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【発明の名称】 照明装置
【発明者】 【氏名】横山 忠則

【要約】 【課題】天井や壁面等に多数の蛍光灯等の光源を配置し、その上を多数の照明カバーで覆って面照明を形成する際に照明カバーを容易に開閉可能とする。

【解決手段】照明カバー4を、光を通すための大きい開口を形成したフレーム枠とその開口を塞いで平坦な照明面を形成する光拡散部材で構成し、その照明カバーを天井等の対象物に対して一端を支点として旋回可能に保持させ、他端を着脱可能な開閉係止留め具で対象物に連結して取り付ける。この構成によれば、開閉係止留め具を外せば、照明カバー4が一端を支点として旋回するので容易に開閉できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光源と、その光源からの光を拡散させるために前記光源を覆うように配置される照明カバーであって、光を通すための大きい開口を形成したフレーム枠とその開口の光源とは反対側の端部を塞ぐように取り付けられた光拡散部材を備えた照明カバーと、該照明カバーのフレーム枠を、該フレーム枠の一端近傍を支点として旋回可能に、天井、壁等の対象物に連結するヒンジと、前記フレーム枠を、前記支点からフレーム枠の他端方向に離れた位置で前記対象物に着脱可能に連結する開閉係止留め具を有する照明装置。
【請求項2】 光源と、その光源からの光を拡散させるために前記光源を覆うように配置される照明カバーであって、光を通すための大きい開口を形成したフレーム枠とその開口の光源とは反対側の端部を塞ぐように取り付けられ、平坦な照明面を形成する光拡散部材を備えた照明カバーと、該照明カバーのフレーム枠を、該フレーム枠の一端近傍を支点として旋回可能に、天井、壁等の対象物に連結するヒンジと、前記フレーム枠を、前記支点からフレーム枠の他端方向に離れた位置で前記対象物に着脱可能に連結する開閉係止留め具を有する照明装置。
【請求項3】 前記ヒンジが前記照明カバーの内側に配置されており、前記照明カバーが、複数個、互いに近接して且つ同一平面になるように配置されていることを特徴とする請求項2記載の照明装置。
【請求項4】 前記照明カバーを対象物に保持させるためのヒンジが、対象物に固定された固定フレームに連結されており、前記ヒンジが、該ヒンジの支点からその支点に近い側のフレーム端部に到る領域を含む支点近傍において前記フレーム枠と固定フレームとの間を遮光する光遮蔽構造を備え、前記照明カバーは前記フレーム枠に、少なくとも前記ヒンジの支点からその支点に近い側のフレーム端部に到る領域を除いて、隣接したフレーム枠との間を遮光する可撓性板状の遮光部材を取り付けていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の照明装置。
【請求項5】 前記照明カバーのフレーム枠と前記対象物との間に、前記照明カバーの旋回速度を緩和させる緩衝装置を設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の照明装置。
【請求項6】 前記ヒンジが、前記照明カバーの開位置を所定位置に規制するストッパ機能を備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の照明装置。
【請求項7】 前記照明カバーのフレーム枠の内面を、該フレーム枠の開口の光源とは反対側の端部に形成する照明面に対してほぼ直角な平面と、それに続いて照明面に向かって広がる形状の傾斜面で構成したことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の照明装置。
【請求項8】 前記照明カバーのフレーム枠の内面を、該フレーム枠の開口の光源とは反対側の端部に形成する照明面に対してほぼ直角な平面と、照明面に向かって広がる形状の傾斜面と、前記平面と傾斜面とを滑らかに結ぶ曲面とで構成したことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の照明装置。
【請求項9】 前記照明カバーのフレーム枠の内面を、該フレーム枠の開口の光源側の端部から、光源とは反対側の端部に形成する照明面に向かって滑らかに広がる形状の曲面若しくは平面で構成したことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の照明装置。
【請求項10】 前記照明カバーのフレーム枠の少なくとも内面を白色塗装したことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天井や壁面等に設けられる照明装置に関し、特に、平面状に配置された複数の蛍光管等の光源からの光を拡散して広い平面から柔らかい照明光を生じさせるために使用するのに好適な照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ギャラリー等において、天井面に取り付けた多数の蛍光管を、蛍光管が視認されない柔らかい面照明にすることが望まれており、特に近年天井面の広範囲に渡り、全面一体型照明として機能できる照明装置が求められている。この要求に対し、従来の対応の一つとして、矩形状に形成した金属製のフレーム枠にガラスクロス等の透光性無機質繊維布を主体とする透光性の不燃シートを張って照明カバーとして用いた照明装置が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この照明カバーを広い天井面を覆うように多数配置するには、天井面に格子状の枠を取り付け、その枠に照明カバーを取り付ける構造となるため、照明カバーの間隔をあまり狭くすることができず、このため照明カバーの間に発光しない幅の広い領域が存在することとなり、天井の広範囲に渡る全面一体照明を行おうとしても、各照明カバー間の領域が天井に格子状に黒い太い線となって現れてしまい、外観を悪くするという問題があった。また、蛍光灯が切れた時などには照明カバーを取り外す必要があるが、その取り外し作業が面倒であるという問題もあった。特に、照明カバーを2m×2mというように大型化した場合、その取り扱いが一層困難となり、1個の照明カバーの着脱を一人ではできないという問題もあった。
【0004】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、天井、壁等の対象物に取り付けた光源を覆う照明カバーを容易に開閉でき、また、多数の照明カバーを並べた際に、光を照射しない黒い線を極力細くし、ほとんど気にならないようにすることの可能な照明装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、光源からの光を拡散させるための照明カバーのフレーム枠を、天井、壁等の対象物に対して、フレーム枠の一端近傍を支点として旋回可能に保持させ、且つその支点からフレーム枠の他端方向に離れた位置を着脱可能な開閉係止留め具で連結する構成としたものである。この構成により、照明カバーを所定位置に取り付けた状態で開閉係止留め具を外すことでその照明カバーを一端近傍の支点を中心として旋回させて開くことができ、また、逆に照明カバーを開いた状態から所定位置に旋回させて戻し、開閉係止留め具を係止させることで照明カバーを所定位置に取り付けることができ、一人でも容易に照明カバーを開閉できる。また、照明カバーの旋回中心を端部近傍としたことで、照明カバーを大きく開くことができると共にフレーム枠の支点を配置した一端の移動量を小さくでき、複数の照明カバーを並べて面照明を形成する際に、隣接した照明カバー間の隙間をきわめて小さくでき、照明カバー間の発光しない領域(黒い線)をきわめて小さくして、見栄えの良い全面一体形照明を形成できる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の一つの実施の形態に係る照明装置は、光源と、その光源からの光を拡散させるために前記光源を覆うように配置される照明カバーであって、光を通すための大きい開口を形成したフレーム枠とその開口の光源とは反対側の端部を塞ぐように取り付けられ、平坦な照明面を形成する光拡散部材を備えた照明カバーと、該照明カバーのフレーム枠を、該フレーム枠の一端近傍を支点として旋回可能に、天井、壁等の対象物に連結するヒンジと、前記フレーム枠を、前記支点からフレーム枠の他端方向に離れた位置で前記対象物に着脱可能に連結する開閉係止留め具を有する構成としたものであり、この構成により、開閉係止留め具を外したり、留めたりすることで照明カバーを容易に開閉でき、蛍光灯等の光源の交換作業等を容易に実施できる。
【0007】本発明の他の実施の形態に係る照明装置は、前記した照明装置におけるヒンジを前記照明カバーの内側に配置し、その照明カバーを、複数個、互いに近接して且つ同一平面になるように配置するという構成としたものである。この構成により、隣接した照明カバー間の隙間をきわめて小さくでき、照明カバー間の発光しない領域(黒い線)をきわめて小さくでき、見栄えの良い全面一体形照明を形成できる。
【0008】本発明の更に他の実施の形態に係る照明装置は、前記照明カバーを対象物に取り付けるために対象物に固定フレームを固定して設け、その固定フレームに対してヒンジを連結する構成とし、更に、前記したヒンジを、該ヒンジの支点からその支点に近い側のフレーム端部に到る領域を含む支点近傍において前記フレーム枠と固定フレームとの間を遮光する光遮蔽構造を備えた構造とし、且つ、前記照明カバーの前記フレーム枠に、少なくとも前記ヒンジの支点からその支点に近い側のフレーム端部に到る領域を除いて、隣接したフレーム枠との間を遮光する可撓性板状の遮光部材を取り付けるという構成としたものである。この構成により、隣接した照明カバーのフレーム枠間に形成される隙間への光の漏れを防止し、見栄えを良くすることができる。
【0009】本発明の更に他の実施の形態に係る照明装置は、前記照明カバーのフレーム枠と前記対象物との間に、前記照明カバーの旋回速度を緩和させる緩衝装置を設けるという構成としたものであり、この構成により照明カバーの旋回速度を緩和し、安全に開閉動作を行うことができる。
【0010】本発明の更に他の実施の形態に係る照明装置は、前記ヒンジに、前記照明カバーの開位置を所定位置に規制するストッパ機能を持たせるという構成としたものであり、これにより、照明カバーを所定位置に開くことができ、開閉カバーが開き過ぎてトラブルを起こすということを防止できる。
【0011】本発明の更に他の実施の形態に係る照明装置は、前記照明カバーのフレーム枠の内面を、該フレーム枠の開口の光源とは反対側の端部に形成する照明面に対してほぼ直角な平面と、それに続いて照明面に向かって広がる形状の傾斜面で構成したしたものであり、これにより、照明カバーの全面のほとんどを光拡散部材を通して光を照射する面(照明面)とすることができ、広い照明面を確保して、外観をよくすることができる。
【0012】本発明の更に他の実施の形態に係る照明装置は、前記照明カバーのフレーム枠の内面を、該フレーム枠の開口の光源とは反対側の端部に形成する照明面に対してほぼ直角な平面と、照明面に向かって広がる形状の傾斜面と、前記平面と傾斜面とを滑らかに結ぶ曲面とで構成したものであり、これにより、照明カバーの全面のほとんどを光拡散部材を通して光を照射する面(照明面)とすることができ、広い照明面を確保して、外観をよくすることができ、しかも、フレーム枠の内面に角がないので、照明面へ角の影が写ることがなく、一層外観を良くすることができる。
【0013】本発明の更に他の実施の形態に係る照明装置は、前記照明カバーのフレーム枠の内面を、該フレーム枠の開口の光源側の端部から、光源とは反対側の端部に形成する照明面に向かって滑らかに広がる形状の曲面若しくは平面で構成したものであり、これによっても、照明カバーの全面のほとんどを光拡散部材を通して光を照射する面(照明面)とすることができ、広い照明面を確保して、外観をよくすることができ、しかも、フレーム枠の内面に角がないので、照明面へ角の影が写ることがなく、一層外観を良くすることができる。
【0014】本発明の更に他の実施の形態に係る照明装置は、前記照明カバーのフレーム枠の少なくとも内面を白色塗装するという構成としたものであり、この構成によりフレーム枠が光拡散部材に影を落とすとか、光拡散部材からフレーム枠が透けて見えるということがなく、照明カバーの照明面を一層均一として外観を良くすることができる。
【0015】
【実施例】以下、図面に示す本発明の好適な実施例を説明する。図1は本発明を天井の面照明に適用した実施例による照明装置を示す概略斜視図であり、(a)はその照明装置の概略斜視図、(b)は一つの照明カバーを開く途中の状態を示す概略斜視図、図2はその照明装置の一つの照明カバー及びその近傍を示す概略下面図、図3は図2のA−A矢視概略断面図、図4は図3と同一部分を、照明カバーを開いた状態で示す概略断面図、図5は図2のB−B矢視概略断面図、図6は図5と同じ部分を照明カバー4を開いた状いた状態で示す概略断面図、図7は図5のC−C矢視概略断面図、図8は図2のD−D矢視概略断面図、図9は図8のE−E矢視概略断面図、図10は図8のF−F矢視概略図である。全体を参照符号1で示す照明装置は、天井面2に取り付けられた多数の蛍光管からなる光源3と、その光源3を覆うように配置される照明カバー4と、その照明カバー4の背面側(光源側)に位置し、その照明カバー4を取り付けるための固定フレーム5等を備えている。照明カバー4は天井面全体が面照明を行うことができるよう、多数が近接配置されている。
【0016】照明カバー4は、光を通すための大きい開口6を形成したフレーム枠7と、そのフレーム枠7の開口の光源3とは反対側の端部(以下、先端という)に前記開口を塞ぐように設けられ、平坦な照明面を形成する光拡散部材8を有している。この実施例では光拡散部材8としては光拡散シート(詳細は後述する)が用いられている。フレーム枠7は全体の平面形状が正方形、長方形等の四角形状をなしている。そのフレーム枠7の外形寸法(各辺の長さ)は、特に制限するものではないが、或る程度大きいことが経済的に有利であり、例えば、1辺の長さ(長方形にあっては長辺の長さ)を1〜3m程度とすることが好ましい。フレーム枠7の各辺は同一の断面形状に作られており、図5〜図9から良くわかるように、その内面を、フレーム枠7の先端7aに張った光拡散シート8が形成する照明面にほぼ直角な平面7bと、それに続いて開口先端に向かって広がる形状の傾斜面7cで構成している。また、フレーム枠7の外面には、先端側に照明面にほぼ直角な平面7dを形成し、奥の方に光拡散シート8をクランプするためのクランプ溝7eを形成している。この構成により、光拡散シート8をフレーム枠7の先端7aで囲まれた開口を塞ぐように張り、その端部をクランプ溝7eに導き、その上からクランプ用角パイプ11を押し付けてネジ12によりフレーム枠7に固定することで、光拡散シート8を取り付けることができ、その際、フレーム枠7の先端7aで囲まれた開口を塞いだ部分の光拡散シート8に適当な張力を与えておくことで、この部分の光拡散シート8は平面を保ち、きわめて外観のよい平坦な照明面を形成できる。
【0017】また、フレーム枠7の先端領域に傾斜面7cを形成したことで、先端7aの幅を極めて小さくでき、フレーム枠7の先端に張られた光拡散シート8のうち、照明に寄与しない領域をきわめて狭い幅とすることができる。しかも、光源からの光が矢印Gで示すように傾斜面7cに沿う方向にも照射されるため、照明カバー4を下から見た時に、照明カバー4の全面が発光しているように見え、また、傾斜面7cを形成したことで影になる部分がほとんどなく、このため照明面を見上げた時に背後のフレーム枠7の影が見えるということがほとんどない。かくして、その背後のフレーム枠7を良好に隠して、外観をよくすることができる。フレーム枠7の表面、特に内面には白色塗装を施しておく。これにより、フレーム枠7が光拡散シート8をすけて見えるということが一層なくなり、照明カバー4の照明面を一層均一として外観を良くすることができる。なお、フレーム枠7の内面の断面形状は、上記した実施例に限らず、種々変更可能である。すなわち、上記した実施例では、図12(a)に示すように、フレーム枠7の内面を、光拡散シート8が形成する照明面にほぼ直角な平面7bと、それに続いて開口先端に向かって広がる形状の傾斜面7cで構成しているが、この代わりに、図12(b)に示すように、平面7bと傾斜面7cを、円弧面等の滑らかな曲面7hで結ぶ構成としてもよい。この構成とすると、平面7bと傾斜面7cの間に角がなくなり、このため、角が光拡散部材8に影を落とすということが生じない。更に、図12(c)、(d)に示すように、フレーム枠7の内面を、光源側の端部から、光源とは反対側の端部に形成する照明面に向かって滑らかに広がる形状の曲面(例えば円弧面)7i若しくは平面7jで構成することも可能であり、この場合にもフレーム枠内面に角がないので、角による影の発生を防止できる。
【0018】図5において、フレーム枠7の先端7aの外側角部には光拡散シート8を損傷しないように小さい丸みを付けている。この丸みは、光拡散シート8を損傷しない限り極力小さくすることが、先端7a即ち照明に寄与しない領域の幅を狭くすることができるので好ましい。具体的な数値例としては、先端7aの外側角部の丸みの半径を0.5〜2mm程度に、更に好ましくは1mm程度に選定し、先端7aの幅(傾斜面7bの先端と外側の平面7dの幅)を1.5〜3mm程度に、更に好ましくは2mm程度に選定する場合を挙げることができ、これらの数値を採用することで外観のきわめて良い照明カバー4を構成できる。
【0019】フレーム枠7の材質は、必要な強度を持っている限り、金属、プラスチック等任意であるが、金属製(例えば、アルミ)の押抜型材を用いることが好ましい。例えば、フレーム枠7の各辺を押抜型材で作製し、端面を45度に切断して突き合わせ、金属製のL型のコーナープレートを用いて連結して枠状に組み立てることでフレーム枠7を形成できる。この構成とすることで、フレーム枠7をねじれ等のない正確な寸法に製造、組立することができ、各辺が2mというような大型のフレーム枠7をも容易に製造できる。しかも、強度、剛性が大きいため、長期間に渡って安定して使用できる。
【0020】フレーム枠7に取り付ける光拡散シート8は、適度な透光性と隠蔽性を発揮しうる光拡散性のもので且つフレーム枠7に張って使用することができるよう適度な柔軟性、耐屈曲性を持ったものであれば任意であるが、なかでも、透光性の無機質繊維クロスに耐熱透光性樹脂シートを貼着してなる積層シートが、耐熱性、不燃性、防汚性にも優れているので好ましい。この種の積層シートにおいて、無機質繊維クロスとしては、ガラス繊維クロスが好ましく、耐熱透光性樹脂シートとしては、フッ素樹脂、テフロン(登録商標)樹脂、シリコン樹脂等が考えられるが、フッ素樹脂が好ましく、中でも軟質フッ素樹脂が最も好ましい。軟質フッ素樹脂としては、例えば、少なくとも一種の含フッ素単量体を含む単量体と分子内に二重結合とペルオキシ結合を共に有する単量体とを共重合させて製造した、分子内にペルオキシ基を含有し、かつガラス転移温度が室温以下である含フッ素共重合体からなる幹ポリマーに、フッ化ビニリデンをグラフト重合させて得た軟質フッ素樹脂を挙げることができる。このような軟質フッ素樹脂は、「セフラルソフト」(商標)としてセントラル硝子株式会社から市販されている(「プラスチックス」1988年3月号参照)。
【0021】更に、光拡散シート8として、ガラス繊維クロスに軟質フッ素樹脂を積層したものを用いる場合、その軟質フッ素樹脂内に中空ガラスビーズを含有させておくことが好ましい。特に、軟質フッ素樹脂に、樹脂100重量部当たり0.5〜5重量部の中空ガラスビーズ、好ましくは屈曲率1.5〜2.1、特に1.52〜1.53の、平均粒度8〜12μm程度の中空ガラスビーズを含有させた場合に、遮蔽性と透光性のバランスの良い積層シートが得られる。すなわち、中空ガラスビーズの割合が0.5重量部より少ないと、光拡散性が低くなり、遮蔽性が低下する。一方、中空ガラスビーズの割合が5重量部より多いと、透光性が悪くなると共に、フィルムの成形が困難になる。このように、ガラス繊維基布に中空ガラスビーズを含む軟質フッ素樹脂を積層した積層シートは、柔軟性、耐屈曲性、防汚性、耐熱性、光拡散性、不燃性に優れ、且つ透光率40%以上、濁度90%以上が得られ、これを光拡散シート8として用いると、光源を良好に隠して均一に柔らかく光る照明面を形成できると共に、耐熱性、不燃性に優れ、長期間安定して使用できるという利点が得られる。
【0022】図1〜図4において、照明カバー4を取り付けるための固定フレーム5は、フレーム枠7とほぼ同じ大きさの枠状に形成されたもので、吊り下げボルト15によって天井2に固定されている。この固定フレーム5を構成する部材は特に限定されるものではないが、本実施例ではフレーム枠7と同様にアルミ製の押抜型材が用いられている。
【0023】図2〜図4において、固定フレーム5に照明カバー4を保持させるため、照明カバー4のフレーム枠7の向かい合った2辺で且つフレーム枠7の一端近傍に、点Oを支点とするヒンジ20が取り付けられ、フレーム枠7のヒンジ20を取り付けた側とは反対側に位置する辺に、係止、離脱可能な開閉係止留め具30が配置されている。以下、ヒンジ20及び開閉係止留め具30を詳細に説明する。なお、以下の説明において、フレーム枠7の、ヒンジ支点Oを配置した側の端部を後端とし、その反対側を前端とする。
【0024】図5〜図7において、ヒンジ20は固定フレーム5に固定された第一ヒンジ板21と、フレーム枠7に固定された第二ヒンジ板22と、第一ヒンジ板21及び第二ヒンジ板22を支点Oを中心として旋回するように連結するピン23を有している。図7から良く分かるように第一ヒンジ板21はその上端を折り曲げ、ねじ24によって固定フレーム5に固定されている。一方、第二ヒンジ板22にはL型部材25が溶接接合されており、そのL型部材25をねじ26によってフレーム枠7に固定している。これらの第一ヒンジ板21及び第二ヒンジ板22はフレーム枠7の内側に配置されており、これによってフレーム枠7から外側に突出することがなく、フレーム枠7を左右に並べて配置する際のフレーム枠7、7の間の隙間27の幅dを小さくできる。また、第一ヒンジ板21及び第二ヒンジ板22はフレーム枠7の内面の平面7bに近接して平行に配置されており、これにより光源3(図2参照)から光拡散シート8への光を極力邪魔しないようにしている。
【0025】図5、図6から良く分かるように、支点Oは、フレーム枠7の先端7aに張った光拡散シート8に影を落とさないようにするため、光拡散シート8から適当に(30〜50mm程度)離して配置している。更に、この支点Oは、フレーム枠7を大きく開くためには、フレーム枠7の後端に極力近づけることが好ましいが、あまり近づけ過ぎるとフレーム枠7を旋回させて開いた時にフレーム枠7の開口6の先端7aが矢印Hで示すように旋回した際の横方向への移動量が大きくなって、隣接したフレーム枠7にぶつかってしまう。そこで、先端7aの横方向への移動量を適当に小さくするよう、支点Oはフレーム枠7の後端から適当に離しておく。なお、前後に隣接したフレーム枠7の間に形成する隙間28の幅dは狭い方が照明面全体としての見栄えが良いが、あまり小さくすると、支点Oの位置の選定ができなくなる。そこで、通常は隙間28の幅dを5〜15mm程度に選定することが好ましい。
【0026】第一ヒンジ板21及び第二ヒンジ板22は、支点Oに配置するピン23を支持するのみならず、支点Oからフレーム枠7の後端に到る領域を含む支点近傍においてフレーム枠7と固定フレーム5との間を遮光する光遮蔽構造を構成している。すなわち、第一ピン板21は支点Oよりもかなり前の位置からフレーム枠7の後端を越えた位置までの広い幅Wを有しており、且つ、フレーム枠7を図5に示す位置から図6に示す開位置まで90°旋回させる時にフレーム枠7が通過するのを許容するよう円弧縁21aと垂直縁21bと傾斜縁21cで囲まれた切り欠きを形成している。また、第二ヒンジ板22は図5に示すように、フレーム枠7を所定の取り付け位置とした時に第一ヒンジ板21の切り欠きを塞いで遮光することができる形状としている。これによって、光源3からの光が支点Oの周辺から、その近傍の隙間27に漏れ出すことを防止できる。後述するように、隙間27は支点Oの近傍を除いて遮光部材41によって遮光されるので、ヒンジ20に設けた光遮蔽構造は、遮光部材41を設けていない領域に対する遮光を行うために設けたものである。なお、この遮光を更に確実にするため、第一ヒンジ板22の端部近傍に、第一ヒンジ板22に直角に且つフレーム枠7と固定フレーム5の間に位置するよう補助遮光板(図2に破線42で示す)を設けることが好ましい。第一ヒンジ板21に形成されている垂直縁21cは、フレーム枠7が図6に示す開位置まで旋回した時に、それ以上の旋回を阻止するように形成位置が定められている。かくして、第一ヒンジ板21は、照明カバー4の開位置を所定位置に規制するストッパ機能を果たすことができ、これにより、照明カバー4が開き過ぎてトラブルを起こすということを防止できる【0027】開閉係止留め具30は、照明カバー4を固定フレーム5に近接した所定位置(図2に示す位置)に固定したり、その固定を解除したりするためのものである。この開閉係止留め具30は、図8〜図10に示すように、フレーム枠7に支持部材31を介して取り付けられた係止ロッド32と、固定フレーム5に保持され、係止ロッド32に対して係止、離脱可能なラッチ部材33を有している。このラッチ部材33は、固定フレーム5に支持部材34を介して保持された軸35に旋回可能に保持されており、係止ロッド32に係止するための引っ掛け部33aと、その反対側に傾斜して設けられたガイド部33bと、開閉操作のためのレバー部33cを有している。更に、ラッチ部材33はコイルバネ36によって、通常は、図8に実線で示す係止位置に保持されており、このラッチ部材33のレバー部33cを矢印で示すように引き下げることで係止ロッド32から外すことができる。ラッチ部材33のレバー部33cは、図9、図10から良く分かるように、フレーム枠7の外側に延び出し、隣接して配置したフレーム枠7、7間の隙間28の上方に位置させている。これによって、隙間28から適当な引っ掛け具を差し込み、その引っ掛け具でレバー部33cを引っ掛けて引き下げることで、ラッチ部材33を外すことができる。また、ラッチ部材33を外した状態から係止ロッド32に係止させるには、単に開状態のフレーム枠7を押し上げてゆけばよい。この操作により、フレーム枠7に保持させている係止ロッド32が上昇し、ラッチ部材33のガイド部33bに接触してそのラッチ部材33を旋回させ、係止ロッド32がガイド部33bの先端を通り過ぎた時点でラッチ部材33がコイルバネ36によって元の位置に戻り、これによって自動的に係止状態となる。なお、開閉係止留め具30はこの構成に限らず、レバー部33を押し上げることで係止を解除する構成とするとか、市販のラッチ錠を利用したもの等に変更してもよい。
【0028】前記したように、多数の照明カバー4は前後、左右に近接して配置されるが、その際の照明カバー4間の隙間27、28の幅は、ラッチ部材33を引き下げるための引っ掛け具を挿入することができ、且つ照明カバー4を支障なく開くことができる範囲で極力小さく設定する。具体的には、5〜15mm程度が好ましい。なお、縦、横の隙間27、28の幅は同じでも、同じでなくてもよいが、同じとした方が全体としての見栄えがよいので好ましい。
【0029】各照明カバー4間に形成される隙間27、28は光拡散シート8で形成された照明面のように発光せず、このため天井面に黒い線状に現れる。ところが、この隙間27、28に光源3からの光が不規則に漏れると、隙間27、28の明るさが場所によって異なり、天井面を見た場合の見栄えを悪くする。そこで、この隙間27、28への光の漏れを防止しするため、各照明カバー4のフレーム枠7の上面に、板材やシート等の板状の遮光部材41を、外側に突出するように取り付けている。この遮光部材41の突出長さは、隣接したフレーム枠7、7にそれぞれ取り付けているものが、図5、図7等に示すように重なり合って良好な遮光効果を発揮できるように長く設定されており、且つフレーム枠7の開閉時に支障を生じないように容易に変形しうるよう可撓性材料で作られている。遮光部材41には、例えば、ごむ板、プラスチックシート等が用いられる。
【0030】遮光部材41は、フレーム枠7の全周のうち、少なくともフレーム枠7の旋回中心となる支点Oから後端に到る領域を除いて配置される。図2において、隙間27、28のうちハッチングを施した領域は、遮光部材41を配置した領域である。ここで、フレーム枠7の旋回中心となる支点Oから後端に到る領域に遮光部材41を配置しなかったのは次の理由による。すなわち、遮光部材を、フレーム枠7のヒンジ20を取り付けた辺の全長に渡って取り付けておくと、支点Oを中心としてフレーム枠7を旋回させた時、支点Oの前と後ろでは移動方向が逆となる(支点Oの前を下方に旋回させた時、支点Oの後ろでは上方に旋回する)ので、そのフレーム枠7に取り付けている遮光部材41は支点Oの近傍で、隣接したフレーム枠7に取り付けている遮光部材41に干渉して捻じれてしまう。この捻じれを防止するため、支点Oから後端に到る領域には遮光部材を設けていない。なお、この部分での光の漏れを防止するため、前記したようにヒンジ20に遮光機能を持たせている。
【0031】上記構成の照明装置1では、図1(a)に示すように、多数の照明カバー4が近接して配置されており、光源からの光を照明カバー4の光拡散シート8が拡散させることで照明カバー4の全面が柔らかく発光したような状態となり、広い面照明を形成している。ここで、各照明カバー4の間には隙間27、28が存在しているが、これらの隙間はきわめて小さいので、照明面に格子状の細い線が見えるのみで、あまり目立たない。しかも、これらの隙間27、28には遮光構造を設けているので、隙間27、28によって形成される細い線に明暗がない。かくして、きわめて見栄えのよい面照明を提供できる。
【0032】次に、光源3を構成する蛍光灯等の交換等のために照明カバー4を開くには、照明カバー4間の隙間28から引っかけ具を差し込んで、ラッチ部材33のレバー部33c(図8参照)を引き下げ、ラッチ部材33を係止ロッド32から外す。これにより、照明カバー4は支点Oを中心として旋回可能となるので、図3に示すように、照明カバー4を下方に旋回させる。これにより、光源3の下方を大きく開いて、蛍光管交換等の作業を行うことができる。開いた状態の照明カバー4を閉じるには、単に照明カバー4を上方に旋回させ、元の位置に戻せば良い。かくして、簡単な操作で照明カバー4を開閉できる。また、開閉操作を行う時、作業者は照明カバー4の開閉係止留め具30を取り付けた部分で照明カバー4を支えておればよいので、一人で作業を行うことができる。
【0033】なお、上記実施例では、照明カバー4を固定フレーム5に対して単に旋回可能に保持させた構成としているが、必要に応じ、照明カバー4のフレーム枠7と固定フレーム5との間に、照明カバー4を下方に旋回させて開く際の旋回速度を緩和させる緩衝装置を設ける構成としてもよい。このような緩衝装置を設けておくと、照明カバー4を開く際に不用意に手を離した時などに、照明カバー4が自重で急激に下方に旋回し、停止位置に衝突するということを防止でき、安全に開閉動作を行うことができる。緩衝装置としては、ダッシュポット、ばね等を適宜用いることができる。
【0034】また、上記実施例では、照明カバー4を固定フレーム5にヒンジ20によって単に旋回可能に保持させるのみで、容易に取り外し可能とはしていないが、ヒンジ20を構成する第一ヒンジ板21と第二ヒンジ板22の連結を容易に外すことができる構成とし、照明カバー4を容易に取り外し可能としてもよい。図13、図14はそのように構成した実施例のヒンジ部分を示すものである。この実施例で用いたヒンジ20Aは、固定フレーム(図示せず)に連結する第一ヒンジ板21Aと照明カバー4のフレーム枠7に固定する第二ヒンジ板22Aをピン23Aで旋回可能に連結するものではあるが、ここで用いるピン23Aは第一ヒンジ板21Aに固定されると共に両側面に平坦面23Aaを備えている。一方、第二ヒンジ板22Aは第一ヒンジ板21Aに面する位置に、ピン23Aを回転自在に挿入させるピン穴22Aaとピン23Aの狭い部分を通過させることができる溝22Abを備えている。そして、溝22Abの形成方向は、図13(a)に示すように、フレーム枠体7を水平状態とした通常の取り付け状態では水平となっているが、図13(b)及び図14(a)に示すように、フレーム枠体7を垂直状態に開いた時には溝22Abが下向きとなるように定めている。かくして、ピン穴22Aaにピン23Aを挿入させた状態では、照明カバー4をピン23Aを中心として旋回させて開閉することができ、また、照明カバー4を垂直状態に開いた状態では、図14(d)に示すように、照明カバー4を上に持ち上げることにより、溝22Abを通してピン23Aを抜き、照明カバー4を取り外すことができる。このように構成しておけば、照明カバーの開閉のみならず、取り外しも容易にでき、光源等のメンテナンス作業を一層容易に実施できる。
【0035】更に上記実施例では、照明カバー4の照明面を形成するための光拡散部材として光拡散シート8を用いているが、光拡散シート8に代えて、ガラス板、プラスチック板等の光拡散板を用いて良い。また、光拡散シート8、光拡散板は、単に光源3からの光を拡散するためのものに限らず、絵や模様を描き、意匠的効果を発揮させるようにしたものでもよい。
【0036】更に、上記実施例では、照明カバー4の下端に形成する照明面を平坦面とし、且つ多数の照明カバー4を縦横に配置して広い面照明を構成する場合を説明したが、本発明の照明装置はこの場合に限らず、単に複数の照明カバー4を1列に配置するとか、場合によっては1個の照明カバーのみを用いる場合にも適用可能である。1列或いは1個の照明カバーを用いる場合にも、その照明カバーを、周囲の壁面等に対してきわめて近接させて配置することができ、外観の良い照明面を形成できる。更に、照明カバー4の下端に形成する照明面は平坦面に限らず、傾斜面、屈曲面、曲面等としてもよい。例えば、図11に示すように、天井2に多数の照明カバー4を並べて面照明の形成し、その面照明の端部と壁50の間のコーナー部にも光源3を配置した場合において、そのコーナー部の光源3を覆う位置にも本発明の実施例に係る照明カバー4Aを取り付けることができる。この照明カバー4Aは側面から見た形状が屈曲しており、その一端近傍の支点Oを中心として旋回可能にヒンジ20で固定フレーム5に連結され、他端を開閉係止留め具30によって壁50に着脱可能に連結されている。この構成の照明カバー4Aも、支点Oを中心として大きく開くことができ、開閉操作を容易に実施できる。なお、この照明カバー4Aでは照明面が直線を屈曲させた形状となっているが、これに代えて円弧状としてもよい。
【0037】
【発明の効果】以上に説明したように本発明の照明装置は、照明カバーを、天井面等に設けている固定フレームに対して、一端近傍を支点として旋回可能に保持させ、且つその支点から離れた位置を着脱可能な開閉係止留め具で連結する構成としたことにより、照明カバーを所定位置に取り付けた状態で開閉係止留め具を外すことでその照明カバーを一端近傍の支点を中心として旋回させて開くことができ、また、逆に照明カバーを開いた状態から所定位置に旋回させて戻し、開閉係止留め具を係止させることで照明カバーを所定位置に取り付けることができ、一人でも容易に照明カバーを開閉できるという効果を有している。また、照明カバーの旋回中心を端部近傍としたことで、照明カバーを大きく開くことができると共にフレーム枠の支点を配置した一端の移動量を小さくでき、複数の照明カバーを並べて面照明を形成する際に、隣接した照明カバー間の隙間をきわめて小さくでき、照明カバー間の発光しない領域(黒い線)をきわめて小さくして、見栄えの良い全面一体形照明を形成できるといった効果も有している。
【出願人】 【識別番号】000003975
【氏名又は名称】日東紡績株式会社
【出願日】 平成13年2月16日(2001.2.16)
【代理人】 【識別番号】100075971
【弁理士】
【氏名又は名称】乗松 恭三
【公開番号】 特開2001−307533(P2001−307533A)
【公開日】 平成13年11月2日(2001.11.2)
【出願番号】 特願2001−39280(P2001−39280)