トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F21 照明




【発明の名称】 太陽光採光装置
【発明者】 【氏名】福井 秀明

【氏名】末岡 哲雄

【要約】 【課題】集光効率が四季を通じて常に良好である上に安価なものとする。

【解決手段】集光用のレンズ51と、該レンズ51の焦点位置付近に配設されているとともに集光用のレンズ51側の面が凹面となっている円錐ロッドレンズ4と、円錐ロッドレンズ4に一端が接続された光ファイバー2とを集光部5に具備する。レンズ51から光ファイバー2に至る光経路が密閉空間内に設けられているとともにレンズ51と円錐ロッドレンズ4間の距離を調整する調整機構を備える。レンズや円錐ロッドレンズにプラスチック製を用いても、密閉空間内にあるためにほこり等の付着の心配がなく、またレンズの焦点位置の変動があっても調整機構による調整で集光効率を高く保つ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 集光用のレンズと、該レンズの焦点位置付近に配設されているとともに集光用のレンズ側の面が凹面となっている円錐ロッドレンズと、円錐ロッドレンズに一端が接続された光ファイバーとを集光部に具備し、レンズから光ファイバーに至る光経路が密閉空間内に設けられているとともにレンズと円錐ロッドレンズ間の距離を調整する調整機構を備えていることを特徴とする太陽光採光装置。
【請求項2】 密閉空間は、円錐ロッドレンズとこれに一端が接続された光ファイバーとからなる光入射部を複数個備えている有底筒状のケースと、上記各円錐ロッドレンズに対応する複数のレンズを一体に備えて上記ケースの開口面に配されたレンズ板で囲まれた空間であることを特徴とする請求項1記載の太陽光採光装置。
【請求項3】 採光光量を検知する検知手段を備えるとともに、調整機構は検知手段の検知出力が最大出力となる位置に調整を行うものであることを特徴とする請求項1または2記載の太陽光採光装置。
【請求項4】 温度や湿度といった雰囲気を検知する検知手段を備えるとともに、調整機構は検知された雰囲気でのレンズの焦点距離を算出して該算出値に基づいてレンズと円錐ロッドレンズ間の距離を調整するものであることを特徴とする太陽光採光装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は太陽光を室内に導く太陽光採光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】太陽光採光装置として、図6に示すように、屋根上に設置する集光ユニット1で集光した太陽光を光ファイバー2で室内に導いて光ファイバー2の端末に設けた出光ユニット3から室内に出射させるものがある。
【0003】ところで、光ファイバーには石英ガラスファイバーとプラスチックファイバーとがあるが、後者は前者に比べて損失が大きいものの、安価である上に取り扱いが容易で初めての施工業者でも断線の心配なく施工することができるといった利点を有しており、太陽光採光装置においても光ファイバーとしてプラスチックファイバーを用いることで低コストのものを得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、プラスチックファイバーを用いるにあたっては、次のような問題を解決しなくてはならない。
【0005】すなわちプラスチックファイバーはφ3mm以下の線径であり、製造時の取付誤差による光軸ずれや金型精度、製造時の歪み等をふまえた設計とするには受光径を大きくしなければならないが、この時、複数の光ファイバーをバンドルとして大口径の受光径を確保すると、光ファイバー間の空隙のために2割以上の損失がある上に、光ファイバー本数が増えるために高価になってしまう。
【0006】このために、プラスチックレンズを集光レンズとして用いることで、実質的な受光径を大きくすることが考えられるが、プラスチックレンズは、温度や湿度の影響による屈折率及び寸法の変化が大きく、焦点距離が四季を通じて数〜数十mmほど変動することがあり、安定した性能を四季を通じて得ることができない。
【0007】単一の細い光ファイバーへの受光効率を高めるために光ファイバーのコア径よりも受光径を大きくした円錐型のロッドレンズを用いて集光することも考えられるが、耐熱性に優れたガラス製では非常に高価となるためにプラスチック製のものを用いた場合、受光面にほこり等が付着すると、そこが核となって高温となり、溶融または発火してしまう可能性がある。
【0008】受光面へのほこりの付着を防ぐために密閉構造を採用するとしても、各レンズごとに設置していては高価となるほか、密閉のための囲いを安価とするには各レンズ形状を円または正方形としなくてはならず、この場合、集光面の面積を有効に利用することができない。
【0009】さらに、図5に示すように、上記ロッドレンズ4の受光面を凹面とすることによって集光光線が平行に近くなり、光ファイバー2への光搬送効率が向上するが、上記焦点距離の変動があれば、図9(b)に示すように、焦点ずれのために、光ファイバー2がその内面での全反射で光を伝達することができる全反射角以上の角度で光が入射してしまうために、却って集光効率が低下してしまう。
【0010】本発明はこのような点に鑑みなされたものであって、その目的とするところは集光効率が四季を通じて常に良好である上に安価である太陽光採光装置を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】しかして本発明は、集光用のレンズと、該レンズの焦点位置付近に配設されているとともに集光用のレンズ側の面が凹面となっている円錐ロッドレンズと、円錐ロッドレンズに一端が接続された光ファイバーとを集光部に具備し、レンズから光ファイバーに至る光経路が密閉空間内に設けられているとともにレンズと円錐ロッドレンズ間の距離を調整する調整機構を備えていることに特徴を有している。レンズや円錐ロッドレンズにプラスチック製を用いても、密閉空間内にあるためにほこり等の付着の心配がないものであり、またレンズの焦点位置の変動があっても調整機構による調整で集光効率を高く保つことができるものである。
【0012】密閉空間は、円錐ロッドレンズとこれに一端が接続された光ファイバーとからなる光入射部を複数個備えている有底筒状のケースと、上記各円錐ロッドレンズに対応する複数のレンズを一体に備えて上記ケースの開口面に配されたレンズ板で囲まれた空間とすればよい。
【0013】また、レンズの焦点距離変動に対応する調整については、採光光量を検知する検知手段を備えて、調整機構が検知手段の検知出力が最大出力となる位置に調整を行ったり、温度や湿度といった雰囲気を検知する検知手段を備えて、調整機構が検知された雰囲気でのレンズの焦点距離を算出して該算出値に基づいてレンズと円錐ロッドレンズ間の距離を調整するものを好適に用いることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明を実施の形態の一例に基づいて詳述すると、この太陽光採光装置は、前記従来例で示したものと同様に、屋根上に設置する集光ユニット1と、この集光ユニット1で集光した太陽光を室内に導く光ファイバー2と、光ファイバー2で導かれた光を室内に向けて出射させる出光ユニット3からなるもので、光ファイバー2として、ここでは安価なプラスチックファイバーを用いている。
【0015】集光ユニット1は図1に示すように、ベース部10上に密閉構造の集光部5を架台12を介して設置するとともに該集光部5を透明アクリル樹脂からなるドーム11で覆っているもので、架台12に水平方向軸16で支持されている集光部5は、方位調整用モータ13による架台12の回転でその前面である集光面55の方位を、仰角調整用モータ14により集光面55の仰角を調整することができるものとなっている。図中15、16は上記両モータ13,14による集光部5の方位と仰角との調整用回転を伝達するギア部である。
【0016】集光部5は図2に示す有底円筒状のケース50と、ケース50の開口面に配設された集光用レンズ51とからなるもので、ここでは集光用レンズ51として、扇形のアクリルフレネルレンズを6枚組み合わせた円形のものを用いて上記開口面を閉じている。そして、ケース50の背面には光ファイバー2を内部に導入するための導入口53を各フレネルレンズの焦点位置に合わせた位置に設けている。
【0017】一方、光ファイバー2は6本用意されていて、各集光ユニット1側の一端は、図3に示すように、ホルダー25に夫々保持されて上記導入口53に挿入されているのであるが、各先端には凹面となった受光面を備えている耐熱樹脂製円錐ロッドレンズ4が夫々接続されている。レンズ51との対向面側が凹面となっているとともに径が大きくなっている上記円錐ロッドレンズ4は、その円錐のテーパ角度θがθ=(θ1−θ2)/4以下ただし、θ1:光ファイバー2の受光角、θ2:レンズ51の受光角に設定されている。円錐ロッドレンズ4内では1回反射するごとに2θ毎角度が加算されていくためであり、ここではθ2+2θ<θ1として、2回反射以内に光ファイバー2に至るようにしてある。
【0018】また、上記の各ホルダー25の外面にははすば歯車が取り付けられて、焦点位置調整モータ80の出力で回転するはすば内歯車8に各はすば歯車が夫々噛み合っており、モータ80の回転ではすば内歯車8が回転する時、その回転方向に応じてホルダー25はその軸方向移動を行うようにされている。これらによってレンズ51と円錐ロッドレンズ4との間の距離を調整する調整機構が構成されているものである。
【0019】さらに、上記集光部5のケース50底面中央には、追尾センサ9を配置してある。前記モータ13,14による方位及び仰角の調整は、追尾センサー9の出力に応じて行われるものであり、常に太陽を追尾してその集光面55を太陽に向かわせる。なお、追尾センサ9として、ここでは方位調整方向及び仰角調整方向において夫々対をなすセンサーを備えて、該対のうちの一方の出力が他方よりも低下した場合に低下した側のセンサーが位置する方向に出力差に応じた量だけモータ13,14を動かすことで追尾を行うものを用いている。
【0020】そして、図示例のものにおいては、図6に示すように、出光ユニット3に光センサー30を設けて、この光センサー30が最大出力となるように、上記調整機構を作動させることで、製造時の各種誤差やレンズ51の温度・湿度変化に伴う焦点位置変動があっても、円錐ロッドレンズ4の凹面となっている受光面をレンズ51の焦点位置付近に位置させる。
【0021】採光した光量から調整を行うのではなく、たとえば表1に示すような温度変化による焦点ずれ量、あるいは表2に示すような湿度変化による焦点ずれ量を予め測定もしくは算出しておき、温度や湿度の検出手段の出力から上記焦点ずれ量に応じた調整を行うようにしたものであってもよい。
【0022】
【表1】

【0023】
【表2】

【0024】いずれにしても、レンズ51の焦点位置付近に円錐ロッドレンズ4を常に位置させることができるために、凹面円錐ロッドレンズ4が持つ図5(a)に示した角度の抑制効果による広い受光面積での受光を行うことができるものであり、光の入射損失を低減して採光光量を増大させることができる。
【0025】また複数のフレネルレンズが一体となっているレンズ51と、ケース50とによって複数の円錐ロッドレンズ4の受光面を密閉空間内に位置させているために、受光面にほこりが付着することがない構成のものを簡便に得ることができるものであり、またレンズ51の形状についての制約が殆どなく、集光部5の前面のすべてを集光に当てることができる。
【0026】なお、図示例のものでは、光ファイバー2への許容受光角(内部全反射できる角度)が60°であることから、必要以上にレンズ径を大きくしても、受光角度が60°を越えるだけとなってレンズ径を大きくした意味がなくなる上に、焦点距離が長いものを用いて入射角度を小さくした場合には装置全体の奥行きが大きくなってしまうが、上記凹面円錐ロッドレンズ4の使用は奥行きの増大を招くことなくレンズ径の増大を図ることができることになる。
【0027】また、レンズ51と円錐ロッドレンズ4との間には、赤外線カットフィルターを配置しておくのが望ましい。
【0028】
【発明の効果】以上のように本発明においては、集光用のレンズと、該レンズの焦点位置付近に配設されているとともに集光用のレンズ側の面が凹面となっている円錐ロッドレンズと、円錐ロッドレンズに一端が接続された光ファイバーとを集光部に具備し、レンズから光ファイバーに至る光経路が密閉空間内に設けられているとともにレンズと円錐ロッドレンズ間の距離を調整する調整機構を備えていることから、レンズや円錐ロッドレンズに安価なプラスチック製を用いても、密閉空間内にあるためにほこり等の付着の心配がなく、ほこりに起因する問題を排除することができる上に、温度などが原因でレンズの焦点位置に変動があっても調整機構による調整で集光効率を高く保つことができるものであり、安価で且つ年間を通して安定した採光量を確保することができるものである。
【0029】密閉空間は、円錐ロッドレンズとこれに一端が接続された光ファイバーとからなる光入射部を複数個備えている有底筒状のケースと、上記各円錐ロッドレンズに対応する複数のレンズを一体に備えて上記ケースの開口面に配されたレンズ板で囲まれた空間とするのがコスト的に有利である。
【0030】また、レンズの焦点距離変動に対応する調整については、採光光量を検知する検知手段を備えて、調整機構が検知手段の検知出力が最大出力となる位置に調整を行ったり、温度や湿度といった雰囲気を検知する検知手段を備えて、調整機構が検知された雰囲気でのレンズの焦点距離を算出して該算出値に基づいてレンズと円錐ロッドレンズ間の距離を調整するものを好適に用いることで、上記調節の自動化を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成12年4月25日(2000.4.25)
【代理人】 【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清 (外1名)
【公開番号】 特開2001−307522(P2001−307522A)
【公開日】 平成13年11月2日(2001.11.2)
【出願番号】 特願2000−124932(P2000−124932)