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【発明の名称】 携帯用照明器具
【発明者】 【氏名】神出 直輝

【要約】 【課題】従来のHIDバルブを用いた照明器具では、チラツキが存在するなどバルブの点灯性に課題がある。また、この直流出力方式で片抱きタイプのバルブを点灯させると、上記に述べたチラツキに加え、映し出された光の照射に赤みの偏りが発生する問題がある。

【解決手段】電源7とスイッチ11とを備えた本体ケース1と、光源となるHIDバルブ12と、HIDバルブ12前面に設けられた第1レンズ2と、光源からの光を反射させるとともに第1レンズ2が取り付けられた反射鏡3とを備えたヘッドケース4と、表層となる第2レンズ6を保持しヘッドケース4に具設される前ベース5とを備えた携帯用照明器具の反射鏡3の反射面をディンプル加工を施した楕円形状とすることで、上記課題を解決することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも電源とスイッチとを備えた本体ケースと、光源となるHIDバルブと、前記HIDバルブ前面に設けられた第1レンズと、前記光源からの光を反射させるとともに前記第1レンズが取り付けられた反射鏡と、を備えたヘッドケースと、表層となる第2レンズを保持し前記ヘッドケースに具設される前ベースと、を備えた携帯用照明器具であって、前記反射鏡の反射面がディンプル加工を施した楕円形状であることを特徴とする携帯用照明器具。
【請求項2】 少なくとも電源とスイッチとを備えた本体ケースと、光源となるHIDバルブと、前記HIDバルブ前面に設けられた第1レンズと、前記光源からの光を反射させるとともに前記第1レンズが取り付けられた反射鏡と、を備えたヘッドケースと、表層となる第2レンズを保持し前記ヘッドケースに具設される前ベースと、を備えた携帯用照明器具であって、前記前ベース前面の周囲に段差を設けていることを特徴とする携帯用照明器具。
【請求項3】 電源として電池パックを用い、前記電池パックを覆い本体ケースに保持された電池カバーを備えたことを特徴とする請求項1または2いずれかに記載の携帯用照明器具。
【請求項4】 持ち運び時や通常使用時に用いる取っ手と、高所を照らす時に用いるグリップ部とを備えたことを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の携帯用照明器具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池を電源とし、夜間や暗所等で使用される携帯用照明器具に関するものであり、特に高効率、高輝度、高出力、及び長寿命の特性を持つ高輝度高圧金属蒸気放電管(以下、HIDバルブとする)をその光源として用いた携帯用照明器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、携帯用照明器具の光源としてハロゲン球等の豆球が用いられてきた。しかし近年、高効率、高輝度を特徴とするHIDバルブが、その低ワット化により携帯用照明器具の新しい光源として注目されてきている。しかし、HIDバルブの携帯用照明器具への活用には小型化、熱対策、電源の検討という課題がある。
【0003】小型化の取り組みとしては、点灯方式の検討と、バルブの小型化があげられる。点灯方式としては交流波出力方式が主流であるが、ノイズの発生があるためシールドが必要であり、シールドを行なうと必然的に器具は大きくなる。そこで、ノイズの発生が少なくシールドの必要がない直流出力方式が開発されている。バルブの小型化としては、HIDバルブは現在両抱きタイプが主流であるが、この両抱きタイプはバルブが長くなるため、最近では小型化できる片抱きタイプが開発されている。
【0004】このHIDバルブは従来の豆球と比べかなりの高温となるため、使用する機器に対し熱対策が必要とされる。熱対策といっても、大きく2つに分かれ、1つ目は機器自体の耐熱性の確保、2つ目は火傷等の使用者に対する損傷の防止である。
【0005】耐熱性の確保としては、反射鏡の材質を通常携帯電灯で用いる樹脂から、耐熱ガラスに代えていることがあげられる。損傷の防止としては、バルブ近傍に先ずガラス製の第1レンズを機器内部に配置し、次に空気層を隔てお客様が触れる外観部に第2レンズを配置するといった、2枚レンズ方式等が取られている。この時第2レンズを固定する前ベース前面は、従来均一な形状をしている。
【0006】文頭にも述べたように、HIDバルブの低ワット化が進んでいるが、それでも35[W]、20[W]が主で、まだまだ消費電力は大きいものである。そのため、電源としては、高容量の鉛蓄電池を使用している。この鉛蓄電池は非常に重いため照明器具と分離し、連絡コードで接続して電気を供給している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の携帯用照明器具では、直流出力方式によりノイズの発生が少ないためシールドの必要がなく小型化は図れるものの、チラツキが存在するなどバルブの点灯性に課題がある。また、この直流出力方式で片抱きタイプのバルブを点灯させると、上記に述べたチラツキに加え、映し出された光の照射に赤みの偏りが発生する問題がある。これはバルブ内の金属ヨウ化物が陰極側に溜まりそれが赤みの固まりとして映し出されるためである。
【0008】また、万が一使用者が器具を点灯させたまま反射面を下向きに床などに伏せて置くことや、伏せて置いている状態の際に不意にスイッチが入ってしまうことが考えられる。この際には、外からは点灯しているかどうか分からず、点灯したまま放置されると床が熱されるので、HIDバルブを用いた携帯電灯においては不具合が生じるおそれがある。
【0009】さらに、電源に高容量の鉛蓄電池を用いると、非常に重いだけではなく、連絡コードが存在するため、非常に行動性が悪く、かつ充電に10時間程必要とするため、緊急時の使用ができない。また、ニッケル水素蓄電池は充電時発熱を起こすため、充電器にはファンが、電池パックには通気口が存在するため、そのままの状態では水のかかるところでの使用はできず、そのためカバーを被せる方法が取られている。しかし、使用者がカバーをかけたまま充電した場合、電池が過剰に発熱する危険がある。
【0010】また使い勝手の面から検討すると、従来の取っ手では、屋根裏を照らす時など肩より上を照らす時に不便であるなどの課題が発生する。
【0011】本発明はこれらの上記課題を解決するもので、コンパクト・軽量で使い勝手が良く、かつ機能・安全面で品質の高い携帯用照明器具を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成するために、少なくとも電源とスイッチとを備えた本体ケースと、光源となるHIDバルブと前記HIDバルブ前面に設けられた第1レンズと前記光源からの光を反射させるとともに前記第1レンズが取り付けられた反射鏡とを備えたヘッドケースと、表層となる第2レンズを保持し前記ヘッドケースに具設される前ベースと、を備えた携帯用照明器具であって、前記反射鏡の反射面がディンプル加工を施した楕円形状であることを特徴とするものである。
【0013】これにより、赤みやチラツキを散らすことができるので、片抱きタイプのバルブを直流出力方式で点灯させた時に発生する問題を改善することができる。
【0014】また、少なくとも電源とスイッチとを備えた本体ケースと、光源となるHIDバルブと前記HIDバルブ前面に設けられた第1レンズと前記光源からの光を反射させるとともに前記第1レンズが取り付けられた反射鏡とを備えたヘッドケースと、表層となる第2レンズを保持し前記ヘッドケースに具設される前ベースと、を備えた携帯用照明器具であって、前記前ベース前面の周囲に段差を設けていることを特徴とするものである。
【0015】これにより、万が一使用者が器具を点灯させたまま反射面を下向きに床などに伏せて置いたり、伏せて置いている状態の際に不意にスイッチが入ってしまっても、外から点灯していることがわかるので、不具合が生じる可能性を減じることができる。
【0016】また、電源として電池パックを用い、前記電池パックを覆い本体ケースに保持された電池カバーを備えると良い。これにより、電源と照明器具とを一体化できるので連絡コードを不要とすることができる。
【0017】このように、本発明の携帯用照明器具は、片抱きタイプのバルブを直流出力方式で点灯させた時に発生するチラツキや赤みの偏りといった問題を改善、電源と照明器具とを一体化することにより連絡コードを不要とする、シーンによって持ち方を選ぶことが可能、充電時の電池の発熱防止、コンパクト・軽量で使い勝手が良く、かつ機能・安全面で品質の高い携帯用照明器具を提供することができるものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下本発明の一実施の形態を図1、図2を用いて説明する。
【0019】図に示すように、直流出力方式の制御基板とスイッチ11を収納する本体ケース1と、この制御基板とつながっている片抱きタイプのHIDバルブ12を保持し前面にガラス製の第1レンズ2が付けられた反射鏡3と、反射鏡3を保持するヘッドケース4と、光の放射口に存在する前ベース5と、使用者が誤って熱い第1レンズ2及び反射鏡3をさわることを防止する為に、この前ベース5によって固定されている第2レンズ6と、上記制御基板とつながっており本体ケース1内に着脱が容易で急速充電が可能な電源としてのニッケル水素蓄電池内蔵の電池パック7と、本体ケース1に保持され電池パック7を覆うように位置された電池カバー8により構成されている。反射鏡3の反射面の曲線は楕円形状で、ディンプル加工が施されており、またこの反射鏡3の材質にはアルミニウム合金が使用されている。前ベース5の前面の周囲には段差13を設けており、また本体ケース1には持ち運びの際に持つ取っ手9の他に、肩より上に照明器具を持って作業する際に持ちやすいような形状をしたグリップ部10を有する。
【0020】上記構成において動作を説明する。電池パック7が本体ケース1に挿入されている状態でスイッチ11を作動させるとバルブ12は点灯し光を放つ。この光が反射鏡3にあたり反射すると、光は放射口から真っ直ぐに放たれるのではなく、楕円の焦点でクロスするように放たれる。この時反射鏡3の表面のディンプル加工により各々の光の束は拡散された状態で放射される。そのため直流出力方式の持つチラツキや、両抱きバルブを直流出力方式で点灯させた時に生じる赤みの偏りは光の拡散により分からなくなる。
【0021】反射鏡3にガラス製の物を使用すると、光や熱を後方にも通過させるため、明るさのロスが生じたり、ヘッドケース4に熱がこもりヘッドケース4表面が熱くなるなどの欠点があるが、本実施の形態においては、反射鏡3の材質がアルミニウム合金であることから、バルブ12より放たれる光と熱は反射鏡3を通り抜けることなく、前方に反射される。そのため、光量のロスがなく明るく、ヘッドケース4内に熱がこもりにくくなり、使用者が容易に触れる可能性のあるヘッドケース4表面が熱くなることがなくなる。
【0022】また使用者が万が一点灯したまま前ベース5前面を床等に向けて作業をしても、前ベース5の前面の段差13より光が漏れ、点灯していることを知らせるため、そのまま点灯放置され不具合が起こることを防止できる。電源としては着脱が容易で急速充電が可能なニッケル水素蓄電池内蔵の電池パック7を使用しているため、電源との連絡コードが不要となり作業時にフレキシブルに照明器具を動かすことが可能であり、また電池パック7の交換により連続使用や緊急時の対応が可能となる。この電池パック7を充電する際は、電池パック7を覆っている電池カバー8を外して取り出して行うが、この時電池カバー8は本体ケース1に保持されているため紛失の恐れもなく、また電池パック7に電池カバー8がついた状態で充電されることがないので、充電時のニッケル水素蓄電池の過剰加熱につながることもない。この携帯用照明器具の使用シーンとしては色々考えられるが、屋根裏等の高い位置に身を乗り出して光を照らす際は照明器具を肩より上に持って使用することとなる。このような場合は本体ケース1に設けたグリップ部10を照明器具の下から握り操作することで好適に使用できる。
【0023】このように本発明の実施の形態の携帯用照明器具によれば、片抱きタイプのHIDバルブ12を直流出力方式による点灯、電源に本体ケース1と着脱可能なニッケル水素蓄電池内蔵の電池パック7の使用、シーンに応じて使用可能なグリップ部10を設けるなど、また前ベース5前面の周囲に段差13を設けたり、本体ケース1によって保持されている電池カバー8を使用していることから、コンパクト・軽量で使い勝手が良く、かつ機能・安全面で品質の向上を図ることができる。
【0024】本実施の形態においては、反射鏡3表面にディンプル加工を施したが、赤みの偏りを改善することができる形状、例えば凸部を設けるなどのようにしても良い。
【0025】また、本実施の形態においては、反射鏡3形状を楕円形状としているが、これに限るものではなく、略楕円形状でも二次曲線形状なども可能であることは言うまでもない。
【0026】さらに本実施の形態においては、使用者が点灯の有無を確認できるように前ベース5前面の周囲に段差を設けているが、点灯の有無が確認できればこれに限らない。例えば、段差13となる部分を空間ではなく半透明材料で形成するなどの方法も考えられる。
【0027】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明は上記した構成により、片抱きタイプのバルブを直流出力方式で点灯させた時に発生するチラツキや赤みの偏りといった問題を改善、電源と照明器具とを一体化することにより連絡コードを不要とする、シーンによって持ち方を選ぶことが可能、充電時の電池の発熱防止といった効果が得られ、コンパクト・軽量で使い勝手が良く、かつ機能・安全面で品質の高い携帯用照明器具を提供できる。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成12年3月17日(2000.3.17)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
【公開番号】 特開2001−266636(P2001−266636A)
【公開日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【出願番号】 特願2000−76065(P2000−76065)