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【発明の名称】 面光源装置及びこれを用いた液晶ディスプレイ装置
【発明者】 【氏名】菅 義訓

【要約】 【課題】質的には高輝度化に有効でありながら、大型液晶ディスプレイ装置のバックライト光源手段としては未完成な前方散乱光源を光源とする照明光学系を用い、より高度で実用的な光学特性を有する照明光学系の面光源装置及びこれを用いた液晶ディスプレイ装置を提供すること。

【解決手段】一表面を光出射面とする、前方散乱光生成手段の設けられた導光体11の対向する一対の側端部1617に線状光源1213が配設され、導光体11の光出射面20上には頂角を光出射面側に向け、母線を線状光源と平行とする、ほぼ三角プリズム状のプリズムアレーを備える調光シートが配設された面光源装置において、導光体11には、線状光源が配設された側端部1617とは異なる側端部2930を底辺として、ほぼ三角形状に張り出した散乱能強化領域3132が設けられ、前方散乱光生成手段として突起量1μm〜50μmなる凸状突起粗面ドット222324………が用いられ、光出射面20と対向する面21には拡散角10度以下の正反射性反射シート27が配設されていることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一表面を光出射面とする、前方散乱光生成手段の設けられた導光体と、この導光体の一対の対向する側端部に配設された線状光源と、前記光出射面上に配設され、頂角を前記光出射面側に向け、母線を前記線状光源と平行とする、頭頂角45〜75度なるほぼ三角プリズム状のプリズムアレーが形成された調光シートとを備える面光源装置において、前記導光体には、前記線状光源が配設された一対の対向する側端部とは異なる側端部を底辺として、ほぼ三角形状に張り出した散乱能強化領域が設けられ、前記前方散乱光生成手段として突起量1μm〜50μmなる凸状突起粗面ドットが用いられ、前記光出射面と対向する面には拡散角10度以下の正反射性反射シートが配設されていることを特徴とする面光源装置。
【請求項2】 前記調光シートのほぼ三角プリズム状の前記プリズムアレーが形成された側と相反する側には母線を前記プリズムアレーとほぼ直交する第2のアレー状集光素子が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の面光源装置。
【請求項3】 前記凸状突起粗面ドット一つの占有面積は0.5mm2以下とされ、かつ前記第2のアレー状集光素子は波板状もしくは凸状レンチキュラーレンズであることを特徴とする請求項1又は2に記載の面光源装置。
【請求項4】 前記頭頂角は55度以上60度未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の面光源装置。
【請求項5】 前記導光体における対向する両側端部に配設された前記線状光源のうち、いずれか一方を点灯させた際に、前記調光シートの直上で観測される出射光線の前記線状光源に垂直な方向への視野角度分布特性を、縦軸に輝度を取り、横軸に出射角度を取った時の特性線図で表した時、ピークを境に急峻領域となだらか領域を有する非対称形であって、かつ前記両線状光源を同時に点灯した際に、前記両線状光源からの照明光によるそれぞれの前記特性線図が前記急峻領域とは相反する前記なだらか領域において交差するように合成すべく前記調光シートの変角光学系が定められていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の面光源装置。
【請求項6】 前記凸状突起粗面ドットの上方から見た形状が、長軸を前記線状光源と平行とするアスペクト比1.5以上なる形状であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の面光源装置。
【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の面光源装置をバックライト光源手段とする液晶ディスプレイ装置において、前記線状光源を使用時にほぼ水平となるように実装したことを特徴とする液晶ディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は面光源装置及びこれを用いた液晶ディスプレイ装置に関し、更に詳細には面光源装置における輝度等の光学特性を向上させる技術であり、更にこの面光源装置を例えばバックライトとして好適に用いた液晶ディスプレイ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、パーソナルコンピュータ向けモニターや薄型TV等の表示装置としては透過型の液晶表示(ディスプレイ)装置が多用されており、このような液晶表示装置では、通常、液晶素子の背面に面状の照明装置即ちバックライトが配設されている。このバックライトは冷陰極放電管等の光源(細い棒状の光源で、線状光源と呼ぶことがある)を面状の光に変換する機構とされている。
【0003】具体的には、液晶素子の背面直下に光源を配設する方法や、側面に光源を設置し、アクリル板等の透明な導光体を用いて面状の光に変換して面光源を得る方法(サイドライト方式)が代表的であり、光出射面にはプリズムアレー等からなる光学素子を配設して所望の光学特性を得る機構とされている。
【0004】このサイドライト方式については、例えば特開昭61−99187号公報や特開昭63−62104号公報に開示されている。特に、軽量、薄型という液晶表示装置の一般的特徴をより有効に引き出すためには、バックライトを薄くすることができるサイドライト方式の利用が好適であり、携帯用パーソナルコンピュータ等の液晶表示装置にはサイドライト方式のバックライトが多く使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらバックライトに要求される性能は、近時、ますます高度化する方向にあるが、特に、据え置き型のパーソナルコンピューター用モニター表示装置や大画面薄型TVでは、一般的には透過型フルカラー液晶デバイスが用いられている。この場合、カラー液晶セル自体の極めて低い光線透過率から、バックライト光源に要求される輝度値が必然的に高いものとならざる得ない。
【0006】このため、前述したサイドライト方式からなるバックライトにおいては、プリズムアレー等からなるシートを多用した光学的集光作用によって正面輝度を確保すること、あるいは偏向変換機能を有した特殊光機能性シートによって出射光線を有効利用することが一般的には行われている。しかし、プリズムアレー等からなるシートを多用することは大きなコスト増を招くばかりか、視野角特性が狭くなる等の弊害も生むため、より簡易な手段によって高い光学特性を有した面光源装置を提供する技術の出現が待ち望まれていた。
【0007】これらの問題に対する解決策の一つとして、特公平7−27136号公報、特公平7−27137号公報等に開示されているように、導光体表面に形成された粗面や導光体中に分散した光散乱性微粒子等から発生する高輝度な指向性の高い前方散乱光を用いる試みが有効と考えられる。
【0008】すなわち、元来コリメートされた前方散乱光源を光源とすることにより、集光性がより高められ、限られた導光体への入射光量を有効に正面方向に向けることが可能となるため、より単純な構成でありながら高い効率を有する低コストな照明光学系の実現が可能であることが明らかとされてきた。
【0009】しかしながら、これらの照明光学系を実用に供しようとすると、輝度は相対的に確保されるものの、ディスプレイ装置のバックライト光源として最も重要な品質である輝度分布が極めて劣悪なものとなり、特に大型液晶ディスプレイ装置のバックライト光源手段としての実用化に極めて大きな支障をきたしていた。また、これらの劣悪な輝度分布を修正するためには、粗面レベルや光散乱性粒子濃度の極めて精密な制御が必要となり、開発に多大な時間を有するという問題もあった。
【0010】さらには、前方散乱光源を光源とする場合、輝度は相対的には高く確保されるものの、偏向変換機能を有したシート等の、輝度向上に対して絶大な効果を有する光機能性シートの効果には及ばないため、特に大型液晶ディスプレイ装置のバックライト光源手段として用いる際には、必ずしも単純な構成で同等の光学性能を実現できないことから、低コスト化に結びついていないという問題点もあった。
【0011】本発明の目的は、かかる従来の問題点を解決するためになされたもので、本質的には高輝度化に有効でありながら、大型液晶ディスプレイ装置のバックライト光源手段としては未完成な前方散乱光源を光源とする照明光学系を用い、より高度で実用的な光学特性を有する照明光学系の面光源装置及びこれを用いた液晶ディスプレイ装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は面光源装置であり、前述した技術的課題を解決するために以下のように構成されている。すなわち、本発明の面光源装置は、一表面を光出射面とする、前方散乱光生成手段の設けられた導光体と、この導光体の一対の対向する側端部に配設された線状光源と、光出射面上に配設され、頂角を光出射面側に向け、母線を線状光源と平行とする、頭頂角45〜75度なるほぼ三角プリズム状のプリズムアレーが形成された調光シートとを備える面光源装置において、導光体には、線状光源が配設された一対の対向する側端部とは異なる側端部を底辺として、ほぼ三角形状に張り出した散乱能強化領域が設けられ、前方散乱光生成手段として突起量1μm〜50μmなる凸状突起粗面ドットが用いられ、光出射面と対向する面には拡散角10度以下の正反射性反射シートが配設されていることを特徴とする。
【0013】<本発明における具体的構成>本発明の面光源装置は、前述した必須の構成要素からなるが、その構成要素が具体的に以下のような場合であっても成立する。その具体的構成とは、調光シートにおけるほぼ三角プリズム状のプリズムアレーが形成された側と相反する側に、母線をプリズムアレーとほぼ直交する第2のアレー状集光素子を設けたことを特徴とする。
【0014】また、本発明の面光源装置では、凸状突起粗面ドット一つの占有面積が0.5mm2以下とされ、かつ第2のアレー状集光素子が波板状もしくは凸状レンチキュラーレンズであることを特徴とする。更に、本発明の面光源装置では、ほぼ三角プリズム状のプリズムアレーの頭頂角が、55度以上60度未満であることを特徴とする。
【0015】更にまた、本発明の面光源装置では、対向する両側端部に配設された線状光源のうち、いずれか一方を点灯させた際に、前記調光シートの直上で観測される出射光線の前記線状光源に垂直な方向への視野角度分布を、縦軸に輝度を取り、横軸に出射角度を取った時の特性線図で表した時、ピークを境に急峻領域となだらか領域を有する非対称形であって、かつ両線状光源を同時に点灯した際に、両線状光源からの照明光によるそれぞれの特性線図が前記急峻領域とは相反するなだらか領域において交差するように合成すべく調光シートの変角光学系が定められていることを特徴とする。
【0016】また、凸状突起粗面ドットは、これを上方から見た時、長軸を線状光源と平行とするアスペクト比1.5以上なる形状であるが好ましい。加えて、本発明の面光源装置をバックライト光源手段とする液晶ディスプレイ装置において、線状光源を使用時にほぼ水平となるように実装したことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の面光源装置及びこれを用いた液晶ディスプレイ装置を図に示される実施形態について更に詳細に説明する。図1には本発明の一実施形態に係る面光源装置10が示されている。この面光源装置10は、導光体11を備え、この導光体11の相対向する側端部にはそれぞれ線状光源12、13が配設されている。
【0018】この線状光源12、13は、蛍光管、LEDアレー等を使用することができるが、特にこれらに限定されるものではなく、例えば発光効率に優れ、小型化の容易な冷陰極管の利用が最も好適である。この線状光源12、13の周囲にはリフレクタ14、15が配設され、出射した光線をできるだけ無駄なく導光体11の両側端部16、17に入射させる機構とされている。
【0019】リフレクタ14、15に用いられる材質としては、光反射率の高いものであれば特に限定はされないが、例えば、板厚み0.2〜0.4mm程度の金属板をリフレクタ14、15とすることが好ましい。このようなリフレクタ14、15は、導光体11の側端部16、17に圧着固定(導光体11の側端部16、17にリフレクタを押しつける応力が発生するような固定方法)される。
【0020】このようにリフレクタを導光体11の側端部16、17に圧着固定すると、光入射部近傍18、19での光出射面20及びそれに対向する面21からの入射光を遮断することが可能となる。そのため、入射光線は全て全反射条件を満たしながら導光体11内を伝搬し、サイドライト方式バックライトでは光源近傍18、19に出現し易い輝線を防止することができる。
【0021】圧着固定する方法としては各種の態様が考えられるが、図1に例示されるように面光源装置10を格納するプラスチックフレーム101にリフレクタ14、15の位置決め固定が確実に行われるためのガイディング溝102を形成した態様を考えることができる。
【0022】また、前述の圧着固定方法として、図1に例示されるようにリフレクタ14、15側もしくはプラスチックフレーム101側に発泡ポリウレタン等よりなる変形性に優れた部材103を配置するか或いは同等の作用をする板バネ機構(図示せず)を設ける方法も考えられる。これらの圧着固定方法によれば、リフレクタ14、15を導光体10の側端部16、17に固定する際に当該側端部16、17に圧着する応力を与えることができる。
【0023】また、光源近傍に出現する輝線を防止するという意味では、上記のように光出射面20及びそれに対向する面21からの入射光を遮断すればよい。従って、例えば各リフレクタ14、15についてそれぞれが導光体11を挟み込むようにし、その際に黒色の光吸収帯を該リフレクタの一部に設けることでも同様の効果を得ることができる。
【0024】すなわち、本発明の面光源装置においては、光源近傍において発生しやすい輝線を防止するため、光出射面20及びそれに対向する面21からの入射光を遮断する機構が設けられていることが好適である。
【0025】本発明の面光源装置では、一側端部16に対向する他側端部17にも光源が配設されていることが必須であり、代表的には図1に例示されるように、対向する1対の側端部16、17に冷陰極管が、それぞれ1本づつ配設された、いわゆる2灯式の態様が挙げられる。この他にも、2灯の冷陰極管が一側端部16に配設され、これに対向する他側端部17にも設けられ、合計4灯となっている態様等も用いることができる。
【0026】導光体11には前方散乱光生成手段として突起量50μm以下なる凸状突起粗面ドット22、23、24、………が設けられている。導光体11に前方散乱光生成手段を設けることについては、従来からコリメートされた前方散乱光生成手段として単純な粗面やシリカ、チタニア等に代表される光散乱性微粒子を導光体内に分散させる態様についての提案がある。
【0027】しかし、この提案は、前方散乱光を発生させる能力は有するものの、面内での精密な散乱強度の制御という点では制御性に乏しく、特に大型液晶ディスプレイ装置のバックライト光源としては要求される輝度分布のばらつきが、例えば正面輝度で10%以内の範囲に収められなければならないというように、極めて厳しいため、実用的な前方散乱光生成手段とは言えない。
【0028】すなわち、本発明の面光源装置においては、実用に供するに適した輝度分布を短期間に実現するため、微細な凸状突起粗面ドット22、23、24、………を導光体11上にパターニングし、発光面内における輝度分布を精密に制御する。ここで、本発明の面光源装置における導光体11の成形には射出成形法が好適に用いられる。
【0029】しかし、凸状突起粗面ドット22、23、24、………の成形に際して射出成形法が用いられる場合、凸部が余りにも大きく張り出している際には成形後、金型から単離することが困難になるため、成形時の生産性と光学特性のバランスを考慮して、凸部の突起量は決定されるべきである。具体的には突起量1μm〜50μm、好ましくは2μm〜30μm、さらに好ましくは5μm〜15μmとすることが必要である。
【0030】更に、本発明の面光源装置では、導光体11上に微細な凸状突起粗面ドット22、23、24、………をパターニングするが、光の利用効率を向上させ、かつ発光面内でのドットパターン見えを防止するという観点から、適度に小型化されていることが望ましく、具体的には凸状突起粗面ドット一つの占有面積は0.5mm2以下、好ましくは0.4mm2以下、さらに好ましくは0.3mm2以下とされる。凸状突起粗面ドット22、23、24、………を適度に小型化する理由は、単一領域内での光の出射効率(η)が粗面の平均的な凹凸量(Ra)と粗面の平均的な存在間隔(Sm)に対して【0031】
【式1】

なる関係に基づいて決定されていることと、突起量には前述の様に制限があるため適度に小型化を果たすことで存在間隔を小さくし、光の出射効率を向上させることができるからである。
【0032】また、このようなドットパターンを適度に小型化した場合には、本発明の面光源装置上に液晶パネルを配置した際にも、液晶パネルに形成されたブラックマトリクスと干渉を引き起こしずらくなることから、液晶ディスプレイ装置のバックライト光源手段として極めて適切な照明光特性を有するという利点も発生する。
【0033】更には、前述した占有面積程度のパターニングであれば、従来の面光源装置ではドット見えを防止するために必須であった拡散シート部材を省略することが可能となり、本発明による面光源装置の高い照明光強度による光機能性シート省略の効果と相乗して、一層の低コストで面光源装置を提供することが可能となる。
【0034】本発明の面光源装置において、凸状突起粗面ドット22、23、24、………は、その代表例であり、光源から離れるにしたがって面積が大きくなる構成とされ、光出射面20上に出射する光量が全面で一定とされている。すなわち、凸状突起粗面ドット22、23、24、………の面積を大きくするにしたがって、導光体11内を伝搬している光線から出射光線を取り出す割合を大きくすることができるのである。
【0035】そのため、導光体11内を伝搬する光線量が大きい光源近傍領域においては、凸状突起粗面ドットの面積を相対的に小さくとり、光源から離れた、導光体内を伝搬する光線が消費された領域においては凸状突起粗面ドットの面積を大きくとることで、結果として光出射面20上での出射光量を一定化することができる。
【0036】また、光出射面20における輝度分布を均一化させるという観点では、凸状突起粗面ドットの配置密度を光源から離れるにしたがって大きくする態様であっても、同様の効果を得ることが可能である。
【0037】ここで、光源近傍18、19において、光出射面20及びそれに対向する面21からの入射光によって輝線が発生する問題に対しては、前述のようにリフレクタ14、15を側端部16、17に圧着固定することによって輝線を除去することも可能である。しかし、これとは逆に、凸状突起粗面ドットによるパターニングを調整することで、むしろ輝線を積極的に利用して、輝度分布を均一化することも可能である。
【0038】すなわち、図2(a)に示されるように、凸状突起粗面ドット22、23、24、………を光源近傍領域18、19には設けず、輝線による出射光線を積極的に活用し、導光体11上に設置する光透過性の調光シート25に白色のドット状遮光印刷パターン26を設けるか、或いは図2(b)に示されるように反射シート27に黒色の光吸収性インキ印刷部28を設けるなどして、光源近傍領域18、19での輝度分布を均一化することができる。
【0039】凸状突起粗面ドット22、23、24、………を光源近傍領域18、19に設けず、輝線による出射光線を積極的に活用し、導光体11上に設置する調光シート25に白色のドット状遮光印刷パターン26を設けるか、又は反射シート27に黒色の光吸収性インキ印刷部28を設けるなどして、光源近傍領域18、19での輝度分布を均一化する考え方は、何も本発明に限った有効な手法ではない。このような手法は、光散乱性インキを導光体上に印刷して光取出し手段としているような従来から一般的に用いられている面光源装置においても有効であることは言うまでもない。
【0040】本発明による面光源装置においては、発光面全面での輝度分布を高度に均一化するため、図3に示されるように、線状光源12、13が配設された導光体11における一対の対向する側端部16、17とは異なる側端部29、30を底辺として、ほぼ三角形状に張り出した散乱能強化領域31、32(図3において影線で示す三角領域)が設けられる。
【0041】これが必要となる理由は、発光面の中心領域33においては、例えば側端部16に配設された線状光源12から発せられる光線を考えれば、冷陰極管等の蛍光管の発光出射角特性は各出射角での出射光量が大きく変化しない、いわゆるランバート型散乱光に見られる出射角分布に類似することから、線状光源12の領域34、35、36からの出射光成分が中心領域まで伝搬することになる。
【0042】しかしながら、発光面のサイド部37においては、もはや線状光源12の領域36からは極めて遠方にあるため、この分の入射光量が必然的に不足することとなる。さらに、導光体の側端部29に向かった光線成分は側端部に貼り付けられた反射シート等によって反射され導光体内に留まるとは言うものの、反射時における光量ロスは極めて大きいため、一旦側端部29で反射し、サイド部に向かう光線は殆ど発光に寄与しないこととなる。
【0043】このような効果によって導光体11内に伝搬する光線量が本質的に不足する領域は、図3に影線で示されるように側端部29、30を底辺とするほぼ三角形状に張り出した領域31、32となる。従って、発光面全面での輝度分布を高度に均一化するためには、該領域における導光体内に伝搬する光線をより大きく取り出すことができるようにした領域、即ち散乱能強化領域31、32が設けられる。より具体的には凸状突起粗面ドットの面積、もしくは配置密度を大きくした領域が、側端部29、30を底辺としてほぼ三角形状に張り出すように設けられている。
【0044】特に、本発明の面光源装置において、前方散乱光を導光体11からの出射光源とし、頂角を導光体11側に向けた三角プリズムアレー38aによって正面方向に変角する態様では、前述した光量不足領域による輝度低下の効果が非常に顕著に現れることから、面光源装置として実用的な輝度分布の均一性を得るためには、散乱能強化領域31、32が設けられていることが必須であり、パターニングされた凸状突起粗面ドット22、23、24、………を用いて精密に輝度分布を制御することができる。
【0045】ここで、図3に示されるように、ほぼ三角形状の散乱能強化領域31、32である三角形領域の底角ψは、20度〜60度、より好ましくは30度〜50度、さらに好ましくは35度〜45度の範囲になるように形成される。また、側端部29、30からほぼ三角形状に張り出した散乱能強化領域31、32によって輝度分布を精密に制御する方法については、何も本発明にのみ限定的に有効な手法ではない。
【0046】このような手法は、従来から一般的に用いられている、光散乱性インキを導光体上に印刷して光取出し手段とする面光源装置においても、より高度な輝度分布を実現するためには極めて有効であり、特にデスクトップモニターや大画面液晶TVのような大型液晶ディスプレイのバックライト装置に対して好適に使用される。
【0047】加えて、本発明による面光源装置においては、凸状突起粗面ドットを上方から見た形状が、図4に示されるように、長軸を線状光源と平行とするアスペクト比1.5以上なる形状であることが好ましい。これは(式1)に示されるように、光の利用効率が粗面の平均的な存在間隔(Sm)に反比例しているためであり、光線の進行方向である線状光源に直交する方向に対して、単位距離あたりに凹凸がより多く存在している方が単位領域あたりに出射する光線量をより大きくとることが可能となるからである。
【0048】これによって、導光体内に伝搬する光線を無駄なく使用することができるようになるばかりでなく、パターニングを設計する上でも制御できる幅が広がり、高輝度かつ輝度分布に優れた、面光源装置として極めて有用な特徴を賦与することができる。
【0049】凸状突起粗面ドットが図4に示されるような形状になるためには、長軸39が線状光源と平行となる形状、より具体的には楕円形、菱形、長方形等に代表される長軸39と短軸40の比が大きな形状で凸状突起粗面ドットを形成することが好ましい。アスペクト比は、短軸40の長さに対する長軸39の長さ比で定義されるが、この値が1.5以上、好ましくは2以上、さらに好ましくは3以上とされる。
【0050】本発明の面光源装置で用いられる反射シート27は、表面反射率が大きい正反射性材質、具体的にはAg、Al蒸着シート等が好適に用いられる。これは本発明の面光源装置において輝度を高めるためには、凸状突起粗面ドットから発生する指向性の高い前方散乱光を可能な限りその強度を損なうことがないように活用すべきであるためである。
【0051】すなわち、反射シート27としては、単に表面反射率が高いだけでなく、入射光線の角度分布を拡大しない反射光線を生成する必要がある。より具体的には、レーザー光のようなコリメート光を反射シート27に垂直入射した際に得られる反射光線の角度分布において、その半値角(垂直方向を0度として強度が1/2になる反射光線が観測される角度)として定義される拡散角が10度以下、より好ましくは5度以下、さらに好ましくは3度以下となる反射シート27が好ましい。
【0052】このように、輝度分布が均一となるように極めて精密に制御された凸状突起粗面ドット22、23、24、………から出射した前方散乱光は、正反射性材質からなる反射シート27によってその指向性を乱されることなく導光体11の光出射面20から出射する。導光体11からの出射光線は、図5(a)に示されるように頂角を光出射面20側に向け、母線38bを線状光源12、13と平行とする、頭頂角θ=45〜75度なるほぼ三角プリズム状のプリズムアレー38aによって変角されて正面方向に向けられる。また、三角プリズムアレー38aの断面形状は厳密に二等辺三角形に限定されるものではなく、必要に応じて断面多角形状、断面曲面形状なども用いることが可能である。
【0053】ここで、一方の線状光源12のみを点灯した際に、このプリズムアレー38aの直上で観測される出射光線の線状光源に垂直な方向への視野角度分布は、図6の特性図(縦軸に輝度(cd/m2)を取り、横軸に出射角度(度)を取って面光源装置の視野角度分布の特性を示すグラフ)における特性曲線61に見られるように、非常に狭い分布となっている。
【0054】この特性図からも明らかなように、凸状突起粗面ドットから出射した前方散乱光を単純に正面に向けるように意図して設計された三角プリズムアレーでは、たとえ両方の線状光源12、13を点灯した際にも、図7の特性図に示されるように、余りにも正面方向に出射光線が集中してしまい、視野角度分布の点で大型ディスプレイ装置のバックライト光源として用いるには、いささか、狭すぎるという欠点を有していた。
【0055】これに対しては、三角プリズムアレーの頭頂角を変化させ、一方の線状光源12からの出射光線が完全に正面方向に向かわないようにして、見かけ上、視野角度分布が拡大したような状態を実現することは可能である。しかしながら、凸状突起粗面ドット等の前方散乱光生成手段が抱えている本質的な問題として、視野角度分布に急激な輝度低下が生じる領域、すなわち、急峻領域61aの存在が問題となる。
【0056】これは、導光体からの出射光線が非対称な出射角度分布を有し、輝度が最大になる点(ピーク)を基準として特定角度方向に対しては急激に輝度が減少する特性があるため、これがプリズムアレー38aによってより強調されて、急峻領域61aとして表れるものである。
【0057】この急峻領域の存在により、例えば、三角プリズムアレー38aによる変角が十分になされていない場合には2灯を同時に点灯した際に、図8の特性図に示すように、光線成分81、82によって得られる照明光83は面光源として用いるにふさわしくない分布、即ちギラつき感や不自然な輝度変化(視野角分布の二山化)のある分布になってしまい、また前述したように単純に2灯からの光線成分を正面方向に向けることのみを意図した設計では、図7の特性曲線73に見られるように極めて狭い視野角度分布の照明光線しか得ることができない。
【0058】したがって、好ましい照明光を得るためには図6の特性曲線61、62の関係に見られるように、輝度が緩やかに変化する領域61bで各光線成分の合成が行われるようにするべきであり、本発明の面光源装置においては、これらの設計指針に基づいて三角プリズムアレー38aの形状が決定される。
【0059】特に、本発明の面光源装置における凸状突起粗面ドットを前方散乱光生成手段とする態様において、高視野角でギラつき感の無い照明光源を得るためには、三角プリズムアレーの頭頂角θは、好ましくは、55度以上60度未満の領域から選択される。この範囲を選択的に用いることにより、図6の特性図に示される如く、2灯からの光線が効率よく合成され、正面近傍(出射角度70度〜110度の範囲)において輝度が大きく変化することがなく、面光源装置を傾けた際に観測される輝度変化を小さくすることができるため、大型液晶ディスプレイ装置のバックライト光源としても初めて適用することが可能となる。
【0060】すなわち、従来、本構成に似た態様を有する面光源装置で大きな問題となっていた照明光線のギラつき感を除去することが可能となり、本発明によって初めて大型液晶ディスプレイ装置のバックライト光学系として実用可能な照明光を得ることができるのである。
【0061】より詳しく説明すれば、前方散乱光を光源とする本発明の面光源装置は、光線の出射効率という観点では散乱ロスが少ないため本質的に良好な性能を有している。しかしながら、単純に出射光線を正面方向に向けることを意図して設計された、導光体の光出射面側に頂角を向けた三角プリズムアレーによる光線方向の変角では、照明光線のギラつき感や視野角分布の2山化、もしくは拡がり過ぎといった問題を避けて通ることができない。
【0062】本発明の面光源装置に基づく、急峻領域61aを特定の範囲で面光源装置の法線方向からシフトさせ、片方の光線からの照明光線がなだらかに変化する領域61bにおいて、対向する光源からの光線を合成する光学的設計手段によって、初めて実用に供するに適切な照明光線が得られるのである。
【0063】ここで、十分に変角がなされていない状態、すなわち、図8の特性図に示される如く、急峻領域が面光源装置の法線方向からは外れてはいるものの、急峻領域81a近傍で対向する光源からの光線の合成がなされている系においては、ある程度の範囲で視野角度分布は拡大され、一見して視野角度分布を制御したような状態を実現させることは可能であるものの、これら照明光線はギラつき感も大きく、2山分布になってしまうことから、実用的な照明光源としては不十分であることは言うまでもない。
【0064】本発明に用いられる三角プリズムアレーは観察者が視認できない程度の微細度を有することが好ましく、ピッチ幅500μm以下、好ましくは200μm以下、さらに好ましくは100μm以下とされる。また、ドットパターン見えを回避し、さらにはモアレ模様等の干渉縞を防止するために、ディフューザーが導光体上に設けられていることが好ましい。
【0065】すなわち、導光体11の光出射面20又はこれに対向する面21の何れか、もしくは両方にディフューザー機能を有するシートが配設されるか、又は導光体11の表面そのものにディフューザー機能が与えられていることが好ましい。これは、プリズムアレーに入射する以前にディフューザーによって光の位相を乱すことで、規則的かつ微細に配列した凸状突起粗面ドットからの前方散乱光の等位相面が、液晶パネル上に設けられたゲートアレー部やブラックマトリクスと干渉し、モアレ模様等が生じるのを防ぐことができるからである。
【0066】ここで、ディフューザーの形成方法は特に限定されず、アクリルビーズ等をポリエステル等の透明シート上、もしくは直接導光体上にコーティングしても良いが、射出成型時にHAZE量20〜80%、好ましくは30〜70%、より好ましくは35〜65%なるマット面を同時に形成するように金型加工するのが、生産の容易性や低コスト化の観点から最も好ましい。
【0067】更に、本発明の面光源装置では、図9に示されるように調光シート38におけるほぼ三角プリズム状のプリズムアレー38aが形成された側と相反する側に、母線を該プリズムアレー38aとほぼ直交する第2のアレー状集光素子41aを設けることが好ましい。
【0068】第2のアレー状集光素子41aを設ける理由は、本発明の面光源装置において用いられる凸状突起粗面ドット22、23、24、………から発せられる前方散乱光が、本来、指向性が高く特定方向に対して輝度が高い光源であり、元々線状光源12、13に対して平行な方向についても、集光されているにも係わらず、導光体上に配した光出射面側を向いたプリズムアレー38aによって光線方向を正面方向への出射ビームに変換される過程で指向性が若干弱められてしまっているためである。
【0069】すなわち、線状光源に平行な方向についても本来の指向性を取り戻し、特に必要性の乏しい、正面から大きく外れた方向に出射してしまっている光線を、適切な光学的手段によって、正面方向に向ける必要がある。
【0070】従来からサイドライト型面光源装置の出射光線集光手段として、頂角が観察者側を向いた三角プリズムアレーを用いる方法は一般的であり、本発明においても、上記線状光源に平行な方向への集光手段として、調光シート38の直上に、例えば、頭頂角90度、ピッチ50μmなる三角プリズムアレーを配して失われた指向性を回復することも可能である。
【0071】しかしながら、従来型の光散乱性インキを光取出し手段とする導光体から発せられる出射光は本質的に光の拡散性が高いため、このような三角プリズムアレーによって効率良く集光されるものの、本発明において用いられる凸状突起粗面ドット22、23、24、………から発せられる出射光線は元来集光された特性を有するため、必ずしもこの手法は効率がよいとは言えない。
【0072】さらに、頂角が観察者側を向いた三角プリズムアレーによる集光では、同光学系に特徴的な出射光線の反転現象が現れてしまうため、横方向から見た場合に急激に明るさが変化してしまうことから、液晶TV等のバックライト光源手段としては外観上好ましくないという問題があった。
【0073】この問題を解決するためには、アレー状集光素子として、観察者側に頂角を向けた三角プリズムアレー素子によって線状光源平行方向の集光を果たすのではなく、凸状突起粗面ドットから発せられる出射光線に対して集光効率が高く、尚かつ、出射光線の反転現象が生じない波板形状もしくは凸状レンチキュラーレンズ形状を用いるべきである。
【0074】すなわち、図5(b)に示される調光シート41に形成された波板形状のアレー集光素子41aの場合、元来、コリメート光源に近い本発明による出射光線に対して、表示面の法線方向に近い出射角度の光線は、殆ど方向を変換されることなく出射するが、法線方向から大きく外れた、本来、必要性の乏しい方向に出射してしまった光線のみを選択的に法線方向に向けるように作用することから、効率の良い集光が行われる。
【0075】このような第2のアレー状集光素子41aを用いた面光源装置の一例は図9に示される。この面光源装置によると、出射光線の反転現象が現れないため、液晶TV等に用いられるバックライト光源として極めて好適な特性を有している。この第2のアレー集光素子41aにおける波板の形状としては要求される特性に応じて形状やピッチ幅は、適宜、選択されるが、筋状のムラ等を防止する観点からピッチ幅500μm以下、好ましくは200μm以下、さらに好ましくは100μm以下とされる。
【0076】また、導光体の光出射面側を向いたプリズムアレー38a等と干渉縞を起こすことを防ぐためには、該波板形状のピッチや高さをランダムに変化させたり、波板形状の表面にアクリルビーズコーティング、もしくはサンドブラスト加工する等が効果的である。
【0077】加えて、波板とほぼ同等な効果を実現する別種な第2のアレー状集光素子の態様としては、図5(c)に示す如く、凸状レンチキュラーレンズアレー42aを用いる態様も好ましい。この際、実用上要求されるピッチは前記波板形状の場合に準じて作成される。また、これらの波板状アレー41aもしくは凸状レンチキュラーレンズアレー42aは、導光体11の光出射面20側に向いたプリズムアレー38aが形成された調光シート38の上に、さらに新たな調光シートとして設けることによって効果が得られる。
【0078】しかし、最も好ましくは、図10(a)(b)に示すように、導光体11の光出射面20側を向いたプリズムアレー38aが形成された調光シート38に直接、このプリズムアレー38aとは逆側に、ほぼ直交して、これらのアレー状集光素子41a又は42aが設けられる態様が好ましい。すなわち、このように両面にアレー状集光素子38a、41a又は42aを設けることによって、空気−シート層界面での反射ロスを低減し、出射光線をより有効活用することができるようになるのである。
【0079】本発明における面光源装置の好ましい使用形態は、線状光源は使用時に水平となる方向に配設されている形態である。これは、一般的に面光源装置に要求される視野角特性は水平方向が広いことが望ましいためであり、本発明において得られる照明光の視野角特性は前記方向に線状光源を配置した際には、この要求を満たすに極めて適したものとなるためである。
【0080】特にパーソナルコンピュータのモニターや液晶TVでは、この要求は大きいものであり、TCO規格に代表される様に、水平方向には広い視野角特性が要求されているため、本発明の面光源装置は同用途には極めて好適である。
【0081】さらに、母線38bを線状光源12、13と平行とする、ほぼ三角プリズム状のプリズムアレー38aとして、図11に示されるように調光シートの法線方向に対して非対称であり、かつ、前述した頭頂角を有する、ほぼ断面三角形状のプリズムアレーを用いることで、視野角度分布が面光源装置の法線に対して非対称な照明光源をも得ることが可能となる。
【0082】したがって、この照明光源として、前述の様に線状光源は使用時に水平線とほぼ平行となる方向に配設し、図13に示されるように、液晶ディスプレイモニターを構成した際に、通常必要としない下方向には照明光が向かわぬ非対称な視野角度分布104を与えることで、必要性の高い上方や正面方向により多くの光線を向かわせることができるため、より高輝度化された液晶ディスプレイ装置を提供することができる。
【0083】本発明の好ましい態様においては、導光体および調光シートは、いずれも樹脂材料によって形成される。特にアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、または環状ポリオレフィン系樹脂が好適に用いられ、調光シート表面に形成される光学素子群はアクリル系等に代表される公知の熱硬化性、もしくは光硬化性樹脂によって形成されるものが好ましい。
【0084】本発明において、液晶ディスプレイとは液晶分子の電気光学効果、すなわち光学異方性(屈折率異方性)、配向性等を利用し、任意の表示単位に電界印加あるいは通電して液晶の配向状態を変化させ、光線透過率や反射率を変えることで駆動する、光シャッタの配列体である液晶セルを用いて表示を行うものをいう。
【0085】具体的には、透過型単純マトリクス駆動スーパーツイステッドネマチックモード、透過型アクティブマトリクス駆動ツイステッドネマチックモード、透過型アクティブマトリクス駆動インプレーンスイッチングモード、透過型アクティブマトリクス駆動マルチドメインヴァーチカルアラインドモード等の液晶表示素子が挙げられる。
【0086】これら液晶表示素子のバックライト光源手段として本発明の面光源装置を用いて液晶ディスプレイ装置を構成することにより、本質的には高輝度化に有効でありながら、これまでに大型液晶ディスプレイ装置のバックライト光源手段としては未完成であった前方散乱光源を光源とする照明光学系を用い、より高度かつ実用的な光学特性を有する照明光学系を提供することができる。
【0087】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0088】(実施例1)図1に示した構造の面光源装置を製造した。導光体として350.0×285.0mm、厚み5mmのアクリル樹脂を使用し、2つの長辺部に冷陰極管からなる線状光源を設け、線状光源から離れるにしたがって面積が相対的に大きくなるようにパターニングした凸状突起粗面ドットからなる前方散乱光生成手段を導光体上に転写した。
【0089】凸状突起粗面ドットの突起量は15.0μmとし、該凸状突起粗面ドットを上方から見たときの概形が縦横の比2.0となる楕円形状を有した、平均面積0.25mm2なる凸状突起粗面ドットを用いた。この際、該楕円形状の長軸は線状光源12、13が配置されている側端部(導光体の長辺部)16、17に平行となるようにパターニングを行っている。
【0090】更に、導光体の短辺(線状光源の配設されていない辺)を底辺として、底角ψ=40度なる二等辺三角形状の散乱能強化領域31、32を設けた。すなわち、導光体11の中心部33とサイド部37ではドット径が異なり、楕円形状をした該凸状突起粗面ドット22、23、24、………の長軸長で測定してサイド部37では中心部33の約1.2倍の長さとなっている。また、通常領域と散乱能強化領域の境界においてドット径は急激に変化しているのではなく、滑らかに変化するようパターニングが施されている。
【0091】次に、導光体の光出射面20と対向する面にはAgを蒸着した光線反射率95%、拡散角1.7度なる反射シート27を配し、さらにその上にはHAZE30%なるディフューザーシート43を配して、ドットパターンによるモアレ模様の発生を抑えた。導光体の光出射面20側を向いた三角プリズムアレー38aとしては、厚み180μmのポリエチレンテレフタレート基材フィルム上に、プリズム頂角63度、ピッチ50μmなる三角プリズムアレーを形成し、該三角プリズムアレー38aの母線38bを線状光源12、13に平行とした。
【0092】導光体11の2つの入光部である側端部16、17には管径2.6mmの冷陰極管からなる光源12、13を配置し、該冷陰極の周囲はAgを蒸着したシートと厚み0.1mmなるステンレス板を張り合わせた部材を板金加工して得られたリフレクタ14、15で覆った。ここで、リフレクタの開口幅は4.7mmとされ、導光体10の板厚み5.0mmよりも小さくされているため、リフレクタ14、15は導光体11の側端部16、17を塞ぐように配置することができる。
【0093】さらに、該リフレクタの背面部には圧着固定部材103として、ウレタンシートからなる粘着シートを張り付け、該面光源装置を格納するプラスチックフレーム101からリフレクタ14、15が導光体11方向に押しつけられる応力を受けるようになっているため、輝線の発生源となる光漏れによる導光体の上下面20、21からの光線入射が抑えられている。
【0094】また、プラスチックフレーム101にはリフレクタの位置を正確に固定するためのガイディング機構102が設けられている。これにより、導光体11とリフレクタ14、15の位置関係は正確に定められ、光漏れによる輝線の発生が防止されている。点灯には2本の冷陰極管12、13を独立に制御し、管電流が共に一定となるようにして、専用のインバータユニットを用いて点灯した。3軸制御のポジショニングテーブル上に該面光源装置を固定し、等間隔にサンプリングした面内25点での輝度値を輝度計(トプコム製BM−7)を用いて測定した。結果を表1に示す。
【0095】(実施例2)実施例1記載の面光源装置を用いて、三角プリズムアレーが形成された調光シート38の上に、第2のアレー状集光素子としてピッチ30μmなる波板状集光素子41aが上面に形成された第2の調光シート41を、該波板状アレー集光素子41aの母線41bと該シート41の下部に配設され、光出射面20側を向いた三角プリズムアレー38aの母線38bとがほぼ直交するように配置した。線状光源、リフレクタ、光源点灯方法等も実施例1と同様にして輝度値を測定した。結果を表1に示す。
【0096】(実施例3)導光体のサイズ、凸状突起粗面ドットからなる前方散乱光生成手段のパターニングは実施例1と同様にして導光体11を成形した。また、ディフューザーシート43の代わりに、導光体11の光出射面20をヘーズ45%となるマット面とし、実施例1と同様に導光体の短辺を底辺とする二等辺三角形状の散乱能強化領域31、32を設けて光出射面全面での輝度分布を均一化している。
【0097】また、片方の線状光源のみを点灯した際に調光シート38直上で観測される急峻領域61aが十分に光出射面の法線方向から外れるように変角し、対向する光源からの光線が、図6に示されるように、なだらかに変化する領域61bにおいて合成され、急峻領域61aに起因するギラつきが発生しない光学特性を得るようにするため、導光体の光出射面20側を向いた三角プリズムアレー38aとしては、プリズム頂角58度、ピッチ50μmなる三角プリズムアレーを実施例1と同一のシート上に形成し、該三角プリズムアレー38aの母線38bを線状光源と平行とした。
【0098】さらに三角プリズムアレー38aが形成されたシートの上には、第2のアレー状集光素子41aとして実施例2と同一のシート41を配し、その他、線状光源、リフレクタ、光源点灯方法等も実施例1と同様にして輝度値を測定した。結果を表1に示す。
【0099】(実施例4)実施例3と同一の光出射面側にマット面の設けられた導光体を用い、実施例1と同様に導光体の短辺を底辺とする二等辺三角形状の散乱能強化領域31、32を設けて光出射面全面での輝度分布を均一化した。また、凸状突起粗面ドットとして、該ドット形状を上方から見たときの概形が縦横の比3.0となる菱形形状を有した、平均面積0.15mm2なる凸状突起粗面ドットを用いてパターニングを施している。
【0100】また、導光体の光出射面20側を向く三角プリズムアレー38aとしては、実施例3と同様にプリズム頂角58度、ピッチ50μmなる三角プリズムアレーを用い、さらに、該シート38の三角プリズムアレー38aが形成された側と逆面には第2のアレー状集光素子41aとしてピッチ30μmなる波板状集光素子を、図9(a)に示す如く、各々の母線41bがほぼ直交するように形成した。その他、線状光源、リフレクタ、光源点灯方法等は実施例1と同様にして輝度値を測定した。結果を表1に示す。
【0101】(実施例5)実施例3と同一の光出射面側にマット面の設けられた導光体を用い、実施例1と同様に導光体の短辺を底辺とする二等辺三角形状の散乱能強化領域31、32を設けて光出射面全面での輝度分布を均一化した。
【0102】また、導光体の光出射面20側を向く三角プリズムアレー38aとしては、図11に示す如く、非対称なα=25度、β=34度なる実質的頭頂角が59度となる、非対称三角プリズムアレーを用いたことの他は実施例3と同様にして、対向する光源からの光線が、図12の特性図に示される特性曲線(光線成分111、112の合成によって得られる照明光)113となるように、各光線成分111、112のなだらかに変化する領域において合成され、急峻領域に起因するギラつきが発生しない光学設計を行った。
【0103】三角プリズムアレー38aが形成された調光シート38の上には、第2のアレー状集光素子41aとして実施例2と同一のシート41を配している。その他、線状光源、リフレクタ、光源点灯方法等は実施例1と同様にして輝度値を測定した。結果を表1に示す。
【0104】また、透過率7%なる透過型アクティブマトリクス駆動ツイステッドネマチックモードの液晶セルを該面光源装置上に配し、対向して配設された冷陰極管からなる線状光源が水平(床面と平行)となり、かつ、該面光源装置から得られる非対称視野角度分布が使用時に図13に示される方向となる様に実装して、液晶ディスプレイモニター装置を得た。
【0105】パソコン用モニターとして使用したところ、通常必要の無いキーボード方向(下方向)へは光が多く出射せず、その分、必要性の高い正面、及び上方への出射光線量を大きく出来たため、輝度が高く消費電力量が低く抑えられ、実用上、極めて好適であった。
【0106】(比較例1)実施例1と同じサイズのアクリル樹脂からなる導光体にチタニアを主成分とするアクリル系白色インキを定法のスクリーン印刷法によって印刷して導光体とした。パターニングは光源から離れるにしたがってドット径が大きくなるようにされている。
【0107】導光体の光出射面上には拡散シートを配し、導光体の光出射面と相対する側には反射率95%なる白色の反射シートを配置した。さらに拡散シート上部にはプリズム頂角が90度となる三角プリズムアレーをプリズム頂角が観察者側を向き、該プリズムアレーの母線が線状光源の配される導光体の長辺部と平行となるようにして、出射光線を正面方向に集光した。その他、線状光源、リフレクタ、光源点灯方法等は実施例1と同様にして輝度値を測定した。結果を表1に示す。
【0108】
【表1】

【0109】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の面光源装置によれば、大型液晶ディスプレイパネルのバックライト光源手段として使用することの困難であった、前方散乱光源を光源とする照明光学系を用いながら、高輝度化と高視野角化を両立し、さらには輝度分布の均一性を同時に実現することができる。
【0110】すなわち、本発明の面光源装置における優れた光学特性は、近時、大型化が進む液晶ディスプレイモニターや液晶TVのバックライト光源手段として極めて適切な特性を有する。また、本発明における面光源装置の簡潔な照明光学系は液晶ディスプレイ装置の低コスト化に極めて有用である。
【出願人】 【識別番号】000005968
【氏名又は名称】三菱化学株式会社
【識別番号】393032125
【氏名又は名称】油化電子株式会社
【出願日】 平成11年9月20日(1999.9.20)
【代理人】 【識別番号】100089244
【弁理士】
【氏名又は名称】遠山 勉 (外2名)
【公開番号】 特開2001−93316(P2001−93316A)
【公開日】 平成13年4月6日(2001.4.6)
【出願番号】 特願平11−266321