トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F22 蒸気発生




【発明の名称】 水管ボイラ
【発明者】 【氏名】川上 昭典

【氏名】若江 弘一

【要約】 【課題】ガス通路におけるガスの流れの片寄りを抑制し、ボイラ効率のさらなる向上を図る。

【解決手段】第一開口部5を備えた環状の第一水管列4、及び第二開口部10を備えた環状の第二水管列9を有し、第一水管列4の外側に第二水管列9を配置するとともに、第一水管列4の内側に燃焼室7を設け、両水管列4,9の間に第一開口部5から第二開口部10へ至るガス通路12を形成し、第二水管列9に複数の平板状伝熱フィン14,14,…を多段状に設け、平板状伝熱フィン14にガスの流れ方向を第一水管列4側へ向けるガス流れを方向変換する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の水管3により構成され、第一開口部5を備えた環状の第一水管列4と、複数の水管3により構成され、第二開口部10を備えた環状の第二水管列9とからなり、前記第一水管列4の外側に前記第二水管列9を配置するとともに、前記第一水管列4の内側に燃焼室7を設け、前記両水管列4,9の間に前記第一開口部5から前記第二開口部10へ至るガス通路12を形成し、前記第二水管列9に複数の平板状伝熱フィン14,14,…を多段状に設け、これらの平板状伝熱フィン14にガスの流れ方向を前記第一水管列4側へ向けるガス流れ方向変換部を設けたことを特徴とする水管ボイラ。
【請求項2】 前記各ガス流れ方向変換部が、前記各平板状伝熱フィン14の上流側端部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の水管ボイラ。
【請求項3】 前記各ガス流れ方向変換部が、前記各平板状伝熱フィン14の下流側端部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の水管ボイラ。
【請求項4】 複数の水管3により構成され、第一開口部5を備えた環状の第一水管列4と、複数の水管3により構成され、第二開口部10を備えた環状の第二水管列9とからなり、前記第一水管列4の外側に前記第二水管列9を配置するとともに、前記第一水管列4の内側に燃焼室7を設け、前記両水管列4,9の間に前記第一開口部5から前記第二開口部10へ至るガス通路12を形成し、前記第一水管列4に複数の平板状伝熱フィン14,14,…を多段状に設け、前記第二水管列9に前記水管3の軸方向に沿って延在した状態で縦型伝熱フィン19を設けたことを特徴とする水管ボイラ。
【請求項5】 複数の水管3により構成され、第一開口部5を備えた環状の第一水管列4と、複数の水管3により構成され、第二開口部10を備えた環状の第二水管列9とからなり、前記第一水管列4の外側に前記第二水管列9を配置するとともに、前記第一水管列4の内側に燃焼室7を設け、前記両水管列4,9の間に前記第一開口部5から前記第二開口部10へ至るガス通路12を形成し、前記両水管列4,9に複数の平板状伝熱フィン14,14,…を多段状に設け、前記第一水管列4における前記各平板状伝熱フィン14の取付けピッチを前記第二水管列9における前記各平板状伝熱フィン14の取付けピッチより大きくしたことを特徴とする水管ボイラ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、貫流ボイラ,自然循環式水管ボイラ,強制循環式水管ボイラなどの水管ボイラの缶体構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水管ボイラの缶体構造には、複数本の水管を環状に配置して内側水管列を形成し、この内側水管列の内側を燃焼室とし、前記内側水管列の外側にさらに複数本の水管を環状に配置して外側水管列を形成し、両水管列の間にガス通路を形成したものがある。前記燃焼室内では主に輻射による伝熱が行われ、前記ガス通路では主に対流による伝熱が行われる。
【0003】前記水管ボイラでは、前記ガス通路が環状に形成されているため、ガスが前記ガス通路を流れる際、ガスに対して遠心力が働く。したがって、前記ガス通路においては、この遠心力により、ガスが前記外側水管列側の方へ相対的に片寄って流れる傾向がある。そうすると、前記内側水管列側のガスの流量が前記外側水管列側に比べると相対的に少なくなり、前記内側水管列の前記ガス通路に面する伝熱面における伝熱量も前記外側水管列に比べると相対的に少なくなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明が解決しようとする課題は、前記ガス通路におけるガスの流れの片寄りを抑制し、ボイラ効率のさらなる向上を図ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、複数の水管により構成され、第一開口部を備えた環状の第一水管列と、複数の水管により構成され、第二開口部を備えた環状の第二水管列とからなり、前記第一水管列の外側に前記第二水管列を配置するとともに、前記第一水管列の内側に燃焼室を設け、前記両水管列の間に前記第一開口部から前記第二開口部へ至るガス通路を形成し、前記第二水管列に複数の平板状伝熱フィンを多段状に設け、これらの平板状伝熱フィンにガスの流れ方向を前記第一水管列側へ向けるガス流れ方向変換部を設けたことを特徴としている。
【0006】請求項2に記載の発明は、前記各ガス流れ方向変換部が、前記各平板状伝熱フィンの上流側端部に設けられていることを特徴としている。
【0007】請求項3に記載の発明は、前記各ガス流れ方向変換部が、前記各平板状伝熱フィンの下流側端部に設けられていることを特徴としている。
【0008】請求項4に記載の発明は、複数の水管により構成され、第一開口部を備えた環状の第一水管列と、複数の水管により構成され、第二開口部を備えた環状の第二水管列とからなり、前記第一水管列の外側に前記第二水管列を配置するとともに、前記第一水管列の内側に燃焼室を設け、前記両水管列の間に前記第一開口部から前記第二開口部へ至るガス通路を形成し、前記第一水管列に複数の平板状伝熱フィンを多段状に設け、前記第二水管列に前記水管の軸方向に沿って延在した状態で縦型伝熱フィンを設けたことを特徴としている。
【0009】さらに、請求項5に記載の発明は、複数の水管により構成され、第一開口部を備えた環状の第一水管列と、複数の水管により構成され、第二開口部を備えた環状の第二水管列とからなり、前記第一水管列の外側に前記第二水管列を配置するとともに、前記第一水管列の内側に燃焼室を設け、前記両水管列の間に前記第一開口部から前記第二開口部へ至るガス通路を形成し、前記両水管列に複数の平板状伝熱フィンを多段状に設け、前記第一水管列における前記各平板状伝熱フィンの取付けピッチを前記第二水管列における前記各平板状伝熱フィンの取付けピッチより大きくしたことを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の実施の形態について説明する。この発明は、多管式の水管ボイラとして実施され、蒸気ボイラや温水ボイラのほか、熱媒を加熱する熱媒ボイラなどに適用される。
【0011】まず、この発明の第一の実施の形態について説明する。ボイラの缶体の基本構成は、つぎのようになっている。複数の水管により環状の第一水管列が形成され、この第一水管列の内側に燃焼室が設けられている。前記第一水管列の外側に、複数の水管により環状の第二水管列が形成され、この第二水管列と前記第一水管列との間にガス通路が設けられている。前記第一水管列には第一開口部が設けられ、この第一開口部により前記燃焼室と前記ガス通路とが連通している。前記第二水管列には第二開口部が設けられ、この第二開口部により前記ガス通路と煙道とが連通している。
【0012】前記両水管列または前記第二水管列に、複数の平板状伝熱フィンが水平または所定角度傾斜した状態で多段状に設けられている。このうち、前記第二水管列に設けられた前記各平板状伝熱フィンには、ガスの流れ方向を前記第一水管列側へ向けるガス流れ方向変換部がそれぞれ設けられている。ところで、前記ガス通路が環状に形成されているため、前記ガス通路を流れるガスは、遠心力により前記第二水管列側の方へ相対的に片寄って流れる傾向があるが、前記各ガス流れ方向変換部を設けることにより、その片寄りが抑制される。
【0013】前記各ガス流れ方向変換部は、前記各平板状伝熱フィンの上流側端部または下流側端部に設けられる。たとえば、前記各平板状伝熱フィンの上流側端部に、前記ガス流れ方向変換部として切欠き部がそれぞれ設けられる。これらの切欠き部は、その各側面がガスの流れ方向に対して斜めに設けられ、上流側から流れてきたガスの流れ方向を変え、ガスの流れを前記第一水管列側へ向かうように案内する。また、下流側端部に設けられる前記各ガス流れ方向変換部としては、たとえば前記水管の軸方向に隣接して取り付けられている前記各平板状伝熱フィンの下流側端部間に閉塞部がそれぞれ設けられる。これらの閉塞部は、前記各平板状伝熱フィン間を流れてきたガスの流れ方向を変え、ガスの流れを前記第一水管列側へ向かうように案内する。
【0014】ここにおいて、前記ガス流れ方向変換部は、前記各平板状伝熱フィンのうち全てのものに設けることもできるが、前記ガス通路を流れるガスの片寄りの程度に応じて、所定数の前記各平板状伝熱フィンを選択して,たとえば前記水管の軸方向に1つおきに設けることもできる。
【0015】つぎに、この発明の第二の実施の形態について説明する。ボイラの缶体の基本構成は、前記第一の実施の形態と同様である。さて、この第二の実施の形態においては、前記第一水管列にあっては複数の平板状伝熱フィンが水平または所定角度傾斜した状態で多段状に設けられているとともに、前記第二水管列にあっては前記水管の軸方向に沿って延在した状態で縦型伝熱フィンが設けられている。
【0016】前記縦型伝熱フィンは、たとえば平板状,棒状あるいは断面略L字形状等のフィン部材が前記水管の周面に前記第一水管列側へ向けて適宜の高さをもって突出して設けられており、上流側から流れてきたガスの流れ方向を変えて、ガスの流れを前記第一水管列側へ向かうように案内する。また、前記第一水管列には前記各平板状伝熱フィンが設けられているので、前記縦型伝熱フィンによるガスの流れ方向の変換と相俟って、前記第一水管列における伝熱量の増加に頗る効果的である。
【0017】ここにおいて、前記縦型伝熱フィンは、前記第二水管列の前記各水管にそれぞれ設けることもできるし、所定数の前記水管を選択して設けることもできる。たとえば、前記第二水管列のうち上流側の前記各水管にのみ前記縦型伝熱フィンをそれぞれ設け、下流側の前記各水管には前記ガス流れ方向変換部を備えた前記各平板状伝熱フィンをそれぞれ設けるようにすることもできる。
【0018】さらに、この発明の第三の実施の形態について説明する。ボイラの缶体の基本構成は、前記第一の実施の形態と同様である。さて、この第三の実施の形態においては、前記両水管列に複数の平板状伝熱フィンが水平または所定角度傾斜した状態で多段状に設けられている。そして、前記第一水管列における前記各平板状伝熱フィンの取付けピッチが、前記第二水管列における前記各平板状伝熱フィンの取付けピッチより大きくなっている。すなわち、前記水管1本当たりの前記各平板状伝熱フィンの取付け枚数を、前記第一水管列の方が前記第二水管列より少なくなるようにしている。
【0019】このように、前記各平板状伝熱フィンの取付けピッチを前記両水管列で変えることにより、前記水管の軸方向における前記各平板状伝熱フィン間に形成される流路の総断面積を、前記第一水管列側の方が前記第二水管列側より大きくなるようにしている。したがって、前記ガス通路において、前記第一水管列側へもガスが流れやすくなり、ガスの流れの片寄りが抑制される。
【0020】以上のように、前記構成によれば、前記ガス通路におけるガスの流れの片寄りが抑制され、前記第一水管列側を流れるガスの流量が増加する。したがって、前記第一水管列の前記ガス通路に面する伝熱面における伝熱量が増加し、ボイラ効率が格段に向上する。
【0021】
【実施例】以下、この発明を多管式の貫流ボイラに適用した実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0022】まず、図1,図2および図3に示す第一実施例について説明する。図1は、この発明の第一実施例における縦断面説明図であり、また図2は、図1のII−II線に沿う横断面説明図であり、さらに図3は、図2の要部を拡大して示す横断面説明図である。
【0023】最初に、ボイラの缶体構成について説明すると、ボイラの缶体は、所定の距離を離して配置された上部管寄せ1および下部管寄せ2を備えている。これらの上部管寄せ1および下部管寄せ2の間には、複数の水管3,3,…が環状に配置されている。これらの各水管3は、水管壁構造をした環状の第一水管列4を形成し、前記各水管3の上下端部は、前記上部管寄せ1および前記下部管寄せ2にそれぞれ接続されている。前記第一水管列4は、その一部に第一開口部5を備えている。前記各水管3は、前記第一開口部5を除いて、第一縦ヒレ部材6,6,…によりそれぞれ連結されている。
【0024】前記第一水管列4の内側には、燃焼室7が設けられている。この燃焼室7の上方には、バーナ8が取り付けられている。このバーナ8は、前記上部管寄せ1の内方中央部から前記燃焼室7へ向けて挿入されている。また、前記バーナ8は、送風機(図示省略)を備えている。
【0025】前記第一水管列4の外側には、複数の水管3,3,…が環状に配置されている。これらの各水管3は、環状の第二水管列9を形成し、前記各水管3の上下端部は、前記上部管寄せ1および前記下部管寄せ2にそれぞれ接続されている。前記第二水管列9は、その一部に第二開口部10を備えている。この第二開口部10は、前記第一水管列4における前記第一開口部5に対して約180度反対側に設けられている。前記各水管3間には、前記第二開口部10を除いて、第二縦ヒレ部材11,11,…が設けられ、前記各水管3は前記各第二縦ヒレ部材11でそれぞれ連結されている。前記第一水管列4の各水管3と前記第二水管列9の各水管3とは、周方向にほぼ半ピッチずつずらした状態で配置されている。
【0026】前記第一水管列4と前記第二水管列9との間には、前記第一開口部5から前記第二開口部10へ至るガス通路12,12が設けられている。この両ガス通路12は、前記第一開口部5を介して前記燃焼室7と連通し、前記第二開口部10を介して煙道13と連通している。したがって、前記燃焼室7を出たガスは、前記第一開口部5で分岐して前記両ガス通路12へそれぞれ流入し、前記第二開口部10において合流して前記煙道13へ流入するようになっている。
【0027】さて、前記缶体構成において、前記両水管列4,9の前記各水管3における前記ガス通路12側の周面には、複数の平板状伝熱フィン14,14,…が多段状に設けられている。すなわち、前記各平板状伝熱フィン14は、水平または若干傾斜して設けられ、前記水管3の軸方向に適宜の間隔を保持した状態で設けられている。ただし、前記各水管3のうち前記ガス通路12の上流側に位置する所定数の前記各水管3には、前記各平板状伝熱フィン14は設けられていない。これは、前記ガス通路12の上流側ではガス温度が高いので、前記各水管3の熱負荷が高くなり過ぎないようにするためである。また、前記第一水管列4における前記各平板状伝熱フィン14と前記第二水管列9における前記各平板状伝熱フィン14とは、前記各水管3の軸方向にほぼ半ピッチずつ交互に位置するように取り付けられている。したがって、一方の前記各平板状伝熱フィン14が他方の前記各平板状伝熱フィン14間へ向かって突出するようになっている。そして、前記各平板状伝熱フィン14の厚さは、約4〜6mmに設定され、突出高さは、約15〜20mmに設定されている。
【0028】前記各平板状伝熱フィン14のうち、前記第二水管列9における前記各平板状伝熱フィン14には、ガスの流れ方向を前記第一水管列4側へ向けるガス流れ方向変換部がそれぞれ設けられている。この第一実施例においては、前記各平板状伝熱フィン14の上流側端部にそれぞれ設けられた切欠き部15が、前記ガス流れ方向変換部として機能する。これらの切欠き部15は、その各側面がガスの流れ方向に対して所定角度傾斜して設けられているとともに、ゆるやかな円弧状に形成されており、上流側から流れてきたガスの流れ方向を変えて、ガスの流れを前記第一水管列4側へ向けて案内するようになっている(図3参照)。このガスの流れの案内方向は、すぐ下流側に位置する前記第一水管列4の前記水管3へ向いている。
【0029】また、前記第二水管列9の外側には、断熱材16が設けられ、さらにその外側に、缶体カバー17が設けられている。
【0030】前記構成の貫流ボイラにおいて、その作用を説明する。前記バーナ8を作動させると、前記燃焼室7内で燃焼反応が行われ、燃焼反応がほぼ完了した高温のガスが、前記第一開口部5を通って前記ガス通路12へ流入する。前記ガス通路12へ流入したガスは、二方向に分かれて前記ガス通路12を流れる。ガスが前記ガス通路12を流れる際、ガスの熱が前記各水管3内の被加熱流体に伝えられ、ガスの温度は下流側へ行くほど低下する。前記第二開口部10で合流したガスは、前記煙道13から排ガスとして外部へ排出される。そして、前記各水管3内の被加熱流体は、加熱されながら上昇し、前記上部管寄せ1から蒸気として取り出される。
【0031】ガスが前記ガス通路12を流れる際、前記ガス通路12が環状に形成されているため、ガスに対して遠心力が働き、ガスが前記第二水管列9の方へ相対的に片寄って流れる傾向があるが、前記ガス流れ方向変換部として前記切欠き部15が設けられているので、その片寄りが抑制される。すなわち、前記第二水管列9側を流れるガスのうちその一部は、前記切欠き部15に衝突し、その側面に沿って流れ方向を変え、すぐ下流側に位置する前記第一水管列4の前記水管3へ向かって流れる。この作用が、前記各切欠き部15で前記ガス通路12に沿って連続して行われ、前記ガス通路12を流れるガスの片寄りが全体的に抑制される。また、前記第二水管列9側を流れる残りのガスは、前記各平板状伝熱フィン14間を流れ、前記各平板状伝熱フィン14の伝熱面が、前記第二水管列9における伝熱量の増加に有効に作用する。このようにして、前記第二水管列9における前記各平板状伝熱フィン14では、ガスの流れ方向を変える作用と伝熱量を増加させる作用とが合わせて行われている。
【0032】一方、前記ガス通路12における前記第一水管列4側においては、前記各切欠き部15の働きによりガス流量が増加するので、前記第一水管列4にあっては、前記ガス通路12に面する伝熱面における伝熱量が増加する。また、前記第一水管列4には所定範囲にわたって前記各平板状伝熱フィン14が設けられており、これらの各平板状伝熱フィン14が、ガス流量の増加にともなう伝熱量の増加に対してより有効に作用する。
【0033】つぎに、図4および図5に示す第二実施例について説明する。ここにおいて、前記第一実施例と同様の構成部材には同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。さて、この第二実施例では、前記第二水管列9に多段状に設けられている前記各平板状伝熱フィン14の下流側端部に、前記ガス流れ方向変換部がそれぞれ設けられている。すなわち、この第二実施例においては、前記水管3の軸方向に隣接して取り付けられている前記各平板状伝熱フィン14の下流側端部間に、閉塞部18がそれぞれ設けられており、これらの各閉塞部18が、前記ガス流れ方向変換部として機能する。
【0034】前記構成においては、前記ガス通路12において前記第二水管列9側を流れるガスは、前記各平板状伝熱フィン14間を流れ、その各下流側端部において、前記各閉塞部18に衝突して流れ方向を変え、すぐ下流側に位置する前記第一水管列4の前記水管3へ向かって流れる(図4参照)。この作用が、前記第二水管列9の各水管3に設けられた前記各閉塞部18で前記ガス通路12に沿って連続して行われ、前記ガス通路12を流れるガスの片寄りが全体的に抑制される。
【0035】ここで、前記各閉塞部18は、前記各平板状伝熱フィン14の下流側端部間において、この下流側端部間を全面的に塞ぐ構成にすることもできるし、その一部を所定の割合で塞いだ構成にすることもできる。
【0036】また、前記各閉塞部18は、前記各平板状伝熱フィン14の下流側端部間についてその全部に設けることもできるが、前記ガス通路12を流れるガスの片寄りの程度に応じて、所定数の選択された前記下流側端部間に設けることもできる。たとえば、前記各水管3の軸方向において、前記各下流側端部間に前記閉塞部18を1つおきに設ける。この構成は、前記閉塞部18が設けられていない前記各下流側端部間をガスが方向を変えずに直進して抜け出るので、前記各閉塞部18の下流側にガスが滞留するのを防止するのに効果的である。さらに、前記各閉塞部18を前記各水管3の軸方向に1つおきに設ける場合、隣接する各水管3において前記各閉塞部18を設ける位置を1つずつずらした構成にし、同じ高さにある前記各下流側端部間について見たとき、ガスの流れ方向に1つおきに前記各閉塞部18を設けた構成とすることもできる。
【0037】つぎに、図6に示す第三実施例について説明する。ここにおいても、前記各実施例と同様の構成部材には同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。さて、この第三実施例では、前記第一実施例の構成に加えて、前記第二水管列9における前記水管3の軸方向に沿って延在した状態で縦型伝熱フィン19が設けられている。図示した実施例では、この縦型伝熱フィン19が3本の前記水管3にそれぞれ設けられており、前記第二水管列9における前記各水管3は、上流側から順に伝熱フィンを設けないもの,前記各縦型伝熱フィン19を設けたもの,切欠き部15を備えた前記各平板状伝熱フィン14を設けたものになっている。前記各縦型伝熱フィン19は、断面略L字形状のフィン部材を前記各水管3の周面に前記第一水管列4側へ向けて突出させて設けている。そして、前記各縦型伝熱フィン19とほぼ対面する位置にある前記第一水管列4の前記各水管3にも、前記各平板状伝熱フィン14が多段状に設けられている。
【0038】前記第一実施例で説明したように、通常、前記ガス通路12の上流側では、前記各水管3の熱負荷が高くなり過ぎないように前記各平板状伝熱フィン14を設けない構成とするが、これは、特に前記第二水管列9を構成する前記各水管3における熱応力の問題が大きく影響している。すなわち、前記第二水管列9における前記各水管3は、前記ガス通路12側の周面のみ加熱される構成となっているため、前記ガス通路12側とその反対側とでは温度差が大きく、この温度差に基づく熱応力が前記各水管3にかかる。この熱応力は、温度差が大きいほど大きくなる。ところで、前記各縦型伝熱フィン19は、伝熱量の増加に対する効果はあまり大きくなく、主としてガスの流れ方向を変える効果を有するものである。したがって、前記各縦型伝熱フィン19を設けても、熱応力の問題は発生しない。
【0039】一方、前記第一水管列4における前記各水管3においては、前記各平板状伝熱フィン14を前記第一実施例より上流側まで設けた構成になっているが、前記第一水管列4における前記各水管3は、前記燃焼室7側および前記ガス通路12側の両方から加熱されるため、両側の温度差が少なく、熱応力の問題は発生しない。
【0040】前記構成においては、前記ガス通路12において前記第二水管列9側を流れるガスは、前記各縦型伝熱フィン19および前記各切欠き部15により、その流れ方向を前記第一水管列4側へ向かうように変えられる。この作用が前記ガス通路12のほぼ全体にわたって連続して行われ、前記ガス通路12を流れるガスの片寄りが全体的に抑制される。したがって、前記ガス通路12において前記第一水管列4側におけるガス流量が増加し、前記第一水管列4の前記ガス通路12に面する伝熱面における伝熱量が増加する。また、前記各縦型伝熱フィン19とほぼ対面する位置にある前記第一水管列4の前記各水管3にも、前記各平板状伝熱フィン14が設けられており、前記第一水管列4における伝熱量の増加に頗る効果的である。
【0041】さらに、図7に示す第四実施例について説明する。ここにおいても、前記各実施例と同様の構成部材には同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。さて、この第四実施例では、前記両水管列4,9に前記各平板状伝熱フィン14が多段状に設けられるとともに、前記第一水管列4における前記各平板状伝熱フィン14の取付けピッチが、前記第二水管列9における前記各平板状伝熱フィン14の取付けピッチより大きくなっている。図示した実施例では、前記第一水管列4における前記各平板状伝熱フィン14の取付けピッチを、前記第二水管列9における前記各平板状伝熱フィン14の2倍にしている。すなわち、前記第一水管列4における水管1本当たりの前記各平板状伝熱フィン14の取付け枚数は、前記第二水管列9における前記各平板状伝熱フィン14の半分になっている。
【0042】前記構成によれば、前記水管3の軸方向における前記各平板状伝熱フィン14間に形成される流路の総断面積を、前記第一水管列4側の方が前記第二水管列9側より大きくなるようにすることができる。したがって、前記ガス通路12において、前記第一水管列4側へもガスが流れやすくなり、ガスの流れの片寄りが抑制される。
【0043】以上の前記各実施例は、前記ガス通路12において、前記第一開口部5から流入したガスが二方向に分かれて流れ、前記第二開口部10で合流する,いわゆるオメガフローの缶体について説明したが、この発明は、たとえば実開平7−12701号公報に記載されているように、前記第一開口部5から流入したガスが一方向に前記ガス通路12をほぼ一周するように流れる,いわゆる「の」の字フローの缶体にも適用することができる。また、この発明は、たとえば特開平10−26303号公報に記載されているように、前記第一開口部5を前記第一水管列4に周方向にほぼ等分に複数個設け、これら各第一開口部5に対応させて前記ガス通路12を複数のブロックに分割した構成の缶体にも適用することができる。
【0044】
【発明の効果】この発明によれば、ガス通路におけるガスの流れの片寄りを抑制することができ、第一水管列側を流れるガスの流量を増加させることができる。したがって、第一水管列のガス通路に面する伝熱面における伝熱量を増加させることができ、ボイラ効率を格段に向上させることができる。
【出願人】 【識別番号】000175272
【氏名又は名称】三浦工業株式会社
【出願日】 平成11年8月26日(1999.8.26)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−65803(P2001−65803A)
【公開日】 平成13年3月16日(2001.3.16)
【出願番号】 特願平11−239353