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【発明の名称】 平面表示灯
【発明者】 【氏名】池田 誠

【要約】 【課題】導光体内部の光の届きにくい隅への配光を、側壁の形状を変更し散乱体を取り付けることで向上させ、光源の数を2個から1個に低減しても均一な照明体として機能する平面表示灯を提供する。

【解決手段】導光体24の側面のうちで、短辺を有する一対の側面のうちでいずれか1つを除く3つの側面は、テーパ形状の傾斜を有し、発光ダイオード12が十分取り付け可能な大きさの凹部を持つ。導光体24は、底面へドットパターン印刷に加えて、ベタ塗り状態の印刷パターン42を設置する。この印刷パターン42により光量不足領域22は、領域18−5と同等ないしそれ以上に明るくなり、発光ダイオード12が1つの均一な照明体として機能する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】光源からの光を導く導光体が平板状の直方体で、最も面積の大きい2つの面のうちの一方を上面とし、他方を底面とし、四方を囲む面を側面とし、前記底面に光散乱手段を有する平面表示灯において、前記側面のうち少なくとも1つ以上の側面に、前記上面から底面にかけて傾斜を有し、前記側面の内のいずれか1つに、1つの光源を備えることを特徴とする平面表示灯。
【請求項2】前記傾斜は、前記上面から前記底面までの途中までであることを特徴とする請求項1記載の平面表示灯。
【請求項3】前記光源を有する側面の中央部に、少なくとも前記光源が格納可能な大きさの凹部を有することを特徴とする請求項1または2記載の平面表示灯。
【請求項4】前記光源は、前記傾斜を有する側面の前記底面で、前記光源から発光した光が前記傾斜に反射して前記導光体内部に広がる位置に設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の平面表示灯。
【請求項5】前記側面の中央部に、前記底面に有する光源からの光が散乱と反射とをするように曲面状のくぼみである凹面を有することを特徴とする請求項4記載の平面表示灯。
【請求項6】前記光源は、前記傾斜を有する側面の、傾斜部分と底面とに挟まれた領域に設けられていることを特徴とする請求項4記載の平面表示灯。
【請求項7】前記導光体から出射する光の光量が不足する領域に近接する傾斜した導光体側面直下の底面に光散乱手段を有する領域を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の平面表示灯。
【請求項8】前記導光体から出射する光の光量が不足する領域に近接する傾斜した導光体側面を前記側面直下の底面とに光散乱手段を有する領域を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の平面表示灯。
【請求項9】前記導光体は、前記側面と前記底面とを白色ケースで覆うことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の平面表示灯。
【請求項10】前記光源は、発光ダイオードであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の平面表示灯。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平面表示灯、特に、光源を1個とし、均一に光を取り出すことのできる平面表示灯に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の平面型の均一照明体として代表的な例としては、液晶バックライトや広告の看板等があげられる。液晶バックライトは、線状の光源を用いてシート状の導光体の側面から導光する、または線状の光源の代わりに点状の発光体を一列に並べて導光する例をあげることができる。広告の看板等では、蛍光灯のような線状の光源を何列にも渡って並べ、その上に均一散乱板を配置した構成や、あるいは点状の発光体を2次元のアレイ状に配置した構成の例をあげることができる。
【0003】本出願人が開発した平面表示灯は、直方体の導光体で側面中央部2カ所に点光源を配置した構成をとる。均一照明を得るため、導光体底面には散乱光発生用の印刷パターンが形成されている。このような印刷パターンのパターン決定方法については、本出願人に係る特願平11−205710号明細書「平面表示灯および光散乱体パターンの形成方法」において提案されている。この提案に係るパターン決定方法は、わずか2つの点光源で均一な平面上の照明体が得られるので、低コスト、低消費電力、線状の均一光源ないし点光源のアレイ配置が不要といった特徴を有している。
【0004】前記提案に係る平面表示灯および光散乱体パターンの形成方法の構成を、図1から図3を参照して説明する。図1は、平面表示灯部品の斜視図である。図2は、発光ダイオードの発光状態を示す断面図である。図3は、光強度分布を示す図である。
【0005】導光体10(27×50×3.5mm)には、図1に示すように発光ダイオード12と、発光ダイオード14とが取り付けられている。白色のケース16にこの導光体10が納められると、ケース16がこの導光体10の側面と底面を覆う。発光ダイオード12と発光ダイオード14は、図2の示すように導光体10のいずれかの側面に取り付けられ、発光すると出射光20が放射状に広がるものである。
【0006】領域18−1から18−5は、図1または図3に示したように、発光ダイオード14からの出射光20が導光体10の底面に形成した光を、強度分布等高線で区切ったものである(領域18−5に対する領域18−1の光強度比は約3.5倍)。これをもとに、導光体10の底面には光強度比に反比例した面積のドット状の光散乱体パターンを設けて補正し、均一な光強度分布を得ている。また、提案に係る平面表示灯部品である導光体10の出射光の拡がり角2θは、約60度である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述の提案に係る平面表示灯および光散乱体パターンの形成方法の導光体は、2つの発光ダイオードを備えている。ここで発光ダイオードを1つ取り外すと、光強度分布は図4のようになり、特に出射光量不足に陥る光量不足領域22−1および22−2が発生する。これは、発光ダイオードの直接光が届かず、主に取り外した他の発光ダイオードの直接および多重反射光によって照らされていた部位にあたるためと考えられる。光量不足領域22−1,22−2と光強度の最も強い領域18−1との光強度比は、7倍の開きがあった。このとき光量不足領域の底面を白色ベタ塗り状態とし、光強度の最も強い領域は1mm2 あたり0.09mm2 のドット(面積比11倍)としても、光量不足領域22−1,22−2に対して光強度の最も強い領域18−1の光強度は、2倍以上あるため、均一な光源とはなりにくかった。
【0008】この要因として、各印刷ドットが全体的に大きいため、光源近傍への配分が多くなり光量不足領域の方には十分な光が到達しなかったことも考えられ、各ドットの面積配分を変えずに全体的に面積を小さく(たとえば光強度の最も強い領域18−1は0.045mm2 、光量不足領域22−1または22−2は0.5mm2 )することで、より均一な分布になる可能性がある。しかし、全体的にドット面積を小さくしすぎると今度は、上面方向への出射も少なくなり、導光体の角やキズ等の欠陥部分から輝線のような出射が目立ち始めた。
【0009】すなわち直方体状導光体のいずれか一辺の中央部に、点光源を配置した場合、長方形の隅(入射面側の隅)には、光量が十分に行き渡らない傾向がある。このことは、光源の出射光分布は中央部法線方向が強く周辺(法線に対して90度方向)ほど弱くなっているため、入射面の延長上の隅には光が直接届かないためである。
【0010】本発明の目的は、導光体内部で直接光の届きにくい隅の方への配光を向上させることで、光源の数を2個から1個に低減しても、均一な照明体として機能する平面表示灯を提供することにある。
【0011】本発明の他の目的は、光源の数を1個にすることで消費電力を低減した平面表示灯を提供することにある。
【0012】本発明のさらに他の目的は、導光体形成工程を簡素化し、導光体の品質を向上させた平面表示灯を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の平面表示灯は、平板状の直方体で、光源からの光を導く導光体が平板状の直方体で、最も面積の大きい2つの面のうちの一方を上面とし、他方を底面とし、四方を囲む面を側面とし、前記底面に光散乱手段を有する平面表示灯において、前記側面のうち少なくとも1つ以上の側面に、前記上面から底面にかけて傾斜を有し、前記側面の内のいずれか1つに、1つの光源を備えることを特徴とする。
【0014】また平面表示灯の光散乱手段は、前記導光体は出射する光の光量が不足する領域に近接する傾斜した導光体側面と該側面直下の底面とに光散乱手段を有する領域を設け、前記光量が均一になるようにすることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の平面表示灯の原理はつぎのように説明される。直方体形状の導光体に光源から入射された光が、導光体底面に設けた光散乱体で散乱され、導光体上面から出射する。この光散乱体はドット状の印刷パターンであり、そのドットの大きさと密度の面内分布を適切に設計することにより、少数の点状光源を導光体側面に配置しただけでも、導光体上面からの出射光の強度を出射面内でほぼ均一にすることが可能である。
【0016】導光体内での光の状態をより詳しく説明する。導光体底面のドット状印刷パターンに入射した光は、この印刷パターンにより導光体内に散乱される。一方、印刷パターンの存在しない位置に入射した光はスネルの法則にしたがって導光体表面で全反射されるか、もしくは導光体外の空間に出射される。すなわち導光体表面への法線と導光体内部の光線のなす角をψ、導光体の屈折率をnとすると、スネルの法則から、n・sinψ>1の場合、光線は導光体の各表面で全反射される。この条件が満たされる限り、光線は導光体内で多重反射され、導光体外へは出ない。一方、n・sinψ<1の場合、光線は導光体から出射される。この平面表示灯の場合は導光体の出射面を除く各面は白色ケースで覆われているため、導光体外へ出射した光は、このケースで一部反射され、再び導光体内へ戻る場合もある。導光体がアクリル製の場合、アクリルの屈折率はn=1.49であるので、ψ=42度の臨界角となる。
【0017】上述のように、ケースを含めた導光体内の光の振る舞いは複雑であるが、光散乱体によって散乱され出射光として利用される光の割合はかなり大きい。したがって光散乱体が存在する割合を面内で調整することにより、出射光強度の分布を均一化することが可能となる。
【0018】しかしながら、従来の直方体形状の導光体で光源の数を1個のみとすると、出射光の均一性を維持するのは、図4に示したように印刷パターンによる光散乱体の分布設計による手段だけでは困難となる。既に述べたように、光源を配置した面の両端部分の出射光量がとくに不足する傾向がある。しかし1個の点状光源のみで、均一性のよい平面表示灯を実現することは、コスト低減、製造の簡素化、消費電力の低減など多くの利点がある。
【0019】そこで、発明者は直方体形状の導光体の側面に光散乱体を設けることを発案した。既提案に係る従来の導光体の側面は、上述の光散乱体がない部分の底面と同様なはたらきをするだけで、出射光への影響は比較的少なかった。前記光量の不足する部分に近接する側面部分に光散乱体を設けることにより、側面から外部へ出射していた光を有効に活用できるようになることが期待できる。実際に該当部分にベタ塗り印刷パターンを設けると、光量不足部分の光量増加に顕著な効果があった。
【0020】しかし導光体底面と側面の両方に印刷を施すことは、製造工程が複雑化するという問題点がある。そこで導光体底面だけに印刷パターンを形成する方法で、前記側面への光散乱体形成を代替する方法を発明した。その実施例を図5,図6を参照して説明する。図5は、本実施例の導光体の斜視図である。図6は、本実施例の平面,正面,裏面または側面を示す図である。
【0021】導光体24は、図5に示すように平板状の直方体で、最大面積の面の一方の面である導光体上面26(図6参照)と、上面に対向する面である導光体底面28と、四方を囲む側面30,32,34,36とを有する。導光体24の側面のうちの1つである側面36を除く3つの側面30,32,34は、テーパ状の傾斜を有する。本実施例の傾斜角度の一例は、45度の傾斜を有するものである。
【0022】傾斜を有する側面30は、テーパ形状を切り取るように中央部に上面から底面に貫く形状で、発光ダイオード12が十分取り付け可能な大きさの凹部38を有する。また凹部38は、発光ダイオード12の発した光のうちで最短距離で直進した光が、対向する側面36に対してほぼ垂直に交わるようになるよう発光ダイオード12が設置できるように設けられることが望ましい(図6参照)。
【0023】次に、導光体24は、図6に示すように、発光ダイオード12が発光されると光強度分布にしたがった領域18と、領域18−5よりも光量が不足する光量不足領域22とがある。ここで、導光体24の従来例にあるドットパターン印刷40は導光体上面直下に設ける。これに加えて光量不足領域に近接する傾斜側面直下に、ベタ塗り状態の印刷パターン42を設置する。この印刷パターン42により光量不足領域22は、領域18−5と同等ないしそれ以上に明るくなり、発光ダイオード12の一灯でも均一な照明体として機能する。印刷パターン42とドットパターン40とは、光を散乱させる散乱体である。
【0024】なお、傾斜を持たない直方体の導光体の側面に、印刷パターンの印刷を施すことで同様の効果を有する。さらに、直方体の導光体の側面に印刷の代わりに表面を荒らした金型による散乱パターンを、形成時に転写することでも可能である。
【0025】また、導光体24は、発光ダイオード12を取り付ける側面のみを傾斜させる、または発光ダイオード12を付けていない対向する側面も傾斜させる等の形状も同様に可能である。導光体24の傾斜は、上面から底面までの全体に渡り側面を傾斜させるのではなく、たとえば上半分のみ傾斜(C面付きの形状)とすることも可能である。
【0026】本発明の他の実施例を図7を参照し説明する。図7は、本発明の側面のうちで側面44の1つのみが傾斜をもつ実施例を示す図である。
【0027】この実施例の導光体24では、傾斜形状を有する側面44の底面に光源を配置する。また傾斜させた側面内にくぼみ状の凹面46をさらに設ける。凹面46により、導光体24内部の光強度分布が広がる。さらにその形状を非球面とすることで、光強度分布をより均一化できる。
【0028】図8と図9は、図7に示す実施例の様に発光ダイオードを導光体の底面に配置する方法を示している。(凹面46は省略してある。)
導光体24は、図8に示すように、発光ダイオード12を底面に配置することが可能である。発光ダイオード12は、傾斜を有する側面44直下の底面に設置される。発光ダイオード12から発光した光は、底面から進入し、側面44の傾斜部分またはケース16で反射または散乱し導光体24の内側へ導かれる。
【0029】また導光体24は、図9に示すように、導光体24の内部に嵌合する穴を設けてドーム形状の樹脂封止型ダイオード48を設置することもできる。樹脂封止型ダイオード48の発した光は、側面32の傾斜面またはケース16により反射または散乱されることにより導光体24の内部へ導かれる。
【0030】図5〜7の実施例のように、導光体側面を底面に対して傾斜させることは、導光体の製造方法にとっても利点がある。導光体は一般にアクリルなど透明樹脂を金型に成型して製造する。導光体側面が傾斜していると、金型側面部分に傾斜がつき、成型後、導光体の底面側に離型すれば、金型側面と導光体側面が離型過程で接触しにくくなり、導光体側面にキズがつきにくくなる。
【0031】図5〜7の実施例では導光体のみ示し、導光体を覆うケースは省略してある。このケースは導光体から出射する光を反射する役目をもつため、白色とするのが典型的であるが、他の色、例えば銀色などであってもよい。また単色光源の場合は光源の波長によって適当な色を選ぶこともできる。
【0032】光源の発光ダイオードは図9の実施例を除くと、平板状のパッケージに発光ダイオードチップを実装したものを用いた。発光ダイオードチップは通常1パッケージに複数実装される。同一発光波長のチップの場合と、RGBなど複数発光波長のチップを用いる場合がある。
【0033】
【発明の効果】本発明の平面表示灯は、導光体側面を底面に対して傾斜させ、その傾斜側面直下に光散乱体パターンを設けることにより、2つの光源を対向させてお互いに光の届きにくいところを照らす必要がなくなるため、現行品の光源を2個から1個に低減することができる。また光源を1個に低減することにより消費電力を少なくすることが可能となる。
【0034】また導光体の成型金型の側面部分にテーパが付き、導光体上面側から底板面側に向けて引き抜く際、金型側面と導光体側面が接触しにくいため、導光体形成後に離型しやすく、導光体側面にキズがつきにくくなる。
【出願人】 【識別番号】000004008
【氏名又は名称】日本板硝子株式会社
【出願日】 平成11年12月16日(1999.12.16)
【代理人】 【識別番号】100086645
【弁理士】
【氏名又は名称】岩佐 義幸
【公開番号】 特開2001−176316(P2001−176316A)
【公開日】 平成13年6月29日(2001.6.29)
【出願番号】 特願平11−357061