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【発明の名称】 面発光装置
【発明者】 【氏名】白井 哲之

【要約】 【課題】発光体の固定作業を簡便に行うことができ、汎用性の優れた面発光装置を提供すること。

【解決手段】透光性を有し光を導波させる柱状体1と、柱状体1の少なくとも先端部1aに配設する発光体2と、柱状体1の側面1cを支持し且つ発光体2による導波光を面状に反射させる反射面3cを備えた支持体3とから成る面発光装置M1とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 透光性を有し光を導波させる柱状体と、該柱状体の少なくとも一端側に配設した発光体と、前記柱状体の側面を支持し且つ前記発光体からの導波光を面状に反射させる反射面を有する支持体と、を備えて成る面発光装置。
【請求項2】 前記支持体は、前記柱状体の側面を支持し且つ前記発光体による導波光を面状に反射させる反射面を備えた第1の支持部と、該第1の支持部の反射面が所定角度回動可能に第1の支持部を支持する第2の支持部とを有することを特徴とする請求項1に記載の面発光装置。
【請求項3】 透光性を有し光を導波させる凸条部を複数並設した板状体と、該板状体の少なくとも一側面に配設される1以上の発光体と、前記板状体の裏面側を支持し且つ前記発光体による導波光を面状に反射させる支持体と、を備えて成る面発光装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自発光道路標識や自発光看板等に使用される面発光装置に関するものである。
【0002】
【従来技術とその課題】従来より、面発光装置として、例えば、(1)EL(エレクトロルミネッセンス)を用いた装置、(2)蛍光灯の表面近傍に光拡散板を配設して成る装置、(3)蛍光灯を筐体等の側面に配し、特殊形状の反射板で蛍光灯からの光を反射させる装置などが知られている。
【0003】しかしながら、上記(1)の場合、ELは輝度半減期が4000時間程度と短く、消費電力も大きい。また、上記(2)や(3)の場合では、発光体として使用される蛍光灯の寿命が10000時間程度と短い上に、点滅動作を継続して行おうとすると、蛍光灯の寿命が著しく短くなるという問題があった。
【0004】そこで、これらの問題を解決するために、発光体としてLED(発光ダイオード)を使用した面発光装置が提案されている(例えば、特開平09−127896号公報を参照)。LEDは、輝度半減期が約50000時間程度と長く、点滅動作による寿命等の悪影響が少ない。また、赤,青,緑の混色発光により、発光色を自在に変化させることができる、などの多くの利点があり、特に太陽電池電源と組み合わせた屋外常設機器においては、メンテナンスを大幅に低減できる優れた発光体として期待されている。
【0005】これまで、発光体としてLEDを用いた面発光装置には、高屈折率透光性部材からなる柱状コアの一側面に反射部を形成し、これらの外周部を低屈折率透光性部材のクラツドで包囲した装置があった。
【0006】すなわち、図8に示すように、LED51からの出射光Lが、コア52a及びクラッド52bから成る柱状体52の端面からコア52aに入射されると、臨界角以下の光は、コア52aとクラツド52bの境界面で全反射されながら、コア52a内に効率よく伝達される。そして、伝達された光が反射部53に当たると乱反射し、コア52a,クラツド52bを介して外部に放出される。このようにして、反射部53において面発光させることにより照明として機能させることができる。
【0007】しかしながら、これら面発光装置の外形は円柱状である上に、LEDの光出射の指向性が強いため、LEDの光出射方向を考慮し角度調整を行いながらLEDを固定しなければならない等視認性が悪く、また、製造や装置の取付け作業が煩雑である上に、装置を固定するための特殊形状の部材が必要であった。
【0008】さらに、LEDの発光部の横寸法が、透光性部材の円柱直径にほぼ等しくなるため、より幅の広い発光部を必要とする用途においては、例えば複数の円柱を角度を設定しながら一列に固定されなければならず、汎用性にきわめて乏しいものであった。
【0009】そこで本発明は、上述の諸問題を解決するために提案されたものであり、装置の固定作業を簡便に行うことができ、視認性及び汎用性の優れた面発光装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の面発光装置は、透光性を有し光を導波させる柱状体と、該柱状体の少なくとも一端側に配設した発光体と、柱状体の側面を支持し且つ前記発光体からの導波光を面状に反射させる反射面を有する支持体と、を備えて成る。
【0011】また、支持体は、柱状体の側面を支持し且つ発光体による導波光を面状に反射させる反射面を備えた第1の支持部と、該第1の支持部の反射面が所定角度回動可能に第1の支持部を支持する第2の支持部とを有することを特徴とする。
【0012】また、透光性を有し光を導波させる凸条部を複数並設した板状体と、該板状体の少なくとも一側面に配設される1以上の発光体と、前記板状体の裏面側を支持し且つ前記発光体による導波光を面状に反射させる支持体と、を備えて成る面発光装置としてもよい。
【0013】なお、上記発光体とは必ずしもそれ自体が発光するものでなくともよく、例えば光源を一つとし、その光源からの光を光ファイバや反射手段等を適当に用いて光を導出するようにしたものでもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る面発光装置の実施形態について、図面に基づき詳細に説明する。なお、同一部材には同一符号を付し説明を省略する。
【0015】図1に模式的に示すように、面発光装置M1は、透光性を有し光を導波させる柱状体1の少なくとも一端(先端部)1a側に発光体2を配し、柱状体1の側面1cを支持し外壁等に固定可能な取付面を有する支持体3を備えたものである。なお簡単のため、発光体2を支持固定する部材や発光体2に電力を供給するための配線等については図示を省略している。
【0016】柱状体1と支持体3とは、例えば共押出等の異形押出技術により一体的に二色成型で形成されており、柱状体1は透明で支持体は着色されている。支持体3の湾曲面(3c)に設けた接着材で柱状体1と支持体3とを接着させる場合には、接着材として例えば白色軟質系接着剤(例えばシリコンRTV:室温硬化シリコンゴム)を使用し、できるだけ空気層が形成されないようにする。なお、この場合、反射面は接着材と柱状体1との界面になる。
【0017】支持体3は、発光体2による導波光L1を反射光L2として面状に放射させる湾曲した反射面3cを備えており、また、支持体3の一方主面3aは、例えば外部壁面に取付けられるように、両面テープ5を貼着できる取付面となっている。さらに、複数のビス7等で外部壁面に確実に固定できるように、支持体3の両主面3a、3bを貫通する複数の貫通孔6が形成されている。
【0018】また、支持体3の他方主面3bは、発光体2に電力を供給できるように、例えば結晶系や非晶質のSiなどから成る太陽電池4が取付けられる。このように太陽電池4を電源として使用する場合には、支持体3の内部に太陽電池4からの発電電力を蓄える蓄電池を設けるようにしてもよい。
【0019】ここで、柱状体1は図示では円柱状を成しているが、柱状であればよく、特に円柱状に限定されるものではない。また、柱状体1を構成する材料としては、ガラス,アクリル樹脂,硬質塩化ビニール樹脂,ポリカーボネート樹脂などを用いることができるが、透過効率が高く、表面硬度が高く傷が生じにくい、成型性が良好であるなどの理由から、無色透明のアクリル樹脂が望ましい。
【0020】また、発光体2として、高輝度LED,電球,蛍光灯などを用いることができるが、寿命や指向性などの面から高輝度LEDが最適である。
【0021】また、支持体3は柱状体1との線膨張係数の相違による反りや剥離などの問題が生じないように、柱状体1と同材質とし、一体的に成形するようにするとよい。ただし、支持体3は光の反射率を高くするなどの理由から着色し、白色とするのが最も望ましい。
【0022】すなわち、柱状体2と支持体3とを樹脂の二色同時成型で作製すれば、両者間に空気層が介在しないようにすることができ、空気層による光学特性の悪影響を防止できる。さらに、両者の接着などの作業工程も不要となる上、支持体3と柱状体1との線膨張係数の相違による反りや剥離などの問題も生じない。
【0023】次に、以上のようにして構成された面発光装置M1の作動について、図2に基づいて説明する。
【0024】まず、昼間、太陽電池4の発電により得られた電力を、例えば支持体3内に設けた蓄電池10に蓄え、夜間等において周囲が暗くなると、この状況(明るさ)を太陽電池4の発電電流により昼夜検出回路11により検出し、蓄電池10と発光体2との間に設けられたスイッチ15を閉成し、他の機器や放送電波などにより得た信号に基づいて同期するように制御する点灯制御回路12でもって発光体2に所定周期の点滅等を行わせる。
【0025】なお、この場合の点灯は、支持体3に例えば遠赤外線センサ14を配設し、図示のように点灯制御回路12に接続することにより、面発光装置M1に近づいてきた人等を検知して点灯させるようにしてもよい。また、多数の面発光装置を例えば階段の段壁面やガードレールなどに配設し、これらの面発光装置の点灯動作を連係させるように構成し、同期点滅、同期変色、連係点滅、連係変色等のバラエティに富んだ発光演出を行わせてもよい。また、面発光装置の複数を組み合わせて、文字や図形等の表示などを行わせてもよい。
【0026】発光体2の点灯により、光が柱状体1の端部1aより入射されると、光は柱状体1とその外周部に存在する空気との境界面で全反射されながら、柱状体1の内部を効率よく伝達していく。この伝達光が着色された支持体3の反射面3cに当たると、この反射面3cにより乱反射することになり、この乱反射光が柱状体1を介して外部に放出され、視認される。
【0027】また、図3(a)は上記面発光装置M1のP視図であるが、図3(b)に示すように、支持体13に対し横方向に光が出射され、横方向からも視認させるために湾曲した反射面13bを傾斜面に備えた柱状体支持部13aを支持体13の上部に形成し、例えば支持体上部における断面形状に応じて発光方向を設定してもよい。なお、図3においては、簡単のため発光体2等の図示は省略している。
【0028】また、図4(a),(b)に示すように、図3(b)に示す支持体13の代わりに、上部支持体21とこれが回動できるように支持する下部支持体22とから成る支持体23を備えた面発光装置M2とすることも可能である。
【0029】すなわち、柱状体1の側面を支持し、且つ発光体2による導波光を面状に反射させる反射面を備えた第1の支持部である上部支持体21と、この反射面が所定角度回動できるように支持する第2の支持部である下部支持体22とから構成したものとすることも可能である。
【0030】ここで、上部支持体21は、湾曲した反射面を備え柱状体1を搭載する反射受け部21aと、平板状に形成された係止用平面部21bと、円柱状の嵌合用凸部21cとから成る。また、下部支持体22は、上部が図示左右両側に傾斜面を有し、上部支持体21の係止用平面部21bを当接させ上部支持体21の図示左右の動きを禁止する係止用斜面22b,22cと、U字状溝に形成された嵌合用凹部22aが形成されている。
【0031】このようにして、上部支持体21をその反射面が所定角度回動できるように下部支持体23で支持し、嵌合用凸部21cと嵌合用凹部22aとの間に生じる摩擦力によって上部支持体21が所定角度で停止するので、発光方向を簡単に調節することができ、汎用性の高い面発光装置を提供することができる。
【0032】次に、他の実施形態について説明する。図5に示すように、複数条に湾曲した反射面33aを有し光を面状に反射させる板状の支持体33上に、透光性を有し光を導波させる凸条部31aを複数並設した板状体31を設け、各凸条部31aの少なくとも一端側や板状体31の少なくとも一側面に、1以上の発光体を配するようにした面発光装置M3としてもよい。なお、発光体32を支持固定する部材や配線、電源等については、簡単のため図示を省略している。
【0033】ここで、板状体31やこの裏面側を支持する支持体33は、既に説明した実施形態と同様な材料で構成するものとする。また、発光体32は高輝度発光ダイオードを使用するものとする。支持体33は、その一端部(一側部)33b又は両端部(両側部)を壁面に取付けるために平面状に形成しており、また、裏面33cも同様な理由で平面状に形成してもよいが、図6に示すように、凸条部と凸条部との間を凹条部33dに形成してもよい。さらに、凹条部33dと凹条部33dとの間を平面部33eとしてもよい。
【0034】このように、凹条部33dを設けることで樹脂量の低減による全体重量の軽減を図ることができる。また、固定する壁面と凹条部33dとの間にできる空隙を利用して、配線材などの設置スペースとすることができる。
【0035】なお、凸条部31aは、個々に分離されていてもよく、また、支持体33は、図4(a)(b)のように、第1の支持部と第2の支持部とを有するものとし、第1の支持部で反射面の角度を自由に回動できるように構成することも可能である。
【0036】かくして、面発光装置M3によれば、湾曲した反射面を広面積で有しているので、幅広い範囲で面状発光させることができ、視認性をよりいっそう向上させることができる上に、支持体33の一部を利用して簡単に固定が可能であり、固定するだけで全凸条部の発光方向を揃えることが可能である。
【0037】そして、警戒標識、規制標識、十字型踏切警標など、形状やマークを認識させる必要があるもの、また、文字表示板、看板などの文字を認識させ注意を喚起する必要があるものなどに好適に利用できる。
【0038】例えば図7に示すように、上記面発光装置M3を適当に組み合わせて十字型踏切警標Tとすることができる。すなわち、面発光装置M3の二つを発光体32が配設している側どうしを連結して一つの連結体を形成し、この連結体を十字状に組み合わせることにより十字型踏切警標Tを構成している。
【0039】ここで、面発光装置M3における支持体33を例えば黄色着色部33fと黒色着色部33gが交互に施されたものを使用したり、柱状体31の上面を交互に異なる色となるように着色したり、発光させない部分を遮蔽する。これにより、特定の領域のみをよく視認させるようにすることができる。また、同様な作用を行わせるために、特定の領域だけ発光させるようにし、不用意に発光消費電力を浪費せずに効率よく任意の部分のみ面発光させることも可能である。
【0040】なお、本実施形態では発光体として、発光ダイオードのような自らが発光するものを用いた例について説明したが、凸条部の一端側において光を発生させるものであれば、自発光を行うものに限定されないものとする。
【0041】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明の面発光装置によれば、発光体による柱状体や板状体の導波光を面状に反射させる反射面を備える支持体を有しているので、視認性が良好であるとともに、支持体を利用して面発光装置の固定作業を簡便かつ確実に行うことができる。
【0042】また、柱状体の側面を支持し且つ発光体による導波光を面状に反射させる反射面を備えた第1の支持部と、この反射面が所定角度回動可能に第1の支持部を支持する第2の支持部とを有する支持体としたので、発光方向を自在に変更することができ、視認性をよりいっそう向上させることができる。
【0043】さらに、光を導波させる凸条部を複数並設した板状体を設け、この板状体の少なくとも一側面に1以上の発光体を配し、板状体の裏面側を支持し、且つ発光体による導波光を面状に反射させる支持体を備えたので、様々な標識に適用が可能となり、視認性に優れ汎用性の非常に高い面発光装置を提供できる。
【出願人】 【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
【出願日】 平成11年11月5日(1999.11.5)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−135123(P2001−135123A)
【公開日】 平成13年5月18日(2001.5.18)
【出願番号】 特願平11−315503