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【発明の名称】 光源装置
【発明者】 【氏名】冠城 行男

【氏名】鈴木 敏男

【氏名】新田 啓一

【氏名】森 洋一

【要約】 【課題】冷却能力の改善された、外部の影響を受けにくい光源装置を提供する。

【解決手段】密閉もしくは略密閉空間Cと、非密閉空間Dとを有するユニット1と、ユニット1内に設けられたランプ2と、密閉もしくは略密閉空間Cへ空気を流入する空気流入手段9とを有し、密閉もしくは略密閉空間Cと非密閉空間Dとの圧力差による空気流によりランプ2を冷却する光源装置であって、空気流入手段9がシロッコファンであることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】密閉もしくは略密閉空間と、非密閉空間とを有するユニットと、前記ユニット内に設けられたランプと、前記密閉もしくは略密閉空間へ空気を流入する空気流入手段とを有し、前記密閉もしくは略密閉空間と前記非密閉空間との圧力差による空気流により前記ランプを冷却する光源装置であって、前記空気流入手段がシロッコファンであることを特徴とする光源装置。
【請求項2】請求項1に記載の光源装置であって、前記非密閉空間に空気を流入する吸入ファンを設けたことを特徴とする光源装置。
【請求項3】請求項1に記載の光源装置であって、前記非密閉空間より空気を排気する排気ファンを設けたことを特徴とする光源装置。
【請求項4】請求項1に記載の光源装置であって、前記非密閉空間に空気を流入する吸入ファンを設け、かつ、前記非密閉空間より空気を排気する排気ファンを設けたことを特徴とする光源装置。
【請求項5】請求項1または請求項2または請求項3または請求項4に記載の光源装置であって、温度検出手段を設け、その温度検出手段の出力により、前記密閉もしくは略密閉空間の空気圧を変更可能とすることを特徴とする光源装置。
【請求項6】請求項1または請求項2または請求項3または請求項4に記載の光源装置であって、温度検出手段を設け、その温度検出手段の出力により、前記非密閉空間の空気圧を変更可能とすることを特徴とする光源装置。
【請求項7】請求項1または請求項2または請求項3または請求項4に記載の光源装置であって、温度検出手段を設け、その温度検出手段の出力により、前記密閉もしくは略密閉空間、及び前記非密閉空間の空気圧を変更可能とすることを特徴とする光源装置。
【請求項8】請求項1または請求項2または請求項3または請求項4に記載の光源装置であって、前記密閉もしくは略密閉空間及び前記非密閉空間の各々に圧力センサを設け、前記圧力センサの出力により、前記密閉もしくは略密閉空間の空気圧を変更可能とすることを特徴とする光源装置。
【請求項9】請求項1または請求項2または請求項3または請求項4に記載の光源装置であって、前記密閉もしくは略密閉空間及び前記非密閉空間の各々に圧力センサを設け、前記圧力センサの出力により、前記非密閉空間の空気圧を変更可能とすることを特徴とする光源装置。
【請求項10】請求項1または請求項2または請求項3または請求項4に記載の光源装置であって、前記密閉もしくは略密閉空間及び前記非密閉空間の各々に圧力センサを設け、前記圧力センサの出力により、前記密閉もしくは略密閉空間、及び前記非密閉空間の空気圧を変更可能とすることを特徴とする光源装置。
【請求項11】請求項2に記載の光源装置であって、前記密閉もしくは略密閉空間及び前記非密閉空間の各々に圧力センサを設け、前記圧力センサの出力により、前記非密閉空間の空気圧を変更可能とし、前記ランプへの点灯指示から所定時間は、各々の前記圧力センサの出力が等しくなるように前記吸入ファンを制御することを特徴とする光源装置。
【請求項12】請求項3に記載の光源装置であって、前記密閉もしくは略密閉空間及び前記非密閉空間の各々に圧力センサを設け、前記圧力センサの出力により、前記非密閉空間の空気圧を変更可能とし、前記ランプへの点灯指示から所定時間は、各々の前記圧力センサの出力が等しくなるように前記排気ファンを制御することを特徴とする光源装置。
【請求項13】請求項4に記載の光源装置であって、前記密閉もしくは略密閉空間及び前記非密閉空間の各々に圧力センサを設け、前記圧力センサの出力により、前記非密閉空間の空気圧を変更可能とし、前記ランプへの点灯指示から所定時間は、各々の前記圧力センサの出力が等しくなるように前記排気ファン及び前記吸入ファンを制御することを特徴とする光源装置。
【請求項14】請求項11または請求項12または請求項13に記載の光源装置であって、温度検出手段を設け、前記所定時間は、前記点灯指示から前記温度検出手段の出力が所定温度を示すまでの時間であることを特徴とする光源装置。
【請求項15】請求項1または請求項2または請求項3または請求項4に記載の光源装置であって、前記ランプの消灯指示がなされてから所定時間、前記空気流入手段の送風量が最大となるように制御することを特徴とする光源装置。
【請求項16】請求項2に記載の光源装置であって、前記ランプの消灯指示がなされてから所定時間、前記吸入ファンの送風量が最大となるように制御することを特徴とする光源装置。
【請求項17】請求項3に記載の光源装置であって、前記ランプの消灯指示がなされてから所定時間、前記排気ファンの送風量が最大となるように制御することを特徴とする光源装置。
【請求項18】請求項4に記載の光源装置であって、前記ランプの消灯指示がなされてから所定時間、前記吸入ファンおよび前記排気ファンの送風量が最大となるように制御することを特徴とする光源装置。
【請求項19】請求項15または請求項16または請求項17または請求項18に記載の光源装置であって、温度検出手段を設け、前記所定時間は、前記消灯指示から前記温度検出手段の出力が所定温度を示すまでの時間であることを特徴とする光源装置。
【請求項20】請求項1に記載の光源装置であって、前記ランプからの光を所定の方向に放射するリフレクタを有し、前記密閉もしくは略密閉空間は、前記リフレクタが光を放射する方向と反対方向に形成されていることを特徴とする光源装置。
【請求項21】請求項20に記載の光源装置であって、前記非密閉空間に排気口を設け、その排気口は、外部からの光が入射しない形状とすることを特徴とする光源装置。
【請求項22】請求項20に記載の光源装置であって、前記ユニットを挿入可能なケースを有し、前記ユニットは、前記非密閉空間から空気を排気する第1の排気口を有し、前記ケースは、前記第1の排気口から排気される空気を排気するための第2の排気口を有し、前記第1の排気口と前記第2の排気口の開口部が、互いに重なり合わないことを特徴とする光源装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶プロジェクタなどに使用される光源装置には、メタルハライドランプや超高圧水銀ランプといった放電ランプが使用される。この放電ランプの光は、凹面リフレクタにより集光され、各種の光学系を通過し、例えば、液晶素子に照射される。
【0003】しかし、これら放電ランプの光学特性を安定させるためには、発光管周辺を冷却する必要がある。
【0004】従来、この種の装置として、例えば、国際公開WO92/15041号公報に開示されるようなユニット化された光源装置が用いられていた。図7、図8にこの構成図を示す。
【0005】メタルハライドランプ156とランプリフレクタ157により構成されるランプ100は、ランプ固定板158によってランプハウス207内に収納される。メタルハライドランプ156の後封止部は、ランプリフレクタ157の固定部209に挿入し、セメント等で固定する。
【0006】メタルハライドランプ156の前電極板210と後電極板163を外部に設けた不図示のランプ安定器と接続することにより、メタルハライドランプ156が点灯可能となる。
【0007】冷却手段としては、ランプリフレクタ157の開口部径と同等、もしくはそれ以上の羽根外形を有した軸流ファンである排気ファン213をランプハウス207に近接して配置し、ランプハウス207の内部を通して吸気する。
【0008】ランプハウス207の側面には、ランプ100を冷却するために、吸、排気孔を設け、ランプ207内に、図7に示した矢印の方向に空気が流れるようにする。
【0009】ランプハウス207に隣接させ、ランプリフレクタ開口部214に近接した位置に、ランプリフレクタ214の径より小さいランプファン147を設置する。
【0010】ランプファン147に軸流ファンを用いると、その吐出側での風向きは、吐出方向に向かって広がりをもっていると同時に、ファンの回転方向にねじれているために、ランプリフレクタ157に囲まれた領域内にも向かう。
【0011】図8は、図7の光源装置を側面方向から見たもので、ランプファン147の吐出側前面に整流板216が設けられている。整流板216は、図8の矢印に示すように、風向きを、整流板216がない場合よりも、的確に、ランプ100周辺に向け、冷気を直接ランプ156、及び前封止部156aの表面に送ることができる。
【0012】さらに、別の光源装置としては、特開平11−39934号公報に開示されるようなものがあった。この光源装置の断面図を図9に示す。図10は、図9のA−A’矢視図である。光源ユニット300は、ユニット枠190に反射鏡保持台180を介して保持されている。反射鏡保持台180内部には、光源ユニット300内部を冷却する空気を送風するための通風口120が作り込まれており、通風口120の吹き出し口120Aは、放電ランプの封止部端部を向いている。
【0013】通風口120から流れ込んだ空気は、吹き出し口120Aから、放電ランプの封止部端部に向かって流れ込み、放電ランプの封止部端部を冷却して、反射鏡70の表面に沿っておりて、発光管上部を冷却し、反射鏡70の凹部の排気穴150からユニット外部に排気される。図中の102は、前面ガラスであり、固定枠に接着剤等により固定される。
【0014】一方、従来、光学装置を冷却する方法として、例えば、特開平8−22075に開示されるようなものがあった。図11は同発明を液晶プロジェクタに適用したもので、同公報に記載される第1の実施例である。
【0015】光源であるメタルハライドランプ1000は、凹面鏡110と、この凹面鏡110の凹部内部に光軸に沿って配設された石英管などの発光部121と、電極130からなり、高温低圧領域Bとなるランプハウス220内に収容されている。一方、低温高圧領域Aを形成する光学ユニット210内には、単一の液晶パネル230と、集光レンズ240、投射レンズ250、吸気ファン260が、配設されている。
【0016】メタルハライドランプ1000の発光部121から発せられた光は、その一部が凹面鏡110で反射し、光学ユニット210とランプハウス220との間の透明体90を通じて集光レンズ240で集光されて略平行となり、液晶パネル230の裏面から照射されて、投射レンズ250にて拡大され、拡大された投射画像が不図示のスクリーンに投影される。
【0017】また、吸気ファン260により、液晶パネル230の表面に対し略平行の空気流が流れ、この空気流は、液晶パネル230を冷却した後、光学ユニット210とランプハウス220との間の壁の下端部の通気孔750を通って、ランプハウス220内に流入し、光源部を冷却する。
【0018】ここで、通気孔750を通っての、光学ユニット210(低温高圧領域A)からランプハウス220(高温低圧領域B)への空気流の流れは、両領域の空気圧の差によるものであり、低温高圧領域Aの空気圧は、吸気ファン260により発生している。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、国際公開WO92/15041号公報に開示される装置においては、発光管周辺を冷却するために整流板が必要となりコストアップの一因となるとともに、整流板が、光源光の照射領域への照射特性に影響を与えないように、その配置について、細心の注意を払う必要があった。
【0020】さらには、上記理由により、整流板をランプリフレクタから離間して配置せざるを得ず、その冷却効率は、最適とは言えなかった。
【0021】さらには、図7の光源装置では、ランプファンとして軸流ファンを用いているため、その送風能力の他、その開口により、光源光の照射領域への照射特性に悪影響を与える可能性がある、という問題点があった。
【0022】また、特開平11−39934号公報に開示される装置においては、空気流が送風チューブで伝送され、排気側の空気圧が考慮されていないため、装置の設置状態によっては、ランプの動作状態が一定に保たれない可能性がある、という問題点があった。
【0023】また、一方、特開平8−22075号公報に開示される装置においては、光源部の発熱部を直接的に冷却するものではないため、実験等により、その空気流の流れについて予め把握した上で、低温高圧領域と高温低圧領域の間に設ける通風口の位置、開口の大きさ、個数を決定せざるを得ず、試行錯誤的な側面が多く、装置の様々な設置条件に対応して、上記のパラメータを決定するのに、非常に多くの時間を必要とする、という問題点があった。さらには、その設置状態によって、適応的に冷却する手段を具備していないために、その動作状態が一定に保たれない可能性がある、という問題点があった。
【0024】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、冷却能力の改善された、外部の影響を受けにくい光源装置を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記課題の解決のため、請求項1の発明は、密閉もしくは略密閉空間と、非密閉空間とを有するユニットと、前記ユニット内に設けられたランプと、前記密閉もしくは略密閉空間へ空気を流入する空気流入手段とを有し、前記密閉もしくは略密閉空間と前記非密閉空間との圧力差による空気流により前記ランプを冷却する光源装置であって、前記空気流入手段がシロッコファンであることを特徴とする。
【0026】また、請求項2の発明は、請求項1の光源装置であって、前記非密閉空間に空気を流入する吸入ファンを設けたことを特徴とする。
【0027】また、請求項3の発明は、請求項1の光源装置であって、前記非密閉空間より空気を排気する排気ファンを設けたことを特徴とする。
【0028】また、請求項4の発明は、請求項1の光源装置であって、前記非密閉空間に空気を流入する吸入ファンを設け、かつ、前記非密閉空間より空気を排気する排気ファンを設けたことを特徴とする。
【0029】また、請求項5の発明は、請求項1または請求項2または請求項3または請求項4の光源装置であって、温度検出手段を設け、その温度検出手段の出力により、前記密閉もしくは略密閉空間の空気圧を変更可能とすることを特徴とする。
【0030】また、請求項6の発明は、請求項1または請求項2または請求項3または請求項4の光源装置であって、温度検出手段を設け、その温度検出手段の出力により、前記非密閉空間の空気圧を変更可能とすることを特徴とする。
【0031】また、請求項7の発明は、請求項1または請求項2または請求項3または請求項4の光源装置であって、温度検出手段を設け、その温度検出手段の出力により、前記密閉もしくは略密閉空間、及び前記非密閉空間の空気圧を変更可能とすることを特徴とする。
【0032】また、請求項8の発明は、請求項1または請求項2または請求項3または請求項4の光源装置であって、前記密閉もしくは略密閉空間及び前記非密閉空間の各々に圧力センサを設け、前記圧力センサの出力により、前記密閉もしくは略密閉空間の空気圧を変更可能とすることを特徴とする。
【0033】また、請求項9の発明は、請求項1または請求項2または請求項3または請求項4の光源装置であって、前記密閉もしくは略密閉空間及び前記非密閉空間の各々に圧力センサを設け、前記圧力センサの出力により、前記非密閉空間の空気圧を変更可能とすることを特徴とする。
【0034】また、請求項10の発明は、請求項1または請求項2または請求項3または請求項4の光源装置であって、前記密閉もしくは略密閉空間及び前記非密閉空間の各々に圧力センサを設け、前記圧力センサの出力により、前記密閉もしくは略密閉空間、及び前記非密閉空間の空気圧を変更可能とすることを特徴とする。
【0035】また、請求項11の発明は、請求項2の光源装置であって、前記密閉もしくは略密閉空間及び前記非密閉空間の各々に圧力センサを設け、前記圧力センサの出力により、前記非密閉空間の空気圧を変更可能とし、前記ランプへの点灯指示から所定時間は、各々の前記圧力センサの出力が等しくなるように前記吸入ファンを制御することを特徴とする。
【0036】また、請求項12の発明は、請求項3の光源装置であって、前記密閉もしくは略密閉空間及び前記非密閉空間の各々に圧力センサを設け、前記圧力センサの出力により、前記非密閉空間の空気圧を変更可能とし、前記ランプへの点灯指示から所定時間は、各々の前記圧力センサの出力が等しくなるように前記排気ファンを制御することを特徴とする。
【0037】また、請求項13の発明は、請求項4の光源装置であって、前記密閉もしくは略密閉空間及び前記非密閉空間の各々に圧力センサを設け、前記圧力センサの出力により、前記非密閉空間の空気圧を変更可能とし、前記ランプへの点灯指示から所定時間は、各々の前記圧力センサの出力が等しくなるように前記排気ファン及び前記吸入ファンを制御することを特徴とする。
【0038】また、請求項14の発明は、請求項11または請求項12または請求項13の光源装置であって、温度検出手段を設け、前記所定時間は、前記点灯指示から前記温度検出手段の出力が所定温度を示すまでの時間であることを特徴とする。
【0039】また、請求項15の発明は、請求項1または請求項2または請求項3または請求項4の光源装置であって、前記ランプの消灯指示がなされてから所定時間、前記空気流入手段の送風量が最大となるように制御することを特徴とする。
【0040】また、請求項16の発明は、請求項2の光源装置であって、前記ランプの消灯指示がなされてから所定時間、前記吸入ファンの送風量が最大となるように制御することを特徴とする。
【0041】また、請求項17の発明は、請求項3の光源装置であって、前記ランプの消灯指示がなされてから所定時間、前記排気ファンの送風量が最大となるように制御することを特徴とする。
【0042】また、請求項18の発明は、請求項4の光源装置であって、前記ランプの消灯指示がなされてから所定時間、前記吸入ファンおよび前記排気ファンの送風量が最大となるように制御することを特徴とする。
【0043】また、請求項19の発明は、請求項15または請求項16または請求項17または請求項18の光源装置であって、温度検出手段を設け、前記所定時間は、前記消灯指示から前記温度検出手段の出力が所定温度を示すまでの時間であることを特徴とする。
【0044】また、請求項20の発明は、請求項1の光源装置であって、前記ランプからの光を所定の方向に放射するリフレクタを有し、前記密閉もしくは略密閉空間は、前記リフレクタが光を放射する方向と反対方向に形成されていることを特徴とする。
【0045】また、請求項21の発明は、請求項20の光源装置であって、前記非密閉空間に排気口を設け、その排気口は、外部からの光が入射しない形状とすることを特徴とする。
【0046】また、請求項22の発明は、請求項20の光源装置であって、前記ユニットを挿入可能なケースを有し、前記ユニットは、前記非密閉空間から空気を排気する第1の排気口を有し、前記ケースは、前記第1の排気口から排気される空気を排気するための第2の排気口を有し、前記第1の排気口と前記第2の排気口の開口部が、互いに重なり合わないことを特徴とする。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、本発明による第1の実施形態について、図面をもとに説明する。
【0048】図1、図2は、本発明の第1の実施形態の光源装置の構成を示す図であり、図1は側面図、図2は上面図である。
【0049】ランプユニット1は、ランプ2の交換のために、ランプケースに着脱可能な構成となっている。ここでは、簡単のため、本来はランプユニット1に具備されている、ランプユニット1の着脱の際に使用される引き出し金具等の部材は省略して記載している。
【0050】また、本発明は、上記の着脱可能なランプユニットには限定されないことは言うまでもない。
【0051】ランプ2は、リフレクタ3の凹部に固定されており、リフレクタの凹部に通風口5を有する。ランプユニット1は、壁99を境に、通風口8を有する密閉もしくは略密閉空間の室Cと、排気口6、および必要に応じて設けられた通風口7を有する室Dを有する。
【0052】密閉もしくは略密閉空間の室Cの通風口8は、室Cの空気圧を高めるための空気の流入口であり、空気流入手段9により、室Cの空気圧は高められる。空気流入手段9の吐き出し口12は、部材11と隙間なく接続され、空気流入手段9より流入された空気は、部材11より通風口8を通って、室Cに流入され、室Cの空気圧が高められる。
【0053】室Cの圧縮された空気は、ランプ2、およびリフレクタ3を冷却し、通風口5を通過して、室Dに流入される。室Dは、室Cより空気圧が低くなるように、排気口6を有し、排気口6の近傍には、必要に応じて排気ファン10が配置される。さらに、室Dには、必要に応じて、通風口7が設けられる。
【0054】室Cと室Dの空気圧の差によって、通風口5を空気流が通過する。したがって、室Dにおける排気ファン10、通風口7は、必要に応じて設ければよく、これらがなくても、ランプ2の動作状態を適切に保つことが可能であれば、設けなくてもよい。
【0055】また、室D自体がなくとも、ランプ2の動作状態を適切に保つことが可能であれば、室D自体を設けなくてもよい。また、排気ファン10の代わりに、または追加して、通風口7近傍に不図示の吸気ファンを設けてもよい。
【0056】本実施形態においては、空気流入手段9として、従来用いられていた軸流ファンに変えて、シロッコファンを用いる。
【0057】図3に、軸流ファンとシロッコファンの風量、静圧特性を示す。
【0058】室Cから室Dへの空気の排出は、通気口5を介して行われる。すなわち、室Cの流路抵抗は高いので、空気流入手段9としては、軸流ファンより、シロッコファンを用いることが望ましい。
【0059】また、排気ファン10の代わりに、通風口7近傍に不図示の吸気ファンを設ける場合には、室Dの空気圧は低いので、吸気ファン、および排気ファン10は、軸流ファンであることが望ましい。
【0060】また、軸流ファンは、空気流発生方向に対して、羽の回転を略垂直にしなければならないのに対して、シロッコファンは、羽の回転半径に垂直に空気流を発生する。すなわち、装置の小型化が実現できる。
【0061】ここで、シロッコファンの吐き出し口12から通風口8の間には、短いダクトで接続されており、光学的な開口部がないように構成される。このため、外部の光の影響を受けない。
【0062】なお、シロッコファンを吸い込みで使用しても、吐き出しと同様の特性を得られないため、通気口5の空気流の流れの向きを変えないという前提のもとで、図1、図2とは逆に、室Dを密閉空間にして、排気ファン10としてシロッコファンを用いても、図1、図2の場合と同様の効果を得ることはできない。
【0063】図1、図2の装置に、さらに、温度検出手段13を設ける。温度検出手段13は、ランプ2の近傍に取り付けることが望ましく、たとえばリフレクタ3に固定される。
【0064】予め、温度検出手段13とランプ2の温度の相関関係を測定しておき、温度検出手段13で検出された温度から、ランプ2の温度を類推し、ランプ2の温度が所定の温度となるように、空気流入手段9による空気流入量を変化させる。これにより、室Cの空気圧が変化するが、室Dの空気圧は変わらないため、通風口5を流れる空気量が変化し、ランプ2の動作温度を安定させることができる。この場合、空気流入手段9は、空気圧変換手段として動作する。
【0065】図4に本実施の形態のブロックダイアグラムを示す。
【0066】温度検出手段13で検出された温度は、アナログ信号の形でA/D変換器14に送られ、デジタル信号に変換され、CPU15に取り込まれる。たとえば、温度検出手段で検出された温度が、ランプ2の動作温度範囲外時の温度であった場合には、CPU15は、ランプ2の動作温度を下げるよう、コントローラ16に信号を発生する。コントローラ16は、空気流入手段9を制御し、室C内に空気を流入する制御を行う。その結果、室Cの空気圧が上がるため、通気口5を流れる空気流の速度が上がり、ランプ2が冷却される。
【0067】上記説明では、コントローラ16が制御するのは、空気流入手段9としたが、これを室Dに配置される、排気ファン、もしくは吸入ファンとしてもかまわない。さらには、空気流入手段9と室Dに配置される排気ファンもしくは吸入ファンの両方としてもかまわない。
【0068】コントローラ16による制御としては、たとえば、ファンに供給する電源電圧を、ファンの仕様電圧範囲で変化させることによる方法、または、ファンに供給する電源電圧をパルス状として、パルス幅により制御する方法が考えられる。
【0069】図5、図6は、各々、本発明による第2の実施形態の光源装置の構成を示す側面図、上面図である。
【0070】第1の実施形態(図1、図2)では、室Cが室Dより空気圧が高い場合を説明したが、図5、図6の光源装置の場合は、室Dが室Cより、空気圧が高い。図5、図6において、第1の実施の形態と同じ構成要素については、同じ番号を示す。
【0071】本実施形態においては、シロッコファン9、部材11、通風口8は、室D側に設けられる。一方、排気ファン10、排気口6、通風口7は、室C側に設けられる。室Dは、密閉、もしくは略密閉空間であり、室Cは、非密閉空間である。
【0072】室Cは、室Dより空気圧が低くなるように、排気口6を有し、排気口6の近傍には、必要に応じて排気ファン10が配置される。さらに、室Cには、必要に応じて、通風口7が設けられる。室Dにおける排気ファン10、通風口7は、必要に応じて設ければよく、これらがなくても、ランプ2の動作状態を適切に保つことが可能であれば、設けなくてもよい。
【0073】ランプユニット1の外部から光の影響がある場合には、これを除くため、排気口6、通風口7に、鎧状のひさしを設ける、また、ランプユニット1の排気口6から排気される空気を逃がすために、ランプケースには、ランプユニット1の排気口6に対応する位置に、排気口を設けることが好ましい。この場合も、外部からの光の影響を除くため、ランプユニット1の排気口6の開口部と、ランプケースの通風のための排気口の開口部が、重なり合わないようにする。
【0074】また、排気ファン10の代わりに、通風口7近傍に不図示の吸気ファンを設けてもよい。また、排気ファンの代わりに、通風口7近傍に不図示の吸気ファンを設ける場合は、室Dの空気圧は低いので、吸気ファン、および排気ファン10は、軸流ファンであることが望ましい。
【0075】本実施形態では、室D、室Cの空気圧の差により、室Dから、通風口5を通って、空気が流れ込むので、室Cに流れ込む空気は、指向性を有する。すなわち、光軸上にあるランプ2は、第1の実施の形態に比較して、効率的に空気流によって冷却される。
【0076】図5、図6の装置に、さらに、温度検出手段13を設ける。温度検出手段13は、ランプ2の近傍に取り付けることが望ましく、たとえばリフレクタ3に固定される。
【0077】予め、温度検出手段13とランプ2の温度の相関関係を測定しておき、温度検出手段13で検出された温度から、ランプ2の温度を類推し、ランプ2の温度が所定の温度となるように、空気流入手段9による空気流入量を変化させる。これにより、室Dの空気圧が変化するが、室Cの空気圧は変わらないため、通風口5を流れる空気量が変化し、ランプ2の動作温度を安定させることができる。この場合、空気流入手段9は、空気圧変換手段として動作する。
【0078】第1の実施形態と同様に、図4のブロックダイアグラムにより動作を説明する。
【0079】温度検出手段13で検出された温度は、アナログ信号の形でA/D変換器14に送られ、デジタル信号に変換され、CPU15に取り込まれる。たとえば、温度検出手段13で検出された温度が、ランプ2の動作温度範囲外時の温度であった場合には、CPU15は、ランプ2の動作温度を下げるよう、コントローラ16に信号を発生する。コントローラ16は、空気流入手段9を制御し、室Cに空気を流入する。その結果、室Cの空気圧が上がるため、通気口5を流れる空気流の速度が上がり、ランプ2が冷却される。
【0080】上記説明では、コントローラ16が制御するのは、空気流入手段9としたが、これを室Cに配置される排気ファンもしくは吸入ファンとしてもかまわない。さらには、空気流入手段9と、室Cに配置される排気ファンもしくは吸入ファンの両方としてもかまわない。
【0081】コントローラ16による制御としては、たとえば、ファンに供給する電源電圧を、ファンの仕様電圧範囲で変化させることによる方法、または、ファンに供給する電源電圧をパルス状として、パルス幅により制御する方法が考えられる。
【0082】上記の実施の形態においては、温度検出手段13により、室C、室Dの空気圧の差分を、間接的に計測している。上記の温度検出手段13に変えて、たとえば、図1に示すような、圧力センサ17,18を用いて、室C、室Dの空気圧を検出してもよい。室C、室Dの空気圧の差が大きいほど、ある時間内に、通風口5を流れる空気流の量は大きくなるので、ランプ2は冷却される。すなわち、各室の圧力による空気圧の検出信号より、両室の空気圧の差を求め、これをもとに空気流入手段9による空気の流入量を制御することで、ランプ2の動作状態を適切に保持することができる。
【0083】圧力センサ17,18は、第1の実施形態、第2の実施形態のいずれに対しても、適用可能である。また、上記圧力センサは、室C、室Dのうちの片方のみに用いてもよい。また、温度検出手段13と圧力センサを併用してもよい。すなわち、図1、図5において、温度検出手段13、圧力センサ17,18のうち、温度検出手段13のみを設けてもよいし、温度検出手段13と圧力センサ17、18をすべて設けてもよいし、温度検出手段13と一方の圧力センサ(図1の場合圧力センサ17、図5の場合圧力センサ18)のみを設けてもよいし、圧力センサ17、18のみを設けてもよいし、一方の圧力センサ(図1の場合圧力センサ17、図5の場合圧力センサ18)のみを設けてもよい。
【0084】上記実施の形態においては、リフレクタ3の前面部が開口となっているものについて説明したが、本発明はこれには限定されず、たとえば、特開平11−39934に開示されるような空気流の流入、排出用のパイプを含んだリフレクタ、ランプに対しても同様に適用できる。
【0085】上記実施形態によれば、温度検出手段、圧力センサを設け、同圧力により空気圧を制御する構成としたので、上記で説明したランプユニットを内蔵した装置が壁の近傍に配置され、たとえば、装置空気圧の低い室の排気口からの排気量が減少した場合でも、高圧室への空気流入手段による空気流入量が増えるので、装置設置条件に関わらず、ランプの動作を安定化させることができる。
【0086】ランプは、一般的に、電源を供給してから次第に温度が上昇し、所定時間経過後、所定の明るさとなる。したがって、ランプ点灯前に、前のランプ消灯から長時間経過している場合には、点灯指示から所定の明るさになるまでの時間を短縮させるように、ファンを制御することが望ましい。たとえば、低圧、高圧の両領域に圧力センサを備えている装置で、ランプ消灯後、短い時間内に再度点灯指示がなされた場合には、点灯指示から所定時間の間は、両圧力センサの出力値が等しくなるように吸入および/または排気ファンを制御すればよい。この場合、各領域の空気圧が等しくなるので、通風口5を空気が流れないため、所定の明るさになるまでの時間を短縮することができる。ランプ消灯後、長時間経過後に点灯指示がなされた場合は、両領域の空気圧は等しくなっていると考えられるので、上記のような制御は必要ない。
【0087】光源装置が、温度検出手段を備えている場合には、所定の明るさとなるときの温度検出手段の出力を予め求めておき、その出力となるまで、上記ファンを制御すればよい。
【0088】また、ランプの光量低下等により、ランプユニットを交換するような場合に対応するためには、ランプの消灯指示の後、速やかにランプ温度を下げることが望ましい。すなわち、消灯指示後も所定時間の間は、各ファンを動作させておくが望ましい。この場合、ランプ冷却の時間を短縮するために、通風口5を通過する空気流の流れが最大となるようにファンを制御する。
【0089】すなわち、空気流入手段により、高圧領域の空気圧を可能な限り高め、低圧領域の空気圧を、吸入および/または排気ファンにより可能な限り低めることで、通風口5を流れる空気流が最大となり、ランプが冷却される時間を短縮させることができる。
【0090】ここで、本光源装置が、温度検出手段を備えている場合には、その温度検出手段の出力が所定温度となるまで、上記動作を行えばよい。
【0091】本光源装置は、液晶/CRTのプロジェクタ、スライドプロジェクタの他、オーバーヘッドプロジェクタ、ステージ等の照明装置、露光装置にも適用することができる。
【0092】
【発明の効果】請求項1〜22の発明によれば、空気流入手段としてシロッコファンを用いる構成としたので、軸流ファンと比較して、高圧領域の空気圧を高めることができ、冷却能力の向上させることができる。
【0093】また、請求項5〜10の発明によれば、温度検出手段あるいは圧力センサを設け、それらの出力により、密閉空間もしくは略密閉空間または非密閉空間の空気圧を変更する構成としたので、装置の様々な設置条件に対応して、装置を動作させることができる。
【0094】また、請求項11〜14の発明によれば、点灯指示から所定時間は、両空間の間で空気が流れにくいため、ランプが所定の明るさになるまでの時間を短縮することができる。
【0095】また、請求項15〜19の発明によれば、ランプの消灯指示後、速やかにランプの温度を下げることができ、ランプユニットを交換するような場合に都合がよい。
【0096】また、請求項21、22の発明によれば、装置外部からの光の影響を除くことができる。
【出願人】 【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
【出願日】 平成12年3月22日(2000.3.22)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−266637(P2001−266637A)
【公開日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【出願番号】 特願2000−80921(P2000−80921)