数経過後の処分が検討されている。既設の炉内構造物は、自身が放射能化または放射性クラッドが付着しているため、被ばく低減の観点から、取替や解体に伴う切断は主に水中で実施される。ここでは、切断方法について述べるが、溶接などの加工時も同様である。 【0003】切断方法には、プラズマや放電による熱的切断、または、カッターや助材入りの水ジェットによる機械的切断などが用いられる。熱的切断を行うと切断部分は高温となり、また、放電加工では水の電気分解が起きるため、水素、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素等が発生する。 【0004】切断時に発生するこれらの気体(ガス)には、構造材の構成元素が取り込まれ、気体が高い放射能を有するため、高い効率で気体回収を行い、作業フロアでの放射線レベルを低く維持することが必要である。 【0005】切断時に発生するガスを回収する方法としては、気液混合水として吸引し、気水分離を行う方法や、フードを設ける手法が知られている。気水分離の方法は、容器内で気泡の上昇速度より水の流速が遅くなるようにしてガスを集める方法である。 【0006】この方法は、容器径、容器長を決定し、気液混合水が導入されると、低流速となった容器内で気泡が容器上部に溜まり、通常、上部に設けた導管からガスが排出されるものである。気水分離の例として、特開平6−119191号公報があげられる。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】原子炉内では、水深が20mから30mの部位での切断が必要であり、そこからポンプで水を吸い上げるためには、大きな吸引圧が必要であり、ポンプの前段側に設けた気水分離容器内も低圧になる。 【0008】従来は、気水分離容器内の気体が排出される導管を、大気開放若しくは水中へ開放していたが、吸引部の水深が深くなるにつれ、ポンプの吸引圧の増加に伴い、気水分離容器内の圧力は低くなり、さらには大気圧よりも低くなるため、分離された気体が導管を移動し難くなる。 【0009】容器内に滞留した気体はポンプへ吸引され、排水とともに放出されるか、もしくは容器内に残存したままさらに滞留が進行する。そのため、完全な吸引ができなくなる可能性がある。 【0010】以上のことから、気体(ガス)を水面から吸引する場合には容易に排出可能であるが、吸引部と水頭差が大きい場合には、容器内の圧力が大きく低下し、気体の排出が困難になるという問題がある。 【0011】本発明の課題は、原子炉内構造物の切断または加工時などに発生するガスには、放射性成分が含まれており、作業時の被ばくを極力減らすため、発生したガスを高効率にかつ安全確実に回収し、また、このガスが水中へ放出された場合にフード等に静電吸着するのを防ぎ、作業フロアでの放射線レベルを低く維持することである。 【0012】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明では、気水分離器内の圧力より、排気系統の圧力をさらに低下させるための手段を工夫した。 【0013】例えば、気液混合水を吸引する吸引ポンプ、気水分離するための気水分離器、気体を排出するための排気ポンプ、これらを接続するホースや導管を備え、ポンプの吸引圧により低下した気水分離器内の圧力よりも、排気系統をさらに低圧にできる排気ポンプを備えて、気水分離器内の気体を強制排気するようにした。 【0014】また、ガス発生場所付近の吸引口での吸引漏れや、気水分離できなかった気体については、切断区域を全面に覆うことができる静電防止の導電性カバーを使用し、安全確実に回収できるようにした。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明を原子炉内の補修工事に適用する際の主な作業工程(ステップ:S)である。 【0016】図1に示すように、原子炉を停止(S1)した後、圧力容器の蓋を取って開放し(S2)、まずウラン燃料を取り出して保管する(S3)。次いで、作業に干渉する炉内の機器を取り出し(S4)、補修装置を設置する(S5)。 【0017】次に、補修作業を実施し(S6)、このとき、切断または加工時に発生する気体を回収する場合に本発明を適用する。補修作業後は補修装置の撤去(S7)し、保管した燃料を炉内に戻し(S8)、炉内機器の再設置を行い(S9)、圧力容器の蓋を閉止し(S10)、原子炉を起動する(S11)。 【0018】ここで、加工とは、既設構造材の一部または全部を溶接するときなど、材料に水を噴射した際の攪拌によって発生する場合、ヒータ等の加熱による場合、その他材料の表面を加工する場合などを含む。 【0019】これは、原子炉内構造材料の放射能化している部位を切断する場合は勿論、表面にも放射性クラッドが付着しているため、表面のみの加工時に発生する気体に、これら放射性クラッドが含まれる可能性があるためである。 【0020】また、以下に、上記作業工程における本発明のガス回収工程の実施形態を示すが、上記補修作業以外の炉内機器の取り出し時、例えば、炉内構造物の交換や廃棄などの取扱作業においても、放射性物質を含むガスが発生する恐れがある場合に、本発明を適用することができる。 【0021】以下に、上記作業工程などにおける本発明になるガス回収工程の実施形態を示す。図2に、本発明を適用したガス回収装置の第1の実施形態を示す。図2に示すように、圧力容器10内に設置された炉内構造物を例えば切断する場合、切断材料1にアクセスした切断装置21を電源22で動作させて切断作業を行う。 【0022】この作業の際に発生するガス(気体)は、気液混合水となって切断部付近の吸引口から吸引され、気水分離器4およびポンプ3、浄化フィルタ6を経て、散水口15から原子炉ウエル11に排水される。 【0023】また、気水分離器4で分離されたガスは、排気ポンプ5を経た後、エアフィルタ8を通過してブロア9により排出される。なお、排気ポンプ5の後段側には、ガスを確実に回収するためにフード16が設けられている。 【0024】気水分離器4内で流速を低下させ、ガスを排気する際、吸引部すなわち切断部位が、圧力容器10の下部である場合や、ポンプ3の流量が大きい場合に、気水分離器4内は低圧になる。 【0025】図6に、ポンプ流量と気水分離器内の圧力の関係を示す。吸引部の水深が深くなるほど、また、流量が大きくなるほど低圧になることがわかる。したがって、図2では気水分離器4の排気系統に排気ポンプ5を設置し、気水分離器内の圧力よりも、排気系統の圧力を低くすることで、排気が可能となる。 【0026】排気ポンプの一例として、ジェットポンプを用いた。その際、気水分離器内の圧力は、ポンプ流量と水深によって決定されることから、図6の相関関係を用いて、排気系統の圧力を把握し、さらに、図7に示すように、ジェットポンプは駆動水流量により、排気系統の圧力を調整できる。 【0027】そのため、予め、あるいは吸引中にバルブ17を調節して、適切な流量に設定することにより排気が可能となる。また、排気ポンプ5は浄化フィルタ6を通過した清浄水を用いることで、原子炉ウエル内の水位および濁度を変化させずに駆動することができる。 【0028】第1の実施形態によれば、排気ポンプ5で排気されたガスは、ブロア9で吸引し、エアフィルタ8を通過させることで、放射性成分をろ過し放出される。そのため、気体を高効率に排気・回収できるので、フロア上の放射能濃度を抑制し、作業者の被ばくが必要最低限とすることが達成でき、作業への支障をきたすことが防止される。 【0029】図3に、本発明を適用したガス回収装置の第2の実施形態を示す。図3は、図2の構成で、気水分離器内の圧力P1および排気系統の圧力P2を、それぞれ圧力計71、72で監視できるようにしたものである。 【0030】図2の装置では、ポンプ流量と気水分離器内圧の関係、およびジェットポンプと吸引圧の関係から、ジェットポンプ流量を調整する。しかし、本例では運転中の圧力を監視するため、任意の流量、水深で使用する場合においても、流量の設定および調整ができる。 【0031】第2の実施形態によれば、気水分離器内の圧力P1から、ジェットポンプの流量を調節し、排気系統の圧力P2が低くなるように、P1>P2、と設定することで、任意の流量および水深での排気が可能となる。 【0032】図4に、本発明を適用したガス回収装置の第3の実施形態を示す。吸引された気液混合水に含まれるガスの量が少ない場合は、常時、排気動作をする必要はない。図4に示した例は、気水分離器4で分離されたガスが少なく、一定の時間経過後に気水分離器内に溜まったガスを排出するような場合の例で、排気ポンプ5の駆動水量を調節する電磁弁18の開閉を、タイマー13により定期的に作動させるようにした。 【0033】第3の実施形態によれば、タイマーにより定期的にガスの回収ができるようにしたので、ガスが溜まる前に排気ポンプが作動してしまうというようなことが防止され、しかも、簡易な構成のタイマーによって効率的なガス回収ができる。 【0034】気水分離されたガスは気水分離器4上部に滞留し、時間の経過とともに、滞留量が増え、気水分離器内の水面が低下してくる。吸引水を気水分離器に導くためには、気水分離器内の水面が、気水分離器の吸引口よりは上にあるのが望ましいため、動作する時期および時間は、ガスの発生量および気水分離器の大きさを勘案し、吸引口より上部に水面が保持できるようにする。 【0035】図5に、本発明を適用したガス回収装置の第4の実施形態を示す。本例は、ガスの発生量が不規則な場合や、気水分離器4の効果が一定でない場合に適用できる実施形態である。 【0036】図5では、気水分離器内の水位を検出する液位計14を設けてあり、気水分離器内の液位を監視し、大量のガスを吸引した場合など、予め設定した液位を下回ったときに、電磁弁18を開け、ガスの排出を実施する実施形態である。液位は図4の第3の実施形態で述べたように設定することが望ましい。 【0037】第4の実施形態によれば、気水分離器内のガス量を検出し、一定以上のガス量に応じてガスの回収を行うので、無駄な作動を省略でき、安全で効率的なガスの回収を行うことができる。 【0038】図8は、本発明を適用したガス回収方法および装置の第5の実施形態を示す図である。第1の実施形態において、気水分離器4で分離されたガスはエアフィルタ8へ導かれるが、分離効率が100%でない場合は、浄化フィルタ6を通過し、散水口15に残存ガスが存在する。 【0039】残存ガスは気中へ放出され、放射能濃度の上昇を招く恐れがある。図8の例では、この残存ガスおよび作業箇所の吸引口で吸引できなかったガスの回収を行うために、原子炉ウエル11を覆うように導電性カバー12を設けている。 【0040】導電性カバー12内のガスはブロア9で吸引されて、エアフィルタ8を通過する際、放射性物質がろ過され、清浄な空気として放出される。また、導電性カバー12は、静電気によりガス成分が吸着するのを防止するために、導電性を有しておくことが必要で、材質は設置作業の簡便性から、樹脂製のシートが適当である。 【0041】第5の実施形態によれば、散水口に残存するガスや、吸引口から吸引できなかったガスなど、残存ガスをほぼ完全に回収することができる。そのため、これらの残存ガスが空気中に放出されることが防止され、空気中の放射能濃度の上昇を抑止できる。 【0042】以上の実施形態によれば、気水分離容器の気体を強制排気する装置、および、切断区域を全面に覆うことができる導電性カバーを用いることにより、放射性成分が含まれるガスを、高効率にしかも安全確実に回収することが可能となる。 【0043】 【発明の効果】本発明によれば、原子炉内構造物の切断または加工時に発生する、放射性成分を含むガスを高効率に回収でき、また、水中へ放出されたガス成分がフード等に静電吸着するのを防止でき、作業フロアでの放射線レベルを低く維持でき、作業時の被ばくを防止できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所
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| 【出願日】 |
平成12年2月25日(2000.2.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100098017 【弁理士】 【氏名又は名称】吉岡 宏嗣
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| 【公開番号】 |
特開2001−241604(P2001−241604A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月7日(2001.9.7) |
| 【出願番号】 |
特願2000−48521(P2000−48521) |
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