| 【発明の名称】 |
配光切換型前照灯 |
| 【発明者】 |
【氏名】金田 真
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| 【要約】 |
【課題】従来の配光切換型前照灯においては、起動力に劣るソレノイドを使用するものであり、起動を確実とするために過大な消費電力のものを採用せざるを得ず、全体構成の大型化、消費電力の過大化の問題点を生じていた。
【解決手段】本発明により、モーター11に接続された回転軸12と、該回転軸12に固定される固定ホルダー13と、回転軸13の軸方向に沿い摺動自在に取付けられている移動ホルダー14と、固定ホルダー13と移動ホルダー14に連接されるリンク機構15と、リンク機構の節に取付けられる重錘16と、固定ホルダーと移動ホルダーとに伸張力を与えるコイルスプリング17とから成る切換機構10を備える配光切換型前照灯1としたことで、消費電力を切換機構の負荷の変化に応じるものとして課題を解決する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 前照灯の何れかの構成部品を切換機構で通常位置と切換位置とに移動し配光特性を切換えてなる配光切換型前照灯において、前記切換機構が、モーターに接続された回転軸と、該回転軸に固定される固定ホルダーと、前記回転軸の軸方向に沿い摺動自在に取付けられている移動ホルダーと、一方の端部で前記固定ホルダーに連接され他方の端部で移動ホルダーに連接される1節のリンク機構と、前記リンク機構の節に取付けられる重錘と、前記固定ホルダーと移動ホルダーとの間に伸張力を与え前記回転軸とは同軸として設けられたコイルスプリングとから成ることを特徴とする配光切換型前照灯。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は車両用の前照灯に関するものであり、詳細には、放電灯など1つの発光源しか有していない光源を採用したことで、光源、反射鏡、レンズ、或いは、遮光板など、配光形成に関与する構成部品の何れかを機械的に移動させることで配光特性の切換を行う前照灯に係るものである。 【0002】 【従来の技術】従来のこの種の前照灯90の構成の例を示すものが図4であり、光源である放電灯91は上方にヒンジ92aを有する可動板92に取付けられた状態で、例えばすれ違い配光が得られる通常位置Sとして反射鏡93に対する位置が設定されている。 【0003】また、前記可動板92の下方にはソレノイド94が連接されていて、このソレノイド94を駆動することで前記可動板92はヒンジ92aを回転中心として後方に回動し、放電灯91を後方に移動させると共に、先端を下方に傾け、発光源91aを通常位置Sに対して後方且つ下方の切換位置Mに移動させる。 【0004】加えて、前記可動板92もしくはソレノイド94には、前記ソレノイド94の作動方向とは反対方向に応力を生じるリターンスプリング95がもうけられていて、ソレノイド94の駆動が停止されたときの切換位置Mから通常位置Sへの移動を行うと共に、万一のソレノイド94の故障のときにも自動的に可動板92を通常位置Sに戻し、走行に支障を来さないようにしている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記した従来の構成では、前記ソレノイド94が、動作開始時には発生する牽引力が弱く、動作終了時には最大の牽引力を発生する特性を持つものであるので、通常位置Sから切換位置Mへの切換えを確実なものとするためには、消費電力が大きく従って大型のソレノイド94を採用せざるを得ないものと成っている。 【0006】よって、切換位置Mで長時間走行するときには車両全体としての消費電力が増加すると共に、ソレノイド94部分の発熱も増加し放熱手段が必要となるなど構成が煩雑化する問題点を生じている。また、一般的にソレノイド94は切換位置Mへ達したときには衝撃音を発するものであるので、この衝撃音が車両全体の品質感を損なうものと成る問題点も生じている。 【0007】また、前記ソレノイド94の故障においても、最悪の状態としてはプランジャー94aの作動状態での引っ掛かりという事態も考えられ、このような場合にはリターンスプリング95によっても通常位置Sに復帰させることは不可能となるので、車両の走行の継続が不可能となる問題点も生じる。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は前記した従来の課題を解決するための具体的手段として、前照灯の何れかの構成部品を切換機構で通常位置と切換位置とに移動し配光特性を切換えてなる配光切換型前照灯において、前記切換機構が、モーターに接続された回転軸と、該回転軸に固定される固定ホルダーと、前記回転軸の軸方向に沿い摺動自在に取付けられている移動ホルダーと、一方の端部で前記固定ホルダーに連接され他方の端部で移動ホルダーに連接される1節のリンク機構と、前記リンク機構の節に取付けられる重錘と、前記固定ホルダーと移動ホルダーとの間に伸張力を与え前記回転軸とは同軸として設けられたコイルスプリングとから成ることを特徴とする配光切換型前照灯を提供することで課題を解決するものである。 【0009】 【発明の実施の形態】つぎに、本発明を図に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。図1に符号1で示すものは本発明に係る配光切換型前照灯であり、理解を容易とするために、この実施形態においても配光切換型前照灯1は可動板2に放電灯3が取付けられて配光の切換が行われる従来例と同様な構成のものであるとして説明を行うが、本発明はこれを限定するものではなく、例えば反射鏡、フードなど配光を切換えるために可動させるものであれば何れであっても良いものである。 【0010】前記可動板2には、上端にヒンジ2aが設けられていて、このヒンジ2aを回動の中心として円弧運動を行うものであり、切換機構10が駆動されることのないときには通常位置Sにセットされていて、この可動板2に取付けられた放電灯3を反射鏡4に対してすれ違い配光が得られる位置に保持している。 【0011】そして、前記切換機構10が駆動されたときには、前記可動板2を切換位置Mまで回動させ、放電灯3(の発光中心)を後方で且つ下方に移動させて走行配光に切換える従来例と同様な構成であるが、本発明により駆動部10にはソレノイドが使用されることのないものとされている。 【0012】図2および図3は、本発明による切換機構10の構成を詳細に示すものであり、この切換機構10は、モータ11と、回転軸12と、固定ホルダー13と、移動ホルダー14と、リンク機構15と、重錘16と、コイルスプリング17とから構成されている。 【0013】前記回転軸12は前記モーター11に直結され、このモータ11により回転が行われる。また、前記固定ホルダー13は前記回転軸12に対し固定が行われ、モーター11により回転軸12と一体で回転を行うものとされている。従って、回転軸12と固定ホルダー13とは、製作上の困難などを生じない場合には一体化しても良いものである。 【0014】これに対して、前記移動ホルダー14は前記回転軸12に対して軸X方向に摺動自在として取付けられ、固定ホルダー13とはリンク機構15で連接されている。前記リンク機構15は、短アーム15aと長アーム15bとが節15cで接続された1節のものであり、短アーム15a側の端部で前記固定ホルダー13に接続され、長アーム15b側の端部で移動ホルダー14に接続されている。 【0015】ここで、前記リンク機構15について更に詳細に説明を行うと、このリンク機構15は、短アーム15aと長アーム15bとが直線状に成るときの移動ホルダー14の位置を基準とし、前記短アーム15aが軸Xに直交する状態となるときの移動ホルダー14の移動量が、通常位置Sから切換位置Mへの移動量と同じとされている。 【0016】また、前記リンク機構15の節15cの位置には後に説明するこの切換機構10の作動に対して適切なものとされた重錘16が取付けられると共に、前記固定ホルダー13と移動ホルダー14との間には回転軸12と同軸とし両ホルダー13、14間に伸張力を与えるコイルスプリング17が取付けられている。 【0017】次いで、上記の構成とした切換機構10の作用および効果について説明する。先ず、本発明の切換機構10においては、モーター11が駆動されない状態では、コイルスプリング17の伸張力により短アーム15aと長アーム15bとが直線状とされ、移動ホルダー14に、前記回転軸12上で所定の位置を与えるものと成る。 【0018】本発明では、通常位置Sに設定されている前記可動板2に対して、上記の状態とされた切換機構10の移動ホルダー14を接続しておくものであり、このようにすることで、モーター11が駆動されない状態ではコイルスプリング17の伸張力により通常位置Sが保持される(図2参照)ものと成る。 【0019】そして、配光特性の切換の必要が生じた場合には、前記モーター11の駆動が行われる。よって、リンク機構15の節15cに取付けられている重錘16も回転するものと成り、回転に伴う遠心力の発生によりリンク機構15は節15cの部分で折れ曲がり、コイルスプリング17の伸張力に抗して移動ホルダー14を固定ホルダー13の方向に引き寄せる。 【0020】モーター11の回転数が増すと、移動ホルダー14の引き寄せられる量は増すものと成るが、短アーム15aが前記軸Xと直交する位置まで達すると、これ以上回転数が増してもリンク機構15の移動は生じない(図3参照)ものと成り、これにより移動ホルダー14もより以上の移動を生じないものと成る。 【0021】ここで、上記にも説明したように、回転軸12上における移動ホルダー14の移動量は、通常位置Sから切換位置M迄の移動量に相当するものとされているので、前記短アーム15aが前記軸Xと直交する位置まで達したときには、可動板2は正しく切換位置Mに設定されるものと成る。そして、モーター11の駆動が停止されると、回転の停止と共にコイルスプリング17の伸張力により移動ホルダー14は固定ホルダー13から離れる方向に移動し、可動板2を通常位置Sに設定するものと成る。 【0022】以上説明のように、本発明の切換機構10においては、通常位置Sに設定されるときにも、切換位置Mに設定されるときにもストッパなどにより位置決めを行うものではないので、何れの側の位置に達したときにも衝突音を発生せず、実質的には無音の状態で行われる。 【0023】また、切換機構10の駆動源として採用されたモーター11は、起動時に最大電流が流れ、最大トルクを発生するが、負荷と見合う回転数に達した後は、その負荷に対応する値まで消費電力を低減するものであるので、切換位置Mで長時間保持するときにも、保持に必要な以上の電力を消費することはなく、従って発熱なども少なく、特別に放熱手段などを必要としない。 【0024】更に、モーター11の故障時における切換機構10の動作について考察してみると、モーター11の故障としては、巻き線の断線などによりシャフト11aは回転可能であるが駆動不能となる場合と、シャフト11aに焼き付きなどを生じ回転自体が不能となる場合が考えられる。 【0025】本発明の切換機構10によれば、回転により重錘16に生じる遠心力で可動板2を移動させるものであるので、上記何れの故障時においても、可動板2は通常位置Sに自動的に復帰するものと成り、従来例のものが焼き付き、引っ掛かりを生じた場合には復帰させることが不能となるのに比較して信頼性が向上する。 【0026】 【発明の効果】以上に説明したように本発明により、モーターに接続された回転軸と、該回転軸に固定される固定ホルダーと、前記回転軸の軸方向に沿い摺動自在に取付けられている移動ホルダーと、一方の端部で前記固定ホルダーに連接され他方の端部で移動ホルダーに連接される1節のリンク機構と、前記リンク機構の節に取付けられる重錘と、前記固定ホルダーと移動ホルダーとの間に伸張力を与え前記回転軸とは同軸として設けられたコイルスプリングとから成る切換機構を備える配光切換型前照灯としたことで、第一には、消費電力を切換機構の負荷の変化に応じるものとして、起動のために過大な消費電力を設定し、この過大な消費電力が切換の行われている期間中持続されて、消費電力が増えたり、或いは、上記の過大な消費電力に耐えるために駆動機構が大型化してコストアップするなどの問題をなくし、この種の配光切換型前照灯の規模の適正化とコストダウンに極めて優れた効果を奏するものである。 【0027】また、第二には、本発明により上記構成としたことで、初期位置においても切換位置においても、ストッパなどに当接させることなく位置決めができるものとして、動作時の衝突音を発しないものとして、使用者に違和感を生じさせないものとして、品質感の向上に極めて優れた効果を奏するものである。また、第三には、モーターの如何なる故障時にも通常位置に復帰するものとして、この種の配光切換型前照灯の信頼性の向上に極めて優れた効果を奏する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002303 【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年4月21日(2000.4.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100062225 【弁理士】 【氏名又は名称】秋元 輝雄
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| 【公開番号】 |
特開2001−307517(P2001−307517A) |
| 【公開日】 |
平成13年11月2日(2001.11.2) |
| 【出願番号】 |
特願2000−120347(P2000−120347) |
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