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【発明の名称】 水中灯保持具
【発明者】 【氏名】花井 正行

【要約】 【課題】保持具のケースの外側から、電線の浸水の状況を目視できる、また電球の段部と口金先端部までの寸法に多少の誤差があっても、電球を安定して保持することのできる水中灯保持具を提供する。

【解決手段】保持具のケース本体2に、少なくとも電線部と電球部の2個所で水密構造を形成し、ケース本体2内部に、電線ケーブルと電球の口金との接続を行うソケット22を取り付ける水密絶縁端子台21を設けた水中灯保持具において、水密絶縁端子台21部周辺に透明部を設け、端子部の水漏れ、ショートなどの異常を外部から確認できる構造とした水中灯保持具。透明部を透明な環状筒体26とし、この環状筒体26を、水密構造のパッキン27でケース本体2に取り付けることができる。また、水密絶縁端子台21に、ソケット22をスプリングを介して可撓性を持たせて結合する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 保持具のケース本体に、少なくとも電線部と電球部の2個所で水密構造を形成し、前記ケース本体内部に、電線ケーブルと電球の口金との接続を行うソケットを取り付ける水密絶縁端子台を設けた水中灯保持具において、前記水密絶縁端子台部周辺に透明部を設け、端子部の水漏れ、ショートなどの異常を外部から確認できる構造としたことを特徴とする水中灯保持具。
【請求項2】 透明部を透明な環状筒体とし、この環状筒体を、水密構造のパッキンでケース本体に取り付けたことを特徴とする請求項1記載の水中灯保持具。
【請求項3】 保持具のケース本体に、少なくとも電線部と電球部の2個所で水密構造を形成し、前記ケース本体内部に、電線ケーブルと電球の口金との接続を行うソケットを取り付ける水密絶縁端子台を設けた水中灯保持具において、前記水密絶縁端子台に、前記ソケットをスプリングを介して可撓性を持たせて結合したことを特徴とする水中灯保持具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、漁業や水中作業等の目的で船上より吊り下げて使用される水中灯の保持具の水密構造に関する。
【0002】
【従来の技術】水中灯保持具は、ケース本体内においても電線接続部と電球部の2個所の水密構造をとらなければならない。従来の電球の管状基端部はストレートの円筒状であったので、電球部を水密構造とするためには、実公昭54−4836号公報に示されるようにドーナツ状パッキンの上下板間を圧縮し、中間の弾性体を内方に膨出させることにより水密化を図っていた。しかしながら、確実に弾性体と管球部との間を密着させるためには、ドーナツ状パッキンの上下板間の圧縮量をかなり大きくしなければならないという問題があった。
【0003】この問題を解決するため本出願人は先に、図3〜図7に示す水中灯保持具を考案し、出願した(実公昭63−6812号公報参照)。図3はその従来例を示す半断面正面図、図4は電球の段部の例を示す正面図、図5は電球パッキン部の詳細を示す断面図、図6は環状パッキンの構造を示す一部切欠斜視図、図7はパッキン押えを示す一部切欠斜視図である。
【0004】この従来例は、電球1の基端部周縁に口金1b側が小径となる段部1aを形成した電球を収納する中空ケース2と、電球の段部1aの外周と中空ケース2内壁との間に配置される環状パッキン10と、環状パッキン10を中空ケース2の端部から環状パッキン10の厚み方向に締め付けるパッキン押え11とを備え、環状パッキン10は、それぞれ剛体にてなる上部環体10a及び下部環体10cとの間に、環状弾性体10bが挟着された構造とし、環状弾性体10bの内周面が取付状態において電球1の段部1aの外周面に位置する配置とすると共に、パッキン押え11によって環状弾性体10bが締め付けられたときに環状弾性体10bが内方に膨出して電球の段部1aの外周に圧接する構成とし、上部環体10aの内周には内方突出部10dを形成し、電球1の段部1aの上縁と内方突出部10dとの間にOリング9を配設し、環状パッキン10の下部環体10cとケース本体2に、ケース本体2の外部と連通する冷却用流通部11a及び2aを設けたものである。
【0005】図中、3はソケット、4は電線、5は電線スリーブ、6は電線グランド、7は電線パッキン、8は電線4の金属露出部を絶縁するための電線スリーブ、12は締付ボルト、13は電球ガードを示す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】主に漁業用の集魚灯として使用される水中灯は空中で点灯する集魚灯と比べ深海で有効とされている。特にイカ釣り漁業では水中灯を用いて深海での操業が可能となり、近年は深海での昼操業も行われ耐水圧の向上も要求されている。
【0007】その際、保持具及び電球の改善と併せて重要な問題となるのは消耗品である電球と電線との因果関係である。
【0008】通常、操業時のイカの群の位置は深海(300m位)であるため水中灯巻揚機を用いて水中灯の投下、巻揚げを行っているが、その設置位置は船舶の構造上、船体中腹部の右舷、左舷となる。船舶を停めて、その位置から電線ケーブルで宙吊り状態で使用される水中灯は、潮流の影響で流され、電線はイカ釣針とクロスしたり船底を擦り損傷が激しくなる。
【0009】1)電線ケーブルの損傷した被覆の部分から浸水すると、水は電線の心線を通って保持具内にてショートし、電球も不良となる。引き上げて補修する際、長い電線を巻揚機で巻き上げるため、電線の傷は発見しにくく、電球を取り替えて再度使用すると、電線ケーブルの被覆の損傷は直っていないため、同様のことを繰り返す。
【0010】2)また、使用中に電球が破損すると電線の芯線に浸水し、その海水が端子部に垂れショートし、傷がなくとも不良となり同様のことを繰り返す。
【0011】1)2)の因果関係を解消するのが、ケース本体と電球との間に二重水密を設ける目的であるが、1)2)の原因で不良となった電線の判別は、従来の真鍮や鉄の鋳物で作られた保持具のケースでは、外からは不可能であった。従来の保持具では分解し更に電線の絶縁テストをしなければならない。また2)の原因による電線は絶縁テストでも判別できないこともある。
【0012】そこで本発明が解決しようとする第1の課題は、保持具のケースの外側から、電線の浸水の状況を目視できる構造を提供することである。
【0013】一方、前述の図5のOリング9に密着する電球段部1aと電球をソケット3に締め付けた時のソケット先端部までの長さLの寸法に、高い精度を必要としている。つまりLがプラス方向に公差を外れると外部からの水圧を受け止めるOリング9が作用しなくなり電球1の口金1bが破損する。またLがマイナス方向の公差を外れると電線4のリード線のみにて固定されているソケット3が電球方向に引っ張られ不具合が生じる。何れにしても各部の製造上の精度と組立時の注意を必要とする。
【0014】また、近年水中灯電球が高ワット化するにつれ、電球が長くなるため電球先端部に振れ止めサポート部を設けている。しかし芯振れ方向にはソケット及び口金部と電球パッキン部の2点で固定されているものを更に先端で軸心方向に締めると軸精度の悪い電球ではかえってストレスがかかり、ネック部で破損することがある。
【0015】そこで本発明が解決しようとする第2の課題は、電球の段部と口金先端部までの寸法に多少の誤差があっても、電球を安定して保持することのできる水中灯保持具を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記第1の課題を解決するため、本発明は、保持具のケース本体に、少なくとも電線部と電球部の2個所で水密構造を形成し、前記ケース本体内部に、電線ケーブルと電球の口金との接続を行うソケットを取り付ける水密絶縁端子台を設けた水中灯保持具において、前記水密絶縁端子台部周辺に透明部を設け、端子部の水漏れ、ショートなどの異常を外部から確認できる構造としたことを特徴とする。
【0017】この水中灯保持具において、透明部を透明な環状筒体とし、この環状筒体を、水密構造のパッキンでケース本体に取り付けた構造とすることができる。
【0018】また、前記第2の課題を解決するため、本発明の水中灯保持具は、保持具のケース本体に、少なくとも電線部と電球部の2個所で水密構造を形成し、前記ケース本体内部に、電線ケーブルと電球の口金との接続を行うソケットを取り付ける水密絶縁端子台を設けた水中灯保持具において、前記水密絶縁端子台に、前記ソケットをスプリングを介して可撓性を持たせて結合したことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例を参照しながら具体的に説明する。図1は本発明の実施例の半断面正面図、図2はソケットの可撓性による作用を示す断面図である。
【0020】これらの図において、21はセラミックス等の絶縁体からなる水密絶縁端子台、22はガラス製のソケット、23は端子台21に端部を固定され頭部がソケット22の中央に設けた穴に位置するように設けられたガイド軸、24はガイド軸23の頭部とソケット22の中央に設けた穴の底部との間に介設されたスプリング、25は端子兼回り止め、26は電線端子部の周囲に装着された透明なアクリル筒、27はアクリル筒26をケース本体2に水密に取り付けるための円筒型シリコンパッキン、28は円筒型シリコンパッキン27を圧縮して取り付けるための締め付けボルト、29は電線パッキン、30は電線端子である。なお、その他の構成は、従来と同様であるので、同じ符号を付して説明を省略する。
【0021】本実施例では、電線端子部の回りのケース本体を上下に分割してその中間に、透明なアクリル筒26を介在させ、上下に円筒型シリコンパッキン27を配置して、締め付けボルト28で締め付けて円筒型シリコンパッキン27を圧縮し、深海の水圧に耐えるような水密構造としている。このような構造とすることにより、透明なアクリル筒26を透して電線端子部が目視できるので、電線部の不良や漏水の状態を外部より確認することができる。なお、水密構造とするためのパッキンは、必ずしも円筒型シリコンパッキン27を用いることに限定されるものではなく、Oリングを用いたり、その他の構造とすることもできる。また、アクリル筒ではなく、強化ガラスやその他の透明材質のものを使用してもよい。
【0022】さらに、本実施例では、電球口金部を水密絶縁端子台21にスプリング24を介し可撓性をもたせて取り付ける。電球ソケット22と端子台21とは、ガイド軸23によって軸方向に移動自在でありかつガイド軸23の頭部を中心に所定の角度傾動自在である。また、電球ソケット22と水密絶縁端子台21は可撓性電線にて接続する。
【0023】本実施例において、通常は、図2(a)に示すように、スプリング24の弾性力でソケット22は端子台21側に位置している。電球1をねじ込むと、図2(b)に示すように、ソケット22は電球方向に寸法D移動する。また電球段部1aはスプリング圧によりOリング9に密着する。つまり長さ方向の精度をDの範囲内で吸収することができる。
【0024】また、ソケット22の取付に軸芯方向の遊びを設けることにより電球は傾動できるので、電球パッキン部及び電球先端のサポート部の2点で保持される電球ネック部にストレスを受けず安定して保持することができる。
【0025】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば下記の効果を奏する。
(1)灯体絶縁端子部周辺に透明部を設けたので、端子部の水漏れ、ショートなどの異常を外部から確認できる。
(2)電球部、電線部以外の二重水密部に円筒型パッキンを用いたので、電球部及び電線部の水密構造とは切り離した透明部の水密構造とすることができる。
(3)電球ソケットを水密絶縁端子台にスプリングを介し可撓性をもたせて取り付けたので、電球をソケットにねじ込むと口金は電球方向に移動可能であり、また電球段部はスプリング圧によりOリングに密着するので、電球の長さ方向の精度をその範囲内で吸収することができる。
(4)ソケットの取付に軸芯方向に遊びを設けたので、電球は電球パッキン部及び電球先端のサポート部の2点で保持され、電球ネック部にストレスを受けず安定して保持することができる。
【出願人】 【識別番号】591081572
【氏名又は名称】株式会社拓洋理研
【出願日】 平成12年3月17日(2000.3.17)
【代理人】 【識別番号】100082164
【弁理士】
【氏名又は名称】小堀 益 (外1名)
【公開番号】 特開2001−266638(P2001−266638A)
【公開日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【出願番号】 特願2000−77195(P2000−77195)