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【発明の名称】 照明階段およびその施工方法
【発明者】 【氏名】林 淳一

【氏名】藤井 重昭

【要約】 【課題】階段の段板表面を広い領域にわたって好適に照明すると共に、強度、外観および安全性に優れた照明階段の提供を目的とする。

【解決手段】階段状に複数の段部を有する側板10と、該側板10の各段部に水平に配設される段板20と、上下に隣り合う段板20の先端部及び基端部間に垂直に配設される蹴込板30と、前記段板20の段鼻部21に設けられる段鼻カバー40とを備えた照明階段において、前記段鼻カバー40の傾斜部46に発光ダイオード50を設ける。これにより、階段の段板20を広い領域にわたって好適に照明すると共に、強度、外観および安全性に優れたものとなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 階段の段板の段鼻部に段鼻カバーが設けられ、前記段鼻カバーが、前記段板の段鼻部上面に対応する水平部と、その水平部から下方に延びて段鼻部先端面に対応する垂直部と、その垂直部の下端から裏面側に向けて斜め下方に延びる傾斜部とを有し、前記段鼻カバーの傾斜部に、1個ないし複数個の光源が斜め下方に指し向けて設けられていることを特徴とする照明階段。
【請求項2】 前記光源は発光ダイオードとなされている請求項1に記載の照明階段。
【請求項3】 前記段鼻カバーの傾斜部は、水平部に対して33度から70度の範囲の角度で垂直部の下端から裏面側に向けて斜め下方に延びるものとなされている請求項1および2に記載の照明階段。
【請求項4】 前記段鼻カバーは、硬質合成樹脂からなる請求項1ないし請求項3に記載の照明階段。
【請求項5】 既設階段を照明階段にリフォームする照明階段の施工方法であって、既設階段の段板の段鼻部上面に対応する水平部と、その水平部から下方に延びて段鼻部先端面に対応する垂直部と、その垂直部の下端から裏面側に向けて斜め下方に延びる傾斜部とを有すると共に、前記傾斜部に1個ないし複数個の光源が斜め下方に指し向けて設けられている段鼻カバーを、前既設階段の段板の段鼻部に取り付け、前記段板の段鼻部を除く領域の上面に、化粧板をその上面が前記段鼻カバーの水平部の上面と同一平面となる態様で配設することを特徴とする照明階段の施工方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、戸建て住宅の内階段等として好適に使用される照明階段とその施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、戸建て住宅の内階段等として好適に使用される照明階段として、実開昭54−94012号、実開昭58−11801号、実開平2−40835号および実開平7−16840号に示すようなものが知られている。これらの照明階段はいずれも段板の段鼻部下面に光源が設けられたもので、光源下方の段板を照明するものとなされている。
【0003】しかしながら、実開昭54−94012号、実開平2−40835号および実開平7−16840号に示すように、各段板の段鼻部下面に光源収容凹部を形成し、該光源収容凹部に光源を収容する場合、光源収容凹部を形成した分だけ段板の段鼻部の肉厚が薄くなり段鼻部の強度が低下するという問題があった。
【0004】また、実開昭58−11801号および実開平7−16840号に示すように、各段板の段鼻部下面に設けられた光源の前方に、光源カバーなるものが設けられている場合、当該階段を昇る人の足先がその光源カバーに接触して光源カバーが破損するおそれがあるという問題があった。
【0005】さらに、実開昭54−94012号、実開昭58−11801号および実開平7−16840号に示すように、各段板の段鼻部下面に光源が垂直下方に指し向けて設けられている場合、その光源すぐ下の段板基端部を中心に照明し、各段板の先端部がほとんど照らされないという問題があった。
【0006】一方、上述の各照明階段の他に、特開平10−269841号に示すような照明階段が知られている。この照明階段は、階段を降下する方向から見て段板の先端部が暗く、かつその他の部分が明るく照らされるように、各段板の段鼻部下面に光源を段板に対して一定の角度をなして設けたものである。これによれば、段鼻部下面に光源収容凹部を形成せずに光源を段鼻部下面に直接設けているので、段板の段鼻部の強度が低下することがない。また、光源カバーが段板に対して一定の角度をなして設けられているので、当該階段を昇る人の足先が光源や光源カバーに接触することが防止される。
【0007】しかしながら、この照明階段は、階段を降下する方向から見て段板の先端部が暗く、かつその他の部分を明るく照らすものとなされているが、実際上、このように段板の先端部が暗いと、かえって階段を視認しにくくなる。また、各段板の段鼻部下面において光源または光源カバーのみが露出状態に設けられると、階段を上昇する方向から見て外観上劣るとういう問題がある。さらに、各段板の段鼻部下面は階段を上昇する方向から視認可能なことにより化粧仕上げを要するが、この照明階段では光源が設けられている部分以外の部分に化粧仕上げを別途施さなければならないという問題もあった。
【0008】この発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであって、階段の段板表面を広い領域にわたって好適に照明すると共に、強度、外観および安全性に優れた照明階段の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、この発明は、階段の段板の段鼻部に段鼻カバーが設けられ、前記段鼻カバーが、前記段板の段鼻部上面に対応する水平部と、その水平部から下方に延びて段鼻部先端面に対応する垂直部と、その垂直部の下端から裏面側に向けて斜め下方に延びる傾斜部とを有し、前記段鼻カバーの傾斜部に、1個ないし複数個の光源が斜め下方に指し向けて設けられていることを特徴とする。
【0010】これによれば、前記段鼻カバーの傾斜部に1個ないし複数個の光源が斜め下方に指し向けて設けられているので、階段の光源下方の段板面を広い領域にわたって好適に照明することができる。また、光源が段鼻カバーに一体に設けられているので、段鼻部に光源収容凹部を形成する必要もなく段鼻部の強度を維持することができる。また、光源が設けられている段鼻カバーは、段鼻部下面や、段板と蹴込板との接触部分を覆うので、段鼻部下面に化粧仕上げを別途施したり、段板と蹴込板の接触部分の組付誤差を填補する必要もなく、良好な美感を簡単かつ確実に確保することができる。さらに、光源が設けられている段鼻カバーの傾斜部は、垂直部の下端から裏面側に向けて斜め下方に延びるものとなされているので、当該照明階段を昇る人のつま先が段鼻カバーの傾斜部や光源に接触せず、段鼻カバーの傾斜部や光源の破損を防止できる。
【0011】また、前記光源は発光ダイオードとなされているのが望ましい。これによれば、発光ダイオードは半永久的に使用できるためにメンテナンスを施す必要がなくなる上に、消費電力が低く経済的である。また、発光ダイオードはほとんど発熱しないために熱変形などの高温障害を防止することができ、しかも電球など他の光源に比べて柔らかい照明を演出することができる。
【0012】また、前記段鼻カバーの傾斜部は、水平部に対して33度から70度の範囲の角度で垂直部の下端から裏面側に向けて斜め下方に延びるものとなされているのが望ましい。これによれば、通常の階段すべてに適用することができる。
【0013】また、段鼻カバーは硬質弾性合成樹脂からなることが望ましい。これによれば、段鼻カバーをその弾性力により段板の段鼻部に簡単かつ確実に取り付けることができる。
【0014】一方、既設階段を照明階段にリフォームする照明階段の施工方法は、既設階段の段板の段鼻部上面に対応する水平部と、その水平部から下方に延びて段鼻部先端面に対応する垂直部と、その垂直部の下端から裏面側に向けて斜め下方に延びる傾斜部とを有すると共に、前記傾斜部に1個ないし複数個の光源が斜め下方に指し向けて設けられている段鼻カバーを、前既設階段の段板の段鼻部に取り付け、前記段板の段鼻部を除く領域の上面に、化粧板をその上面が前記段鼻カバーの水平部の上面と同一平面となる態様で配設することを特徴とする。
【0015】この方法によれば、既設階段を照明階段に簡単かつ確実にリフォームすることができる。また、段鼻カバーの水平部の上面と化粧板の上面とが同一平面となされているので、外観に優れたものとなる。なお、この発明における同一平面は、完全な面一状態だけでなく、段鼻カバーの水平部の上面と化粧板の上面との間に多少の段差が生じている状態も含まれる。
【0016】
【発明の実施の形態】[実施形態1]図1〜図6は、この発明に係る照明階段をひな段型の新設階段に適用した状態を示す図である。
【0017】図1に示すように、この照明階段は、左右一対の側板(10)と、該側板(10)に階段状に配設される複数の段板(20)と、上下に隣り合う段板(20)の先端部と基端部間に垂直に配設される蹴込板(30)と、段板(20)の段鼻部(21)に設けられる段鼻カバー(40)とを基本的な構成要素として備えている。
【0018】前記側板(10)は、図4に示すように、ひな段状に形成され、かつ水平に配置される複数の段部(11)を有しており、互いの段部(11)を対応させながら平行に並んだ状態で家屋構造物等に固定されている。
【0019】この側板(10)は、木質製のものが使用されており、例えば合板、単板積層材、集成材、中質繊維板等の木材系材が単独または2種以上に組み合わされたものが好適に使用される。また、前記側板(10)は、施工後に露出する部分について化粧が施されており、例えば紙、合成樹脂シートなどの模様印刷シートや、化粧単板が貼着されたもや、着色処理、塗装処理がなされたものがある。
【0020】前記段板(20)は、上述の一対の側板(10)間に架け渡し得る長さを有しており、先端の段鼻部(21)の上面側には、カバー装着用凹段部(22)が階段幅方向(図1または図2の紙面に向かって垂直方向)に沿って形成されると共に、その凹段部(22)の後端縁部には、脚部嵌合溝(23)が階段幅方向に沿って形成されている。また、段板(20)の下面側先端部には、蹴込板係止用段部(25)が階段幅方向に沿って形成されるとともに、上面側後端縁部には、蹴込板挿入溝(26)が階段幅方向に沿って形成されている。そして、段板(20)は、上記一対の側板(10)間に架け渡される態様で各段部(11)に水平に配置され、その状態で、段板(20)の脚部嵌合溝(23)および蹴込板挿入溝(26)に上面側から釘、スクリュー釘、木ねじ、ビス等の釘類(53)が打ち込まれることにより側板(10)に固定される。
【0021】この段板(20)は、例えば合板、単板積層材、集成材、中質繊維板、硬質繊維板、パーティクルボード等の木質材を単独または2種以上組み合わせたものが好適に使用される。また、段板(20)の段鼻部(21)を除く上面側には、紙、合成樹脂シート等の模様印刷シートを貼着したり、あるいは着色処理、塗装処理を行うことにより任意の化粧が施されている。
【0022】前記蹴込板(30)は、段板(20)よりも薄く、例えば合板、中質繊維板、硬質繊維板等の木質材を、単独または2種以上組合せたものにより構成されるとともに、その上部の幅方向中央部において配線コード挿通孔(31)が形成されている。そして、その下端縁が上下に隣り合う段板(20)のうち下側の段板(20)の蹴込板挿入溝(26)に挿入されると共に、上端縁の裏面が上側の段板(20)の蹴込板係止用段部(25)に当接係止される状態で垂直に配設され、これにより蹴込板挿入溝(26)内に打ち込まれた釘類(53)の頭部が、蹴込板(30)に隠蔽されることになる。
【0023】前記段鼻カバー(40)は、段板(20)の段鼻部(21)におけるカバー装着用凹段部(22)に対応する水平部(41)と、該水平部(41)の先端から下方に延びて段鼻部(21)の先端面に対応する垂直部(45)と、該垂直部(45)の下端から裏面側に向けて斜め下方に延び、かつ段鼻部(21)の先端面下端から蹴込板(30)の前面上部にかけての部分に対応する傾斜部(46)とからなる。
【0024】この段鼻カバー(40)は、例えばABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂に、木粉、合成繊維、無機質繊維、天然繊維等が混入された樹脂塑性物を、押出成形等により熱成形した樹脂成形品(合成木材)からなるものが好適に使用される。
【0025】水平部(41)は、その後端縁において垂直下方に延びる嵌合脚部(43)が階段幅方向に沿って一体的に設けられると共に、上面に滑り止め溝(42)が階段幅方向に沿って複数段形成されている。そして、水平部(41)は、段板(20)のカバー装着用凹段部(22)に適合配置されることにより、その上面が段板(20)の中間領域上面に対して同一平面上に配置される。
【0026】傾斜部(46)は、垂直部(45)の下端から裏面側に向けて延び、その下端が裏面側に折り返される態様で蹴込板係止部(47)が階段幅方向に沿って形成されており、蹴込板係止部(47)が蹴込板(30)の上部表面に弾性接触するものとなされている。なお、傾斜部(46)の水平部(41)に対する傾斜角度が33度から70度の範囲内にある場合、通常の階段において、発光ダイオード(50)下方の段板(20)を広い領域にわたって好適に照明することができる。
【0027】また、段鼻カバー(40)の裏面側における垂直部(45)と傾斜部(46)との間には、挟着用凸部(48)が階段幅方向に沿って形成されている。
【0028】この構成の段鼻カバー(40)は、その嵌合脚部(43)を段板(20)の脚部嵌合溝(23)に嵌着してから、水平部(41)に対して垂直部(45)を傾斜部(46)と共に前方(外側)に押し開くように弾性変形させて、その状態で水平部(41)を段鼻部(21)の上面に配置させたあと、垂直部(45)を弾性復帰させることにより段鼻部(21)に嵌着される。
【0029】この実施形態では、段鼻カバー(40)の水平部(41)と垂直部(45)の内角が直角より小さく、つまり段鼻部(21)の上面と先端面との角度よりも小さく設定されており、段鼻カバー(40)を段鼻部(21)に装着した状態においては、段鼻カバー(40)の弾性力に基づき、段鼻カバー(40)の挟着用凸部(48)と嵌合脚部(43)とにより段鼻部(21)が狭持されて、段鼻部(21)に確実に固定される。こうして段鼻カバー(40)の水平部(41)と垂直部(45)が、段鼻部(21)の上面及び先端面に適合状態に配置されると共に、段鼻カバー(40)の傾斜部(46)が段鼻部(21)の先端面下端から蹴込板(30)の上部表面にかけての部分に傾斜姿勢に配置される。
【0030】また、傾斜部(46)の中央部には発光ダイオード装着孔(44)が穿設され、該発光ダイオード装着孔(44)には、発光ダイオード(50)がきのこ形状の透明カバー(54)を介して斜め下方に指し向けて装着され、その下方にある段板(20)の段鼻部(21)とその他の部分を照明するものとなされている。そして、発光ダイオード(50)の下端部には、他端に雄型コネクタ(51a)が設けられた上側配線コード(51)の一端と、他端に雌型コネクタ(52a)が設けられた下側配線コード(52)の一端とがそれぞれ設けられており、階段裏側において、その上側配線コード(51)の雄型コネクタ(51a)と一段上の発光ダイオード(50)の下側配線コード(52)の雌型コネクタ(52a)とが結合される一方、下側配線コード(52)の雌型コネクタ(52a)と一段下の発光ダイオード(50)の上側配線コード(51)雄型コネクタ(51a)とが結合されるものとなされている。
【0031】なお、前記透明カバー(54)は、破損しにくい材質、例えばポリカーボネートなどからなり、発光ダイオード(50)を保護したり、発光ダイオード(50)の光を分散させたり又は絞らせて照明範囲を調節する役割を有する。
【0032】以上の構成の照明階段は、例えば次のような手順で施工される。
【0033】まず、図5に示すように、側板(10)の最下段の位置に蹴込板(30)を垂直に配設すると共に、最下段の段部(11)に段板(20)を水平に配置して、該段板(20)を釘類(53)により側板(10)に固定する。続いて、最下段の段板(20)の蹴込板挿入溝(26)に、2段目の蹴込板(30)の下端縁を挿入すると共に、側板(10)の2段目の段部(11)に段板(20)を水平に配置し、その段板(20)を釘類(53)により固定し、以下同様にして、蹴込板(30)及び段板(20)を順次配設していく。
【0034】次に、図6に示すように、段鼻カバー(40)に装着された発光ダイオード(50)の上側配線コード(51)および下側配線コード(52)を、上記配設された蹴込板(30)の配線コード挿通孔(31)に挿通して階段の裏側に配置したあと、段鼻カバー(40)を段板(20)の段鼻部(21)に取り付けていく。
【0035】そして、階段裏側において、上側配線コード(51)の雄型コネクタ(51a)と一段上の発光ダイオード(50)の下側配線コード(52)の雌型コネクタ(52a)とを結合すると共に、下側配線コード(52)の雌型コネクタ(52a)と一段下の発光ダイオード(50)の上側配線コード(51)の雄型コネクタ(51a)とを結合していく。
【0036】あとは、最下段の発光ダイオード(50)の下側配線コード(52a)を図示略の電源に接続すれば、各発光ダイオード(50)がその下方の段板(20)の先端部およびその他の部分を照明し得るものとなり、この発明に係る照明階段の施工が完了する。なお、発光ダイオード(50)のオンオフは、室内の明暗によって電源のオンオフを制御する光感知センサーや、人物を感知することによって電源のオンオフを制御する人感知センサーなどを用いるのが望ましい。
【0037】このように、前記段鼻カバー(40)の傾斜部(46)に1個ないし複数個の発光ダイオード(50)が斜め下方に指し向けて設けられているので、下方の段板(20)を広い領域にわたって好適に照明することができる。
【0038】また、発光ダイオード(50)が段鼻カバー(40)に一体に設けられているので、段鼻部(21)に光源収容凹部を形成する必要もなく段鼻部(21)の強度を維持することができる。
【0039】また、発光ダイオード(50)が設けられている段鼻カバー(40)は、段鼻部(21)の下面や、段板(20)と蹴込板(30)との接触部分を覆うので、段鼻部(21)の下面に化粧仕上げを別途施したり、段板(20)と蹴込板(30)の接触部分の組付誤差を填補する必要もなく、良好な美感を簡単かつ確実に確保することができる。
【0040】さらに、発光ダイオード(50)が設けられている段鼻カバー(40)の傾斜部(46)は、垂直部(45)の下端から裏面側に向けて斜め下方に延びるものとなされているので、当該照明階段を昇る人のつま先が段鼻カバーの傾斜部や光源に接触せず、段鼻カバー(40)の傾斜部(46)や発光ダイオード(50)の破損を防止できる。
【0041】なお、この実施形態では、段鼻カバー(40)の裏面に挟着用凸部(48)を形成して、この挟着用凸部(48)と嵌合脚部(43)とにより段板(20)の段鼻部(21)を挟持するようにしているが、段鼻カバー(40)に挟着用凸部(48)を形成せずに、嵌合脚部(43)の段板(20)の脚部嵌合溝(23)への嵌着作用により、段鼻カバー(40)を段板(20)に固定するように構成してもよい。また、段鼻カバー(40)の水平部(41)に嵌合脚部(43)を複数形成すると共に、それに対応させて、段板(20)の脚部嵌合溝(23)も複数形成し、各脚部を各脚部嵌合溝(23)に嵌着することにより、段鼻カバー(40)を段板(20)に固定するように構成してもよい。さらに、段鼻カバー(40)の水平部(41)に嵌合脚部(43)を形成しないものであってもよい。
【0042】また、段鼻カバー(40)を段板(20)の段鼻部(21)に装着した際に、段鼻カバー(40)の水平部(41)の上面が、段板(20)の中間領域上面に対して同一平面となるように構成しているが、これに限らず、段鼻カバー(40)の水平部(41)の肉厚を大きくしたり、または段板(20)のカバー装着用凹段部(22)の深さを浅く形成しあるいはカバー装着用凹段部(22)をなくすことによって、水平部(41)の上面が、段板(20)の中間領域よりも上位に配置されるように構成してもよい。この場合、水平部(41)の段板側縁部を面取り状の傾斜面に形成し、段板(20)の中間領域上面に対して段差が形成されないようにするのが望ましい。
【0043】また、段鼻カバー(40)をその挟着力により段板(20)の段鼻部(21)に固定するものとしたが、段鼻カバー(40)に上面側から釘、スクリュー釘、木ねじ、ビス等の釘類を打ち込むことにより段板(20)の段鼻部(21)に固定するものとしてもよいし、また両面粘着テープや接着剤により段板(20)の段鼻部(21)に固定するものとしてもよい。
【0044】また、側板(10)がひな段状に形成されたひな段型の新設階段に適用するものとしたが、これに限られず、例えば図7に示すように、ボックス型の新設階段に適用するものであってもよい。このボックス型の新設階段は、階段傾斜角度に応じた長さを有し、かつ互いに平行に並んだ側板(110)の対向面に、段板差込口(110a)と蹴込板差込口(110b)が蹴上げ高さごとに形成されており、それら対向する段板差込口(110a)と蹴込板差込口(110b)にそれぞれ段板(120)と蹴込板(130)が両側端部を差し込まれ、釘やビス等で固定されている。なお、図7において、図1に示した照明階段と同一のものについては同一符号を付してこれを省略する。
[実施形態2]図8〜図14は、この発明に係る照明階段をボックス型の既設階段に適用した状態を示す図である。
【0045】図8に示すように、この照明階段は、既設階段(60)に発光ダイオード(50)を有する段鼻カバー(90)を取り付けると共に、既設階段(60)の段板(61)上に下地材(71)および化粧板(70)を水平に配設し、かつ蹴込板(64)の前方に化粧蹴込板(80)を垂直に配設したものである。
【0046】前記既設階段(60)は、左右一対の側板(63)と、それら側板(63)に両側端部が差し込まれる態様で配設される複数の段板(61)および蹴込板(64)とを基本的な構成要素として備えている。
【0047】前記側板(63)は、段板(61)および蹴込板(64)の幅方向両側端部を差し込むための段板差込口(63a)および蹴込板差込口(63b)が形成されており、互いの段板差込口(63a)および蹴込板差込口(63b)を対応させながら平行に並んだ状態で家屋構造物等に固定されている。
【0048】前記段板(61)は、上述の一対の側板(63)(63)間に架け渡し得る長さを有しており、下面側前端縁部には蹴込板挿入溝(61a)が階段幅方向に沿って形成されている。そして、段板(61)は、両側端部を両側板(10)(10)の対応する段板差込口(63a)(63a)に差し込む態様で階段状に水平に配設されている。
【0049】前記蹴込板(64)は、上述の一対の側板(63)間に架け渡し得る長さを有しており、両側端部が両側板(63)(63)の対応する蹴込板差込口(63b)(63b)に差し込まれると共に、その下端縁が上下に隣り合う段板(61)のうち下側の段板(61)の後端面に釘類により固定され、かつ上端縁が上側の段板(61)の蹴込板挿入溝(61a)に挿入されることによって、各段板(61)間に垂直に配設されている。
【0050】一方、前記下地材(71)は、主に発光ダイオード(50)の上側配線コード(51)を配線する箇所を形成するもので、化粧板(70)の幅の1/2よりやや小さい幅を有し、かつ化粧板(70)より長い奥行きを有する2枚一組の薄板材である。そして、これら2枚一組の下地材(71)を、その先端面を段板(61)の先端面に取り付けられた後述の段板用スペーサー(72)の先端面に一致させ、かつ側板(63)側の端面を側板(63)に当接させる態様で、互いに所定の隙間をあけて両面粘着テープ等の任意の方法により段板(61)上に固定する。この隙間が、後述の発光ダイオード(50)の上側配線コード(51)を配線するためのコード配線溝(73)で、該コード配線溝(73)に上側配線コード(51)を配線したあと、細長矩形状のアルミテープ(74)により上方を覆うものとなされている。
【0051】前記化粧板(70)は、前記側板(63)間の距離と同一の幅を有し、かつ前記段板(61)より所定長さだけ短い奥行きを有する薄板材である。そして、この化粧板(70)は、その先端面を既設階段(60)に取り付けられた段鼻カバー(90)の後端面に当接させる態様で、両面粘着テープ等の任意の方法により下地材(71)上に水平に配設する。これにより、前記下地材(71)が被覆されるとともに、段鼻カバー(90)の水平部(91)の上面と化粧板の上面とが同一平面となされるので外観に優れたものとなるなお、この下地材(71)の表面と前記化粧板(70)の裏面とにそれぞれアルミ泊を貼着し、それらアルミ箔同士を両面粘着テープ等の任意の方法により貼着することによって、下地材(71)と前記化粧板(70)との密着度合いを向上させるのが望ましい。
【0052】前記段板用スペーサー(72)は、段鼻カバー(90)の取り付け位置を調整したり、発光ダイオード(50)の上側配線コード(51)を配線する箇所を形成するもので、その上面が段板(61)の上面と同一平面となる態様で段板(61)の先端面に両面粘着テープ等の任意の方法により取り付ける。そして、この段板用スペーサー(72)の中央部には縦方向にコード配線溝(72a)が形成されており、発光ダイオード(50)の上側配線コード(51)が配線されるものとなされている。
【0053】前記化粧蹴込板(80)は、主に段鼻カバー(90)の発光ダイオード(50)の上側配線コード(51)と下側配線コード(52)を配線する空間を形成するもので、前記側板(63)間の距離と同一の幅を有する薄板材である。この化粧蹴込板(80)の上端部中央には配線コード挿通孔(81)が穿設されると共に、化粧蹴込板(80)の裏面には4本の直方体状の蹴込板用スペーサー(82)が、化粧蹴込板(80)の高さ方向に沿う態様で幅方向に等間隔に設けられている。そして、化粧蹴込板(80)は、その裏面の蹴込板用スペーサー(82)の後面を蹴込板(64)の表面に貼着させることによって、上下に隣り合う段板(61)間に垂直に配設する。このとき、蹴込板用スペーサー(82)によって化粧蹴込板(80)と蹴込板(64)との間に直方体状の空間が3箇所形成されるが、このうち中央の空間が配線空間(83)となされ、発光ダイオード(50)の上側配線コード(51)および下側配線コード(52)が配線される。
【0054】前記段鼻カバー(90)は、水平部(91)を除いて実施形態1の段鼻カバー(40)と同様の構成で、水平部(91)と、該水平部(91)の先端から下方に垂直に延びる垂直部(95)と、該垂直部(95)の下端から裏面側に向けて斜め下方に延びる傾斜部(96)とからなる。
【0055】水平部(91)は、実施形態1の段鼻カバー(40)の水平部(41)と異なり嵌合脚部(43)が形成されておらず、その上面が下地材(71)の上面に対して段差をなして配置されている。そして、滑り止め溝(92)の後方に形成された固定金具取付用溝(104)に上面側から釘、スクリュー釘、木ねじ、ビス等の釘類(102)が打ち込まれることにより段板(61)に固定され、化粧テープ(103)などにより釘類(103)の頭部が隠蔽されている。
【0056】また、傾斜部(96)の中央部には発光ダイオード装着孔(94)が穿設され、該発光ダイオード装着孔(94)には、実施形態1と同じ発光ダイオード(50)がきのこ形状の透明カバー(54)を介して斜め下方に指し向けて装着されている。そして、化粧蹴込板(80)裏側の配線空間(83)において、その上側配線コード(51)の雄型コネクタ(51a)と上側の発光ダイオード(50)の下側配線コード(52)の雌型コネクタ(52a)とが結合される一方、下側配線コード(52)の雌型コネクタ(52a)と下側の発光ダイオード(50)の上側配線コード(51)の雄型コネクタ(51a)とが結合される。
【0057】以上の構成の照明階段は、例えば次のような手順で施工される。
【0058】まず、図10に示すように、段板用スペーサー(72)を、その上面が段板(61)の上面に対して同一平面となる態様で既設階段(60)の段板(61)の先端面に取り付けたあと、図11に示すように、2枚一組の下地材(71)を、その先端面が前記段板用スペーサー(72)の先端面と同一平面となり、かつその後端面が蹴込板(64)に当接する態様で、互いに所定の隙間をあけて各段板(61)に配設していく。
【0059】次に、図12に示すように、段鼻カバー(90)を各段板(61)の先端部に取り付けたあと、固定金具取付用溝(104)に上面側から釘、スクリュー釘、木ねじ、ビス等の釘類(102)を打ち込むことにより段板(61)に固定し、化粧テープ(103)等により釘類(103)の頭部を隠蔽する。このとき、発光ダイオード(50)の上側配線コード(51)を、段板用スペーサー(72)および下地材(71)のコード配線溝(72a)(73)に配線し、かつ一段上の段鼻カバー(90)に装着された発光ダイオード(50)の下側配線コード(52)と結線すると共に、発光ダイオード(50)の下側配線コード(52)を、一段下の段鼻カバー(90)に装着された発光ダイオード(50)の上側配線コード(51)と結線し、アルミテープ(74)を下地材(71)のコード配線溝(73)を覆う態様で下地材(71)の縁部に貼着する。
【0060】そして、図13に示すように、化粧板(70)を、その先端面を段鼻カバー(90)の水平部(91)の後端面に当接させる態様で、各段部の下地材(71)上に両面粘着テープ等の任意の方法により配設していく。
【0061】あとは、図14に示すように、化粧蹴込板(80)を、その裏面に取り付けられた蹴込板用スペーサー(82)の後面を蹴込板(64)の表面に貼着させることによって、各蹴込板(64)の前方に垂直に配設していけば照明階段のリフォームが完了する。
【0062】なお、この実施形態では、側板(63)に段板(61)および蹴込板(64)を差し込むボックス型の既設階段に適用するものとしたが、側板がひな段状に形成されたひな段型の既設階段に適用するものであってもよい。
【0063】また、以上いずれの実施形態でも、光源として発光ダイオード(50)を使用したが、これに限られず、電球などその他の光源を使用してもよい。ただ、発光ダイオード(50)は半永久的に使用できるためにメンテナンスを施す必要がなくなる上に、消費電力が低く経済的である。また、発光ダイオード(50)はほとんど発熱しないために熱変形などの高温障害を防止することができ、しかも電球など他の光源に比べて柔らかい照明を演出することができる。
【0064】また、1個の発光ダイオード(50)を各段鼻カバー(40)(90)に設けるものとしたが、複数個の発光ダイオード(50)を各段鼻カバー(40)(90)の幅方向に一定間隔をおいて設けるものであってもよいし、複数個の発光ダイオード(50)が一体化されたものを段鼻カバー(40)(90)に設けるものであってもよい。
【0065】また、照明階段を蹴込板(30)(80)を有する新設階段または既設階段に適用したが、蹴込板を有しない新設階段または既設階段に適用してもよい。
【0066】また、配線コード(51)(52)の配線方法として、例えば、図15に示すように、階段の昇降方向にジグザグ状に配線する方法や、図16に示すように、階段の幅方向にジグザグ状に配線する方法、あるいは、図17に示すように、配線コード(51)(52)の一部を側板(10)に配線する方法が挙げられる。
【0067】これら配線方法のうち、図15に示す配線方法において、照明階段を新設階段に適用する場合は、各配線コード(51)(52)を階段裏側に配線する一方、照明階段を既設階段に適用する場合は、各段板(61)の所定箇所に形成された配線溝(73)と、蹴込板(64)および化粧蹴込板(80)間の配線空間(83)とに配線する。
【0068】図16に示すような配線方法において、照明階段を新設階段に適用する場合は、各配線コード(51)(52)を段鼻カバー(40)の裏側と階段裏側とに配線する一方、照明階段を既設階段に適用する場合は、各配線コード(51)(52)を段鼻カバー(90)の裏側と、各段板(61)の所定箇所に形成された配線溝(73)と、蹴込板(64)および化粧蹴込板(80)間の配線空間(83)とに配線する。
【0069】図17に示すような配線方法は、照明階段を新設階段および既設階段のいずれの階段に適用する場合においても、各配線コード(51)(52)を段鼻カバー(40)(90)の裏側と、側板(10)(63)に設けられた配線コードカバー(101)内部とに配線する。なお、この配線方法で照明階段を新設階段に適用する場合は、側板(10)に配線コード(51)(52)を配線するための配線溝を傾斜方向に形成し、該配線溝に配線コード(51)(52)を配線したあと、配線コードカバー(101)により覆うものとしてもよい。このように配線コード(51)(52)の配線方法は様々なものが考えられるが、これらの配線方法に限られるものでなく、その他の配線方法であってもよい。
【0070】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、前記段鼻カバーの傾斜部に1個ないし複数個の光源が斜め下方に指し向けて設けられているので、階段の光源下方の段板面を広い領域にわたって好適に照明することができる。また、光源が段鼻カバーに一体に設けられているので、段鼻部に光源収容凹部を形成する必要もなく段鼻部の強度を維持することができる。また、光源が設けられている段鼻カバーは、段鼻部下面や、段板と蹴込板との接触部分を覆うので、段鼻部下面に化粧仕上げを別途施したり、段板と蹴込板の接触部分の組付誤差を填補する必要もなく、良好な美感を簡単かつ確実に確保することができる。さらに、光源が設けられている段鼻カバーの傾斜部は、垂直部の下端から裏面側に向けて斜め下方に延びるものとなされているので、当該照明階段を昇る人のつま先が段鼻カバーの傾斜部や光源に接触せず、段鼻カバーの傾斜部や光源の破損を防止できる。
【0071】請求項2に係る発明によれば、発光ダイオードは半永久的に使用できるためにメンテナンスを施す必要がなくなる上に、消費電力が低く経済的である。また、発光ダイオードはほとんど発熱しないために熱変形などの高温障害を防止することができ、しかも電球など他の光源に比べて柔らかい照明を演出することができる。
【0072】請求項3に係る発明によれば、この照明階段を通常の階段すべてに適用することができる。
【0073】請求項4に係る発明によれば、段鼻カバーをその弾性力により段板の段鼻部に簡単かつ確実に取り付けることができる。
【0074】請求項5に係る発明によれば、既設階段を照明階段に簡単かつ確実にリフォームすることができる。また、段鼻カバーの水平部の上面と化粧板の上面とが同一平面となされているので、外観に優れたものとなる。
【出願人】 【識別番号】000213769
【氏名又は名称】朝日ウッドテック株式会社
【出願日】 平成12年1月7日(2000.1.7)
【代理人】 【識別番号】100071168
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 久義 (外2名)
【公開番号】 特開2001−195917(P2001−195917A)
【公開日】 平成13年7月19日(2001.7.19)
【出願番号】 特願2000−1300(P2000−1300)