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【発明の名称】 電子ブロック及び放電灯点灯装置
【発明者】 【氏名】野呂 浩史

【要約】 【課題】スイッチング電源などの電子ブロックを構成する回路素子等の発熱をケース及び放熱板の構成により効率的に放熱させ、回路素子の温度上昇を抑制し安定した動作を維持することができる低コストの電子ブロック及び放電灯点灯装置を提供することである。

【解決手段】発熱部品である回路素子8を装着したプリント基板5と、前記回路素子8の放熱を行う放熱板7とを、蓋6a及び収納部6bとを有するケース6に収納すると共に、前記放熱板7を前記ケース6に接続してなる電子ブロック10において、平面状に形成した放熱板7を前記ケース6の蓋6a及び収納部6bの両方に直接的に当接させるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 発熱部品である回路素子を装着したプリント基板と、前記回路素子の放熱を行う放熱板とを、蓋及び収納部とを有するケースに収納すると共に、前記放熱板を前記ケースに接続してなる電子ブロックにおいて、平面状に形成した放熱板を前記ケースの蓋及び収納部の両方に直接的に当接させるようにしたことを特徴とする電子ブロック。
【請求項2】 同一の放熱板に発熱量の近似した回路素子をまとめて取りつけるようにしたことを特徴とする請求項1記載の電子ブロック。
【請求項3】 前記放熱板に回路素子を取りつけるねじの位置と、前記ケースの蓋と収納部との当接位置とが同一となるようにしたことを特徴とする請求項1記載の電子ブロック。
【請求項4】 前記電子ブロックを具備することを特徴とする放電灯点灯装置。
【請求項5】 負荷として高圧放電灯を用いていることを特徴とする請求項4記載の放電灯点灯装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多数の電子部品から構成されるスイッチング電源等の電子ブロック及び放電灯点灯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】交流電源から直流電圧を生成する電子ブロックとしてスイッチング電源があり、その回路構成及び全体構成図を図7及び図8に示す。スイッチング電源1は、交流電源と、整流回路2と、インダクタンスL、スイッチング素子SW、ダイオードD及びコンデンサCを備える昇圧チョッパ回路3と、制御回路4と、各回路を構成する回路素子を搭載するプリント基板5と、回路全体を覆うケース6(蓋6a及び収納部6b)とにより構成される。スイッチング電源1は、交流電源を整流回路2により全波整流した出力を、昇圧チョッパ回路3と制御回路4とにより高い直流電圧に変換している。制御回路4は、検出したコンデンサCの両端電圧を所定の電圧値となるようにスイッチング素子SWのON/OFF周波数及びデューティを制御する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、昇圧チョッパ回路3内部のスイッチング素子SWは、インダクタンスLをできる限り小型化するために通常数十kHz以上の高周波でスイッチングさせているので、高周波電流がスイッチング素子SWやインダクタンスLに流れ、ON/OFF時に発生するスイッチングロス等によりかなり発熱してしまう。このように部品個々の発熱によりスイッチング電源1内部に熱がこもってしまい、回路動作に支障をきたすという問題があった。この問題を解決するため、図9に示すように個々の回路素子8にねじ9により放熱板7を取りつける方法があるが、この方法では十分な放熱面積を確保することができず、あまり放熱効果は上がらなかった。また図10に示すようなケース6の収納部6bに放熱板7を取りつける方法では、前記の方法と比較して放熱面積は確保できるが、ケース6の蓋6a側から放熱させることができず充分な放熱を行うことはできなかった。さらに図11に示すような放熱板7をケース6の蓋6aと収納部6bの両方に取りつける方法もあるが、この方法は放熱効果は高いが、放熱板7の構造が単純ではなくなりコスト面での問題が生じてしまっていた。
【0004】そこで本発明の目的とするところは、スイッチング電源などの電子ブロックを構成する回路素子等の発熱をケース及び放熱板の構成により効率的に放熱させ、回路素子の温度上昇を抑制し安定した動作を維持することができる低コストの電子ブロック及び放電灯点灯装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成するために、発熱部品である回路素子を装着したプリント基板と、前記回路素子の放熱を行う放熱板とを、蓋及び収納部とを有するケースに収納すると共に、前記放熱板を前記ケースに接続してなる電子ブロックにおいて、平面状に形成した放熱板を前記ケースの蓋及び収納部の両方に直接的に当接させるようにしたことを特徴とするものである。
【0006】請求項2記載の発明にあっては、請求項1記載の発明において、同一の放熱板に発熱量の近似した回路素子をまとめて取りつけるようにしたことを特徴とするものである。
【0007】請求項3記載の発明にあっては、請求項1記載の発明において、前記放熱板に回路素子を取りつけるねじの位置と、前記ケースの蓋と収納部との当接位置とが同一となるようにしたことを特徴とするものである。
【0008】請求項4記載の発明にあっては、放電灯点灯装置が前記電子ブロックを具備することを特徴とするものである。
【0009】請求項5記載の発明にあっては、請求項4記載の発明において放電灯点灯装置の負荷として高圧放電灯を用いていることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)本発明の第1の実施の形態を図1により説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る放熱板7及び電子ブロック10を示すものであり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は上面図を示す。電子ブロック10は、ケース6の蓋6a及び収納部6bが一側面において当接するように構成されている。なお、本実施の形態においてはケース6の一側面としているが、これは他の側面においても適用できるものである。収納部6b内部に設置したプリント基板5上には電子ブロック10を構成する回路素子8が搭載され、回路素子8にはねじ9により放熱板7が取りつけられており、この放熱板7は平面状に形成され、ケース6の蓋6a及び収納部6bの両方に直接的に当接するように配置されている。なお、本実施の形態におけるケース6の蓋6aと収納部6bは、一平面上にあって一定の距離をおいた位置関係であるが、これは両方が当接している場合でも適用できるものである。
【0011】本実施の形態によれば、回路素子8に取りつけた平面状の放熱板7をケース6の蓋6a及び収納部6bの両方に接するように配置したので、回路素子8の発熱を放熱板7を介してケース6の蓋6a及び収納部6bの両方に伝達することができることによって、ケース6全体の表面積を利用して効率良く放熱を行い、電子ブロック10全体の温度上昇を低減することができる。
【0012】なお、本実施の形態で説明した電子ブロック10は、高圧放電灯を負荷として用いた放電灯点灯装置にも適用することができ、より高熱を発生しやすい高圧放電灯の場合でも発熱部品の温度上昇を低減することができる。
【0013】(第2の実施の形態)本発明の第2の実施の形態を図2及び図3により説明する。図2は、本発明の第2の実施の形態に係る電子ブロック10を示すものであり、(a)は正面図、(b)は側面図を示す。図3は、同電子ブロック10を用いた放電灯点灯装置11の回路図を示す。以下に本実施の形態の詳細について説明する。
【0014】放電灯点灯装置11は、交流電源12と、直流電源回路部13と、インバータ回路部14と、ランプ15とにより構成される。直流電源回路部13は、整流回路16と、インダクタンスL1、スイッチング素子SW1、ダイオードD1、コンデンサC1とを有する昇圧チョッパ回路と、それを制御する制御回路17とにより構成されており、交流電源12の交流電圧を所定の直流電圧に変換すると共に入力電源の力率を高力率に改善する機能を有する。インバータ回路部14は、降圧チョッパ回路18と、制御回路19と、極性反転回路20と、イグナイタ回路21とにより構成されている。降圧チョッパ回路18は、スイッチング素子SW2と、ダイオードD2と、インダクタンスL2と、コンデンサC2とにより構成されており、スイッチング素子SW2のON時間の調整により、ランプ15への供給電力を所定値に保つ安定機能を有している。極性反転回路20は、四個のスイッチング素子SW3〜6を備えたフルブリッジ回路で構成されており、制御回路19によりスイッチング素子SW3とSW4及びSW5とSW6が対になって交互にON/OFF動作を繰返し、ランプ15に矩形波交流電力を供給している。イグナイタ回路21は、パルストランスTrと、コンデンサC3と、スイッチング素子SW7と、抵抗Rとにより構成されている。イグナイタ回路21は、極性反転回路20にて生成された矩形波電圧を受け、抵抗RとコンデンサC3の時定数によりコンデンサC3に徐々に充電される。充電された電圧がスイッチング素子SW3のブレークオーバー電圧Vboに到達するとスイッチング素子SW3はONし、コンデンサC3に蓄積された電荷をパルストランスTrの一次巻線N1を介して放電させる。この時、パルストランスTrに発生したパルス電圧が昇圧され、パルストランスTrの二次巻線N2に高圧パルス電圧(数KV)を発生させる。この高圧パルス電圧によりランプ15が放電を開始し点灯状態に移行する。
【0015】上記のような放電灯点灯装置11において、回路素子であるSW1、D1、SW2、D2は高周波で動作しているため、その発熱量も多くなっており、一方SW3〜6は、低周波で動作しているため、その発熱量は比較的小さくなっているので、SW1、D1、SW2、D2等のように発熱量の多い回路素子群とSW3〜6等のように比較的発熱量の少ない回路素子群とを、図2に示すように別々の放熱板7a及び7bに分けて取りつけるようにしている。
【0016】本実施の形態によれば、放電灯点灯装置11において回路素子8を発熱量の多いものと比較的発熱量の少ないものとに分けて、発熱量の多い回路素子群に放熱板7aを、比較的発熱量の少ない回路素子群に放熱板7bを取りつけるようにしたので、発熱量の比較的少ない回路素子群が発熱量の多い回路素子群の影響を受けて余計に温度上昇してしまうという不具合を防止することができる。
【0017】(第3の実施の形態)本発明の第3の実施の形態を図4乃至図6により説明する。図4は、本発明の第3の実施の形態に係る多数の回路素子8を放熱板7に取りつけた場合の構成図である。図5は、従来技術におけるプリント基板5とケース6の収納部6bとの取りつけ工程図である。図6は、本実施の形態におけるプリント基板5とケース6の収納部6bとの取りつけ工程図である。
【0018】図5に示すように従来技術においては、通常回路素子8を放熱板7に取りつけた場合ねじ9の先が放熱板7から突き出ることがあるので、プリント基板5とケース6の収納部6bとの取りつけの際、放熱板7から突き出たねじ9の先が収納部6bに当たらないように一定の距離aだけ空けてプリント基板5を収納部6bの最下部まで入れることと、放熱板7を取りつける収納部6bの内面に寄せるという二工程の取りつけ作業を行わなければならず、余分な手間がかかっていた。
【0019】本実施の形態では、放熱板7に回路素子8を取りつけるねじ9の位置とケース6の蓋6aと収納部6との当接位置とを同一となるようにしたので、図6に示すように突き出たねじ9の先が収納部6bのくぼみの位置に一致し、プリント基板5の収納部6bへの装着が、プリント基板5を収納部6bの最下部に入れるという一工程だけで容易に行うことができる。
【0020】
【発明の効果】このように本発明は、以下のような効果がある。
【0021】請求項1記載の発明によれば、放熱板に直接ケースの蓋及び収納部とを当接させるようにしたので、回路素子に生じた熱をケースの蓋及び収納部の両方に効率的に放熱することができ、回路素子の温度上昇を抑制し安定した動作を維持することができるという効果がある。
【0022】請求項2記載の発明によれば、同一の放熱板に発熱量の近似した回路素子をまとめて取りつけるようにしたので、発熱量の比較的少ない回路素子群が発熱量の多い回路素子群の影響を受けて余計に温度上昇してしまうという不具合を防止することができるという効果がある。
【0023】請求項3記載の発明によれば、放熱板に回路素子を取りつけるねじの位置と、ケースの蓋と収納部の当接位置とが同一となるようにしたので、各回路素子を搭載したプリント基板のケースへの装着をスムーズに行うことができるという効果がある。
【0024】請求項4記載の発明によれば、放電灯点灯装置に電子ブロックを具備したので、多くの回路素子を有する放電灯点灯装置においても半導体素子の温度上昇を低減することができるという効果がある。
【0025】請求項5記載の発明によれば、負荷として高圧放電灯を用いているので、高熱を発生させやすい高圧放電灯を用いる際にも温度上昇を低減することができるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成11年8月26日(1999.8.26)
【代理人】 【識別番号】100111556
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 淳二 (外1名)
【公開番号】 特開2001−67930(P2001−67930A)
【公開日】 平成13年3月16日(2001.3.16)
【出願番号】 特願平11−240107