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【発明の名称】 車両用の照明装置
【発明者】 【氏名】ヴァンサン トミネー

【要約】 【課題】マトリックスに分配されて配置された多数の半導体光源と、該半導体光源から送り出された光の光路における少なくとも1つの光学的に作用するエレメントとを有する車両用の照明装置を改良し、種々異なる光機能の間での切換えが簡単な形式で行われ得るようにすること。

【解決手段】マトリックスにおいて種々異なる部分領域が規定され、該部分領域に半導体光源(10)の部分量が配置されており、種々異なる部分領域の半導体光源が互いに無関係に稼働可能であり、半導体光源から発せられる光の光路に絞りとレンズとが配置されてお入り、相応する部分領域の半導体光源を稼働させることで、種々の光機能の間の切換えが簡単な形式で行われること。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 マトリックスに分配された多数の半導体光源(10)と、該半導体光源から送り出された光の光路における少なくとも1つの光学的に作用するエレメント(14)とを有する車両用の照明装置において、前記マトリックスの種々異なって規定された部分領域(22,24,26,28;30,32)に配置された半導体光源(10)が互いに無関係に稼働可能であることを特徴とする、車両用の照明装置。
【請求項2】 少なくとも1つの光学的に作用するエレメント(14)が集光レンズである、請求項1記載の照明装置。
【請求項3】 種々異なって規定された部分領域(30,32)に配置された半導体光源(10)の部分量によって、種々異なる色の光が発せられ、半導体光源(10)の部分量が、照明装置から送り出される光束の所定の色を達成するために稼働可能である、請求項1または2記載の照明装置。
【請求項4】 マトリックスにおいて、半導体光源(10)で非対称の防眩光束を生ぜしめる部分領域(22)が規定されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の装置。
【請求項5】 マトリックスにおいて半導体光源(10)によって、集中した光束を生ぜしめる部分領域(20)が規定されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の照明装置。
【請求項6】 マトリックスにおいて半導体光源(10)が水平に拡散した光束を生ぜしめる部分領域(26)が規定されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の照明装置。
【請求項7】 マトリックスにおいて半導体光源(10)が片側へ右又は左へ向けられた光束を生ぜしめる少なくとも1つの部分領域(28)が規定されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の照明装置。
【請求項8】 マトリックスの半導体光源(10)がコンカーブに湾曲した面に分配されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の照明装置。
【請求項9】 半導体光源(10)と少なくとも1つの光学的に作用するエレメントとの間に絞り(16)が配置され、この絞り(16)によって照明装置から送り出された光束の明暗限界が生ぜしめられる、請求項1から8までのいずれか1項記載の照明装置。
【請求項10】 1つの部分領域(22,24,26,28)の半導体光源(10)の部分量の稼働から他の部分領域(22,24,26,28)の半導体光源(10)の部分量の稼働への切換えを連続的な移行をもって行う、請求項1から9までのいずれか1項記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は請求項1に記載した形式の車両用の照明装置から出発している。
【0002】
【従来の技術】このような照明装置はDE4228895A1号明細書によって公知である。この照明装置はマトリックスに配置された多数の半導体光源を有している。半導体光源から発せられた光の光路内には円板の形をした光学的に有効なエレメントが配置されている。該エレメントはマイクロスコープ的な大きさのレンズ又はプリズムの形で又はマイクロスコープ的な大きさの屈折グリッドの形で光学的なプロフィルを有している。光学的なプロフィールのマイクロスコープ的な大きさにより、照明装置から送り出される光束は所定の特性を有している。半導体光源は種々異なる色の光を発する。マイクロスコープ的な光学的な大きさによって、異なる半導体光源から送り出された光の混合が達成されるので、照明装置から発せられる光は白色光となる。しかしこの照明装置から発せられた光は常に同じ特性を有しているので、この照明装置は1つの機能にしか使用することができない。この場合、光束の特性という概念には、光束の光色、その方向、到達距離、拡散幅及び外光束によって得られる照明強度分布が纏められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は照明装置から発せられる光束の特性を変え、照明装置が種々の機能のために使用できるようにすることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、マトリックスに分配された多数の半導体光源と、該半導体光源から送り出された光の光路における少なくとも1つの光学的に作用するエレメントとを有する車両用の照明装置において、前記マトリックスの種々異なって規定された部分領域に配置された半導体光源が互いに無関係に稼働可能であることによって解決された。
【0005】従属請求項には本発明による照明装置の有利な実施態様と発展的な構成が開示されている。請求項3の構成は、種々異なる光色の光束の送り出しを可能にするので照明装置は例えば多数の異なる信号機能のために又は1つの信号機能のためと前照燈として使用することができる。請求項5の構成は照明装置を、車両の遠隔領域を強く照明する前照燈として使用することを可能にする。請求項6による構成は照明装置を車両の前を幅広く照明する前照燈として使用することを可能にする。これは例えば市街交通における低速での走行及び/又は例えば霧が発生した狭い視界での走行の場合に有利である。請求項7による構成は照明装置を車両の前を片側に寄せて照明する前照燈として使用することを可能にする。これは特にカーブの走行に際して又は車両の左折・右折過程に際して有利である。
【0006】
【実施例】以下、図面に示した実施例について詳細に説明する。
【0007】図1には車両、特に自動車の照明装置が示されている。照明装置は車両のフロント端部に配置されており、有利には前照燈として使用される。この場合にはほぼ同じく構成された2つの照明装置がフロント端部に、通常の前照燈のように配置されている。照明装置はマトリックスに分配された多数の半導体光源10を有している。この場合には半導体光源10が保持されかつ電気的に接触させられている保持部材12が設けられていることができる。半導体光源10は少なくともほぼ一平面内に配置されてるか又はコンカーブに湾曲させられた面又は段付けられた面に亘って分配されている。前記面は例えばほぼ球面状の曲率を有していることができる。半導体光源から送り出された光の光路においては集光レンズの形をした光学的に有効なエレメント14が配置されている。集光レンズ14により、半導体光源10から送り出された、集光レンズ14を通過する光が束ねられるので、この光束は所定の特性をもって照明装置から送り出される。半導体光源10と集光レンズ14との間には絞り16が配置されていることができる。この絞り16により、半導体光源10から送り出された光の1部が遮蔽され、これにより照明装置から発せられる光束の明暗限界が生ぜしめられる。絞り16は照明装置の光軸18のほぼ下側に配置されており、集光レンズ14により上下及び右左方向で反対に結像された絞り16の上縁17の位置と形とによって、照明装置から送り出された光束の明暗限界の位置と形とが決定される。
【0008】照明装置を前照燈だけとして使用する場合には、全部が少なくともほぼは白色光を発する半導体光源10が使用される。図2においては、第1の実施態様による半導体光源10のマトリックスが示されている。マトリックスの上では半導体光源10の部分量が配置されている所定の部分領域が規定されている。この場合、種々異なる部分領域に配置された半導体光源10はそれぞれ、他の部分領域に配置された半導体光源10とは無関係に稼働可能である。この場合には、それぞれ1つの部分領域の半導体光源10又は少なくとも1つの部分領域にてさらに分割された領域の半導体光源10又は一緒に接触させられ、したがってこれらがその稼働のために個別に制御される必要がなくなっていると有利である。
【0009】マトリックスの上にはマトリックスの上縁から下へ達しかつマトリックスの垂直な中央軸19の両側にほぼ対称に配置された、半導体光源10の部分量を有する第1の部分領域22が存在している。水平な方向では部分領域22は完全にはマトリックスの側縁までは達していない。部分領域22の下縁は例えば照明装置から送り出された光束に与えようとする明暗限界の形を有していることができる。この場合には絞り16は省略される。明暗限界を生ぜしめる絞り16が設けられると部分領域22の下縁は任意の他の形を有していることができる。部分領域22の半導体光源10が稼働させられると、この半導体光源10から送り出された光は非対称的な防眩光束を成し、該防眩光束が照明装置から発せられる。
【0010】図4には照明装置から間隔をおいて配置された測定スクリーン80が示されている。この測定スクリーン80には照明装置の前にある照明されるであろう、走行路が投影されて具現されている。測定スクリーン80はVVで示された垂直な中央平面とHHで示された水平な中央平面とを有している。両中央平面は点HVで交差している。半導体光源10から送り出されかつ照明装置から発せられる光で、測定スクリーン80の上では、上方に向かって非対称の明暗限界83,84で制限された領域82が照明される。明暗限界は例えば対面交通側つまり右交通の場合には測定スクリーン80の左側に水平な区分83を有し、自車交通側、つまり右側交通の場合には測定スクリーン80の右側に、区分83から上昇する区分84を有している。
【0011】さらにマトリックスの上には半導体光源10の部分量を有する第2の部分領域24が規定されていることができる。この部分領域24は部分領域22に比べてわずかな大きさを有する。部分領域24はマトリックスのほぼ中央に配置され、上方に向かってはマトリックスの縁までは達せず、下方へは部分領域22よりも先まで達している。部分領域24の半導体光源10が稼働させられると、該半導体光源10から送り出された光は集中させられた光束を生ぜしめ、この光束が照明装置から発せられる。集中させられた光束によって領域82に比してわずかな面積を有しかつ領域の明暗限界83,84を部分的に越えた領域86が測定スクリーン80にて照明される。集中された光束によってはなかんづく車両の前の遠隔領域が照明される。部分領域24の半導体光源10は遠隔光束を発生させるため又は高速のもとでの車両の前の遠隔領域の照明を改善するために稼働させられる。
【0012】さらにマトリックスの上には、部分領域22に比べて垂直方向ではわずかな広がりを有するが水平方向では部分領域22よりも大きい広がりを有する、半導体光源の部分量を備えた第3の部分領域26が規定されている。部分領域26はマトリックスの全幅に亘って延在することができる。部分領域26はマトリックスの上方の縁部から延びているが、部分領域22の下縁から間隔をおいて終わっている。部分領域26の下縁はほぼ水平に延びている。部分領域26の半導体光源10が稼働させられると、この半導体光源10から発せられた光により水平方向に拡散した光束が発生させられ、この光束が照明装置から送り出される。水平方向に拡散した光束によっては領域82に対し水平方向で大きい広がりを有するが垂直方向には領域82に較べてわずかな広がりしか有しない領域88が測定スクリーン80にて照明される。領域88は上方に向かってはほぼ水平な明暗限界89により制限されている。該明暗限界89は領域82の明暗限界83,84の下を延びている。部分領域26の半導体光源10は例えば低速の場合又は霧等で可視距離がわずかである場合に稼働させることができる。
【0013】さらにマトリックスの上にはマトリックスの側縁部の近くに配置された、半導体光源10の部分量を有する第4の部分領域28が規定されていることができる。第4の部分領域28は第1の部分領域22よりも著しくわずかな広がりを水平方向に有し、部分領域22の垂直方向の広がりとほぼ同じ大きさの広がりを垂直方向に有している。第4の部分領域28は第1の部分領域22とマトリックスの側方縁部との間を延びている。第4の部分領域28の半導体光源10が稼働させられると、この半導体光源10から発せられた光によって片側へ向けられた光束が生ぜしめられ、この光束が照明装置から送り出される。光送出方向で見て左側の第4の部分領域28の半導体光源10によっては、領域82の右に配置されている領域90が測定スクリーン80の上で照明される。光走出方向で見て右側の部分領域28の半導体光源10によっては領域82の左に配置された領域91が測定スクリーン80の上で照明される。一方の第4の部分領域28の半導体光源10は有利には、車両がカーブを通過する際又は右・左折過程に際して稼働せられる。この場合には、送り出された光が屈折した方向又は切込んだ走行方向の照明を行う部分領域28の半導体光源10が稼働させられる。さらに両方の第4の部分領域28の半導体光源10が稼働させられるようにすることもできる。これは例えば車両の速度が低い場合に、車両の前を大きい幅に亘って照明する場合に有利である。
【0014】先に述べた種々の光機能の間での切換えは、相応する部分領域22,24,26又は28の半導体光源10を稼働させることにより、簡単な形式で行うことができる。このような切換えは手動で車両操縦者によって行うか自動的に制御装置により車両の運転パラメータ、例えば速度及び/又はハンドルの操作量及び/又は他のパラメータ、例えば天候に関連してかつ/又はセンサシステム、例えば対向交通の認識により行うことができる。この場合には1つの部分領域22,24,26,28の半導体光源10を他の部分領域の半導体光源の稼働に切換えることは、連続的に又は飛躍的な移行を伴って行うことができる。
【0015】図3に示されている、照明装置の第2実施例では、マトリックスの上に半導体光源10の部分量を有する複数の部分領域が規定されている。この場合には種々異なる部分領域の半導体光源10は種々異なる色の光を発するが、1つの部分領域の半導体光源の光色は統一的である。例えばマトリックスの1つの部分領域30においては少なくともほぼ白色光を発するように半導体光源10が配置されていることができる。部分領域30はマトリックスのもっとも大きい部分を占めることができる。部分領域32においては有色光、例えば少なくともほぼオレンジ色の光を発する半導体光源10が配置されている。この場合には照明装置は部分領域30の半導体光源10を稼働させると前照燈として使用し、部分領域32の半導体光源10を稼働させると例えばウィンカ灯として使用することができる。
【0016】半導体光源10としては電流が流れると可視光線を発する光ダイオードを使用することができる。さらに電気的なエネルギをレーザ光線に直接的に変換することを可能にするレーザダイオードを使用することも可能である。又、1つの半導体光源10が所定の色の光を送出する光発生チップを1つしか有していないようにすることができる。又、選択的に1つの半導体光源10が色の異なる光を送出する複数のチップ、例えば3つのチップを有するようにすることもできる。この場合、半導体光源10においては色の混合が行われ、半導体光源10は全体として少なくともほぼ白色の光を送出する。又、それぞれ1つのチップが赤色の光を、1つのチップが緑色の光を、そして1つのチップが青色の光を発するようにすることもできる。図5においては第1実施態様の半導体光源10が示されている。この場合には単数又は複数のチップ40が設けられている。チップ40はレフレクタ42により取囲まれ、このレフレクタ42により、チップ40から発せられた光が反射させられる。チップ40から発せられかつレフレクタ42により反射させられた光の光路には、球面又は非球面状の湾曲を有するレンズの形をした光学的なエレメントが配置されている。レンズ43によってはチップ40から送出されかつレフレクタ42により反射させられた光が集められかつ少なくともほぼ平行に向けられる。さらにレンズ43はチップ40から発せられた光の混合を行うので、全体として半導体光源10によっては少なくともほぼ白色の光が送出させられる。レンズ43は例えばプラスチックから成ることができ、チップ40とレフレクタ42とを取囲む包囲体に構成されていることができる。図6には第2実施態様による半導体光源10が示されている。この場合のも光を発生させるために単数又は複数のチップ44が設けられている。チップ44は包囲体45により取囲まれており、該包囲体45は半導体光源10の背部側において、内面がトータル反射を行うように構成されているので、包囲体45により、チップ44から送り出された光が反射させられる。この光は半導体光源10の前面側に形成された単数又は複数のレンズ46を通過し、その際に集められる。図7においては第3実施態様による半導体光源10が示されている。この場合にも単数又は複数のチップ48が設けられ、該チップ48がレフレクタ49で取囲まれており、このレフレクタ49によりチップ48から発せられた光が反射させられる。チップ48から送出されかつレフレクタ49により反射させられた光の光路には光学的なエレメント50が配置されている。この光学的なエレメント50は少なくとも1つの屈折光学的な構造を有し、該構造により通過する光は変向される。有利には光学的なエレメント50はチップ48の数と光色とに相応して3つの屈折光学的な構造を有している。該構造はエレメント50の1つの層又は複数の層に構成されている。この場合、各構造は1つの光色に合わせられているので、この光色の光は規定された形式でこの構造により変向される。光学的なエレメント50の屈折光学的な構造は例えば屈折グリッドとして構成され、例えばホログラフィックな干渉パターンとしてフォトグラフィックな又はフォトリトグラフィックなプロセスで施されることができる。
【出願人】 【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
【出願日】 平成13年2月27日(2001.2.27)
【代理人】 【識別番号】100061815
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 敏雄 (外4名)
【公開番号】 特開2001−266620(P2001−266620A)
【公開日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【出願番号】 特願2001−53051(P2001−53051)