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【発明の名称】 導光体および照明装置
【発明者】 【氏名】池田 誠

【氏名】秋葉 敦

【氏名】上村 義行

【氏名】斉藤 富久

【氏名】吉田 稔

【氏名】藤野 耕三

【氏名】森尾 健二

【要約】 【課題】導光体に凸領域を一体的に形成し、この凸領域の表面に光散乱パターンを形成することで、光散乱パターンの寸法精度,位置精度を向上させ、主走査方向における出射光強度の均一化を図る。

【解決手段】導光体11の裏面に光散乱パターン12の形成領域を規制するための凸領域11bを設ける。凸領域11bは導光体11を射出成形する際に一体成形する。凸領域11bの表面に白色顔料等の塗料を印刷して光散乱パターン12を形成する。凸領域の表面に塗料を印刷するので、にじみによる印刷領域の広がりを防止できる。なお、凸領域11bを主走査方向に亘って連続して形成しておき、スクリーン印刷によって光散乱パターン12を形成してもよい。また、塗料を印刷するのではなく、凸領域11bの表面を荒面とすることで光散乱パターンを形成してもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 端面から入射した照射光を出射面から出射せしめるようにした導光体において、この導光体の入射面と出射面とを除く所定の面には凸領域が形成され、この凸領域に入射した照明光を散乱させる光散乱パターンが形成されていることを特徴とする導光体。
【請求項2】 請求項1に記載の導光体において、前記凸領域は前記導光体を射出成形する際に一体成形されることを特徴とする導光体。
【請求項3】 請求項1に記載の導光体において、前記凸領域は前記導光体の長手方向に亘って連続して形成されていることを特徴とする導光体。
【請求項4】 請求項1に記載の導光体において、前記凸領域は前記光散乱パターンを形成する領域にのみ形成されていることを特徴とする導光体。
【請求項5】 請求項1に記載の導光体において、前記光散乱パターンは前記凸領域の表面に塗料を印刷するか、レーザ光を照射するか、荒面とすることで形成されていることを特徴とする導光体。
【請求項6】 請求項1乃至請求項5の何れかに記載の導光体を組込んだ照明装置において、前記導光体は出射面が露出するようにケース内に収められていることを特徴とする照明装置。
【請求項7】 請求項1乃至請求項5の何れかに記載の導光体を組込んだ照明装置において、前記導光体はケース内に収めず全表面を露出した状態で組み込まれることを特徴とする照明装置。
【請求項8】 請求項1乃至請求項5の何れかに記載の導光体を組込んだ照明装置において、前記導光体の一端側には発光手段が設けられ、前記凸領域は前記発光手段を設けた一端側から他端側に向ってその凸領域の幅が拡大していることを特徴とする照明装置。
【請求項9】 請求項1乃至請求項5の何れかに記載の導光体を組込んだ照明装置において、前記導光体の一端側には発光手段が設けられ、前記凸領域は、少なくとも発光手段を設けた一端側において不連続になっていることを特徴する照明装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えばファクシミリ、コピー機、ハンドスキャナ等に用いる導光体とこの導光体を組込んだ照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ファクシミリ、コピー機、ハンドスキャナ等の機器には、原稿を読み取るための装置として、イメージセンサ等の画像読み取り装置が用いられている。そして、画像読み取り装置のタイプとして、光路長が短く、機器への組込みが容易な密着型イメージセンサが使用されている。この密着型イメージセンサにあっては、原稿の読み取るべき部分を照明装置によって読み取り可能な照度以上に照明した状態で読み取るが、照明する範囲は、主走査方向(長手方向)にはかなり長く、これと直交する副走査方向には幅狭の帯状になっている。
【0003】上記した細長い帯状の範囲を照明するために棒状或いは板状をなす導光体を用いた照明装置及びそれを用いた原稿読み取り装置が、特開平8−163320号公報或いは特開平10−126581号公報に開示されている。
【0004】この原稿読み取り装置は図5に示すように、フレーム101に各凹部101a,101bを形成し、凹部101a内に照明装置110を配置し、凹部101bに光電変換素子(センサ)103を設けた基板104を取り付け、更にフレーム101内にロッドレンズアレイ105を保持している。そして、照明装置110の出射面111aから出射された光を原稿台のカバーガラス106を通して原稿107の読み込み画像面に入射せしめ、その反射光をロッドレンズアレイ105を介して光電変換素子103にて検出することで、原稿を読み取るようにしている。
【0005】図6に示すように照明装置110は、導光体111を白色のケース112に出射面111aが露出するように装填し、またケース112の一端にはLED等からなる発光源を備えた発光源基板113を取り付けてなる。導光体111はガラスや透明樹脂にて構成され、主走査方向(長手方向)と直交する方向の断面形状は基本形状が矩形で、一部にC面取りし、この面を出射面111aとしている。
【0006】図7に示すように導光体111の裏面には、入射面から入射された照明光を散乱させるための光散乱パターン111bが白色塗料をスクリーン印刷することによって形成されている。
【0007】この照明装置110は、LED等の発光源からの光を導光体111の一端(入射面)から導光体111内に導入し、図5に示すように導光体111を伝搬する照明光を導光体111の裏面に形成した光散乱パターン111bにて散乱せしめ、この散乱した光を出射面111aから出射させる。
【0008】入射面に近い側では発光源から入射された光の強度が大きく入射面から遠くなるに従って光の強度は小さくなる。そこで図7に示すように、入射面から遠くなるに従って光散乱パターン111bの形成領域を広くすることで、出射面から出射される光の強度が主走査方向の全長に亘って均一になるようにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記光散乱パターンはシルクスクリーン印刷によって白色塗料を導光体の表面に転写することで形成している。しかしながらシルクスクリーン印刷による場合は、スクリーンの目詰り具合、温度、湿度、溶剤の希釈状態、更には静電気による塗料の飛び散りなど多くのファクターによって転写ドットの大きさが変動してしまい、最適な光散乱パターンを多数の導光体の表面に再現することができず、生産歩留りが低下してしまう。例えば、導光体にスクリーン印刷で転写するドットの寸法が、にじみ等で設計値よりも太くなると、本来一様になるよう設計した線状光源の光強度分布は、LED光源側に偏りが強くでる。逆に、かすれ等で細くなると終端側が強くなる。このため、光強度の均一性が充分に確保できないことがある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため本発明に係る導光体は、導光体の入射面及び出射面を除いた所定の面(側面でもよい)に凸領域を形成し、この凸領域に光散乱パターンを形成した。
【0011】なお、凸領域は導光体を射出成形する際に一体成形するのが望ましい。また、凸領域は導光体の長手方向に亘って連続して形成してもよいし、光散乱パターンを形成する領域にのみ形成するようにしてもよい。さらに、凸領域の表面を荒面としてもよい。光散乱パターンは凸領域の表面に塗料を印刷して形成する。
【0012】本発明に係る導光体は、導光体と一体的に形成された凸領域に光散乱パターンを形成したので、光散乱パターンの位置精度を向上させることができる。凸領域の表面に塗料を印刷するので、塗料印刷の精度を向上させることができる。印刷条件が変動しても凸領域から液だれを起こさない範囲ではにじみによる広がりを防止できる。凸領域を導光体の長手方向に亘って連続して形成した場合には、幅方向(副走査方向)に関してはにじみによる広がりを防止できる。
【0013】また、長手方向に関しては光散乱パターンを形成する領域を変更することができる。さらに、凸領域を光散乱パターンを形成する領域にのみ形成した場合、長手方向(主走査方向),幅方向(副走査方向)ともににじみによる広がりを防止できる。さらにこの場合には、スクリーン版を使わずに、ローラー転写等によって塗料を印刷することができる。凸領域の表面を荒面とすることで、塗料との接触面積が増加し塗料ののりが良くなる。
【0014】なお、光散乱パターンは塗料を印刷して形成するのではなく、凸領域の表面を荒面とすることで形成してもよい。この荒面からなる光散乱パターンは、導光体を射出成形する際に一体に形成してもよいし、凸領域の表面にレーザ光を照射することで形成するようにしてもよい。これにより、印刷工程を用いることなく光散乱パターンを形成できる。
【0015】本発明に係る照明装置は、上記導光体は出射面が露出するようにケース内に収められ、導光体の一端側には発光手段が設けられ、上記光散乱パターンは発光手段を設けた一端側から他端側に向ってその幅が徐々に拡大するか、少なくとも発光手段を設けた一端側において光散乱パターンが不連続になっている。
【0016】本発明に係る照明装置は、導光体をケースで覆う構造としたので、照明装置のハンドリング性が確保される(組立時に導光体に汚れ等が付着しないよう配慮しないで済む)とともに、ケースによって散乱光が導光体外部に無駄に放出されるのを防止するので、出射光の強度を増加させることができる。光散乱パターンの形成領域を発光手段を設けた一端側から他端側に向って変化させることで、照明装置の全長に亘って均一な光強度を得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る導光体の第1実施形態を示す斜視図、図2は本発明に係る導光体の第2実施形態を示す斜視図である。なお、これらの斜視図では光散乱パターンを形成した導光体裏面を上側にした状態で示している。
【0018】図1に示すように第1実施形態に係る導光体1は、アクリルやポリカーボネートなどの光透過性の高い樹脂または光透過性の高い光学ガラスから構成され、その断面の基本形状は矩形をなし、一角部をC面取りしこの部分を出射面1aとしている。さらに、この導光体1の裏面には、光散乱パターンの形成領域を規制するための凸領域1bが形成され、この凸領域1bの表面に例えば白色顔料からなる塗料を印刷することで散乱パターン2を形成している。出射面1aならびに凸領域1bは、導光体1の射出成形時に一体成形される。
【0019】凸領域1bは、導光体1の長手方向(主走査方向)に亘って連続して形成している。凸領域1bは、入射面に近い側ではその幅(副走査方向の寸法)を狭くし、入射面から遠くなるに従ってその幅(副走査方向の寸法)を徐々に広げている。凸領域1bの高さは、塗料をスクリーン印刷した際に、塗料が凸領域1bの表面にのみ印刷され、凸領域1bを形成していない領域には塗料が付着しない程度に設定している。これにより、印刷工程では塗料を凸領域1bの上にのせるため、凸領域1bから液だれを起こさない範囲ではにじみによる幅方向(副走査方向)への広がりを防ぐことができ、塗料印刷の精度を改善できる。
【0020】散乱パターン2は、入射面に近い側ではその領域(塗料の印刷領域)を小さくし、入射面から遠くなるに従ってその領域(塗料の印刷領域)を大きくしている。これにより、主走査方向の全長に亘って出射面から出射される光の強度の均一化を図っている。凸領域1bは主走査方向に亘って連続して形成しているので、この凸領域1b上の任意の位置に散乱パターン2を形成することができる。例えば、光強度分布の均一性を改善するために散乱パターン2の形状(各パターンの位置や形状(面積))を変更する必要が生じた場合でも、スクリーン印刷の版を変更することで対応できる。
【0021】図2に示すように第2実施形態に係る導光体11は、光散乱パターン12を形成する領域に対応して凸領域11bをそれぞれ形成したものである。凸領域11bは、光散乱パターン12を形成する領域にのみ設けられているので、幅方向(副走査方向)だけでなく主走査方向(長手方向)に対しても印刷による塗料のにじみを防ぐことができる。これにより、塗料印刷の精度をより向上させることができる。また、スクリーン版を用いずに、ローラー転写等によって塗料を凸領域11bに塗布することで、光散乱パターン12を所定の位置に精度良く形成できる。
【0022】なお、第1実施形態または第2実施形態において、凸領域1b,11bの表面を荒面としてもよい。凸領域1b,11bの表面を荒面とすることで塗料との接触面積が増え、塗料ののりが良くなる。この荒面は導光体1,11の射出成形の際に同時に形成する。なお、凸領域1b,11bの表面にレーザ光を照射することで荒面を形成してもよい。さらに、凸領域1b,11bの表面に荒面を形成し、この荒面を光散乱パターンとしてもよい。この場合、塗料の印刷は不要となる。
【0023】図3は本発明に係る照明装置の分解斜視図、図4は本発明に係る照明装置の光照射動作を示す説明図である。
【0024】図3に示すように本発明に係る照明装置50は、第1実施形態または第2実施形態の導光体1,11を白色のケース52内に出射面1a,11aが露出するように装填し、また白色のケース52の一端にLED等からなる発光手段を備えた発光源基板53を取り付けてなる。導光体1,11の裏面には、図1および図2に示した凸領域1b,11bならびに光散乱パターン2,12が設けられている。
【0025】図4に示すように、入射面より取り込まれた光は導光体内で全反射されながら主走査方向(長手方向)へ伝搬していく。そして、導光体裏面の凸領域に形成した散乱パターンに到達した光は、光散乱パターンによって散乱反射されその一部が出射面から出射される。導光体外周部を覆うケースは、散乱された光が外部に飛散するのを防止し、ケース表面の反射によって導光体内部に光を戻す。これにより出射面からの光量を増加させることができる。
【0026】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、導光体と一体的に形成した凸領域に光散乱パターンを形成したので、光散乱パターンの寸法精度ならびに位置精度を向上させることができる。凸領域の表面に塗料を印刷するので、にじみによる印刷領域の広がりを防止できる。これにより、出射光の光強度分布の均一性を確保することができる。なお、凸領域の表面を荒面としこの荒面を光散乱パターンとすることで、印刷工程を不要にできる。よって、光強度分布が均一な導光体ならびにその導光体を組込んだ照明装置を歩留り良く量産することができる。
【出願人】 【識別番号】000004008
【氏名又は名称】日本板硝子株式会社
【出願日】 平成12年3月16日(2000.3.16)
【代理人】 【識別番号】100085257
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 有
【公開番号】 特開2001−266625(P2001−266625A)
【公開日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【出願番号】 特願2000−73320(P2000−73320)