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【発明の名称】 蒸気発生器
【発明者】 【氏名】田中 外治

【氏名】新長 秀孝

【氏名】平山 諭輝照

【要約】 【課題】コンパクトで伝熱性が良く且つ耐久性の高い蒸気発生器の提供。

【解決手段】高温の熱交換媒体が導入される本体1内に、複数のU字状パイプ2をそのU曲げ部が重力方向下方に位置するように挿入する。そして液体供給パイプ4に液体噴射孔3を設け、それをU字状パイプ2の一端開口に臨ませる。そしてU字状パイプ2の他端開口を蒸気排出パイプ5に連通する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 高温の熱交換媒体を導入して内部が加温される本体1と、重力方向下方がU曲げ部となるように、その本体1に挿入された複数のU字状パイプ2と、そのU字状パイプ2に比べて著しく小なる直径の液体噴射孔3が、夫々のU字状パイプ2の一端開口に臨んで配置された液体供給パイプ4と、夫々のU字状パイプ2の他端開口が連通される蒸気排出パイプ5と、を具備する蒸気発生器。
【請求項2】 請求項1において、夫々前記U字状パイプ2の直径以上の直径を有し且つ、前記本体1を水平方向に貫通する前記蒸気排出パイプ5と、両端閉塞の入口パイプ6とを有し、夫々の前記U字状パイプ2の一端が、その入口パイプ6に互いにその軸線方向に離間して連通されると共に、他端が前記蒸気排出パイプ5に互いにその軸線方向に離間して接続され且つ、そのU字状パイプ2が下方に熱膨張可能なように、そのU字曲折部下端が本体1の底面の上方に位置され、前記入口パイプ6に、同軸にそれより直径が小なる前記液体供給パイプ4が挿通され、前記夫々のU字状パイプ2の一端開口に整合する位置で、その液体供給パイプ4に前記液体噴射孔3が夫々配置された蒸気発生器。
【請求項3】 請求項1において、夫々前記U字状パイプ2の直径以上の直径を有する前記蒸気排出パイプ5と、両端閉塞の入口パイプ6とを有し、夫々の前記U字状パイプ2の一端開口が、その入口パイプ6に互いにその軸線方向に離間して連通されると共に、他端開口が前記蒸気排出パイプ5に互いにその軸線方向に離間して接続され、夫々の前記U字状パイプ2の一端開口位置に整合して、前記入口パイプ6にそれに比べて著しく小なる直径の前記液体供給パイプ4の先端部が夫々貫通され、その軸線上の先端に前記液体噴射孔3が設けられた蒸気発生器。
【請求項4】 請求項1において、夫々の前記U字状パイプ2の一端開口が閉塞されると共に、その閉塞端にそのU字状パイプ2に比べて直径の著しく小なる前記液体供給パイプ4の先端が夫々挿通され、その先端に前記液体噴射孔3が設けられ、前記U字状パイプ2の直径以上の直径を有する前記蒸気排出パイプ5を有し、夫々の前記U字状パイプ2の他端開口が前記蒸気排出パイプ5に互いにその軸線方向に離間して接続された蒸気発生器。
【請求項5】 請求項1〜請求項4記載のいずれかにおいて、前記本体1は、その両側に配置された一対のタンク7と、両タンク7のチューブプレート8に夫々両端が貫通固定されて並列された多数のチューブ9と、両タンク7に連通する出入口パイプ10と、両タンク7間で前記チューブ9の外面側に充填された蓄熱剤と、を具備し、夫々の前記U字状パイプ2が、並列された前記チューブ9の列間に挿入され、夫々のU字状パイプ2の一端に前記液体供給パイプ4から液体燃料12が供給され、前記出入口パイプ10には加熱媒体として自動車用燃料電池装置における高温のオフガス13が導かれる蒸気発生器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主としてメタノール改質器搭載自動車用燃料電池システムにおける蒸気発生器に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用燃料電池システムにおける蒸気発生用の蒸発器は、改質用の蒸気を得るためのものであり、液体燃料として水とメタノール液とを噴射し、それを高温ガスよって瞬時に蒸発させるものである。これは自動車用燃料電池システムにおける自動車のアクセルに相当し、蒸気発生の応答の良否で車の動力性能が決まるため重要な部品である。その高温ガスとしてはオフガス(OFF GAS)が用いられ、それが多数のチューブ内を流通する。夫々のチューブ外周にはフィンが配置され、それらに水及びメタノールが噴射される。そしてそれらを蒸発させ改質用の蒸気を得るものであった。このような蒸発器としてチューブ&フィンタイプのもの或いはプレートタイプのものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】自動車用燃料電池システムにおける蒸気発生用の蒸発器は、必要最小限の加熱で短時間に昇温し、低負荷から高負荷まで応答性の良い蒸発性能が求められる。それと共に、500℃〜900℃程度の高温ガスがチューブ内を流通し、その蒸発器のコア部分に熱応力が生じ易い。従って、それらを充分吸収できる耐久性の高いものが求められていた。そこで本発明は、これらの課題を解決するため次の構成をとる。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明は、高温の熱交換媒体を導入して内部が加温される本体1と、重力方向下方がU曲げ部となるように、その本体1に挿入された複数のU字状パイプ2と、そのU字状パイプ2に比べて著しく小なる直径の液体噴射孔3が、夫々のU字状パイプ2の一端開口に臨んで配置された液体供給パイプ4と、夫々のU字状パイプ2の他端開口が連通される蒸気排出パイプ5と、を具備する蒸気発生器である。
【0005】請求項2に記載の本発明は、請求項1において、夫々前記U字状パイプ2の直径以上の直径を有し且つ、前記本体1を水平方向に貫通する前記蒸気排出パイプ5と、両端閉塞の入口パイプ6とを有し、夫々の前記U字状パイプ2の一端が、その入口パイプ6に互いにその軸線方向に離間して連通されると共に、他端が前記蒸気排出パイプ5に互いにその軸線方向に離間して接続され且つ、そのU字状パイプ2が下方に熱膨張可能なように、そのU字曲折部下端が本体1の底面の上方に位置され、前記入口パイプ6に、同軸にそれより直径が小なる前記液体供給パイプ4が挿通され、前記夫々のU字状パイプ2の一端開口に整合する位置で、その液体供給パイプ4に前記液体噴射孔3が夫々配置された蒸気発生器である。
【0006】請求項3に記載の本発明は、請求項1において、夫々前記U字状パイプ2の直径以上の直径を有する前記蒸気排出パイプ5と、両端閉塞の入口パイプ6とを有し、夫々の前記U字状パイプ2の一端開口が、その入口パイプ6に互いにその軸線方向に離間して連通されると共に、他端開口が前記蒸気排出パイプ5に互いにその軸線方向に離間して接続され、夫々の前記U字状パイプ2の一端開口位置に整合して、前記入口パイプ6にそれに比べて著しく小なる直径の前記液体供給パイプ4の先端部が夫々貫通され、その軸線上の先端に前記液体噴射孔3が設けられた蒸気発生器である。
【0007】請求項4に記載の本発明は、請求項1において、夫々の前記U字状パイプ2の一端開口が閉塞されると共に、その閉塞端にそのU字状パイプ2に比べて直径の著しく小なる前記液体供給パイプ4の先端が夫々挿通され、その先端に前記液体噴射孔3が設けられ、前記U字状パイプ2の直径以上の直径を有する前記蒸気排出パイプ5を有し、夫々の前記U字状パイプ2の他端開口が前記蒸気排出パイプ5に互いにその軸線方向に離間して接続された蒸気発生器である。
【0008】請求項5に記載の本発明は、請求項1〜請求項4記載のいずれかにおいて、前記本体1は、その両側に配置された一対のタンク7と、両タンク7のチューブプレート8に夫々両端が貫通固定されて並列された多数のチューブ9と、両タンク7に連通する出入口パイプ10と、両タンク7間で前記チューブ9の外面側に充填された蓄熱剤と、を具備し、夫々の前記U字状パイプ2が、並列された前記チューブ9の列間に挿入され、夫々のU字状パイプ2の一端に前記液体供給パイプ4から液体燃料12が供給され、前記出入口パイプ10には加熱媒体として自動車用燃料電池装置における高温のオフガス13が導かれる蒸気発生器である。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、図面に基づいて本発明の蒸気発生器の実施の形態につき説明する。図1は本蒸気発生器の一部破断要部斜視図であり、図2はその全体的斜視図、図3は図2における III− III矢視断面図である。また、図4は同蒸気発生器の一部破断正面図、図5は図4におけるV部拡大図、図6は同蒸気発生器の左側面図、図7は同蒸気発生器の一部破断平面図である。この蒸気発生器は図2〜図4に示す如く、本体1と多数のU字状パイプ2とを有する。本体1は一対のタンク7が左右に離間し、夫々のチューブプレート8に多数のチューブ9の両端が貫通し、その貫通部がろう付け固定されている。夫々のチューブ9は図4に示す如く、上下方向に互いに離間して整列され多数のチューブ列が一定間隔を開けて配置されている。そして各チューブ9の列間に多数のU字状パイプ2が挿入される。
【0010】U字状パイプ2は図3に示す如く、重力方向下方がU曲げ部となるように本体1に挿入され、その上端部は図1の如く入口パイプ6と蒸気排出パイプ5とに連通し、その連通部が液密にろう付け固定されている。即ち、U字状パイプ2の直径より大なる直径を有する入口パイプ6,蒸気排出パイプ5に定間隔でU字状パイプ2に整合する孔が穿設され、その孔にU字状パイプ2の端部が挿通固定される。U字状パイプ2の両端外周には環状膨出部2aが形成され、それが入口パイプ6,蒸気排出パイプ5に挿通される際のストッパーを形成する。入口パイプ6は図4の如くその両端が端蓋16で閉塞され、その入口パイプ6にそれよりも著しく径の小なる液体供給パイプ4が挿通される。そして、液体供給パイプ4の右端は栓17で閉塞されている。またU字状パイプ2の一端開口に隣接して、液体供給パイプ4に液体噴射孔3が図1、図5の如く穿設される。液体噴射孔3の直径は極めて小なるものであり、この蒸気発生器をメタノール改質器搭載自動車用燃料システムにおける蒸気発生器とする場合には、液体噴射孔3の直径は0.5〜1mm程度で充分である。また、液体供給パイプ4の直径は3〜5mm程度で良い。さらには入口パイプ6,蒸気排出パイプ5の直径は10mm程度で良い。そしてU字状パイプ2の直径は6〜7mm程度で良い。
【0011】また蒸気排出パイプ5の一端は、図7の如く端蓋16により閉塞され、その他端は他の機器に連結される。そして入口パイプ6および蒸気排出パイプ5の夫々の両端は、図4に示す如く、本体1の上端部を貫通してている。一対のタンク7には出入口パイプ10が接続され、その先端に接続用のフランジ部15が設けられている。本体1の上面には一対の蓄熱剤充填用パイプ20が突設され、その上端がキャップ19により閉塞されている。その蓄熱剤充填用パイプ20からは、高温に耐え得る適宜な蓄熱剤が本体1内に充填される。しかしながら蓄熱剤は必ずしも必要なものではなく、それを省略することもできる。また、一対のチューブプレート8間の下部位置には、U字状パイプ支持プレート18が水平に配置されている。そのU字状パイプ支持プレート18には多数の偏平孔が穿設され、その偏平孔内にU字状パイプ2の下部が挿入されその下部を外周から支持している。
【0012】U字状パイプ2の下端は本体1の底面から空間を開けて位置し、U字状パイプ2が下方に熱膨張できるように配置されている。なお、入口パイプ6と液体供給パイプ4、その液体噴射孔3及びU字状パイプ2との関係は、図5の如く形成されU字状パイプ2の先端が液体供給パイプ4に接触し、そのU字状パイプ2の軸線上に液体供給パイプ4の液体噴射孔3が開口する。また、これら各部品はステンレス鋼材からなり、各部品の接合部はニッケルろう材により液密及び気密にろう付け固定されている。
【0013】
【使用方法】図2〜図4において高温のオフガス13が一方の出入口パイプ10からそれに接続されたタンク7に流入し、夫々のチューブ9を流通して他方のタンク7から出入口パイプ10を介してそれが流出する。そして本体1内を高温に保持し、夫々のU字状パイプ2の外周を加熱する。次に、メタノール及び水からなる混合された液体燃料12が液体供給パイプ4から供給され、夫々の液体噴射孔3を介し各U字状パイプ2の一方の開口に供給される。その供給量は、負荷に応じて極めて僅か水滴状に供給される場合と、一定以上噴射される場合とがある。何れにしてもU字状パイプ2内に供給された液体燃料12は瞬間的に蒸発され、メタノールと水蒸気の混合ガスからなる蒸気燃料14として図示しない改質反応器に供給され、そこで改質反応により水素を主成分とするガスを得るものである。
【0014】次に、図8は本発明の蒸気発生器における他の例を示す要部斜視図であって、図1の変形例である。この例は多数の液体供給パイプ4が入口パイプ6を貫通し、その先端開口に液体噴射孔3が設けられ、それがU字状パイプ2の一方の開口に望んでいる。また、図9はさらに他の蒸気発生器の要部斜視図であり、U字状パイプ2の一方の端部が閉塞されその閉塞端に液体供給パイプ4が貫通する。そしてその液体供給パイプ4の先端に液体噴射孔3が設けられたものである。これらの例における使用方法も前記使用例に準じて行われる。
【0015】
【発明の作用・効果】請求項1に記載の本発明によれば、本体1に収納されるU字状パイプ2は、重力方向下方にU曲げ部が配置され、その一端開口に液体供給パイプ4の液体噴射孔3が配置され、U字状パイプ2の他端開口が蒸気排出パイプ5に連通されたものであるから、小さな液体噴射孔3から噴射または滴下された液体がU字状パイプ2内で効率良く蒸発し、蒸気燃料としてそれが蒸気排出パイプ5から排出される。即ち、小さな直径の液体噴射孔3から噴射した液体は、U字状パイプ2の一端開口部に散布または滴下され、パイプ内壁に付着して、直ちにその外面からの加熱により蒸発し蒸気排出パイプ5に導かれる。また、液体噴射孔3からU字状パイプ2へ噴射される燃料液の供給量が過剰になると、その液は自重によりU字状パイプ2のU曲げ部に溜まる。そのため液体の状態で蒸気排出パイプ5から流出することはなく、蒸気のみが蒸気排出パイプ5から流出する。それにより、信頼性の高い蒸気発生器となり得る。
【0016】請求項2に記載の本発明よれば、U字状パイプ2の両端が蒸気排出パイプ5と入口パイプ6とによって吊り下げられる構造となり、U字状パイプ2が下方に熱膨張可能なように配置されているから、U字状パイプ2に熱応力が加わり難く寿命の長い蒸気発生器となる。また、入口パイプ6には液体供給パイプ4が同軸に収納され、その液体供給パイプ4に夫々液体噴射孔3が形成されたものであるから、簡単な構造で複数のU字状パイプ2に夫々の液体噴射孔3から同時に液を噴射供給することができる。そのため、コンパクトな製造し易い蒸気発生器となり得る。さらには、U字状パイプ2の両端が蒸気排出パイプ5と入口パイプ6とに夫々支持され且つ、蒸気排出パイプ5及び入口パイプ6が本体1に貫通されたものであるから、それらの支持構造を丈夫に形成できる。
【0017】請求項3に記載の本発明によれば、入口パイプ6を貫通する液体供給パイプ4の先端部がU字状パイプ2の一端開口に位置され、その先端に液体噴射孔3が形成されたものであるから、液体をU字状パイプ2の一端開口部に均等に分散して噴射することができる。そして、U字状パイプ2の一端開口と入口パイプ6と液体供給パイプ4との相互の支持構造を丈夫に維持できる。請求項4に記載の本発明は、U字状パイプ2の一端開口が閉塞されその閉塞端に液体供給パイプ4の先端が挿入され、その先端に液体噴射孔3が設けられたものであるから、構造が極めて簡単なものとなり且つ液体噴射孔3から液体をU字状パイプ2の一端開口に均一に分散して噴射供給することができる。請求項5に記載の本発明は、本体1に並列された多数のチューブ9の列間にU字状パイプ2が挿入され、チューブ9に高温のオフガス13が流通すると共に、U字状パイプ2に液体燃料12が供給され、U字状パイプ2とチューブ9との間には蓄熱剤が充填されたものであるから、コンパクトで効率の良い蒸気発生器を提供できる。そして液体燃料を蒸気燃料に効率良く変換し、蒸気排出パイプ5からそれを流出させることができる。
【出願人】 【識別番号】000222484
【氏名又は名称】東洋ラジエーター株式会社
【出願日】 平成11年10月29日(1999.10.29)
【代理人】 【識別番号】100082843
【弁理士】
【氏名又は名称】窪田 卓美
【公開番号】 特開2001−132901(P2001−132901A)
【公開日】 平成13年5月18日(2001.5.18)
【出願番号】 特願平11−308974