| 【発明の名称】 |
面光源装置及びこれを用いた液晶ディスプレイ装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】菅 義訓
【氏名】三輪 雅申
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| 【要約】 |
【課題】粗面や光散乱性微粒子等から発生する高輝度で且つ指向性の高い散乱光を利用しながら、視野角特性を十分に広く保ち、更に正面輝度を高くする構造が簡素で生産の容易な面光源装置及びこれを用いた液晶ディスプレイ装置を提供すること。
【解決手段】一表面が光出射面16とされた導光体11に光取出し手段17を、対向する両側端部14、15に光源12を、そして光出射面上に調光シート21をそれぞれ設けてなる面光源装置において、光取出し手段17が粗面又は光散乱性粒子から構成され、両側端部14、15に配設された光源12のうち、いずれか一方を点灯させた際に得られる照明光の光源に直交する方向への視野角度分布特性を、縦軸に輝度を取り、横軸に出射角度を取った時の特性線図で表した時、ピークを境に急峻領域31aとなだらか領域31bを有する非対称形であって、かつ両光源を同時に点灯した際に、両光源からの照明光によるそれぞれの特性線図が前記なだらか領域31bにおいて交差するように合成すべく調光シート21の変角光学系が定められていることを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一表面が光出射面とされた導光体と、この導光体に設けられた光取出し手段と、前記導光体における対向する両側端部に配設された光源と、前記導光体の前記光出射面上に配設された調光シートとを備える面光源装置において、前記光取出し手段が粗面もしくは光散乱性粒子から構成され、前記導光体における対向する両側端部に配設された前記光源のうち、いずれか一方を点灯させた際に、前記調光シートの直上で観測される出射光線の前記光源に垂直な方向への視野角度分布特性を、縦軸に輝度を取り、横軸に出射角度を取った時の特性線図で表した時、ピークを境に急峻領域となだらか領域を有する非対称形であって、かつ前記両光源を同時に点灯した際に、前記両光源からの照明光によるそれぞれの前記特性線図が前記なだらか領域において交差するように合成すべく前記調光シートの変角光学系が定められていることを特徴とする面光源装置。 【請求項2】 前記調光シートの変角光学系は、頂角を前記導光体の前記光出射面側に向け且つ頭頂角が55度以上60度未満の三角プリズムアレーであることを特徴とする請求項1に記載の面光源装置。 【請求項3】 前記プリズムアレーは、断面二等辺三角形状プリズムをピッチ幅500μm以下で配置したものであることを特徴とする請求項2に記載の面光源装置。 【請求項4】 前記調光シートの前記プリズムアレーが形成された面と相反する面にはディフューザーが形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の面光源装置。 【請求項5】 前記光取出し手段は、突起量50μm以下なる多数の凸状突起の表面に形成された粗面ドットから構成され、前記光出射面と対向する面には拡散角10度以下の正反射性反射シートが配設されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の面光源装置。 【請求項6】 一つの前記凸状突起粗面ドットの占有面積は、0.5mm2以下とされ、前記突起量は30μm以下であり、かつ前記拡散角は5度以下であることを特徴とする請求項5に記載の面光源装置。 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の面光源装置をバックライト光源手段として用い、前記導光体に設けられた一対の前記光源が使用時にほぼ水平となるように配置された線状光源であることを特徴とする液晶ディスプレイ装置。 【請求項8】 前記調光シートの変角光学系は、頂角を前記導光体の前記光出射面側に向けた非対称三角プリズムアレーであり、正面及び上方に出射光線を集中化したことを特徴とする請求項7に記載の液晶ディスプレイ装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は面光源装置及びこれを用いた液晶ディスプレイ装置に関し、更に詳細には面光源装置の視野角性能、正面輝度等を向上させる技術であり、更にこの面光源装置を例えばバックライトとして好適に用いた液晶ディスプレイ装置に関する。 【0002】 【従来の技術】近時、ワードプロセッサやパーソナルコンピュータ等の表示装置として透過型の液晶表示(ディスプレイ)装置が多用されており、このような液晶表示装置では、通常、液晶素子の背面に面状の照明装置即ちバックライトが配設されている。このバックライトは冷陰極放電管等の光源(細い棒状の光源で、線状光源と呼ぶことがある)を面状の光に変換する機構とされている。 【0003】具体的には、液晶素子の背面直下に光源を配設する方法や、側面に光源を設置し、アクリル板等の透明な導光体(板)を用いて面状の光に変換して面光源を得る方法(サイドライト方式)が代表的であり、その場合(サイドライト方式)には、導光体の光出射面にプリズムアレー等からなる光学素子を配設して所望の光学特性を得る機構とされている。 【0004】ここで、このサイドライト方式については、例えば特開昭61−99187号公報や特開昭63−62104号公報に開示されている。特に、軽量、薄型という液晶表示装置の一般的特徴をより有効に引き出すためには、バックライトを薄くすることができるサイドライト方式の利用が好適であり、携帯用パーソナルコンピュータ等の液晶表示装置にはサイドライト方式のバックライトが多く使用されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】これらバックライトに要求される性能は、近時、ますます高度化する方向にあるが、特に、カラー液晶ディスプレイを用いた携帯型パーソナルコンピュータやTVモニターでは、カラー液晶セル自体の光線透過率が極めて低いため、必然的にバックライト光源の輝度値は高いものが要求される。 【0006】このため、前述したサイドライト方式からなるバックライトにおいては、プリズムアレー等からなるシートを多用した光学的集光作用によって正面輝度を確保する態様が代表的である。しかし、プリズムアレー等を多用することは正面輝度を確保するためには有効であるものの、視野角特性が狭くなり、さらには大きなコスト増を招くため、より簡易な手段によって正面輝度と視野角特性の両方を満足させた面光源装置の出現が待ち望まれていた。 【0007】これらの解決策として最も有効と考えられるのは、特開平6−18879号公報等に開示されているように、導光体表面に形成された粗面や導光体中に分散した光散乱性微粒子等から発生する高輝度な指向性の高い散乱光を用いる試みであるが、これらの指向性散乱光を用いた際には正面輝度は比較的十分に確保されるものの、光源である蛍光管の長軸に垂直な方向への視野角特性が極めて狭くなってしまうため、モニター向け液晶ディスプレイ装置等への適用に際して極めて大きな妨げとなっていた。 【0008】本発明の目的は、かかる従来の問題点を解決するためになされたもので、粗面や光散乱性微粒子等から発生する高輝度で且つ指向性の高い散乱光を利用しながら、視野角特性を十分に広く保ち、更に正面輝度を高くする構造が簡素で生産の容易な面光源装置及びこれを用いた液晶ディスプレイ装置を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明は面光源装置であり、前述した技術的課題を解決するために以下のように構成されている。すなわち、本発明の面光源装置は、一表面が光出射面とされた導光体と、この導光体に設けられた光取出し手段と、前記導光体における対向する両側端部に配設された光源と、前記導光体の前記光出射面上に配設された調光シートとを備える面光源装置において、前記光取出し手段が粗面もしくは光散乱性粒子から構成され、前記導光体における対向する両側端部に配設された前記光源のうち、いずれか一方を点灯させた際に、前記調光シートの直上で観測される出射光線の前記光源に垂直な方向への視野角度分布特性を、縦軸に輝度を取り、横軸に出射角度を取った時の特性線図で表した時、ピークを境に急峻領域となだらか領域を有する非対称形であって、かつ前記両光源を同時に点灯した際に、前記両光源からの照明光によるそれぞれの前記特性線図が前記なだらか領域において交差するように合成すべく前記調光シートの変角光学系が定められていることを特徴とする。 【0010】<本発明における具体的構成>本発明の面光源装置は、前述した必須の構成要素からなるが、その構成要素が具体的に以下のような場合であっても成立する。その具体的構成とは、前記調光シートの変角光学系として三角プリズムアレーを使用し、この三角プリズムアレーは、頂角を導光体の前記光出射面側に向け且つ頭頂角が55度以上60度未満であることを特徴とする。また、このプリズムアレーは、断面二等辺三角形状プリズムをピッチ幅500μm以下で配置したものとすることができる。 【0011】また、本発明の面光源装置では、前記調光シートの前記プリズムアレーが形成された面と相反する面にディフューザーを形成しておくことも好ましい。更に、前記光取出し手段としては、突起量50μm以下なる多数の凸状突起の表面に形成された粗面ドットから構成することができ、前記光出射面と対向する面には拡散角10度以下の正反射性反射シートを配設することが好ましい。 【0012】更に、本発明の面光源装置では、一つの前記凸状突起粗面ドットの占有面積を0.5mm2以下とし、前記突起量を30μm以下とし、かつ前記拡散角は5度以下とすることが好ましい。 【0013】本発明は、前述した特徴を備える面光源装置を備える液晶ディスプレイ装置であり、前述の面光源装置をバックライト光源手段として使用し、その際前記導光体に設けられた一対の前記光源が使用時にほぼ水平となるように配置された線状光源であることを特徴とする。その場合、前記調光シートの変角光学系は、頂角を前記導光体の前記光出射面側に向けた非対称三角プリズムアレーであり、正面及び上方に出射光線を集中化したことを特徴とする。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明の面光源装置及びこれを用いた液晶ディスプレイ装置を図に示される実施形態について更に詳細に説明する。図1には本発明の一実施形態に係る面光源装置10が概略的に示されている。この実施形態に係る面光源装置10は、一表面を光出射面16とする導光体11を備えている。 【0015】この導光体11の一側端部14には光源12が配設されている。この光源12は、蛍光管、LEDアレーなど特に限定されるものではないが、光源輝度に優れ、細管化の容易な冷陰極放電管(線状光源)の利用が最も好適である。この光源12の周囲にはリフレクタ13が配設され、光源12から出射した光線をできるだけ無駄なく導光体11の光入射面である一側端部14に入射させる機構とされている。 【0016】また、このリフレクタ13の導光体11との接続部近くにおける導光体11の光出射面16に黒色等の光吸収帯を設けることが好ましい。このような黒色等の光吸収帯をリフレクタ13の導光体11との接続部近くにおける導光体11の光出射面16に設けることで、光源近傍の光出射面16に発生し易い輝線を防止することができる。 【0017】本発明の面光源装置10においては、導光体11の一側端部14に対向する他側端部15にも光源12及びこれを覆うようにリフレクタ13が配設されていることが必須であり、代表的には図1に例示されるように、導光体11の対向する側端部14、15に冷陰極管がそれぞれ1本づつ配設された、いわゆる2灯式の態様が挙げられる。 【0018】この他にも、導光体11の例えば4つの側端部すべてに冷陰極管が配設された4灯式、又は2灯の冷陰極管が一側端部14に配設され、これと対向する他側端部15にも2灯の冷陰極管が設けられ、合計4灯となっている態様等とすることもできる。 【0019】また、導光体11の光出射面16に対向する表面には、光を散乱するなどして高強度で指向性に優れた散乱光を導光体11から外に取り出すための光取出し機構17が設けられている。この光取出し機構17は、図1の実施形態に示されるように多数の粗面ドット17a、17b、17c、………から構成されるか、若しくは光散乱性粒子から構成することができる。 【0020】特に、導光体11の光出射面16における輝度分布を均一にするためには、光取出し機構17を多数の粗面ドット17a、17b、17c、………で構成する態様が好ましい。このような多数の粗面ドット17a、17b、17c、………は、グラデーションパターンのシボ加工や粗面からなるドットパターンの転写によって形成することができ、粗面の程度や粗面が占める面積等を調整することにより導光体11の光出射面16における輝度分布を均一化することができる。 【0021】図1に示される実施形態では、光取出し機構17を構成する多数の粗面ドット17a、17b、17c、………の粗面面積を光源から離れるにしたがって大きくし、光出射面16から出射する光量が全面でなるべく均一となるようにされており、この構成は導光体11の光出射面16における輝度分布を均一化する代表例である。 【0022】また、導光体11の光出射面16における輝度分布を均一化させるという観点では、粗面ドット17a、17b、17c、………の配置密度を光源から離れるにしたがって(導光体11の中央部に近づくにしたがって)大きくする態様であっても、同様の効果を得ることができる。 【0023】特に、光出射面内での輝度均一性と光の出射効率を兼ね備えた、実用に供するに最も適した光取出し機構は粗面からなるドットパターンであるが、これらドットパターンをアクリル樹脂等からなる導光体11上に精密に形成することは容易ではない。そこで、光の利用効率と成形の容易性の両立という観点から、鋭意、検討を重ねた結果、粗面からなるドットパターンとしては図2に示される凸状突起18を用いることが好適であることを見出すに至った。 【0024】ここで、凸状突起18の突起量は50μm以下、好ましくは30μm以下、さらに好ましくは15μm以下とすることが必要である。更には、凸状突起18の表面に形成された粗面ドット17a、17b、17c、………(この粗面ドットを、特に凸状突起粗面ドットと称する)は光の利用効率を向上させ、かつ面光源装置の光出射面10においてドットパターン見えを防止するという観点から、適度に小型化されていることが望ましく、具体的には凸状突起粗面ドット一つの占有面積は0.5mm2以下、好ましくは0.4mm2以下、さらに好ましくは0.3mm2以下とされる。 【0025】これは光の利用効率(η)が粗面の平均的な凹凸量(Ra)と粗面の平均的な存在間隔(Sm)に対して、【式1】
なる関係に基づいて決定されているためであり、適度に小型化を果たすことで存在間隔を小さくし、光の利用効率を向上させることができるからである。 【0026】また、凸状突起粗面ドットを適度に小型化した場合には、本発明に係る面光源装置上に液晶パネルを配置した際にも、液晶パネルに形成されたブラックマトリクスと干渉を引き起こしずらくなることから、液晶ディスプレイ装置のバックライト光源手段として極めて適切な照明光特性を有するという利点も発生する。 【0027】なお、粗面ドットや光散乱性粒子による散乱光のみでは、視野角特性や面内輝度分布の調整に支障をきたす場合には、さらに白色インキによる印刷パターンを光出射面16と反対側の面に併用するのがよい。これにより、白色散乱光即ち高視野角な散乱光成分を、粗面や光散乱性粒子による散乱光に混合できるため、より照明光特性の制御性が向上し、例えば、より高視野角な照明光を得ることが可能となる。 【0028】ここで、粗面からなる光取出し機構を有する導光体11では光出射面16の光源近傍の領域19に粗面からの散乱光が十分に得られない領域、すなわち暗線領域が発生するが、これは粗面からの散乱光が本質的に光出射面とは30〜50度の角度をなす、浅い角度で出射するためであり、粗面からなる光取出し機構17が光出射面16と対向する面に存在する場合には、光線経路の関係から、必然的に光源近傍では光が出射されないからである。 【0029】したがって、この暗線現象を防止するためには、図3に示されるように粗面ドットからなる光取出し機構17を光出射面16側に設けると共に、光源近傍の暗線発生部付近の光出射面16とは反対側に白色インキによる多数のドット状図形20a、20b、20c、………からなる印刷パターン20を形成することが考えられる。 【0030】本発明の面光源装置10において、光出射面16上には光出射面16側に頂角を向けた、頭頂角45〜65度なる三角プリズムアレーからなる調光シート21が配設される。三角プリズムアレーの母線(三角柱の中心線)は、図1に示される様に、側端部に配設された線状光源とほぼ平行とされている。 【0031】この効果を説明すると、まず、片側の一側端部14から入射した光線は導光体内では、スネルの法則に基づく全反射条件にしたがって伝搬する。そして、この光線が粗面ドット17a、17b、17c、………からなる光取出し機構17に行き着くと、散乱現象が発生し、もはや光線は導光体内にとどまっていることはなく、光出射面16より出射することになる。 【0032】この際に、導光体11から直接、出射する光線、及び導光体11の他側面側に配置された反射シート22による反射を介して出射する光線等があるが、いずれにしても粗面ドット17a、17b、17c、………等による高強度で指向性の強い散乱光では、出射光線の方向は光出射面16の法線方向から大きくはずれ、尚かつ、分布幅が狭いものとなってしまう。このままでは、光出射面16と正体する方向に光が出射しないので、光源としては役に立たない。 【0033】したがって、面光源装置として機能させるため、出射光線を光出射面16の法線方向、すなわち、出射角度が90度となる方向に三角プリズムを用いて変角することにより、例えば図4の特性図における特性曲線31に示されるような光線分布を得ることができる。図4に示される特性図は、縦軸に輝度(cd/m2)を取り、横軸に出射角度(°)を取って面光源装置10における視野角分布の特性を示すものである。 【0034】この特性図から明らかなように、片側の一側端部14から入射した光線のみでは、特性曲線31で示すように出射光線の分布が狭すぎる。このため、導光体11の一側端部14と対向する他側端部15にも光源12を設ける必要があるのである。 【0035】対向する光源を同時に点灯すれば、三角プリズムアレーによって変角された、それぞれの光線成分(図4の特性図において特性曲線31、32で示す)が合成され、最終的な面光源装置としての光線成分(図4の特性図において特性曲線33で示す)が得られることとなる。この際に、粗面や光散乱性粒子からの散乱光が抱えている本質的な問題として、視野角度分布に急激な輝度低下が生じる領域即ち急峻領域31aの存在が問題となる。 【0036】これは、導光体からの出射光線が、出射角度の小さいところで急激に立ち上がっているため、これがプリズムによってより強調されて、急峻領域31aとして現れるものであるが、この急峻領域の存在により、三角プリズムアレーによる変角が十分になされていない場合には、図5の特性図における特性曲線43に示すように、光線成分41、42によって得られる光線は丁度正面の光量が減少したような状態となり、面光源として用いるのにふさわしくない分布になってしまうからである。 【0037】従って、好ましい照明光を得るためには、図4の特性図で示される特性曲線31、32の関係に見られるように、輝度が緩やかに変化する領域即ちなだらか領域31bで各光線成分の合成が行われるようにするのがよい。本発明の面光源装置においては、これらの設計指針にもとづいて三角プリズムアレーの形状が決定される。 【0038】すなわち、三角プリズムアレーの頭頂角は45〜65度、好ましくは50〜60度、より好ましくは55〜60度の範囲から選択される。ここで、3角プリズムアレーの断面形状は厳密に二等辺三角形に限定されるものではなく、必要に応じて断面多角形状、断面曲面形状なども用いることが可能である。 【0039】特に、前述の照明光の制御性と製造の容易性を兼ね備えた、実用に供するに最も好ましい特性を有する、凸状突起粗面ドットを光取出し機構とする態様では、三角プリズムアレーの頭頂角は55度以上60度未満の領域から選択されることが重要である。 【0040】この範囲を選択的に用いることにより、図4に示される如く、二灯からの光線が効率良く合成され、正面近傍(出射角度70度〜110度の範囲)において輝度が大きく変化することがなく、該面光源装置を傾けた際に観測される輝度変化を小さくすることができる。従って、従来、本構成に似た態様を有する面光源装置では大きな問題となっていた照明光線のギラつき感を除去することが可能となり、本発明によって初めて液晶ディスプレイ装置のバックライト光学系として実用可能な照明光を得ることが可能となる。 【0041】すなわち、対向する光源12を同時に点灯させ、凸状突起粗面ドット17a、17b、17c、………等を光取出し機構17とする導光体11を用い、該導光体11の光出射面16と対向する面には正反射性の反射シート22を有し、該導光体11から出射する極めて指向性の高い散乱光線を光源とする面光源装置10は、光線の出射効率という観点では本質的に良好な性能を有している。 【0042】しかしながら、単純に出射光線を正面方向に向けることを意図して設計された、該導光体の光出射面側に頂角を向ける三角プリズムアレーによる光線方向の変角では、照明光線のギラつき感や視野角分布特性の2山化、もしくは拡がり過ぎといった問題を避けて通ることができない。 【0043】本発明に基づく、急峻領域31aを特定の範囲で面光源装置の法線方向からシフトさせ、片方の光線からの照明光線がなだらかに変化する領域31bにおいて、対向する2箇所の光源12からの光線を合成する光学的設計手段によって、初めて実用に供するに適切な照明光線が得られるのである。 【0044】ここで、十分に変角がなされていない状態、すなわち、図5の特性図に示される如く、特性曲線における急峻領域が面光源装置の法線方向からは外れてはいるものの、急峻領域近傍で対向する光源からの光線の合成がなされている系においては、ある程度の範囲で視野角度分布は拡大され、一見して視野角度分布を制御したような状態を実現させることは可能であるものの、これら照明光線はギラつき感も大きく、特性曲線43から明らかなように2山分布になってしまうことから、実用的な照明光源としては不十分であることは言うまでもない。 【0045】さらに、図6に示されるような、調光シートの法線方向に対して非対称な、ほぼ断面三角形状のプリズムアレーを用いることで、視野角度分布が光出射面16の法線に対して非対称な照明光源をも得ることが可能となるため、この照明光源をバックライト光源として液晶ディスプレイモニターを構成することによって、図8に示すような、液晶ディスプレイモニター24として好ましい視野角特性(正面より多少上向きに輝度の最大部分がある)を備えた液晶ディスプレイ装置を提供することができる。 【0046】本発明に用いられる三角プリズムアレーは観察者が視認できないように可能な限り微細なものであることが好ましく、通常は、ピッチ幅500μm以下、好ましくは200μm以下、更に好ましくは100μm以下とされる。また、粗面からなるドット等を光取出し手段とする場合にはドットパターンの見えるのを回避するため、粗面を形成したり、マイクロビーズ等を溶着したりしたディフューザー(散乱面)を調光シートのプリズムアレーが形成された面と相反する面に設けることが好ましい。ドットパターンと液晶セルのブラックマトリクス等から発生する干渉縞を防止する上では、更に導光体11の光出射面16上にもディフューザーを設けることが好ましい。 【0047】すなわち、プリズムアレーに入射する以前に一段目のディフューザーで光の位相を乱すことで、調光シート21上に設けられたディフューザーはヘーズが小さい前方散乱性の大きいものであっても、ドットパターンによる波面の等位相面はかき乱されるため、干渉稿は発生せず、結果として輝度を高めることができるからである。 【0048】本発明における面光源装置の好ましい使用形態は、対向する一対の側端部のみに線状光源が配設され、且つ、該線状光源は使用時にほぼ水平となるように配設されている形態である。これは、一般的に面光源装置に要求される視野角特性は水平方向が広いことが望ましいためであり、本発明において用いられる粗面等からなる散乱光は前記方向に線状光源を配置した際には、この要求を満たすのに極めて適したものとなるためである。 【0049】特にパーソナルコンピュータのモニターでは、この要求は大きく、本発明の面光源装置は同用途には極めて好適である。本発明の好ましい態様においては、導光体および調光シートは、いずれも樹脂材料によって形成される。特にアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、または環状ポリオレフィン系樹脂が好適に用いられ、調光シート表面に形成されるプリズム群はアクリル系等に代表される公知の熱硬化性、もしくは光硬化性樹脂によって形成されるものが好ましい。 【0050】また、本発明において用いられる反射シート22は表面反射率の大きいAg、Al蒸着シート、発泡性ポリエステルシートが用いられ、特に正反射性材質であるAg、Al蒸着シートの利用が好適である。これは本発明において輝度を高めるためには、凸状突起粗面ドットに代表される光取り出し機構から発生する指向性に優れた散乱光を可能な限りその強度を損なうことがないよう活用すべきであるためである。 【0051】すなわち、反射シート22としては、単に表面反射率が高いだけでなく、入射光線の角度分布を拡大しない反射光線を生成する必要がある。より具体的には、レーザー光の様なコリメート光を垂直入射した際に得られる反射光線の角度分布において、その半値角(垂直方向を0度として強度が1/2になる反射光線が観測される角度)として定義される拡散角が10度以下、より好ましくは5度以下、さらに好ましくは3度となる反射シートが好ましい。 【0052】本発明において、液晶ディスプレイ装置とは液晶分子の電気光学効果、すなわち光学異方性(屈折率異方性)、配向性等を利用し、任意の表示単位に電界印加あるいは通電して液晶の配向状態を変化させ、光線透過率や反射率を変えることで駆動する、光シャッタの配列体である液晶セルを用いて表示を行うものが代表的である。 【0053】具体的には、例えば透過型単純マトリクス駆動スーパーツイステッドネマチックモード、透過型アクティブマトリクス駆動ツイステッドネマチックモード等の液晶表示素子が挙げられ、本発明の面光源装置をこれら液晶表示素子のバックライト光源手段として液晶ディスプレイを構成することにより、高輝度、広視野角、低消費電力、薄型等、液晶ディスプレイとして好適な特性を賦与することが可能となる。 【0054】 【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。 (実施例1)図3に示した構造の面光源装置を製造した。導光体として12インチ、厚み4mmのアクリル樹脂を使用し、光源から離れるにしたがって(導光体の中央に近づくに従って)面積が相対的に大きくなるようにパターニングした粗面からなるドットパターン17a、17b、17c、………を導光体上に転写した。次に、得られた粗面からなるドットパターンが光出射面側となるようにし、光出射面と対向する面にはAgを蒸着した光線反射率95%の反射シート22を配設した。 【0055】更に、入光部における暗線現象を抑えるため、白色インキからなるドットパターン20a、20b、20c、………を入光部近くにスクリーン印刷した。調光シート21としては、厚み120μmのポリエチレンテレフタレートを基材フィルムとする、プリズム頂角60度、ピッチ150μmなるプリズムシートを用い、プリズム頂角が光出射面側を向き、該プリズムの母線が光源と平行になる方向に設置した。 【0056】調光シート21のプリズムが形成された側と相反する面にはヘーズ70%なるディフューザー(粗面)を形成した。光源としては管径3mmの冷陰極管を使用し、相対する側端部14、15にそれぞれ該冷陰極管を配設し、周囲をAgを蒸着したフィルムからなるリフレクタ13によって覆い、インバータを介して電圧印加して点灯し、面光源装置とした。この面光源装置の中央部からの各出射角度に対する輝度分布を輝度計(トプコム製BM−7)を用いて測定した。結果を表1に示す。この面光源装置を液晶ディスプレイ装置のバックライトとして用いたところ、高視野角でムラのない高輝度な液晶ディスプレイ装置が得られた。 【0057】(実施例2)図1に示した構造の面光源装置を製造した。この実施例2では、導光体として対角15インチ、厚み5mmのアクリル樹脂を使用し、光源から離れるにしたがって面積が相対的に大きくなるようにパターニングした凸状突起粗面ドットからなるドットパターンを導光体上に転写した。図2に凸状突起粗面ドットの拡大図を示す図2において、hは凸状突起の突起量を示し、この実施例2では突起量を15μmとし、概形が縦横の比2となる楕円形状を有した、平均面積0.25mm2なる凸状突起粗面ドットを用いている。 【0058】次に、光出射面と対向する面にはAgを蒸着した光線反射率95%、拡散角1.7°なる反射シート22を配設した。調光シート21としては、厚み180μmのポリエチレンテレフタレートを基材フィルムとする、プリズム頂角58度、ピッチ50μmなる三角プリズムアレーシートを用い、急峻領域31aが十分に光出射面の法線方向から外れる様に変角し、対向する光源からの光線が、図4に示されるように、なだらかに変化する領域31bにおいて合成されるようにした。 【0059】導光体の光出射面10にはヘーズ50%となる粗面を設け、さらに、調光シート17の観察者側を向く面にもヘーズ30%となるアクリルビーズコート層を設け、光取出し機構17から出射した光線がディフューザーを2段階経る光学系とした。その他については実施例1と同様にして輝度分布を測定した。結果を表1に示す。 【0060】(実施例3)α=25°、β=34°であって、実質的頭頂角が59度となる、非対称三角プリズムアレーを用いたことの他は実施例2と同様にして、対向する光源からの光線が、図7の特性図に示されるように、なだらかに変化する領域において合成され、急峻領域に起因するギラつきが発生しない面光源装置を得た。輝度分布の測定結果を表1に示す。 【0061】また、透過率7%なる透過型アクティブマトリクス駆動ツイステッドネマチックモードの液晶セルを該面光源装置上に配し、対向して配設された冷陰極管からなる線状光源が水平(床面と平行)となり、かつ、該面光源装置から得られる非対称視野角度分布が使用時に図8において符号23で示される方向となるようにに実装して、液晶ディスプレイモニター24を得た。 【0062】この面光源装置をパソコン用モニターとして使用したところ、通常必要の無いキーボード方向(下方向)へは光が多く出射せず、その分、必要性の高い正面、及び上方への出射光線量を大きくできたため、輝度が高く消費電力量が低く抑えられ、実用上好適であった。 【0063】(比較例1)プリズム頂角が70度となる三角プリズムアレーを有した調光シートを用いたことの他は、実施例1と同一の部材を用いて、輝度分布を測定した。結果を表1に示す。 【0064】(比較例2)プリズム頂角が80度となる三角プリズムアレーを有した調光シートを用いたことの他は、実施例と同一の部材を用いて、輝度分布を測定した。結果を表1に示す。 【0065】(比較例3)プリズム頂角が50度となる三角プリズムアレーを有した調光シートを用いたことの他は、実施例と同一の部材を用いて、輝度分布を測定した。結果を表1に示す。 【0066】 【表1】
【0067】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、粗面や光散乱性粒子等から発生する高輝度で指向性に優れた散乱光を利用しながら、視野角特性を十分に広く保ち、尚かつ、正面輝度を高くする構造簡素で生産の容易な面光源装置を提供することができる。 【0068】これらの特徴は、近時、高度化する液晶ディスプレイ装置おけるバックライトに対する照明光の光学特性に対する要求に応えるものであり、特にパーソナルコンピュータ用モニターや液晶TVに用いられる液晶ディスプレイ装置のバックライトとして好適な特性を備えている。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005968 【氏名又は名称】三菱化学株式会社 【識別番号】393032125 【氏名又は名称】油化電子株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年9月20日(1999.9.20) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100089244 【弁理士】 【氏名又は名称】遠山 勉 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−93314(P2001−93314A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月6日(2001.4.6) |
| 【出願番号】 |
特願平11−266320 |
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