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【発明の名称】 炉内配置管寄のサポート構造
【発明者】 【氏名】前坂 良光

【要約】 【課題】レベル調整と据付を容易に行い得る一方、高温のガスによる支持金物の劣化を抑制し得、更に、管寄の配置レベルにおける制約も緩和し得る炉内配置管寄のサポート構造を提供する。

【解決手段】炉壁24,25内面所要箇所における炉壁管26表面に支持金物30’を溶接して取り付け、該支持金物30’上にレベル調整用のライナ34を設置し、該ライナ34上に、予め管寄31の長手方向両端部下面側に取り付けた受金物35をスライド自在に載置し、炉壁24,25内面と管寄31の長手方向端面との間に所要のクリアランスC1が形成されるよう管寄31を配置すると共に、管寄31上端部近傍の炉壁24,25内面所要箇所における炉壁管26表面に、管寄31の浮き上がり防止用のストッパ36を、該ストッパ36と管寄31上端部との間に所要のクリアランスC2が形成されるよう取り付ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 所要間隔をあけて対向配置される炉壁の間に掛け渡すように配置される炉内配置管寄のサポート構造において、炉壁内面所要箇所における炉壁管表面に支持金物を取り付け、該支持金物上にレベル調整用のライナを設置し、該ライナ上に、予め管寄の長手方向両端部下面側に取り付けた受金物をスライド自在に載置し、炉壁内面と管寄の長手方向端面との間に所要のクリアランスが形成されるよう管寄を配置すると共に、管寄上端部近傍の炉壁内面所要箇所における炉壁管表面に、管寄の浮き上がり防止用のストッパを、該ストッパと管寄上端部との間に所要のクリアランスが形成されるよう取り付けたことを特徴とする炉内配置管寄のサポート構造。
【請求項2】 上面にテーパ面を形成した下ライナと、下面に下ライナのテーパ面と係合するテーパ面を形成した上ライナとからライナを構成した請求項1記載の炉内配置管寄のサポート構造。
【請求項3】 支持金物の炉壁に対する取付箇所端部に、応力集中防止用の円弧状部を形成すると共に、ストッパの炉壁に対する取付箇所端部に、応力集中防止用の円弧状部を形成した請求項1又は2記載の炉内配置管寄のサポート構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炉内配置管寄のサポート構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6はボイラの一例を表わすものであって、図6中、1はボイラ本体、2はボイラ本体1内へ燃料を噴射して燃焼させるバーナ、3は一次過熱器、4は二次過熱器、5は三次過熱器、6は最終過熱器、7は一次再熱器、8は二次再熱器、9は節炭器であり、バーナ2からボイラ本体1内へ燃料を噴射して燃焼させることにより、燃焼ガスを生成し、生成された燃焼ガスを流通させ、二次過熱器4、三次過熱器5、最終過熱器6、二次再熱器8、一次過熱器3、一次再熱器7及び節炭器9と熱交換させ、熱交換した後の排ガスを排ガスダクト10へ流出させ、下流側に設けられた脱硝、脱硫等の排煙処理装置(図示せず)で窒素酸化物や硫黄酸化物等を除去した後、大気へ放出するようになっている。
【0003】一方、図7は前述のボイラの給水・蒸気系統を表わすものであり、ボイラ給水は、燃料が燃焼されるボイラ本体1の火炉炉壁に形成される蒸発器11で加熱され、ノーズ部12を経て、汽水分離器13で水と蒸気に分離され、該汽水分離器13で水と分離された蒸気は、ボイラ本体1の天井並びに後部伝熱部周壁14を通過し、一次過熱器3、二次過熱器4、三次過熱器5及び最終過熱器6で過熱され、高圧タービン15へ導かれ、該高圧タービン15が駆動されて発電が行われると共に、前記高圧タービン15を駆動した後の蒸気は、一次再熱器7及び二次再熱器8へ導かれ、該一次再熱器7及び二次再熱器8で再熱された後、中・低圧タービン16へ導入され、該中・低圧タービン16が駆動されて発電が行われ、前記中・低圧タービン16を駆動した後の蒸気は、復水器17へ導かれてボイラ給水に戻され、該ボイラ給水は、復水脱塩装置18と低圧給水加熱器19と脱気器20とを経由し、給水ポンプ21により高圧給水加熱器22を介して節炭器9へ圧送され、該節炭器9で加熱され、前記蒸発器11へ送給され、循環されるようになっている。
【0004】ところで、前記ボイラ本体1の一次過熱器3と一次再熱器7と節炭器9とが配設されている後部伝熱部23内は、図6に示される如く、仕切壁としての炉壁24によって前後に二分割されており、節炭器9の管寄は、前記仕切壁としての炉壁24とボイラ本体1の後部伝熱部23の後壁を構成する炉壁25との間に掛け渡すように配置されるが、このような炉内配置管寄のサポート構造としては、従来、図8及び図9に示される如く、炉壁24,25を構成する炉壁管26をつなぐフィン27の所要箇所に切欠部28を形成し、該切欠部28の下部にサポート用金物29を溶接し、前記切欠部28に支持金物30を差し込んでサポート用金物29とのメタルタッチによるレベル調整を行った後、管寄31の長手方向端面に支持金物30を溶接し、更に、前記炉壁24,25の外面側に、フィン27に形成された切欠部28を覆うシールボックス32を溶接して取り付けるようにしたものがあった。
【0005】尚、図8及び図9には、管寄31の一端側のみを図示しているが、管寄31の他端側も同様のサポート構造となっている。
【0006】又、図8及び図9中、33は所要間隔をあけて配設される支持金物30の間をつなぐ補強板である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の如き従来の炉内配置管寄のサポート構造では、支持金物30のサポート用金物29とのメタルタッチによるレベル調整に手間と時間がかかると共に、支持金物30の管寄31に対する溶接と、炉壁24,25の外面側に対するシールボックス32の溶接とを現地において行う必要があり、据付が大変となる一方、支持金物30のサイズが大きく、高温のガスにより支持金物30の温度が上昇して該支持金物30が劣化する可能性があり、更に、支持金物30が炉壁24,25を貫通するため、管寄31に接続される図示していないループ管配置等で管寄31の配置レベルに制約が出てくるという欠点を有していた。
【0008】本発明は、斯かる実情に鑑み、レベル調整と据付を容易に行い得る一方、高温のガスによる支持金物の劣化を抑制し得、更に、管寄の配置レベルにおける制約も緩和し得る炉内配置管寄のサポート構造を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、所要間隔をあけて対向配置される炉壁の間に掛け渡すように配置される炉内配置管寄のサポート構造において、炉壁内面所要箇所における炉壁管表面に支持金物を取り付け、該支持金物上にレベル調整用のライナを設置し、該ライナ上に、予め管寄の長手方向両端部下面側に取り付けた受金物をスライド自在に載置し、炉壁内面と管寄の長手方向端面との間に所要のクリアランスが形成されるよう管寄を配置すると共に、管寄上端部近傍の炉壁内面所要箇所における炉壁管表面に、管寄の浮き上がり防止用のストッパを、該ストッパと管寄上端部との間に所要のクリアランスが形成されるよう取り付けたことを特徴とする炉内配置管寄のサポート構造にかかるものである。
【0010】前記炉内配置管寄のサポート構造においては、上面にテーパ面を形成した下ライナと、下面に下ライナのテーパ面と係合するテーパ面を形成した上ライナとからライナを構成することができる。
【0011】又、支持金物の炉壁に対する取付箇所端部に、応力集中防止用の円弧状部を形成すると共に、ストッパの炉壁に対する取付箇所端部に、応力集中防止用の円弧状部を形成することもできる。
【0012】上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0013】炉壁内面所要箇所における炉壁管表面に支持金物を取り付け、該支持金物上にレベル調整用のライナを設置し、該ライナ上に、予め管寄の長手方向両端部下面側に取り付けた受金物をスライド自在に載置し、炉壁内面と管寄の長手方向端面との間に所要のクリアランスが形成されるよう管寄を配置すると共に、管寄上端部近傍の炉壁内面所要箇所における炉壁管表面に、管寄の浮き上がり防止用のストッパを、該ストッパと管寄上端部との間に所要のクリアランスが形成されるよう取り付けると、レベル調整は支持金物上に載置するライナにより手間と時間をかけずに容易に行えると共に、現地において、支持金物を管寄に対して溶接しなくて済み、且つ炉壁の外面側に対してシールボックスを溶接する必要もなく、据付が容易となる一方、管寄の伸びは拘束されず、且つ管寄に接続されるループ管や連絡管等の反力による管寄の浮き上がりはストッパによって防止され、又、支持金物は炉壁管に取り付ける構造のため、高温のガスによる支持金物の温度上昇が抑えられ、該支持金物が劣化しにくくなり、更に、支持金物は炉壁を貫通しないため、管寄に接続されるループ管配置等で管寄の配置レベルに制約も出なくなる。
【0014】前記炉内配置管寄のサポート構造において、上面にテーパ面を形成した下ライナと、下面に下ライナのテーパ面と係合するテーパ面を形成した上ライナとからライナを構成すると、下ライナ上に上ライナをテーパ面が互いに係合するよう載置してスライドさせることによりレベル調整を非常に容易に行うことが可能となり、作業性の向上につながる。
【0015】又、支持金物の炉壁に対する取付箇所端部に、応力集中防止用の円弧状部を形成すると共に、ストッパの炉壁に対する取付箇所端部に、応力集中防止用の円弧状部を形成すると、炉壁への応力集中が回避可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0017】図1〜図5は本発明を実施する形態の一例であって、図中、図6〜図9と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、炉壁24,25内面所要箇所における炉壁管26表面に支持金物30’を溶接して取り付け、該支持金物30’上にレベル調整用のライナ34を設置し、該ライナ34上に、予め管寄31の長手方向両端部下面側に取り付けた受金物35をスライド自在に載置し、炉壁24,25内面と管寄31の長手方向端面との間に所要のクリアランスC1が形成されるよう管寄31を配置すると共に、管寄31上端部近傍の炉壁24,25内面所要箇所における炉壁管26表面に、管寄31の浮き上がり防止用のストッパ36を、該ストッパ36と管寄31上端部との間に所要のクリアランスC2が形成されるよう取り付けたものである。
【0018】前記支持金物30’は、図の例では三個としてあるが、一本の炉壁管26に掛かる支持荷重によりその数量は適宜選定すればよい。
【0019】前記ライナ34は、上面にテーパ面37を形成した下ライナ38と、下面に下ライナ38のテーパ面37と係合するテーパ面39を形成した上ライナ40とから構成してあり、複数(図の例では三個)の支持金物30’上に下ライナ38を設置して、該下ライナ38を前記複数の支持金物30’のうち所望の一つの支持金物30’(図の例では三個並設された支持金物30’のうち中央に位置する支持金物30’)に溶接し、該下ライナ38上に上ライナ40をテーパ面37,39が互いに係合するよう載置してスライドさせることによりレベル調整を行い、該レベル調整が完了したところで、前記下ライナ38に対して上ライナ40を溶接するようにし、これにより、前記ライナ34の高温のガスによる熱膨張が支持金物30’によって拘束されないようにしてある。
【0020】又、図4に示す如く、支持金物30’の炉壁24,25に対する取付箇所端部には、応力集中防止用の円弧状部41を形成すると共に、図5に示す如く、ストッパ36の炉壁24,25に対する取付箇所端部には、応力集中防止用の円弧状部42を形成してある。
【0021】尚、図1〜図5には、管寄31の一端側のみを図示しているが、管寄31の他端側も同様のサポート構造としてある。
【0022】次に、上記図示例の作動を説明する。
【0023】炉壁24,25内面所要箇所における炉壁管26表面に支持金物30’を溶接して取り付け、該支持金物30’上にレベル調整用のライナ34を設置し、該ライナ34上に、予め管寄31の長手方向両端部下面側に取り付けた受金物35をスライド自在に載置し、炉壁24,25内面と管寄31の長手方向端面との間に所要のクリアランスC1が形成されるよう管寄31を配置すると共に、管寄31上端部近傍の炉壁24,25内面所要箇所における炉壁管26表面に、管寄31の浮き上がり防止用のストッパ36を、該ストッパ36と管寄31上端部との間に所要のクリアランスC2が形成されるよう取り付けると、レベル調整は支持金物30’上に載置するライナ34により手間と時間をかけずに容易に行えると共に、現地において、支持金物30’を管寄31に対して溶接しなくて済み、且つ炉壁24,25の外面側に対してシールボックス32を溶接する必要もなく、据付が容易となる一方、管寄31の伸びは拘束されず、且つ管寄31に接続される図示していないループ管や連絡管等の反力による管寄31の浮き上がりはストッパ36によって防止され、又、支持金物30’は炉壁管26に取り付ける構造のため、高温のガスによる支持金物30’の温度上昇が抑えられ、該支持金物30’が劣化しにくくなり、更に、支持金物30’は炉壁24,25を貫通しないため、管寄31に接続される図示していないループ管配置等で管寄31の配置レベルに制約も出なくなる。
【0024】しかも、前記ライナ34は、上面にテーパ面37を形成した下ライナ38と、下面に下ライナ38のテーパ面37と係合するテーパ面39を形成した上ライナ40とから構成してあるため、下ライナ38上に上ライナ40をテーパ面37,39が互いに係合するよう載置してスライドさせることによりレベル調整を非常に容易に行うことが可能となっており、作業性の向上につながる。
【0025】又、支持金物30’の炉壁24,25に対する取付箇所端部には、応力集中防止用の円弧状部41を形成すると共に、ストッパ36の炉壁24,25に対する取付箇所端部には、応力集中防止用の円弧状部42を形成してあるため、炉壁24,25への応力集中が回避可能となる。
【0026】こうして、レベル調整と据付を容易に行い得る一方、高温のガスによる支持金物30’の劣化を抑制し得、更に、管寄31の配置レベルにおける制約も緩和し得る。
【0027】尚、本発明の炉内配置管寄のサポート構造は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0028】
【発明の効果】以上、説明したように本発明の請求項1〜3記載の炉内配置管寄のサポート構造によれば、レベル調整と据付を容易に行い得る一方、高温のガスによる支持金物の劣化を抑制し得、更に、管寄の配置レベルにおける制約も緩和し得るという優れた効果を奏し得、又、本発明の請求項2記載の炉内配置管寄のサポート構造によれば、上記効果に加え更に、レベル調整をより容易化して作業性向上を図り得るという優れた効果を奏し得、更に又、本発明の請求項3記載の炉内配置管寄のサポート構造によれば、上記効果に加え更に、炉壁への応力集中を回避し得るという優れた効果を奏し得る。
【出願人】 【識別番号】000000099
【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
【出願日】 平成12年2月2日(2000.2.2)
【代理人】 【識別番号】100062236
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 恒光 (外1名)
【公開番号】 特開2001−215002(P2001−215002A)
【公開日】 平成13年8月10日(2001.8.10)
【出願番号】 特願2000−25183(P2000−25183)