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【発明の名称】 照明近傍に配置される電子機器の内部配線接合構造及びその接合方法
【発明者】 【氏名】鈴木 富士夫

【氏名】久保 雅男

【氏名】宮井 隆雄

【氏名】絹谷 和彦

【要約】 【課題】小型化やコストダウンを図ることができるものとする。

【解決手段】下箱11内に設けた配線板2にリード線4を有する電子部品3を接合して電子回路部が形成されるとともに下箱11開口部に被せられる上蓋12を備えている電子機器である。照明近傍に配置される該電子機器の下箱11内の上記配線板2は、下箱開口部から下箱内に収納される電子部品3のリード線4を支持する支持部7を備えており、電子部品3は下箱開口部外方から照射されたレーザによる上記支持部7と該支持部に支持させたリード線4との溶着で配線板2に接合されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下箱内に設けた配線板にリード線を有する電子部品を接合して電子回路部が形成されるとともに下箱開口部に被せられる上蓋を備えている電子機器であって、照明近傍に配置される該電子機器の下箱内の上記配線板は、下箱開口部から下箱内に収納される電子部品のリード線を支持する支持部を備えており、電子部品は下箱開口部外方から照射されたレーザによる上記支持部と該支持部に支持させたリード線との溶着で配線板に接合されていることを特徴とする照明近傍に配置される電子機器の内部配線接合構造。
【請求項2】 リード線は、電子部品から導出された柔状リード線とこの柔状リード線に結合された剛性材とからなり、該剛性材が支持部に接合されていることを特徴とする請求項1記載の照明近傍に配置される電子機器の内部配線接合構造。
【請求項3】 剛性材は金属パイプ材であり、金属パイプ材の一端部に柔状リード線端部を被嵌させた状態で柔状リード線と金属パイプ材とを結合していることを特徴とする請求項2記載の照明近傍に配置される電子機器の内部配線接合構造。
【請求項4】 金属パイプ材が低融点金属からなることを特徴とする請求項3記載の照明近傍に配置される電子機器の内部配線接合構造。
【請求項5】 柔状リード線と金属パイプ材の一端部との結合が金属パイプ材へのレーザ照射による柔状リード線端部の溶着でなされていることを特徴とする請求項3又は4記載の照明近傍に配置される電子機器の内部配線接合構造。
【請求項6】 配線板はその上縁部に支持凹部を有する垂直片を備えており、この支持凹部がリード線を支持する支持部となっていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の照明近傍に配置される電子機器の内部配線接合構造。
【請求項7】 支持凹部にリード線端部を垂直片側面より突出させて支持させ、この垂直片にレーザ照射してリード線に溶着することにより電子部品と配線板とを接合していることを特徴とする請求項6に記載の照明近傍に配置される電子機器の内部配線接合構造。
【請求項8】 支持凹部にリード線を垂直片側面より突出させて支持させ、このリード線の端部にレーザ照射して垂直片に溶着することにより電子部品と配線板とを接合していることを特徴とする請求項6に記載の照明近傍に配置される電子機器の内部配線接合構造。
【請求項9】 支持凹部は支持するリード線の外面形状に合わせた底面形状となっていることを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の照明近傍に配置される電子機器の内部配線接合構造。
【請求項10】 支持凹部に支持されるリード線の垂直片側面からの突出長さを所定量とするリード線の位置規制用の位置規制部を配線板が備えていることを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載の照明近傍に配置される電子機器の内部配線接合構造。
【請求項11】 電子部品の本体をリード線長手方向両端で扶持する両側片を位置規制部としていることを特徴とする請求項10記載の照明近傍に配置される電子機器の内部配線接合構造。
【請求項12】 配線板に樹脂材料を一体成形し、この成形により樹脂材料で両側片を形成していることを特徴とする請求項11記載の照明近傍に配置される電子機器の内部配線接合構造。
【請求項13】 支持部は下箱内に上下縦横の立体的配置で所定個数配設していることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の照明近傍に配置される電子機器の内部配線接合構造。
【請求項14】 支持部またはリード線の表面がめっき形成されていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の照明近傍に配置される電子機器の内部配線接合構造。
【請求項15】 電子機器が照明のオンオフ制御機能を有するソケット機器であることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の照明近傍に配置される電子機器の内部配線接合構造。
【請求項16】 剛性材が板状であり、支持部と該支持部の一面に接合される板状剛性材とは接合面先端が90度以下のV形状となっていることを特徴とする請求項2記載の照明近傍に配置される電子機器の内部配線接合構造。
【請求項17】 配線板はリード挿入穴を有する支持部を備えており、片面側が凸、他面側が凹となっている上記リード挿入穴にはリード線が凸側から挿入され凹側から照射したレーザでリード線が接合されていることを特徴とする請求項1に記載の照明近傍に配置される電子機器の内部配線接合構造。
【請求項18】 下箱内に設けた配線板にリード線を有する電子部品を接合して電子回路部が形成されるとともに下箱開口部に被せられる上蓋を備えている電子機器における配線板とリード線とを接合するにあたり、照明近傍に配置される該電子機器の下箱の開口部から電子部品を下箱内に収納して配線板に設けた支持部に電子部品のリード線を支持させ、この支持部で支持したリード線に下箱開口部外方からレーザ照射して支持部に溶着して電子部品を配線板に接合することを特徴とする照明近傍に配置される電子機器の内部配線接合方法。
【請求項19】 レーザ照射を不活性ガス雰囲気中で行うことを特徴とする請求項18に記載の照明近傍に配置される電子機器の内部配線接合方法。
【請求項20】 レーザ照射にあたり、支持凹部面の反射を利用してリード線にレーザ光を集中させて溶融させることで支持凹部に溶着することを特徴とする請求項18に記載の照明近傍に配置される電子機器の内部配線接合方法。
【請求項21】 支持凹部を上部よりも底部付近の幅が広いものとし、該支持凹部面の反射を利用してリード線にレーザ光を集中させて溶融させることで支持凹部に溶着することを特徴とする請求項20に記載の照明近傍に配置される電子機器の内部配線接合方法。
【請求項22】 支持凹部の幅をリード線の線径より小さくし、リードを支持凹部に圧入した状態でレーザ光を集中させて溶融させ支持凹部に溶着することを特徴とする請求項20に記載の照明近傍に配置される電子機器の内部配線接合方法。
【請求項23】 リード線が電子部品から導出された柔状リード線とこの柔状リード線に結合した剛性材からなるものにおいて、レーザ光で柔状リード線の表皮を焼き剥がして剛性材に結合することを特徴とする請求項18に記載の照明近傍に配置される電子機器の内部配線接合方法。
【請求項24】 紫外線レーザ光で柔状リード線の表皮を焼き剥がして剛性材に結合することを特徴とする請求項23に記載の照明近傍に配置される電子機器の内部配線接合方法【請求項25】 レーザ光で柔状リード線の表皮を焼き剥がして同一レーザにて剛性材に溶接することを特徴とする請求項23に記載の照明近傍に配置される電子機器の内部配線接合方法【請求項26】 プラズマ雰囲気中でレーザ光による柔状リード線と剛性材との溶接を行うことを特徴とする請求項23乃至25のいずれかに記載の照明近傍に配置される電子機器の内部配線接合方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高輝度放電灯用イグナイタのような照明近傍に配置される電子機器の内部配線接合構造及び接合方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高輝度放電灯(HID)のバルブはその点灯時、かなりの高温になるために、該放電灯用のイグナイタは、通常、バルブソケットに高圧ケーブルを介して接続されるものとなっているが、小型化や配線などの都合上、バルブソケットにイグナイタを一体化させたものが提案されている。
【0003】この場合、電子機器(イグナイタ)はその使用部品に耐熱性のあるものを用いるのはもちろん、内部配線の接合も耐熱性を持たせたものとしなくてはならず、このために高温はんだ付けや抵抗溶接による接合がなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、高温半田の場合、電子部品のリード線を基板に実装する必要があり、小型化に関して制限がある上に、はんだ付け時のはんだボールの除去や検査によるコストアップ及び高温はんだそのものが高価であるといった点で問題を有している。
【0005】また、抵抗溶接による接合の場合、抵抗溶接のための電極を入れることができるスペースを確保しておかなくてはならず、これが小型化に関する制限となって現れる上に、抵抗溶接は電極の管理に注意を必要として、接合部の品質の安定化に関して問題を有している。
【0006】本発明はこのような点に鑑みなされたものであって、その目的とするところは小型化やコストダウンを図ることができる照明近傍に配置される電子機器の内部配線接合構造及び接合方法を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】しかして本発明に係る照明近傍に配置される電子機器の内部配線接合構造は、下箱内に設けた配線板にリード線を有する電子部品を接合して電子回路部が形成されるとともに下箱開口部に被せられる上蓋を備えている電子機器であって、照明近傍に配置される該電子機器の下箱内の上記配線板は、下箱開口部から下箱内に収納される電子部品のリード線を支持する支持部を備えており、電子部品は下箱開口部外方から照射されたレーザによる上記支持部と該支持部に支持させたリード線との溶着で配線板に接合されていることに特徴を有している。
【0008】上記リード線は、電子部品から導出された柔状リード線とこの柔状リード線に結合された剛性材とからなるものとし、剛性材を支持部に接合してもよい。
【0009】この場合の剛性材が金属パイプ材である時、金属パイプ材の一端部に柔状リード線端部を被嵌させた状態で柔状リード線と金属パイプ材とを結合しておくとよい。また、金属パイプ材は低融点金属からなるものを好適に用いることができる。さらに、柔状リード線と金属パイプ材の一端部との結合は金属パイプ材へのレーザ照射による柔状リード線端部の溶着でなされたものとするとよい。
【0010】上縁部に支持凹部を有する垂直片を配線板に設けて、上記支持凹部をリード線を支持する支持部とするのも好ましく、この時、支持凹部にリード線端部を垂直片側面より突出させて支持させ、この垂直片にレーザ照射してリード線に溶着することにより電子部品と配線板とを接合したり、支持凹部にリード線を垂直片側面より突出させて支持させ、このリード線の端部にレーザ照射して垂直片に溶着することにより電子部品と配線板とを接合するとよい。
【0011】上記支持凹部は支持するリード線の外面形状に合わせた底面形状とするのが好ましく、また、支持凹部に支持されるリード線の垂直片側面からの突出長さを所定量とするリード線の位置規制用の位置規制部を配線板に設けることも好ましい。この場合の位置規制部は、電子部品の本体をリード線長手方向両端で扶持する両側片を好適に用いることができる。配線板に樹脂材料を一体成形し、この成形により樹脂材料で上記両側片を形成するとさらに好ましいものとなる。
【0012】支持部は下箱内に上下縦横の立体的配置で所定個数配設しておくとよい。
【0013】支持部またはリード線の表面をめっき形成しておくのも好ましい。
【0014】そして、電子機器が照明のオンオフ制御機能を有するソケット機器である場合、好適なものを得ることができる。
【0015】剛性材を板状とし、支持部と該支持部の一面に接合される板状剛性材との接合面先端を90度以下のV形状とするようにしてもよく、さらには、配線板にリード挿入穴を有する支持部を設けて、片面側が凸、他面側が凹となっている上記リード挿入穴にリード線を凸側から挿入し、凹側から照射したレーザでリード線を接合するようにしたものであってもよい。
【0016】そして本発明に係る照明近傍に配置される電子機器の内部配線接合方法は、下箱内に設けた配線板にリード線を有する電子部品を接合して電子回路部が形成されるとともに下箱開口部に被せられる上蓋を備えている電子機器における配線板とリード線とを接合するにあたり、照明近傍に配置される該電子機器の下箱の開口部から電子部品を下箱内に収納して配線板に設けた支持部に電子部品のリード線を支持させ、この支持部で支持したリード線に下箱開口部外方からレーザ照射して支持部に溶着して電子部品を配線板に接合することに特徴を有している。
【0017】レーザ照射は不活性ガス雰囲気中で行うのが好ましく、また、レーザ照射にあたり、支持凹部面の反射を利用してリード線にレーザ光を集中させて溶融させることで支持凹部に溶着するようにするのも好ましい。この時、支持凹部を上部よりも底部付近の幅が広いものとし、該支持凹部面の反射を利用してリード線にレーザ光を集中させて溶融させることで支持凹部に溶着したり、支持凹部の幅をリード線の線径より小さくし、リードを支持凹部に圧入した状態でレーザ光を集中させて溶融させ支持凹部に溶着するようにしてもよい。
【0018】リード線が電子部品から導出された柔状リード線とこの柔状リード線に結合した剛性材からなるものにおいては、レーザ光で柔状リード線の表皮を焼き剥がして剛性材に結合するとよく、特に紫外線レーザ光で柔状リード線の表皮を焼き剥がして剛性材に結合したり、レーザ光で柔状リード線の表皮を焼き剥がして同一レーザにて剛性材に溶接したり、プラズマ雰囲気中でレーザ光による柔状リード線と剛性材との溶接を行うのが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下本発明を実施の形態の一例に基づいて詳述すると、図示例の電子機器1は、自動車のヘッドライトとして用いる高輝度放電灯(HID)バルブ9のためのイグナイタであって、この電子機器1の下箱11と上蓋12とからなるハウジングにおける上蓋12には上記バルブ9の装着用のソケット15が設けられており、さらに上記上蓋12で上面開口が閉じられる下箱11内には複数の電子部品3が収納され、下箱11の下面側の収納溝にはトランスである電子部品3が収納されている。
【0020】上記下箱11は、リードフレームとも称される配線板2が埋め込まれた樹脂成形品であり、該配線板2は電子部品3との接合のための複数本の支持片7を突出させている。
【0021】ここにおける各支持片7はその先端部にU字形の溝である支持凹部70を備えており、電子部品3から導出されているリード線4を支持凹部70に置いて、下箱11の上方からレーザLの照射を行って、支持片7もしくはリード線4を溶融させることで、リード線4と支持片7とを結合する。ハンダ接合と較べると、耐熱性がある上に接合強度の高い回路を構成することができるものであり、車灯体のように耐高温性(170度)及び耐振動性等が要求される場合の電子回路を構成することができる。また、レーザ溶接による非接触接合加工であるために、接合工程の機械化への対応も容易である。
【0022】電子部品3が前述のトランスであってリード線(巻き線)4が柔らかい場合には、支持片7に一定の形で設置することが困難であることから、この場合、図5に示すように、リード線4の先端に剛性材11を結合し、該剛性材11を支持片7にレーザ接合すればよい。
【0023】リード線4を板状の剛性材11に結合するにあたっては、図19に示すように、柔らかいリード線(巻線)4の絶縁皮膜40をレーザLで焼いて剥がしてしまった後、剛性材11に結合するのが好ましい。溶接強度を上げることができる。
【0024】特にレーザLとして紫外線レーザ(例えばエキシマレーザー)を使用すれば、絶縁皮膜40を熱加工でなく、光化学分解で除去することができるために、すす等が残らず、溶接強度をさらに向上させることがでできる。
【0025】また、上記レーザ加工をプラズマ雰囲気中(例えばアルゴンプラズマ雰囲気中)で行うと、絶縁皮膜40の除去が促進されることになり、除去精度及び効率がが向上して、短時間で更に強度が向上したレーザ接合を得ることができる。
【0026】図20に示すように、剛性材11上に柔らかいリード線4を置いた状態で、まず低出力レーザL1を照射して絶縁皮膜40を除去し、次いで高出力レーザL2を照射してリード線4を剛性材11に溶接するようにしてもよい。連続したレーザ照射で絶縁皮膜40の除去及び接合を行うことができることから、強度の高い接合を短時間・低コストで得ることができる。
【0027】また、板状の剛性材11と支持板7とのレーザ照射による接合にあたっては、図21に示すように、剛性材11と支持片7との面方向で合わせるとともに上部を外側に曲げて接合面上部をV形状とし、この部分にレーザLを照射するとよい。V字角αは90度以下としておくことが集光効率の向上の点で好ましい。
【0028】剛性材11として図6に示すように、金属パイプを用いて、剛性材11に挿入したリード線4を剛性材11を潰すことで剛性材11に接合すれば、剛性材4を前述の剛性を有するリード線4の場合と同様に支持片7に設けた支持凹部70上に剛性材11を載せてレーザ接合することができ、リード線4が柔らかい場合の接合強度の向上及び接合費用の軽減を図ることができる。
【0029】金属パイプである剛性材11と柔らかいリード線4との結合は、図7に示すように、剛性材11にリード線4を通した状態で剛性材11の端部をレーザで溶融させることで行ってもよく、この場合、剛性材11と柔らかいリード線4との接合及び剛性材11と支持片7との接合を同一のレーザ溶接機内で一緒に行うことができるために、加工費の低減を図ることができる。殊に、金属パイプである剛性材11を低融点金属(例えば銅、銀、アルミニウム)で形成することで、低出力レーザでの接合が可能となるために、柔らかいリード線4を切ってしまうことがなくなり、歩留まりを向上させることができる。
【0030】レーザ照射によるリード線4と支持片7との接合は、リード線4を溶融させて支持片7に接合しても、支持片7を溶融させてリード線4に接合してもよいが、支持片7の材質がリード線4の材質よりもレーザ吸収率が高い場合は、支持片7を溶融させる方が接合強度が増すことになって好ましく、特に図8に示すように、支持凹部70に置いたリード線4に支持片7の一部が被さる形状としておくと、支持片7のリード線4に被さっている部分にレーザ照射を行うことで、効率良く且つ確実な接合を行うことができる。
【0031】逆にリード線4の材質が支持片7の材質よりもレーザ吸収率が高い場合は、リード線4を溶融させるようにした方が好ましい。
【0032】また、上記支持凹部7の底部形状は、図9に示すように、リード線4の断面形状に合わせた形(図示例では円形断面であるリード線4と同一径(φ=D)の半円状としている)としてリード線4が支持片7に面接触するようにすることも、接合強度の向上の点で好ましい結果を得ることができる。
【0033】図10に示すものは、配線板2から支持片7に加えて位置規制片13を突設し、電子部品3の本体部を該位置規制片13で規制される位置に配置すれば、位置規制片13による電子部品3の位置決めで電子部品3から導出したリード線4が支持片7から所定長だけ突出する状態が確実に得られるようにしたものである。レーザ照射エネルギーが一定となるために、電子部品3の接合の歩留まり向上、及び接合強度の安定化を図ることができる。
【0034】図11に示すように、支持片7そのものが位置規制片13を兼ねるようにしたり、図12に示すように、配線板2を埋め込んだ樹脂成形品である下箱11に位置規制片13を一体に形成してもよい。
【0035】図13は1つの支持片7に複数の電子部品3のリード線4を接合したものを示している。立体的に回路を構成することができるために、高密度でより小型化されたものを得ることができる。
【0036】図14に示すように、リード線4あるいは支持片7あるいは双方にレーザ吸収率の高い材料からなる被膜5を設けておくようにしてもよい。たとえば、銅からなるリード線4の周囲はんだやニッケルのメッキを施したり、銅からなる支持片7にニッケルメッキを施しておくのである。リード線4や支持片7がレーザ吸収率の低い素材(例えば銅)からなる場合にも、結合強度が高く且つ安定度の高いレーザ接合を行うことができる。
【0037】ところで、レーザ照射による接合にあたっては、不活性ガス(たとえばアルゴンガス)の雰囲気中でレーザ溶接することにより、溶接部の酸化を防いで結合強度の高いレーザ接合とすることができる。図15はノズル80から不活性ガスを吹き付けながらレーザ溶接している状態を示している。
【0038】また、レーザ照射に際して、溶融させる部分に直接レーザLを照射するのではなく、図16に示すように、支持凹部70の表面での反射を利用してレーザLを集光させるようにしてもよい。図示例では集光効率を上げるために、支持凹部70を開き角αが90度以内のV字形とし、支持凹部70表面で反射したレーザLが支持凹部70の底部上に位置させたリード線4に集光するようにしている。
【0039】図17に示すように、支持凹部70を上部側がV字形、底部側が上部の最小幅よりも径が大きい円形となるようにしておけば、支持凹部70の表面上部で反射したレーザ光が支持凹部70の底部付近でさらに反射してリード線4に達することになるとともに反射したレーザLが外部に出てしまうことが少なくなるために、リード線4へのエネルギー吸収率を高めることができる。
【0040】図18はレーザ溶接強度を上げるために、支持凹部70の幅をリード線4の線径より小さくして、リード線4を支持凹部70内に圧入した状態でレーザ溶接するようにしたものを示している。隙間が無くて強度の高い接合を得ることができる。
【0041】電子部品3のリード線4がレーザLの照射方向と平行(上向き)となる場合は、図22に示すように、水平な支持片7にリード線挿入穴71を形成するとともに、該リード線挿入穴71付近を下側に凸、上側に凹となるようにしておき、凸側である下側からリード線挿入穴71にリード線4を挿通した状態で上方から凹側の部分にレーザLを照射してリード線4を溶融させることで支持片7に溶着させるとよい。凹部表面におけるレーザLの反射でリード線4に集光されるために、効率の良いレーザ溶接ができる。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明に係る照明近傍に配置される電子機器の内部配線接合構造は、下箱内に設けた配線板にリード線を有する電子部品を接合して電子回路部が形成されるとともに下箱開口部に被せられる上蓋を備えている電子機器であって、照明近傍に配置される該電子機器の下箱内の上記配線板は、下箱開口部から下箱内に収納される電子部品のリード線を支持する支持部を備えており、電子部品は下箱開口部外方から照射されたレーザによる上記支持部と該支持部に支持させたリード線との溶着で配線板に接合されていることから、耐熱性及び耐振動性が高い接合となっており、しかも小型化についての制限が殆どなく、安定した接合も行うことができてコストダウンを図ることができるものである。
【0043】リード線は、電子部品から導出された柔状リード線とこの柔状リード線に結合された剛性材とからなるものとし、剛性材を支持部に接合すれば、電子部品が柔状リード線を備えたものであっても問題なく支持片に接合することができる。
【0044】この場合の剛性材が金属パイプ材である時、金属パイプ材の一端部に柔状リード線端部を被嵌させた状態で柔状リード線と金属パイプ材とを結合すれば、柔状リード線と剛性材との結合を容易とすることができる。
【0045】また、金属パイプ材には低融点金属からなるものを用いると、柔状リード線の断線が生じにくくなるために歩留まりを向上させることができる。
【0046】さらに、柔状リード線と金属パイプ材の一端部との結合は金属パイプ材へのレーザ照射による柔状リード線端部の溶着でなされたものとすると、柔状リード線と剛性材との結合及び剛性材と支持部との結合を共にレーザで行うことになるために、結合工程を一つにまとめることができてコストの低減を図ることができる。
【0047】上縁部に支持凹部を有する垂直片を配線板に設けて、上記支持凹部をリード線を支持する支持部とすれば、リード線を支持部に的確に且つ高強度で溶接することができる。
【0048】この時、支持凹部にリード線端部を垂直片側面より突出させて支持させ、この垂直片にレーザ照射してリード線に溶着することにより電子部品と配線板とを接合したり、支持凹部にリード線を垂直片側面より突出させて支持させ、このリード線の端部にレーザ照射して垂直片に溶着することにより電子部品と配線板とを接合することができる。
【0049】上記支持凹部は支持するリード線の外面形状に合わせた底面形状とすれば両者の接触面積を大きくすることができるために、レーザ照射による結合の強度も向上する。
【0050】支持凹部に支持されるリード線の垂直片側面からの突出長さを所定量とするリード線の位置規制用の位置規制部を配線板に設けると、安定したレーザ溶接とすることができる。この場合の位置規制部は、電子部品の本体をリード線長手方向両端で扶持する両側片とするのが電子部品の位置決めの容易さの点で好ましく、さらに配線板に樹脂材料を一体成形し、この成形により樹脂材料で上記両側片を形成するとさらに好ましいものとなる。
【0051】支持部は下箱内に上下縦横の立体的配置で所定個数配設しておくと、高密度な電子部品配置を行うことができて、小型化を促進することができる。
【0052】支持部またはリード線の表面をめっき形成しておくと、レーザ溶接の効率が高くなるとともに接合強度も高くすることができる。
【0053】そして、電子機器が照明のオンオフ制御機能を有するソケット機器である場合、高温となる照明であっても問題が生じることのない好適なものを得ることができる。
【0054】剛性材が板状である場合には、支持部と該支持部の一面に接合される板状剛性材との接合面先端を90度以下のV形状とすると、レーザ照射による両者の接合を集光させて行うことができるために効率を良くすることができる。
【0055】さらには、配線板にリード挿入穴を有する支持部を設けて、片面側が凸、他面側が凹となっている上記リード挿入穴にリード線を凸側から挿入し、凹側から照射したレーザでリード線を接合するようにすれば、リード線の方向がレーザ照射方向と同じであってもレーザ溶接することができる上に、凹面による集光で効率の高い溶接を行うことができる。
【0056】そして本発明に係る照明近傍に配置される電子機器の内部配線接合方法は、下箱内に設けた配線板にリード線を有する電子部品を接合して電子回路部が形成されるとともに下箱開口部に被せられる上蓋を備えている電子機器における配線板とリード線とを接合するにあたり、照明近傍に配置される該電子機器の下箱の開口部から電子部品を下箱内に収納して配線板に設けた支持部に電子部品のリード線を支持させ、この支持部で支持したリード線に下箱開口部外方からレーザ照射して支持部に溶着して電子部品を配線板に接合することから、耐熱性及び耐振動性が高い接合を効率よく行うことができる。
【0057】レーザ照射は不活性ガス雰囲気中で行うのが溶接部の酸化を防いで結合強度を高くすることができる点で好ましく、また、レーザ照射にあたり、支持凹部面の反射を利用してリード線にレーザ光を集中させて溶融させることで支持凹部に溶着するようにすると、短時間で確実なレーザ溶接を行うことができる。この時、支持凹部を上部よりも底部付近の幅が広いものとし、該支持凹部面の反射を利用してリード線にレーザ光を集中させて溶融させることで支持凹部に溶着すれば、レーザ光を逃がすことなく集光させることができるために、さらに好ましいレーザ溶接を行うことができる。
【0058】支持凹部の幅をリード線の線径より小さくし、リードを支持凹部に圧入した状態でレーザ光を集中させて溶融させ支持凹部に溶着するようにしても、隙間のない強固な溶接を得ることができる。
【0059】リード線が電子部品から導出された柔状リード線とこの柔状リード線に結合した剛性材からなるものにおいては、レーザ光で柔状リード線の表皮を焼き剥がして剛性材に結合すると、溶接強度を高くすることができる。特に紫外線レーザ光で柔状リード線の表皮を焼き剥がして剛性材に結合すれば、すす等が残らないためにさらに溶接強度を高くすることができ、プラズマ雰囲気中でレーザ光による柔状リード線と剛性材との溶接を行えば、表皮の除去をより確実に行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成12年2月29日(2000.2.29)
【代理人】 【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清 (外1名)
【公開番号】 特開2001−243827(P2001−243827A)
【公開日】 平成13年9月7日(2001.9.7)
【出願番号】 特願2000−54566(P2000−54566)