トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F21 照明




【発明の名称】 無電極の低圧放電ランプ
【発明者】 【氏名】ベアテ ヘルター

【要約】 【課題】僅かな透過損失しか有しず、かつミニチュアサイズのパネル構造のために適しているような、できるだけ単純でかつ扱い易いハンディタイプの光源を備えた無電極の低圧放電ランプを提供する。

【解決手段】気密にシールされたランプバルブ2内に、バルブ内部への高周波電磁界の入力結合によってプラズマが形成されるようになっており、該プラズマにより形成された放射線が、ランプバルブ2から、規定された光軸10に沿って、ランプバルブ2の第1の端面側15に設けられた、UV放射線に対して透明な、収束レンズとして形成された少なくとも1つの透明体20を通じて射出するようになっており、プラズマの範囲に、光軸10に沿って一貫して延びる孔もしくは開口を備えた少なくとも1つの遮蔽体7,8,9が設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 無電極の低圧放電ランプであって、気密にシールされたランプバルブ(2)内に、バルブ内部への高周波電磁界の入力結合によってプラズマが形成されるようになっており、該プラズマにより形成された放射線が、ランプバルブ(2)から、規定された光軸(10)に沿って、ランプバルブ(2)の第1の端面側(15)に設けられた、UV放射線に対して透明な少なくとも1つの透明体(20)を通じて射出するようになっており、プラズマの範囲に、光軸(10)に沿って一貫して延びる孔もしくは開口を備えた少なくとも1つのシールドもしくは遮蔽体(7,8,9)が設けられている形式のものにおいて、ランプバルブ(2)の第1の端面側(15)に設けられた前記透明体(20)が、レンズとして形成されていることを特徴とする、無電極の低圧放電ランプ。
【請求項2】 前記透明体(20)が収束レンズとして形成されている、請求項1記載の無電極の低圧放電ランプ。
【請求項3】 光軸(10)に沿って、ランプバルブ(2)の第2の端面側(16)に別の透明体(21)が配置されている、請求項1または2記載の無電極の低圧放電ランプ。
【請求項4】 両透明体(20,21)のうちの少なくとも一方の透明体の縁範囲が、ランプバルブ(2)の一方の端面側と共に気密な結合部を形成している、請求項1から3までのいずれか1項記載の無電極の低圧放電ランプ。
【請求項5】 電磁界を容量式に入力結合するために、ランプバルブ(2)が、光軸(10)に沿ってそれぞれ両端面側(15,16)の範囲に電極(23,24)を備えており、該電極(23,24)がそれぞれ前記透明体(20,21)の光軸(10)の範囲に各1つの開口(25,26)を有している、請求項1から4までのいずれか1項記載の無電極の低圧放電ランプ。
【請求項6】 光軸(10)に沿って、ランプバルブ(2)の第2の端面側(16)の範囲でランプバルブ(2)の外部に、熱放射器(22)として形成された付加的な放射線源が配置されており、該放射線源の放射線が、ランプバルブ(2)の第2の端面側(16)に配置された透明体(21)を通じてランプバルブ(2)内に入射するようになっており、プラズマにより形成された放射線も、熱放射器(22)の放射線も、第1の透明体(20)を通じて外部へ案内されるようになっている、請求項1から5までのいずれか1項記載の無電極の低圧放電ランプ。
【請求項7】 前記遮蔽体(7,8,9)に設けられた前記少なくとも1つの開口が、円形に形成されており、該開口の直径が0.1〜6mmの範囲にある、請求項1から6までのいずれか1項記載の無電極の低圧放電ランプ。
【請求項8】 前記遮蔽体(7,8,9)が、酸化アルミニウム、窒化アルミニウムまたは窒化ホウ素から成っている、請求項1から7までのいずれか1項記載の無電極の低圧放電ランプ。
【請求項9】 前記遮蔽体(7,8,9)が、酸化トリウム、酸化ベリリウムまたは多結晶ダイヤモンドから成っている、請求項1から7までのいずれか1項記載の無電極の低圧放電ランプ。
【請求項10】 前記遮蔽体(7,8,9)が、高融点の金属、特にモリブデンまたはタングステンから成っている、請求項1から7までのいずれか1項記載の無電極の低圧放電ランプ。
【請求項11】 前記透明体(20,21)が、石英ガラスまたはUV透過性ガラスまたはサファイアから成っている、請求項1から10までのいずれか1項記載の無電極の低圧放電ランプ。
【請求項12】 ランプバルブ(2)の充てん物として、1〜100ミリバールの低温充てん圧を有する重水素が設けられている、請求項1から11までのいずれか1項記載の無電極の低圧放電ランプ。
【請求項13】 前記電極(23,24)が、0.1KHz〜2450MHzの領域の励起周波数を発生させる高周波発生器に接続されている、請求項1から12までのいずれか1項記載の無電極の低圧放電ランプ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無電極の低圧放電ランプであって、気密にシールされたランプバルブ内に、バルブ内部への高周波電磁界の入力結合によってプラズマが形成されるようになっており、該プラズマにより形成された放射線が、ランプバルブから、規定された光軸に沿って、ランプバルブの第1の端面側に設けられた、UV放射線に対して透明な少なくとも1つの透明体を通じて射出するようになっており、プラズマの範囲に、光軸に沿って一貫して延びる貫通孔もしくは開口を備えた少なくとも1つのシールドもしくは遮蔽体が設けられている形式のものに関する。
【0002】
【従来の技術】以下において、「無電極の放電ランプ」とは、ランプバルブの内部に固有の電極を有しないようなランプを意味する。この場合、ランプを動作させるためには、電磁界の入力結合によってプラズマが形成される。電磁界の入力結合は、たとえばランプバルブの外側に被着された電極によって容量式に行うことができる。しかし、電磁界の誘導式の入力結合を行うことも可能である。
【0003】ドイツ連邦共和国特許出願公開第4120730号明細書に基づき公知の無電極の低圧放電ランプでは、ランプバルブ内に、高周波電磁界の入力結合によってプラズマが形成され、このプラズマにより形成された放射線がランプバルブから射出する。プラズマの範囲には、高耐熱性の材料から成る遮蔽体が配置されており、この遮蔽体はプラズマ範囲を絞って縮径させるための開口(アパーチュア)を有している。この遮蔽体は前記開口を通る光軸を有しており、この光軸に沿って放射線が射出する。高周波電磁界におけるプラズマ収縮時に十分に高い放射線束および放射輝度(Strahldichten)を得るためには、材料が高い壁負荷に耐えなければならない。これにより、材料が1500゜ケルビンよりも高い温度で破壊したり、溶融したり、不純物を放出したり、あるいはそれどころかランプのスイッチオンオフ時における熱衝撃に基づき砕け散ったりすることが回避される。
【0004】ドイツ連邦共和国特許出願公開第4120730号明細書の記載によれば、遮蔽体のための材料として有利には窒化ホウ素が使用される。
【0005】さらに、英国特許第1003873号明細書に基づき、無電極の高周波・放電スペクトルランプが公知である。この公知のランプは光透過性の材料から成る、中空状に閉じられたランプバルブを有しており、この場合、このランプバルブは2つの部分に分割されている。分割された両バルブ部分は毛管状の貫通案内部によって互いに結合されており、そしてランプバルブ内に存在する金属蒸気内に放電を励起するための電磁的な装置が設けられている。放電のための電磁エネルギの入力結合は、ランプバルブを取り囲むコイル装置を介して維持され、この場合、実際の点弧は外部電極を介して行われる。
【0006】上記英国特許明細書の記載によれば、点弧に関して大きな問題が生じることが判っているので、ランプバルブの外側範囲に、点弧を導入する付加的な電極が設けられなければならない。この場合、有利なビーム軸線に沿って方向付けられた放射は行われない。
【0007】さらに、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19547519号明細書に基づき公知の無電極の低圧放電ランプ、特に重水素ランプの構成では、ランプが円筒対称的な遮蔽体を有している。この遮蔽体は端面側にそれぞれ1つの中空室を有している。両中空室は1つの孔によって互いに接続されており、この孔は、高周波電磁界の入力結合によって内部に形成されたプラズマを、放射された放射線の強さ増大の目的で縮径させるための遮蔽体開口としても働く。円筒対称的な遮蔽体の両端面側は気密なシール部材を備えており、このシール部材のうちの少なくとも一方のシール部材が射出フィールドとして形成されている。有利な構成では、電磁界の入力結合が、端面に設けられた電極によって容量式に行われ、これらの電極は、これらの電極が射出窓に対して隣接して配置されている場合には、放射線の射出のための少なくとも1つの開口を有している。
【0008】ドイツ連邦共和国特許第19547813号明細書に基づき、やはり遮蔽体を備えた無電極の放電ランプが公知である。放電容器内では、高周波電磁界の入力結合によってプラズマが形成され、このプラズマにより形成された放射線は、放電容器の、UVビームに対して透過性の少なくとも1つの範囲を通じて放電容器から射出する。この場合、プラズマの範囲には、高耐熱性の材料から成る少なくとも1つの遮蔽体が配置されており、この遮蔽体はプラズマ範囲を絞って縮径させるための少なくとも1つの開口を有している。プラズマ範囲では同一の光軸に少なくとも2つの遮蔽体開口が設けられており、この光軸に沿って放射線が射出する。電磁界を容量式に入力結合するためには、放電容器が光軸に沿ってそれぞれその端部に面状の電極を備えている。これらの電極の少なくとも一方の電極は、ビーム出口の軸線の範囲に開口を有しており、この開口はUVビームに対して透過性の射出窓に隣接して配置されている。
【0009】この公知の放電ランプは分析目的のための完全な形のUV−VIS光源に関して問題があることが判っている。この場合、ランプユニットは重水素ランプとタングステンランプとをシースルー式配置で有しており、そしてこのランプユニットはシャッタ、SMA光導波路接続部および両ランプのための安定器として働く前置接続装置と共に1つのプリント配線板にまとめられている。付加的な収束レンズを備えた配置形式では、UV透過性の窓からの射出時および収束レンズ通過時に透過損失が発生する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、僅かな透過損失しか有しず、かつミニチュアサイズのパネル構造のために適しているような、できるだけ単純でかつ扱い易いハンディタイプの光源を備えていて、さらに、放射線が比較的簡単に光導波路もしくは光ファイバ内へ入力結合され得るような無電極の低圧放電ランプを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するために本発明の構成では、冒頭で述べた形式の無電極の低圧放電ランプにおいて、ランプバルブの第1の端面側に設けられた前記透明体が、レンズとして形成されているようにした。
【0012】
【発明の効果】本発明によれば、UV光線の透過率が著しく改善されることが有利であることが判った。すなわち、窓とレンズとを通る従来の放射線通過部の代わりにレンズ材料を通る唯一つの放射線通過部しか必要とならないことに基づき、材料通過部が節約される。このことから、単純化された構造の他に、改善された発光効率も得られる。
【0013】請求項2〜請求項13には、請求項1に記載の本発明による無電極の低圧放電ランプの有利な構成が記載されている。
【0014】本発明の有利な構成では、UV放射線に対して透明な透明体として少なくとも1つのレンズが形成されており、さらに光軸に沿って、ランプバルブの第2の端面側の範囲に別の透明体が配置されている。両透明体の縁範囲はランプバルブの各端面側と共に気密な結合部を形成している。
【0015】電磁界を容量式に入力結合するためには、ランプバルブがその軸線に沿ってそれぞれその端部もしくは端面側に、面状の電極を備えており、この場合、これらの電極は、それぞれビーム出口の軸線の範囲に1つの開口を有しており、この開口はビーム出口に隣接して配置されている。
【0016】本発明の別の有利な構成では、光軸に沿って、ランプバルブの第2の端面側の範囲でランプバルブの外部に、熱放射器として形成された付加的な放射線源が配置されており、該放射線源の放射線が、ランプバルブの第2の端面側に配置された透明体を通じてランプバルブ内に入射するようになっており、プラズマにより形成された放射線も、熱放射器の放射線も、第1の端面側に設けられた第1の透明体を通じて外部へ向かって案内されるようになっている。
【0017】熱放射器は光軸に沿って配置されており、この場合、ビーム出口の遮蔽体開口を通じて熱放射器の放射線も案内される。このことは、プラズマにより形成された放射線も、熱放射器の放射線も、ビーム出口に設けられた、UV透過性のレンズとして形成された第1の透明体を通じて案内されることを意味する。
【0018】ビーム出口の遮蔽体開口は円形に形成されており、この場合、この遮蔽体開口の直径は0.1〜6mmの範囲にあると有利である。遮蔽体は酸化アルミニウム、窒化アルミニウムまたは窒化ホウ素から成っていると有利である。しかし、遮蔽体は酸化トリウム、酸化ベリリウム、多結晶ダイヤモンドまたは高融点の金属、たとえばモリブデンまたはタングステンから成っていてもよい。
【0019】UV透過性のレンズおよびビーム入口の窓は、石英ガラスまたはUV透過性ガラスまたはサファイアから成っていると有利である。
【0020】ランプバルブの充てん物としては、1〜100ミリバールの低温充てん圧を有する重水素が設けられていると有利である。電極は、0.1KHz〜2450MHzの領域の励起周波数を発生させる高周波発生器に接続されていると有利である。
【0021】さらに、収束レンズとしても働く射出窓が使用されることに基づき、材料コストや加工コストの節約も得られるので有利である。この場合、付加的に、ランプに対して規定の間隔を置いてレンズを位置適正に適当に取り付けるためにかかる較正手間も不要となる。
【0022】別の利点としては、レンズが遮蔽体の範囲における、発光するプラズマボールに一層大きく近付けられていることにより、放射された光線の、より大きな立体角度が捕捉されることに認められる。
【0023】さらに、これまで放電ランプと収束レンズとの間に存在していた空間を放電ランプの、高められたガス容積のために利用することができるので、同じ所要スペースのままで放電ランプの寿命を高めることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図面につき詳しく説明する。
【0025】図1には、円筒対称的なランプバルブ2と、このランプバルブ2内に配置された複数のスペーサリング3,4,5,6とを備えた放電ランプ1の縦断面図が示されている。各スペーサリング3,4,5,6の間には、それぞれ1つの遮蔽体7,8,9が配置されている。この遮蔽体7,8,9は光軸10に沿って延びる遮蔽体開口(アパーチュア)11,12,13を有している。ランプバルブ2の両端面側15,16はそれぞれ開口17,18を備えており、これらの開口17,18はそれぞれ第1の透明体20と第2の透明体21とによって気密に閉鎖されている。放射線は第1の開口17と、レンズとして形成された、UV放射線に対して透明な第1の透明体20とを通じて、ランプバルブ2の内部から光軸10に沿って外方に向かって放射される。このときに、第2の開口18は外部から光軸10に沿ってランプバルブ2内に導入された放射線を入力結合するために働く。この場合、放射線は、たとえばドイツ連邦共和国特許出願公開第19547519号明細書の図2に基づき知られているような熱放射器22(シンボリックにのみ図示する)から導入される。したがって、第1の開口17は放電ランプ1の内部で形成された放射線のビーム出口としても、外部からランプバルブ2内に導入された放射線のビーム出口としても働くように設けられている。出口用の第1の開口17はこの場合、透明体20としてUV放射線透過性の収束レンズを有しており、この場合、ランプバルブ2の内室は第1の端面側15では収束レンズとして形成された第1の透明体20によって、第2の端面側16では第2の透明体21によって、それぞれ外部環境に対して雰囲気的に(atmosphaerisch)閉鎖されている。
【0026】電磁界の入力結合は、面状に形成された電極23,24を介して容量式に行われる。これらの電極23,24は光軸10に沿ってランプバルブ2の両端面側15,16に被着されている。電極24は端面側16で、熱放射器22から放射された放射線を導入するために、ランプバルブ2の第2の開口18に比べて縮小された開口26を有しており、それに対して電極23は端面側15で、ランプバルブ2の第1の開口17に比べて縮小された、UV放射線と、熱放射器22により形成された放射線とを送出するための開口25を有している。
【0027】図2には、UV放射線と可視光線とを送出するためのUV−VIS光源モジュール31が示されている。このUV−VIS光源モジュール31はUV放射線のための放電ランプ1と、熱放射器22と、放電ランプ1および熱放射器22の制御のための電気的な前置接続装置として形成された安定器33とを有している。UV−VIS光源モジュール31は扱い易いハンディタイプの小型のプリント配線板37に収納されていて、比較的小さな電力しか消費しないので、UV−VIS光源モジュール31の動作は定置の供給電源とは無関係に、バッテリまたはアキュムレータ(蓄電池)を用いて可能になる。図2から判るように、光軸10に沿って、放電ランプ1の、安定器33に向けられた側には、ミニチュアの白熱ランプもしくはハロゲンランプの形の熱放射器22が取り付けられており、この場合、熱放射器22から放射される放射線をランプバルブ2の内部へ入力結合するために、放電ランプ1の第2の端面側16に設けられた電極24に開口26が設けられている。ランプ動作は前置接続装置である安定器33により保証される。この安定器33は放電ランプ1にも、熱放射器22である小型ハロゲンランプにも、電流を供給する。放電ランプ1の電極23に設けられた開口25の範囲には、外部へ通じた光導波路接続部35、たとえば光ファイバコネクタが設けられている。この光導波路接続部35はレンズとして働く第1の透明体20に直接に対応配置されている。光導波路接続部35には、光導波路36、たとえば光ファイバが直接に接続されており、この光導波路36は特に、たとえば水質分析、診断および環境分野において使用される、位相結合されたUV−VIS(紫外可視)分光光度計システムのために適している。
【0028】したがって、UV−VIS光源モジュール31は1つのプリント配線板37に配置されており、このプリント配線板37は放電ランプ1と、熱放射器22と、制御可能な閉鎖部(シャッタ)と、SMA光スイッチ接続部を有する入力結合光学系と、両ランプを動作させるための前置接続装置もしくは安定器33とから成る完全な形のランプユニットを有している。
【0029】両ランプ自体と閉鎖部もしくはシャッタとをそれぞれ互いに別個に制御することができることが特に有利であることが判った。
【0030】図3には、UV−VIS光源モジュール31(図2)から射出した放射線のスペクトルが描かれている。この場合、波長λはナノメータ(nm)で記載されており、光線出力は0〜100%(パーセント)の相対的な単位で示されている。
【0031】図3に示したスペクトル線図の左側の部分から判るように、放電ランプとして働く重水素ランプにより、200〜400nmの領域のスペクトルが形成される。それに対して、熱放射器として働くハロゲン・タングステンランプのスペクトルは300〜1100nmの領域にわたって延びている。したがって、分析目的のために200〜1100nmのスペクトル領域が形成され、この場合、光源のスペクトルは光導波路を介して検出器によって求められる。
【0032】重水素ランプとして形成された放電ランプが短波長のUV領域で連続スペクトル(Kontinuum)を形成することが特に有利であることが判った。これにより放電ランプは、熱放射器として形成された白熱ランプ(ハロゲンランプ)と協働して、種々異なる物質、たとえばガスまたは液体を分析するための適当な補助手段として働くことができる。この場合、実際の分析は、以下に図4につき説明するような専用のセンサによって行われる。
【0033】原理的に、このセンサは光導波路とキャピラリ(毛細管)とに続いていて、光源と共に1つの分析ユニットを形成する。
【0034】したがって、分析目的のために使用可能となるスペクトル領域は200nmから約1050nmにまで及んでおり、このスペクトル領域はUV−C領域から近赤外線領域までのスペクトルに相当する。図3の線図には、400〜700nmの領域を有する、目に見える可視放射線も示されている。
【0035】図4に示したように、励起のために働く放射装置40は放電ランプ1と熱放射器22とを有しており、この放電ランプ1と熱放射器22とは(図2に示したように)光軸10に沿って配置されている。この場合、光軸10は、収束レンズとして形成された第1の透明体20(概略的にのみ図示する)に交差している。さらに、光軸10には光導波路接続部35が位置しており、この光導波路接続部35は光導波路36を結合するために働く。光導波路36は入口41を介してキュベットもしくは吸収セル42内に進入しており、この吸収セル42内には試料が位置している。この場合、光導波路36の先端部43から射出した放射線が試料媒体44に導入されて、後続の光導波路47の、光軸に沿って位置する先端部45を介して吸収セル42から導出される。実際の使用では、たとえば工業用等の用水もしくは濁っていない排水を分析する場合に、両先端部43,45の間のたとえば10mmの間隔が使用される。吸収されなかった放射線は、後続の光導波路47と出口49とを介して、分析器50の入口48にもたらされ、この場合、この分析器50は、吸収されたスペクトルを利用して、吸収セル42内に位置する試料材料の分析を行う。
【0036】吸収セル42に対して導入・導出される光導波路を使用することの大きな利点は次の点に認められる。すなわち、放射装置40または分析器50の何らかの敏感な電気的もしくは電子光学的な構成素子が損なわれる恐れなしに、液体もしくは腐食性(aggressiv.)の物質にも吸収測定を全く問題なく行うことができる。
【出願人】 【識別番号】593129320
【氏名又は名称】ヘレーウス ノーブルライト ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【出願日】 平成13年3月7日(2001.3.7)
【代理人】 【識別番号】100061815
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 敏雄 (外4名)
【公開番号】 特開2001−307507(P2001−307507A)
【公開日】 平成13年11月2日(2001.11.2)
【出願番号】 特願2001−63909(P2001−63909)