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【発明の名称】 車両用灯具
【発明者】 【氏名】中村 和雄

【要約】 【課題】この種の車両用灯具における従来の構成では、資源再利用のための分解を行う際に、スロットとフックとが再結合をしやすく、分解作業の効率を大変に低下させるという問題点を生じていた。

【解決手段】本発明により、ハウジング2のスロット2bのフック係着方向の手前側には、フック3bに挿入方向で嵌合する切欠き部2cが設けられている車両用灯具1としたことで、車両用灯具1の生産時には実質的には不都合を生じることなく生産を可能とすると共に、使用後の資源の再利用に備える車両用灯具1の分解時には、切欠き部2cにより一旦外したスロット2bとフック3bとが再度に嵌着するのを防止して課題を解決するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 レンズ側にはフックが設けられハウジング側にはスロットが設けられ、前記フックとスロットとを嵌着させてレンズのハウジングへの取付けを行う構成とされた車両用灯具において、前記ハウジングの前記スロットのフック係着方向の手前側には、前記フックに挿入方向で嵌合する切欠き部が設けられていることを特長とする車両用灯具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はヘッドランプあるいはテールランプなど車両用灯具に関するものであり、詳細にはレンズとハウジングとがフックとスロットとによる嵌着により取付けられる構成とされた車両用具に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の車両用灯具90の構成の例を要部で示すものが図5および図6であり、ハウジング91のシール溝91aには、適宜個所に長方形状などに開口させたスロット91bが設けられている。また、レンズ92の前記シール溝91aと嵌合させるための脚部92aには前記スロット91bに対応する形状として突出させたフック92bが設けられている。
【0003】このように形成されたハウジング91とレンズ92とを取付けるときには、前記シール溝91aに脚部92aを挿入すると共に、前記フック92bをスロット91bに係着させ両者を取付けるものである。尚、このときに、防水機能を向上させるなどの目的で前記シール溝91aには接着力などにより適宜な機密性を有するシール材93が予めに装着されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の構成で取付けが行われたハウジング91とレンズ92とは、基本的には、一旦に取付けが行われた後には取外しは行われないものとして、設計、製作が行われていたが、近年にいたり資源の再利用(リサイクル)が社会的に要望されるものと成ってきている。
【0005】しかしながら、上記従来の構成では、素材の分別の目的でハウジング91からレンズ92の取外しを行おうとして、1個所のスロット91bとフック92bとの係合を解き、続けて次の個所の係合を解こうとすると、先の1個所が再度係着してしまうなど、取付時のみを考慮して設計されたことによる取外しに不都合な挙動が目立つものと成り、分別時の作業効率を著しく阻害するものと成る問題点を生じている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した従来の課題を解決するための具体的手段として、レンズ側にはフックが設けられハウジング側にはスロットが設けられ、前記フックとスロットとを嵌着させてレンズのハウジングへの取付けを行う構成とされた車両用灯具において、前記ハウジングの前記スロットのフック係着方向の手前側には、前記フックに挿入方向で嵌合する切欠き部が設けられていることを特長とする車両用灯具を提供することで課題を解決するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明を図に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。図1〜図3に符号1で示すものは本発明に係る車両用灯具であり、この車両用灯具1は光源、レンズ、反射鏡(何れも図示は省略する)などをハウジング2とレンズ3とで覆うものである。
【0008】そして、このときにハウジング2のシール溝2aにはスロット2bが設けられており、レンズ3の脚部3aにはフック3bが設けられ、両者を嵌着することで、前記ハウジング2とレンズ3との取付けが行われるものである点は、従来例のものと同様の構成である。
【0009】ここで、本発明では前記ハウジング2側に切欠き部2cを設けるものであり、この切欠き部2cは前記スロット2bに対して、レンズ3の挿着方向の手前側に設けられる。従って、前記シール溝2aにはレンズ3の挿着方向に沿いスロット2bと切欠き部2cとが並ぶものと成るので、対応する部分のシール溝2aの一方の壁を適宜に延長しておくなどが好ましい。
【0010】ここで前記切欠き部2cについて説明を行えば、この切欠き部2cは、前記スロット2bがフック3bと外周で嵌合し、一旦に係着が行われた後には、フック3bの前後、左右方向への移動を抑止するものとされているのに対し、レンズ3の挿着方向に対し後方が解放され(切り欠かれ)レンズ3のハウジング2からの取外し方向に対しては移動の抑止を行わないものとされている。
【0011】即ち、本発明の切欠き部2cにおいては、レンズ3の脚部3aをハウジング2のシール溝2aに挿入しようとするときには、フック3bは先ず、前記切欠き部2cで係止が(図2に示す状態)行われ、更に、この切欠き部2cを乗越えるように押圧することで、前記スロット2bと嵌合し係着が(図3に示す状態)行われるものと成る。尚、実際の実施に当っては、前記スロット2bと切欠き部2cとの間隔も適宜とすることが好ましく、後に説明するハウジング2とレンズ3との分解作業に適する間隔としておくことが望ましい。
【0012】尚、図中に符号4で示すものはシール材であり、このシール材4は、例えばゴムパッキンなどのようにゴム部材などを使用し、前記ハウジング2とレンズ3とで挟むときの弾性による変形で防水作用を行うものとしておけば、上記にも述べた分解作業時にはシール溝2aから容易に取外すことができ、分解作業の効率を一層に向上させることができる。
【0013】次いで、上記の構成とした本発明の車両用灯具1の作用および効果について説明する。車両用灯具1の生産工程において、ハウジング2にレンズ3の取付けを行う工程では、前記フック3bは前記切欠き部2cに当接し、一旦、停止が行われるものと成る。
【0014】このときに、前記フック3bに挿入方向側が下がる傾斜を設けるなどしておけば、この当接している状態で押込む力を増して押圧を継続すれば、前記フック3bは切欠き部2cを乗越えて、スロット2bに達し、ハウジング2とレンズ3とは係合が行われるものと成る。
【0015】一般的に、この種の車両用灯具1の生産工程においては、自動化などが進み、この種の作業も産業ロボットなどによる自動化が行われているものであるので、上記した一旦切欠き部2cに当接することは、それ程に生産性を阻害する要素とは成らないものである。
【0016】そして、車両用灯具1としての用途を全うした後には、資源の再利用(リサイクル)に備えて分解が行われ、例えば、アクリル樹脂、スチロール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ビニル樹脂など、種類別などに分別する分別作業が行われるものと成る。
【0017】この作業は、樹脂の種類の確認などが必要であるので、通常、手作業で行われ、車両用灯具1の分解においては、シール溝2aのフック3bが設けられている位置にネジ回しなどを挿入して、フック3bとスロット2bとの係着を強制的に解除させるものである。
【0018】このときに、従来例でも述べたように1個所の係着を解除した後に、次の個所の係着を解除しようとすると、前の個所が再係着してしまう不都合を生じるものであったが、本発明により切欠き部2cが設けられたことで、一旦にスロット2bからの係着の解除が行われたフック3bは、切欠き部2cに(図2に示す状態)当接し、相当の押圧が行われない限りは、この状態を保つものと成るので、再係着は生じない。
【0019】図4は本発明の別な実施形態であり、前の実施形態では切欠き部2cは、レンズ3の挿入方向に対し後ろ側の辺をスロット2bから取除いた形状として形成されていたが、この場合、前記した車両用灯具1の生産工程において、切欠き部2cに当接したフック3bを乗越えさせるための力が過大となることを生じる場合がある。
【0020】また、分解作業の途中経過として、複数個所のスロット2bとフック3bの係着を解除させた場合、ハウジング2とレンズ3との相互の位置関係が不安定なものと成るので、作業中のレンズ3の移動などにより、折角に係着を解除させた場所のスロット2bとフック3bが再係着してしまうなど予想外の動作も生じやすいものと成っている。
【0021】この実施形態は、上記の点を改良するために成されたものであり、切欠き部2cには、前記フック3bの頂部に当接する天板部2dが形成されている。よって、ハウジング2にレンズ3を取付けるときに前記フック3bは最初に天板部2dに乗上げるものと成るので、次に切欠き部2cから脱出する際には乗上げるべき寸法は、既に天板部2dに乗上げた寸法を差引かれるものと成る。
【0022】従って、この実施形態においては、直接に切欠き部2cから脱出させる方式とした前の実施形態に対して2回に分けられるものと成り、天板部2dの厚さを適宜なものとして設定すれば、組立時の力を略半減させることが可能となるのである。
【0023】また、このようにしたときには、分解時にはスロット2bからフック3bを外した状態でも、天板部2dによりレンズ3が仮保持されるものとなるので、ハウジング2と所定の位置を保つものと成り、予想外のレンズ3の動きなどを防止して、分解作業時の再係着を防止する作用も一層に確実なものとすることができるものとなる。
【0024】
【発明の効果】以上に説明したように本発明により、ハウジングのスロットのフック係着方向の手前側には、フックに挿入方向で嵌合する切欠き部が設けられている車両用灯具としたことで、車両用灯具の生産時には実質的には不都合を生じることなく、生産を可能とすると共に、使用後の資源の再利用に備える車両用灯具の分解時には、切欠き部により一旦外したスロットとフックとが再度に嵌着するのを防止して作業を容易化するものであり、これにより分解作業の効率を向上させ一層の資源再利用を可能とし、省エネルギー、地球温暖化の防止などの推進に極めて優れた効果を奏するものである。
【出願人】 【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
【出願日】 平成12年4月28日(2000.4.28)
【代理人】 【識別番号】100062225
【弁理士】
【氏名又は名称】秋元 輝雄
【公開番号】 特開2001−312907(P2001−312907A)
【公開日】 平成13年11月9日(2001.11.9)
【出願番号】 特願2000−130684(P2000−130684)