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【発明の名称】 面光源素子
【発明者】 【氏名】橋本 洋一

【氏名】藤澤 克也

【氏名】渡辺 陸司

【氏名】大西 伊久雄

【氏名】浜島 功

【要約】 【課題】導光体と出射光制御シートとが強力に接着され、出射光制御シートが剥離しにくい面光源素子を提供すること。

【解決手段】光源2と、リフレクタ10と、リフレクタ10で反射された光源2からの光が端面1から入射される導光体3と、先端が導光体3の出射面に接着された多数の凸部7が設けられ、導光体3の出射面から光を取出して、光を出射面の正面方向に向かわせる出射光制御シート4とを備えており、出射光制御シート4における、導光体3の出射面から光を取出す当該凸部7が設けられた面と同じ面に、当該凸部7よりも先端の面積が広い広幅の凸部(フレーム8)が設けられており、当該広幅の凸部8と導光体3の出射面とが接着されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光源と、リフレクタと、リフレクタで反射された光源からの光が端面から入射される導光体と、先端が導光体の出射面に接着された多数の凸部が設けられ、導光体の出射面から光を取出して、光を出射面の正面方向に向かわせる出射光制御シートとを備えており、出射光制御シートにおける、導光体の出射面から光を取出す当該凸部が設けられた面と同じ面に、当該凸部よりも先端の面積が広い広幅の凸部が設けられており、当該広幅の凸部と導光体の出射面とが接着されていることを特徴とする面光源素子。
【請求項2】 該幅広の凸部が、出射光制御シートの外周に、導光体の出射面から光を取出す当該凸部を囲むように設けられている請求項1に記載の面光源素子。
【請求項3】 導光体の出射面から光を取出す該凸部の高さに対する、該幅広の凸部の高さが、±20%以内にある請求項1または2に記載の面光源素子。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パーソナルコンピュータ、コンピュータ用モニタ、ビデオカメラ、テレビ受信機、カーナビゲーションシステムなどに利用される面光源素子に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶パネルに代表される透過型表示装置は、面状に光を発する面光源素子(バックライト)とドット状に画素が配置された表示パネルとで構成され、該表示パネルの各画素の光の透過率がコントロールされることによって文字および映像が表示される。面光源素子としては、ハロゲンランプ、反射板、レンズ等が組み合わされて出射光の輝度の分布が制御されるもの、蛍光管が導光体の端面に設けられ、蛍光管からの光が端面と垂直な面から出射されるもの、蛍光管が導光体の内部に設けられたもの(直下型)などが挙げられる。ハロゲンランプを利用した面光源素子は、高輝度を必要とする液晶プロジェクタに主に用いられる。一方、導光体を利用した面光源素子は薄型化が可能であるため、直視型の液晶TV、パーソナルコンピュータのディスプレイなどに用いられることが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】液晶TV、ノートパソコンなどに用いられる面光源素子では、消費電力を軽減すること、および高輝度であることが要求されている。高輝度化を実現することは、冷陰極管などの光源を増やすことで可能であるが、この方法は消費電力の増加につながるため実用的ではない。そこで、導光板上に光を取り出すシート(光制御シート)が設けられた構成の面光源素子が提案されている(特開平8−221013号公報参照)。この面光源素子によれば、光の全反射を利用しており、光の損失が少なく、高輝度化を実現することができる。
【0004】導光板上に出射光制御シートが設けられた構成の面光源素子では、導光板と出射光制御シートの凸部先端とを光学的に接着しなければならない。接着に用いられる材料として、透明な粘着剤、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂などが挙げられるが、導光板と出射光制御シートの凸部先端とは点接着されることから、接着強度が低い。このため、周囲の温湿度などの環境に変化が生じた場合には、出射光制御シートと導光板との熱膨張率差または吸湿膨張率差によって、特に出射光制御シートと導光板との外周部で大きな剪断応力が発生し、両者が剥離することがある。また、接着強度が低いため、接着作業後に誤って出射光制御シート等に接触してしまうと出射光制御シートが剥がれることがあり、取り扱いに十分注意しなければならず、作業効率の低下を招いていた。
【0005】本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、導光体と出射光制御シートとが強力に接着され、出射光制御シートが剥離しにくい面光源素子を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する本発明の面光源素子は、光源と、リフレクタと、リフレクタで反射された光源からの光が端面から入射される導光体と、先端が導光体の出射面に接着された多数の凸部が設けられ、導光体の出射面から光を取出して、光を出射面の正面方向に向かわせる出射光制御シートとを備えており、出射光制御シートにおける、導光体の出射面から光を取出す当該凸部が設けられた面と同じ面に、当該凸部よりも先端の面積が広い広幅の凸部が設けられており、当該広幅の凸部と導光体の出射面とが接着されていることを特徴とする。本発明の面光源素子のように幅広の凸部を付け加えることによって、導光体と出射光制御シートとの接着面積を大きくすることができ、両者の接着力を高めることができる。該幅広の凸部が、出射光制御シートの外周に、導光体の出射面から光を取出す当該凸部を囲むように設けられていること、また導光体の出射面から光を取出す当該凸部の高さに対する、当該幅広の凸部の高さが、±20%以内にあることが、いずれも導光体と出射光制御シートとの接着強度をより高めることができる点で好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】図1に本発明の面光源素子の1例の概略構成図を示す。この面光源素子は両端面1側に光源2がそれぞれ設けられた導光体3と、導光体3から出射された光の角度分布を制御する出射光制御シート4とを備えている。出射光制御シート4は導光体3の出射面上に配置されており、出射光制御シート4の入射面5に入射した光が出射面6から出射される。出射光制御シート4の入射面5には多数の凸部7が形成されており、この凸部7の導光体側先端と導光体3の出射面とが光線が通過するように接着剤9により光学的に点接着されている。端面1から導光体3に入射した光は導光体3内を全反射を繰り返しながら伝搬していく。この伝搬光は凸部7と導光体3の出射面との密着部から出射光制御シート4に取り込まれる。これにより、導光体3内を伝搬する光は密着部から順次、出射光制御シート4に取り出され、取り出された光は出射光制御シート4の凸部7内で全反射されながら集光される。光源2の周りには、導光体3の端面とは反対方向に進む光を反射し、導光体3の端面方向に進行させるリフレクタ10が設けられている。
【0008】本発明の面光源素子において、出射光制御シート4の上記多数の凸部7が設けられた面と同じ面の外周部には、当該凸部7よりも先端の面積が広い広幅の凸部8が設けられており、当該広幅の凸部8と導光体3の出射面とが接着されている(以下、この広幅の凸部8を「フレーム」と言う。)。フレーム8と導光体の出射面とは、接着剤9を用いて光学的に接着されている。フレーム8内に入光した光は出射面6で反射されて、導光体へ再び入光する。図2に出射光制御シート4の平面図を示すように、フレーム8は、導光体の出射面から光を取出す当該凸部7を囲むように外周沿いに設ければ良い。
【0009】本発明における出射光制御シートの作製方法の一例を図3を用いて説明する。まず、ガラス基板11上にポジ型の感光性樹脂12をコーティングし(例えば、厚さ30μm)、図3に示すように、この感光性樹脂をフォトマスク13を介して露光し、その後、現像処理を行う。導光体から光を取出すために設けられる凸部7に対応するフォトマスクのパターンは、例えば40μm周期でスリット幅が6μmである。また、フレーム8に対応するフォトマスクのパターンは、露光に用いる紫外線をわずかに通過させて感光性樹脂を反応させることによって熱処理後の残膜の厚みを調整するために、40μm周期で1.5μm幅の細いスリットが設けられている。なお、フレームに対応するフォトマスクとして、細いスリットを有するものに代えて、光線透過率が調整されたものを使用することもできる。また、出射光制御シートの作製には、ネガ型の感光性樹脂を用いることもできる。
【0010】上記のフォトマスクを用いて現像した後の感光性樹脂の断面形状は図4に示すように台形状になっている。これを熱処理することによって、図5に示すように、放物線状の凸部7のパターンと、フレーム8になる幅広の凸部とが得られる。フレームは、上側が平坦であり、フレームと導光体とが完全に面接着されることが接着強度を高めることができる点で好ましいが、感光性樹脂とフォトマスクとを用いた上記の方法では、図5に示すようにフレームの上側に若干の凹凸ができることは避け難い。ここで、導光体と出射光制御シートとの接着強度をより高めることができる点で、導光体の出射面から光を取出す凸部7の高さに対するフレーム8の高さが±20%以内にあることが好ましいが、熱処理を行うと熱処理前に比べて、凸部7の高さが低下するため、低下量を考慮してフレーム8の部分を露光するためのフォトマスクのスリット幅を設定する必要がある。図6の断面図に示すように導光体の出射面から光を取出す凸部7の高さと、フレーム8の高さとが大差ないときには、光取り出し用の凸部7の先端がフレーム8の近傍まで導光体表面の接着剤9により接着されるが、図7に示すように、両者の高さの違いが大きいと、フレーム8近くで凸部7の浮きが発生し、この部分で光の取り出しができず、また接着強度が低下してしまう。
【0011】上記のようにして感光性樹脂とフォトマスクとを用いて出射光制御シート用の原盤を作製し、これを用いて出射光制御シートを作製すれば良い。例えば、得られた原盤を電鋳処理することによってスタンパを作製し、得られたスタンパとPETフィルムとの間に感光性樹脂を充填した後、紫外線を用いて硬化することによって、PETフィルム(例えば、厚さ125μm)の表面に凹凸パターンを転写すれば良い。本発明の面光源素子では、出射光制御シートの凸部7の先端およびフレーム8と導光体3とを接着するために紫外線硬化樹脂を用いることができる。この面光源素子は、例えば、以下の方法により製造することができる。まず、PETフィルム(例えば、厚さが125μm)の片側にバーコーターで紫外線硬化樹脂を約10μmの厚さになるように塗布し、紫外線硬化樹脂面とアクリル樹脂製等の導光板3とをラミネーターで貼り合わせる。次いで、高圧水銀ランプから発生される微弱な紫外線をPETフィルム側から照射し(例えば120mJ)、半硬化状態の紫外線硬化樹脂層を得る。これにより、凸部が紫外線硬化樹脂層に埋没することを防ぎ、該凸部7の先端のみを点接着させることができる。そして、PETフィルムを剥離して導光板3の上に接着剤9が塗布された状態を得る。その上から凸部7およびフレーム8が設けられた出射光制御シート4を押しつけ(例えば、圧力0.3kgf/cm2)、ラミネーターを用いて貼り付ける。最後に出射光制御シート4側から高圧水銀ランプから発せられる紫外線を照射し(例えば2.0J)、紫外線硬化樹脂を完全に硬化させる。
【0012】図8に断面図を示すように、フレームを設けていない従来の面光源素子と、上記のようにしてフレームを設けた本発明の面光源素子とで、出射光制御シートを導光体に対して直角の方向に剥離するときの力を測定することにより接着力の比較を行った。本発明の面光源素子によれば、2.0kgf/5cmの剥離力であったが、従来の面光源素子では0.8kgf/5cmの剥離力であり、本発明の面光源素子では高い接着強度が得られた。
【0013】なお、出射光制御シート表面の凸部7およびフレーム8は、熱プレス法、熱硬化による2P法、雌金型を用いた射出成形法等によっても形成することができる。出射光制御シートはシート状である必要はなく、板状であってもよい。シート状および板状の何れでも量産性に富むため、安価で大量に製造することが可能である。本発明では、導光体として、例えば厚さが2〜20mm程度で、光源が配置された導光体端面間の距離が例えば50〜500mmであるアクリル板を用いることができる(導光体のサイズの一例は、幅が340mm、長さ(光源間距離)が280mm、厚さが8mmである。)。導光体の成形に用いる樹脂としては、アクリル樹脂の外にポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂等の透明性に優れるものが挙げられる。
【0014】上記の通り説明した面光源素子をバックライトとして用い、その出射面に設けられる透過型の表示素子としては、 STN、TFT、MINIなどの液晶パネルが挙げられる。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、導光体と出射光制御シートとが強力に接着され、出射光制御シートが剥離しにくい面光源素子を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000001085
【氏名又は名称】株式会社クラレ
【出願日】 平成11年9月2日(1999.9.2)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−76521(P2001−76521A)
【公開日】 平成13年3月23日(2001.3.23)
【出願番号】 特願平11−248625