| 【発明の名称】 |
ランプボディ用バックカバー |
| 【発明者】 |
【氏名】長倉 輝
【氏名】高尾 克巳
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| 【要約】 |
【課題】ランプボディ用バックカバーの気密性及び防水性を確保するとともに、バックカバーに対する給電コードの固定工数を削減すること。
【解決手段】光源バルブ1(1a、1b)に電流を送り込む給電コード6(6a、6b)が挿通されるコード挿通孔704(704a、704b)を取り囲むように外立壁702を突設し、前記外立壁702の内側領域705を、該内側領域705に軟化合成樹脂9を流し込んで固化することによって、更には、内側領域705に内立壁703(703a、703b)を設けることによって、前記コード挿通孔704(704a、704b)の気密性及び防水性を確保する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光源バルブに電流を供給する給電コードが挿通されるコード挿通孔を備え、該コード挿通孔を取り囲むように外立壁が突設されるとともに、前記外立壁の内側に、軟化合成樹脂を充填して固化するための樹脂モールド領域が形成されたことを特徴とするランプボディ用バックカバー。 【請求項2】 前記樹脂モールド領域内の前記外立壁と離間する位置に内立壁が突設されたことを特徴とする請求項1記載のランプボディ用バックカバー。 【請求項3】 前記内立壁を、前記外立壁の高さよりも低く形成したことを特徴とする請求項2記載のランプボディ用バックカバー。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や二輪自動車等の車両用灯具の基本構成部材であるランプボディの後頂部に装着される光源バルブ交換用バックカバーに形成されているコード挿通孔の気密性及び防水性を確保するための技術に関する。 【0002】詳細には、前記バックカバーに形成されたコード挿通孔の周囲に樹脂モールド領域を形成し、この樹脂モールド領域内に軟化合成樹脂を充填して固化させることによって、コード挿通孔の気密性及び防水性を確保することを主目的とするランプボディ用バックカバー構造の改良技術に関する。 【0003】 【従来の技術】自動車や二輪自動車等のヘッドランプなどの車両用灯具の灯室を形成する略カップ形状のランプボディの後頂部に形成される光源バルブ挿着用開口部に対しては、一般に光源バルブ交換用のバックカバーが係着等されている。 【0004】従来から、このランプボディ用のバックカバーにおいては、灯室内部に配設される光源バルブ(電球)に対して電源から電流を送り込むための給電コードが、一本又は複数本挿通・固定されているとともに、給電コード挿通部分の隙間の気密性及び防水性を確保できるように工夫された種々の構造が提案されている。 【0005】その構造の典型的なものを挙げれば、(1)図5(A)に示すような、図示しない光源バルブに電流を送り込むすべての給電コード21a、21bを、一つのゴム性ブッシング22に挿通・固定し、このゴム性ブッシング22を、ランプボディ21に係着等されて取付けられたバックカバー20aに形成されている所定孔23に嵌め込む第1の構造、(2)図5(B)に示すような改良構造であって、(部分図で示された)バックカバー20b自体に、各給電コード21a、21bに対応する二つのコード挿通孔25a、25bを離間させて設けるとともに、各コード挿通孔25a、25bを取り囲むように、円筒形状の突起26a、26bを設け、この突起26a、26bの各内側領域に対して、給電コード21a、21bが予め挿着・固定されたゴム性の小ブッシング24a、24bを嵌め込み、該小ブッシング24a、24bの上方から接着剤27a、27bを流し込んで密封する第2の構造、などがある。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第1の構造においては、比較的大きなブッシング22を採用していることから、ブッシング22とコード挿通孔部分及びブッシング22とバックカバーの孔23の係合面積が広くなってしまうことや、ゴム性のブッシング22と合成樹脂製バックカバー20aの材質の相違等から、気密性及び防水性の確保が十分ではなく、更にはブッシング嵌め込み作業に力を要する等の技術的課題を有していた。 【0007】また、第2の構造においては、その組み立て作業(給電コード配設作業)において、給電コード21のブッシング24への挿着及び固定工程、ランプボディに対するプライマ処理工程、ブッシング24の挿入工程、接着剤27の充填工程が必要になる結果、作業工数が多くなるとともに、接着剤27をブッシング24の上方から充填する構成上、給電コード21の固定力が弱くなる等の技術的課題を有していた。 【0008】そこで、本発明は、上記従来技術を解決するべく案出されたものであり、特に、車両用灯具のランプボディ用バックカバーにおける給電コード挿通箇所の気密性及び防水性を確実に確保するとともに、バックカバーに対する給電コードの固定工数を削減できる構造を備えたランプボディ用バックカバーを提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、以下の手段を採用する。請求項1に係るランプボディ用バックカバーでは、まず、光源バルブに電流を供給する給電コードが挿通されるコード挿通孔を取り囲むように、外立壁をバックカバー背面から突設する。そしてこの外立壁で囲まれた内側に、軟化合成樹脂(ホットメルト樹脂)を充填して固化するための樹脂モールド領域を形成する。この手段では、バックカバーに対する給電コードの挿着及び固定方法において,ブッシング部材を一切用いない構成であることから、ブッシングに対する給電コードの挿着工程やブッシングの取付及び固定工程等を省くことができる。このため、給電コード配設作業の工数を削減できるとともに、コード挿通孔部分を合成樹脂で閉塞するという簡易な方法で、気密性及び防水性を確保できる。軟化合成樹脂(ホットメルト樹脂)としては、例えば、ポリアミド系ホットメルト樹脂、変性オレフィン系ホットメルト樹脂等を使用することができる。 【0010】請求項2に係るランプボディ用バックカバーでは、該バックカバーに形成されたコード挿通孔を取り囲む外立壁によって形成された樹脂モールド領域内において、前記外立壁と離間する位置に内立壁を突設するように工夫した。この手段では、樹脂モールド領域内に設けられた内立壁に、軟化合成樹脂の冷却・固定過程で発生する軟化合成樹脂の内側方向への流動を塞き止める作用を発揮させる。これにより、合成樹脂の冷却・固定過程における収縮を抑制して、外立壁等と固化合成樹脂の間に隙間が形成され難いように工夫し、気密性及び防水性を確実に確保する。 【0011】請求項3に係るランプボディ用バックカバーでは、樹脂モールド領域内に設けられた内立壁を、前記外立壁の高さよりも低く形成する。この手段では、バックカバーの後背面から突設される内立壁の高さをh、外立壁の高さをHの符号をもって表せば、h<Hとなるように構成することによって、1箇所からの充填作業でも、外立壁によって取り囲まれたモールド領域全体に軟化合成樹脂を充填することができる。また、内立壁の高さhを所定範囲内に制限することによって、前記内立壁の内側領域における軟化合成樹脂の未充填を起こり難くするとともに、この内側領域に隙間が生じた場合でも、気密性及び防水性を確保する。 【0012】以上のように、本発明に係るランプボディ用バックカバーは、給電コードのバックカバーへの挿着固定工程、ひいては車両用灯具の組立工程の簡略化、作業性改善を達成し、灯室の気密性と防止性を確保することにより、車両用灯具の品質向上に寄与するという技術的意義を有する。 【0013】 【発明の実施の形態】次に、本発明の好適な実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。まず、図1は、自動車のヘッドランプを好適な実施形態として採用して、本発明に係るランプボディ用バックカバー(以下、単に「バックカバー」という。)の縦断面図を、ランプボディに取り付けられた状態で表している。 【0014】符号4で示されるランプボディと符号12で示される前面レンズ(符号13はエクステンションリフレクタである。)の内側に形成された灯室2には、二つの光源バルブ(ハロゲンバルブ)1a、1bが、それぞれ放物面形状のリフレクタ3の後頂部に固定された状態で、上下に配設されている。 【0015】この光源バルブ1a、1bのコネクタ部5a、5bには、図示しない電源から光源バルブ1a、1bへ電流を供給するための給電コード6a、6bが接続されている。具体的には、二本の給電コード6a、6bは、ランプボディ4の後頂部に設けられた光源バルブ交換用開口部8の周縁部分801に係着された略カップ状のバックカバー7の後背面701に形成されたコード挿通孔704(704a、704b)に挿通されている。そして、光源バルブ1a、1bのコネクタ5a、5b部分に接続されている。 【0016】なお、光源バルブ1の種類及び数、バックカバー7の周縁部分801に対する取り付け方法、バックカバー7の形状、コード挿通孔704の数等は、適宜選択可能であり、本発明の要旨に何ら影響を及ぼすものではない。 【0017】ここで、バックカバー7の後背面701には、図1中符号Xで示された特有の「突起構造」が設けられており、この突起構造部分の構成が、本発明の要旨である。以下、上記突起構造Xの具体的な構成を、実施例に基づいて説明する。 【0018】図2(A)は、本発明に係る実施例1における上記突起構造X1部分に充填された軟化合成樹脂9の冷却・固化前の状態を示し、図2(B)同軟化合成樹脂9の冷却・固化後の状態を示している。 【0019】まず、図2に基づいて、実施例1の突起構造X1の構成から説明すると、突起構造X1は、バックカバー7の後背面701から垂直に突設された長円筒形状の外立壁702aを備えている。 【0020】そして、この外立壁702aの内側の後背面701部分には、二つのコード挿通孔704a、704bが離間されて並設されている。即ち、二つのコード挿通孔704a、704bを取り囲むように、外立壁702aが突設されている。 【0021】ここで、外立壁702で取り囲まれた内側領域705aには、軟化合成樹脂(ホットメルト樹脂)9が流し込まれ(充填され)、冷却固化される。軟化合成樹脂9が固化する過程で、軟化合成樹脂9が収縮してコード6a、6bを締め付けることにより、樹脂9とコード6a、6bの密着性が高まるとともに、コード挿通孔704a、704bには、軟化合成樹脂(ホットメルト樹脂)9が充填されてそのまま固化し、気密性及び防水性が確保される。即ち、前記内側領域705aは、軟化合成樹脂9の(樹脂)モールド領域として機能する。 【0022】しかしながら、軟化合成樹脂9の冷却・固化後の状態を示す図2(B)のように、外立壁702aの内側に後述する内立壁703(図3、図4参照)が設けられていない構成では、外立壁702aの内側領域705aに充填された軟化合成樹脂9が冷却・固化過程で、内側方向に流動・収縮する際に、外立壁702aの内壁面領域から後背面701の上方領域にかけて、外空間11と灯室2を連通する隙間10が形成され易くなってしまうおそれがある。 【0023】そこで、本発明に係る実施例2では、上記隙間10の形成を回避するために、上記突起構造X部分に、以下に説明する内立壁703a,703bを設けるように工夫した。実施例2の構成を、図3、図4に基づいて具体的に説明する。 【0024】図3(A)は、本発明に係る実施例2の上記突起構造X2部分を真上から見た平面図であり、図3(B)は、同X部分のI-I線縦断面図、図4(A)は、本発明に係る実施例における軟化合成樹脂の冷却・固化後の突起構造X2の状態を示す平面図、図4(B)は、同突起構造X2の状態を示す縦断面図、である。 【0025】図3、図4に示されたコード挿通孔704a、704bのそれぞれの周囲に、該コード挿通孔704a、704bをそれぞれ取り囲むように、円筒状の内立壁703a、703bが、後背面701から突設されている。外立壁702に対して内立壁703a、703bは、離間する位置に設けられている。 【0026】図3(B)において仮想線で示される二本の給電コード6a、6bは、内立壁703a、703bの内側領域706a、706bをそれぞれ通過して、コード挿通孔704a、704bに挿通される構成とされている。 【0027】なお、コード挿通孔704は、必ずしも二つである必要はなく、給電コード6の数に合わせて(光源バルブ1の数に合わせて)、一つでも良いし、三つ以上でも良く、内立壁703は、そのコード挿通孔704の数に対応する分だけ設ければよい。 【0028】なお、図3において符号706で示される上方視長円形状の三角突起は、外立壁702の内周面における軟化合成樹脂9の収縮防止と、気密性及び防水性をさらに強化するために、外立壁702の内側の後背面701に、内立壁703を取り囲むように形成されている。 【0029】主に図4に基づいて、更に具体的に説明すると、内立壁703a,703bを設けることによって、軟化合成樹脂9の冷却・固化過程での収縮方向に向かう樹脂流動(図4の矢印Y参照)を効果的に塞き止めて抑制することができるので、実施例1において懸念される隙間10の発生を防止できる。 【0030】また、内側領域(モールド領域)705を、内立壁703a,703bによって隔てる(画する)ことができるので、図2に示す実施例1の如き、外立壁7021の内壁面からコード挿通孔704まで連続するような大きな(長い)隙間10が形成されることはない。 【0031】仮に、内立壁703a、703bの内壁面領域に隙間が形成された場合であっても、隙間10の如き外空間11と連通するような隙間となることはないので、気密性や防水性に問題が生じることはない。 【0032】次に、外立壁702の内側領域705に、軟化合成樹脂9を充填する場合は、1箇所から軟化合成樹脂9を内側領域705全体に流動させて(行き渡らせて)充填できるようにするのが、作業上望ましい。そのためには、内立壁703a、703bの後背面701からの高さhを、外立壁702の後背面701からの高さHよりも低く形成しておく必要がある。 【0033】一方では、内立壁703a、703bの高さhを外立壁702の高さHに近づけ過ぎると、内立壁703a、703bの内壁面領域に隙間が形成された場合に、この隙間が外空間11と連通し易くなるので、好ましくない。 【0034】上記観点から、本願発明者が試験を行ったところ、外立壁702の高さHと内立壁703a、703bの高さhの差異を0.5cm以上設けるとともに、内立壁の高さhを1.0cm以下に設定するのが好ましいことが明らかになった。 【0035】 【発明の効果】本発明に係るランプボディ用バックカバーでは、光源バルブに電流を送り込む給電コードが挿通されるコード挿通孔を取り囲むように設けた外立壁の内側に軟化合成樹脂を充填して固化するようにしたので、給電コードの挿着及び固定方法において、ブッシング部材が一切不要となるので、バックカバーに対する給電コードの配設作業を簡略化又は容易化することができる。 【0036】また、従来から用いられてきたゴム性ブッシング部材と合成樹脂製のバックカバーでは材質が異なるため、その係合部分では隙間が形成され易く、気密性及び防水性の確保も本来的に難しかったが、バックカバーのコード挿通孔部分を、合成樹脂を固化して閉塞するという簡易な方法を採用したことによって、気密性及び防水性を容易に確保できるようになった。 【0037】また、本発明に係るランプボディ用バックカバーでは、コード挿通孔を取り囲む外立壁によって形成された樹脂モールド領域内に、前記外立壁と離間するように内立壁を突設することによって、樹脂モールド領域内に充填された軟化合成樹脂の冷却・固定過程における収縮を抑制できる結果、外立壁等と固化合成樹脂の間に隙間が形成され難くなるため、気密性及び防水性を確保できる。 【0038】この内立壁を、外立壁の高さよりも低く形成すれば、外立壁によって取り囲まれたモールド領域全体に軟化合成樹脂を1箇所から充填することができるので、作業上有利である。 【0039】また、内立壁の高さを制限することによって、軟化合成樹脂の未充填が発生し難くなるとともに、仮に内立壁の内側領域に隙間が生じても、この隙間からモールド領域内に充填された合成樹脂材の上面までの距離が確保されている結果、気密性及び防水性に問題が生じるおそれがない。 【0040】上記効果を奏する本発明に係るランプボディ用バックカバーを備えた車両用灯具では、気密性及び防水性に関する品質向上が達成できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001133 【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
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| 【出願日】 |
平成12年3月16日(2000.3.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087826 【弁理士】 【氏名又は名称】八木 秀人
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| 【公開番号】 |
特開2001−266611(P2001−266611A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月28日(2001.9.28) |
| 【出願番号】 |
特願2000−74082(P2000−74082) |
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