| 【発明の名称】 |
車両用灯具およびその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】秋山 一夫
【氏名】杉山 富士彦
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| 【要約】 |
【課題】前面レンズとランプボディとの接合面周辺の外観品質を高めた上で、その接合強度を十分に高める。
【解決手段】前面レンズ16に形成されたシール脚16aの先端面16dとランプボディ14に形成された受け面14bとを接合面としてレーザ溶着を行うことにより、接合面周辺の外観品質を高める。上記先端面16dは、接合方向に対して外周側へ所定角度折れ曲がるようにして延びるシール脚16aの先端部16cに形成し、該先端面16dと略直交する方向から先端部16cを透してレーザ光を受け面14bに照射する。これによりレーザ光照射を透明押え板104およびシール脚16aを透して行うのに比して透過距離を大幅に短くし、十分な照射エネルギを確保する。またシール脚16aの基端部において前面レンズ16を押圧することにより、上記先端面16dと受け面14bとをその幅方向に関して均一な押圧力で当接させ、接合面全幅にわたって所要の接合強度を容易に確保可能とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 前面レンズとランプボディとが直接接合により接合されてなる車両用灯具において、上記前面レンズの外周縁部に、接合方向に延びるシール脚が形成されるとともに、上記ランプボディに、上記シール脚の先端面と当接する受け面が形成されており、上記直接接合が、上記シール脚の先端面と上記受け面とを接合面とするレーザ溶着により行われており、上記シール脚の外側面に、接合方向に対して斜め方向から入射するレーザ光を上記先端面へ導くレーザ光受け面が突出形成されている、ことを特徴とする車両用灯具。 【請求項2】 上記シール脚の先端部が、接合方向に対して外周側へ所定角度折れ曲がって延びるように形成されている、ことを特徴とする請求項1記載の車両用灯具。 【請求項3】 上記ランプボディの受け面に、上記シール脚の先端部の外側面に沿って接合方向に突出するアウタリブが形成されている、ことを特徴とする請求項2記載の車両用灯具。 【請求項4】 上記ランプボディの受け面に、上記シール脚の内側面に沿って接合方向に突出するインナリブが形成されている、ことを特徴とする請求項2または3記載の車両用灯具。 【請求項5】 前面レンズとランプボディとを直接接合により接合する車両用灯具の製造方法において、上記前面レンズの外周縁部に、接合方向に延びるシール脚を形成するとともに、該シール脚の外側面に、接合方向に対して斜め方向から入射するレーザ光を上記シール脚の先端面へ導くレーザ光受け面を突出形成する一方、上記ランプボディにおいて上記シール脚の先端面に対応する位置に受け面を形成しておき、上記シール脚の先端面を上記受け面に当接させるようにして上記前面レンズを上記ランプボディに対して接合方向に押圧し、この状態でレーザ光を上記レーザ光受け面へ入射させて該レーザ光を上記先端面へ導き該レーザ光を上記受け面に照射することにより上記接合を行う、ことを特徴とする車両用灯具の製造方法。 【請求項6】 前面レンズとランプボディとを直接接合により接合する車両用灯具の製造方法において、上記前面レンズの外周縁部に、接合方向に延びるとともに先端部が接合方向に対して外周側へ所定角度折れ曲がるようにして延びるシール脚を形成する一方、上記ランプボディにおいて上記シール脚の先端面に対応する位置に、該先端面と略同じ角度傾斜した受け面を形成しておき、上記シール脚の先端面を上記受け面に当接させるようにして上記前面レンズを上記ランプボディに対して接合方向に押圧し、この状態でレーザ光を上記シール脚の先端面と略直交する方向から該シール脚の先端部を透して上記受け面に照射することにより上記接合を行う、ことを特徴とする車両用灯具の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本願発明は、前面レンズとランプボディとが直接接合により接合されてなる車両用灯具およびその製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】車両用灯具の前面レンズとランプボディとを接合する方法としては、従来より、両者をシール材を介して接合する間接接合(例えば、ホットメルトシール等)と、両者を直接当接させて接合する直接接合(例えば、熱板溶着、振動溶着、超音波溶着等)とが知られている。 【0003】上記直接接合による接合方法として他の技術分野ではレーザ溶着も知られている。そしてこれを前面レンズとランプボディとの接合に応用することも可能である。その場合の具体的方法としては、次のような接合方法が考えられる。 【0004】すなわち、図8に示すように、前面レンズ2の外周縁部に沿って接合方向に延びるシール脚2aを形成するとともに、ランプボディ4の前端開口部に沿って受け面4aを形成しておく。そして、ランプボディ4を受け治具102に載置するとともに、このランプボディ4に対して前面レンズ2を、そのシール脚2aの先端面2bが受け面4aに当接するようにセットし、さらに前面レンズ2に透明押え板104を被せ、該透明押え板104を介して前面レンズ2をランプボディ4へ向けて押圧する。この状態で、レーザ光Lを前面レンズ2の上方側から透明押え板104およびシール脚2aを透して受け面4aに照射することにより、レーザ光Lの照射エネルギで受け面4aを加熱溶融し、その溶融熱によりシール脚2aの先端面2bも溶融して相溶状態とする。そして、レーザ光Lをシール脚2aに沿って前面レンズ2の全周にわたって走査することにより前面レンズ2とランプボディ4との接合を行う。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】このようなレーザ溶着による接合方法を採用すれば、前面レンズ2とランプボディ4との接合面の両側にバリをほとんど発生させることなく接合を行うことができ、これにより接合面周辺の外観品質を高めることが可能となる。しかしながら、このような接合方法を採用した場合には、次のような課題について解決することが望まれる。 【0006】すなわち、レーザ光Lの照射が透明押え板104およびシール脚2aを透して行われるので、その透過距離(シール脚2aの全長Doに透明押え板104の肉厚を加えた距離)の分だけレーザ光Lの照射エネルギが減衰してしまう。また、レーザ光Lの照射光路を確保する必要上、前面レンズ2に対する押圧をシール脚2aの真上から外れた位置において行わざるを得ないので、シール脚2aの先端面2bと受け面4aとをその幅方向に関して均一な押圧力で当接させることができず、接合面の全幅にわたって所要の接合強度を確保することが困難なものとなる。 【0007】本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、前面レンズとランプボディとが直接接合により接合されてなる車両用灯具において、接合面周辺の外観品質を高めた上で、前面レンズとランプボディとの接合強度を十分に高めることができる車両用灯具およびその製造方法を提供することを目的とするものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】本願発明は、前面レンズとランプボディとの接合方法としてレーザ溶着を採用した上で、その接合面周辺の構成に工夫を施すことにより、上記目的達成を図るようにしたものである。 【0009】すなわち、本願発明に係る車両用灯具は、前面レンズとランプボディとが直接接合により接合されてなる車両用灯具において、上記前面レンズの外周縁部に、接合方向に延びるシール脚が形成されるとともに、上記ランプボディに、上記シール脚の先端面と当接する受け面が形成されており、上記直接接合が、上記シール脚の先端面と上記受け面とを接合面とするレーザ溶着により行われており、上記シール脚の外側面に、接合方向に対して斜め方向から入射するレーザ光を上記先端面へ導くレーザ光受け面が突出形成されている、ことを特徴とするものである。 【0010】上記「レーザ溶着」とは、レーザ光に対して透過性を有するレーザ光透過部材とレーザ光に対して透過性を有しないレーザ光不透過部材とを当接させるとともに両部材を接合方向に押圧した状態で、レーザ光透過部材を透して両部材の当接面にレーザ光を照射してレーザ光不透過部材を加熱することにより両部材を溶着する接合方法を意味するものである。この「レーザ溶着」に用いられるレーザの種類は特に限定されるものではなく、例えば、半導体レーザ、YAGレーザ等が採用可能である。 【0011】上記「ランプボディ」は、レーザ光に対して透過性を有さずかつ該レーザ光の照射により発熱して溶融するものであれば、その材質は特に限定されるものではない。その際、カーボンブラック等の補助材料を添加して黒色系素材とし、ランプボディのレーザ光吸収性をできるだけ高めておくことが、レーザ溶着を効率よく行う上で好ましい。 【0012】一方、上記「前面レンズ」は、可視光およびレーザ光に対して透過性を有しかつランプボディの溶融により該ランプボディと固着可能なものであれば、その材質は特に限定されるものではない。 【0013】上記「レーザ光受け面」は、接合方向に対して斜め方向から入射するレーザ光をシール脚の先端面へ導くことができるものであれば、その具体的形状は特に限定されるものではない。 【0014】 【発明の作用効果】上記構成に示すように、本願発明に係る車両用灯具は、前面レンズとランプボディとが直接接合により接合されているが、この直接接合は、前面レンズに形成されたシール脚の先端面とランプボディに形成された受け面とを接合面とするレーザ溶着により行われているので、接合面の両側にバリをほとんど発生させることなく接合を行うことができ、これにより接合面周辺の外観品質を高めることができる。 【0015】しかも本願発明に係る車両用灯具は、接合方向に延びるシール脚の外側面に、接合方向に対して斜め方向から入射するレーザ光をシール脚の先端面へ導くレーザ光受け面が突出形成されているので、次のような作用効果を得ることができる。 【0016】すなわち、接合の際、レーザ光をシール脚におけるレーザ光受け面から先端面までの距離だけ透過させれば足りるので、レーザ光照射を透明押え板およびシール脚を透して行うようにした場合に比して透過距離を大幅に短くすることができ、このため十分な照射エネルギでレーザ溶着を行うことが可能となる。 【0017】また、レーザ光が接合方向に対して斜め方向から照射されるので、前面レンズに対する押圧をシール脚の基端部において行うことができる。このため、シール脚の先端面と受け面とをその幅方向に関して均一な押圧力で当接させることができ、これにより接合面の全幅にわたって所要の接合強度を容易に確保することが可能となる。 【0018】このように本願発明によれば、前面レンズとランプボディとが直接接合により接合されてなる車両用灯具において、接合面周辺の外観品質を高めた上で、前面レンズとランプボディとの接合強度を十分に高めることができる。 【0019】上記構成において、シール脚の先端部が接合方向に対して外周側へ所定角度折れ曲がって延びるように形成された構成とすれば、次のような作用効果を得ることもできる。 【0020】すなわち、シール脚の先端面あるいは受け面の面精度が不十分で波打っているために両者間に部分的に隙間が生じているような場合であっても、その接合面が傾斜しているので、接合の際に前面レンズおよびランプボディ間に作用する接合方向の押圧力により、シール脚の先端面と受け面との間に滑りが生じ、この滑りによって両者間の部分的な隙間が塞がれることとなる。このためシール脚の先端面と受け面とをその接合面全長にわたって確実に当接させることができ、これにより接合不良発生を未然に防止することができる。上記「先端部」の折れ曲がり角度は、90°未満の角度あれば、その値の大小は特に限定されるものではない。 【0021】この場合において、ランプボディの受け面に、前面レンズのシール脚の先端部の外側面に沿って接合方向に突出するアウタリブを形成するようにすれば、接合の際に接合方向に作用する押圧力によりシール脚の先端面と受け面との間に必要以上の滑りが生じてしまうのを、該アウタリブとシール脚との当接により未然に防止することができる。 【0022】また、この場合において、ランプボディの受け面に、前面レンズのシール脚の内側面に沿って接合方向に突出するインナリブを形成するようにすれば、レーザ光をシール脚の先端面と略直交する方向から照射する際、その照射方向が多少ずれた場合においても、レーザ光をインナリブの外側面に照射して該インナリブを加熱溶融し、該インナリブの外側面とシール脚の内側面とを第2の接合面とすることができる。そしてこれにより前面レンズとランプボディとの接合強度を一層高めることができる。 【0023】 【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。 【0024】まず、本願発明の第1実施形態について説明する。 【0025】図1は、本実施形態に係る車両用灯具を上向きに配置された状態で示す側断面図であり、図2は、図1のII部詳細図である。 【0026】これらの図に示すように、本実施形態に係る車両用灯具10は、テールランプ等の標識灯であって、鉛直方向(灯具としては前後方向、以下同様)に延びる灯具基準軸Ax上において光源バルブ12が挿着されたランプボディ14と、このランプボディ14に直接接合により接合された前面レンズ16とを備えてなっている。 【0027】上記前面レンズ16は、PMMA、PC等の透明の熱可塑性樹脂材料で形成されている。この前面レンズ16の外周縁部には、下方へ延びるシール脚16aが全周にわたって形成されている。このシール脚16aは、その一般部16bは鉛直方向に延びているが、その先端部16cは接合方向(鉛直方向)に対して外周側へ45°折れ曲がるようにして斜め下方に延びている。このため、シール脚16aの先端面(下端面)16dおよび先端部16cの上側斜面16jも、鉛直方向に対して45°傾斜した平面として構成されている。そして、上記上側斜面16jが、後述するレーザ光受け面を構成するようになっている。上記先端部16cの外側面16eは鉛直面として形成されている。 【0028】一方、上記ランプボディ14は、AAS、ABS等の不透明の熱可塑性樹脂材料で形成されている。このランプボディ14の前端開口部には、鉛直方向に延びる周縁フランジ部14aが形成されており、この周縁フランジ部14aの先端面(上端面)14bは、シール脚16aの先端面16dと同様、鉛直方向に対して斜め下方に45°傾斜した平面として形成されている。そして、この先端面14bがシール脚16aの先端面16dと当接する受け面を構成している。この受け面14bには、シール脚16aの先端部16cの外側面16eに沿って鉛直方向に突出するアウタリブ14cが形成されている。 【0029】上記前面レンズ16とランプボディ14との接合は、シール脚16aの先端面16dと受け面14bとを接合面とするレーザ溶着により行われている。 【0030】図3は、このレーザ溶着を行う溶着ロボット110を車両用灯具10と共に示す斜視図である。 【0031】図示のように、上記溶着ロボット110によるレーザ溶着は、車両用灯具10を上向きに配置した状態で行われるようになっている。 【0032】この溶着ロボット110は、図示しないロボット本体にレーザヘッド112が取り付けられてなっている。このレーザヘッド112には、光ファイバが収容されたファイバケーブル114と、コンデンサレンズを内蔵した出射ノズル116とが取り付けられている。そして、図示しないレーザ発振器で生成されたレーザ光を、ファイバケーブル114を介して出射ノズル116から収束光として出射するようになっている。この出射ノズル116から出射されるレーザ光は、焦点距離約60mmで約φ1.5mmのビームスポットを形成するようになっている。また上記レーザ発振器は、出力15〜100W程度で、発振波長0.8〜1.5μm程度の半導体レーザで構成されている。 【0033】そして、上記レーザ溶着による接合は次のようにして行われる。 【0034】すなわち、図2に示すように、上記ランプボディ14を受け治具102に載置するとともに、このランプボディ14に対して前面レンズ16を、そのシール脚16aの先端面16dが受け面14bに当接するようにセットし、さらに前面レンズ16に透明押え板104を被せ、該透明押え板104を介して前面レンズ2をランプボディ4へ向けて下方へ押圧する。この押圧は、シール脚16aの基端部において行う。 【0035】一方、上記レーザヘッド112を前面レンズ16のシール脚16aの斜め上方に配置し、その出射ノズル116から下向き斜め45°でレーザ光Lを出射し、このレーザ光Lをシール脚16aの先端部16cのレーザ光受け面16jに入射させ、この先端部16cを透過させてランプボディ14の受け面14bに照射する。そして、このレーザ光Lの照射エネルギで受け面14bを加熱溶融し、その溶融熱によりシール脚16aの先端面16dも溶融して相溶状態とする。そして、シール脚16aの先端部16cに対するレーザ光Lの入射角度を一定に維持しつつ、レーザ光Lをシール脚16aに沿って前面レンズ16の全周にわたって走査することにより前面レンズ16とランプボディ14との接合を行う。 【0036】以上詳述したように、本実施形態に係る車両用灯具10は、前面レンズ16とランプボディ14とが直接接合により接合されているが、この直接接合は、前面レンズ16に形成されたシール脚16aの先端面16dとランプボディ14に形成された受け面14bとを接合面とするレーザ溶着により行われているので、接合面の両側にバリをほとんど発生させることなく接合を行うことができ、これにより接合面周辺の外観品質を高めることができる。 【0037】しかも本実施形態に係る車両用灯具10は、上記シール脚16aの先端面16dが、接合方向に対して外周側へ所定角度折れ曲がるようにして延びる先端部16cに形成されているので、レーザ光Lをシール脚16aの先端面16dと略直交する方向から該シール脚16aの先端部16cを透してランプボディ14の受け面14bに照射することが可能となり、このため次のような作用効果を得ることができる。 【0038】すなわち、接合の際、レーザ光Lをシール脚16aの先端部16cの肉厚分の距離D1だけ透過させれば足りるので、仮にレーザ光照射を透明押え板104およびシール脚16aを透して行うようにした場合のレーザ光Lの透過距離(図8におけるシール脚2aの全長分の距離Do(D1≪Do)に透明押え板104の肉厚分の距離を加えたもの)に比して、透過距離を大幅に短くすることができる。 【0039】また、レーザ光をシール脚16aの先端面16dと略直交する方向から照射することにより、前面レンズ16に対する押圧を、図2において実線の矢印で示すように、シール脚16aの基端部において行うことができる(なお、仮にレーザ光照射を透明押え板104およびシール脚16aを透して行うようにした場合の押圧位置を同図において2点鎖線の矢印で示す)。このため、シール脚16aの先端面16dと受け面14bとをその幅方向に関して均一な押圧力で当接させることができ、これにより接合面の全幅にわたって所要の接合強度を容易に確保することが可能となる。 【0040】このように本実施形態によれば、前面レンズとランプボディとが直接接合により接合されてなる車両用灯具において、接合面周辺の外観品質を高めた上で、前面レンズとランプボディとの接合強度を十分に高めることができる。 【0041】また本実施形態においては、上記接合面が接合方向に対して所定角度傾斜しているので、次のような作用効果を得ることもできる。 【0042】すなわち、シール脚16aの先端面16dあるいは受け面14bの面精度が不十分で波打っているために両者間に部分的に隙間が生じているような場合であっても、その接合面が傾斜しているので、接合の際に前面レンズ16およびランプボディ14間に作用する接合方向の押圧力により、シール脚16aの先端面16dと受け面14bとの間に滑りが生じ、この滑りによって両者間の部分的な隙間が塞がれることとなる。このためシール脚16aの先端面16dと受け面14bとをその接合面全長にわたって確実に当接させることができ、これにより接合不良発生を未然に防止することができる。 【0043】しかも本実施形態においては、ランプボディの受け面14bに、前面レンズ16のシール脚16aの先端部16cの外側面16eに沿って接合方向に突出するアウタリブ14cが形成されているので、接合の際に接合方向に作用する押圧力によりシール脚16aの先端面16dと受け面14bとの間に必要以上の滑りが生じてしまうのを、該アウタリブ14cとシール脚16aとの当接により防止することができる。 【0044】図4は、上記実施形態の第1変形例を示す、図2と同様の図である。 【0045】図示のように、本変形例の基本的構成は上記実施形態と同様であるが、本変形例においては、ランプボディ14の受け面14bに、前面レンズ16のシール脚16aの内側面16fに沿って接合方向に突出するインナリブ14dが追加形成されている。 【0046】このような構成を採用することにより、レーザ光をシール脚16aの先端面16dと略直交する方向から照射する際、その照射方向が多少ずれた場合においても、レーザ光をインナリブ14dの外側面14eに照射して該インナリブ14dを加熱溶融し、該インナリブ14dの外側面14eとシール脚16aの内側面16fとを第2の接合面とすることができる。そしてこれにより前面レンズ16とランプボディ14との接合強度を一層高めることができる。 【0047】図5は、上記実施形態の第2変形例を示す、図2と同様の図である。 【0048】図示のように、本変形例の基本的構成も上記実施形態と同様であるが、本変形例においては、ランプボディ14の受け面14bに断面円弧状のアプローチRが形成されている。 【0049】受け面14bをこのような曲面状に形成することにより、接合の際、シール脚16aの先端面16dと受け面14bとの接触面を最初は小さく設定してレーザ光Lの照射エネルギを集中させるとともに、受け面14bの加熱溶融に伴い上記接触面を徐々に拡大させることができるので、接合作業効率を高めることができる。なお、レーザ溶着が完了した時点における接合面形状は、上記実施形態と略同様の傾斜面となる。 【0050】本変形例のように、受け面14bにアプローチRを形成する代わりに、シール脚16aの先端面16dにアプローチRを形成するようにしても、本変形例と同様の作用効果を得ることができる。 【0051】図6は、上記実施形態の第3変形例を示す、図2と同様の図である。 【0052】図示のように、本変形例は、前面レンズ16とランプボディ14との接合面周辺の構成は上記実施形態と全く同様であるが、本変形例においては、前面レンズ16のレンズ本体部16gが曲面状に形成されており、シール脚16aの基端部16hには比較的大きなコーナRが形成されている。 【0053】このような前面レンズ16に対し、仮に、図8に示すレーザ溶着方法と同様にして、シール脚16aの基端部16hにレーザ光を入射させてシール脚16aを透して受け面14bに照射することは、透明押え板104および前面レンズ16内におけるレーザ光の光路計算が複雑となるため、レーザ光を受け面14bに正確に到達させることが困難であり、あまり現実的でない。この点、本変形例においては、シール脚16aの斜め上方からレーザ光Lをシール脚16aの先端部16cに入射させてレーザ溶着を行うようになっているので、前面レンズ16の意匠上の制約を受けることなくレーザ光を受け面14bに正確に到達させることができる。 【0054】また本変形例においては、透明押え板104にレーザ光を透過させる必要がないので、この透明押え板104に代えて不透明な材質で構成された押え板を用いることも可能である。この点に関しては、上記実施形態および他の各変形例においても同様である。 【0055】次に、本願発明の第2実施形態について説明する。 【0056】図7は、本実施形態に係る車両用灯具の要部を示す、図2と同様の図である。 【0057】図示のように、本実施形態に係る車両用灯具も、その基本的構成は第1実施形態と同様であるが、前面レンズ16とランプボディ14との接合面周辺の構成が第1実施形態とは異なっている。 【0058】すなわち本実施形態においては、前面レンズ16とランプボディ14との接合面が、接合方向に対して略直交する面として設定されている。そして、シール脚16aの先端面16dは断面円弧状の凸面として形成されており、一方、ランプボディ14の受け面14bは、上記凸面に対向する波形凹面として形成されている。この波形凹面の中央部には上記凸面に当接する小突起14b1が形成されてなっている。 【0059】また本実施形態においては、シール脚16aの先端部16cに外周側へ突出するフランジ部16kが全周にわたって形成されており、このフランジ部16kの上面がレーザ光受け面16jを構成している。このレーザ光受け面16jは、断面円弧状の凸面として形成されており、該レーザ光受け面16jには、接合方向に対して約60°傾斜した方向からレーザ光Lが入射するようになっている。そして、このレーザ光受け面16jは、該レーザ光受け面16jに入射したレーザ光Lを集光させながら下向きに屈折させ、これによりレーザ光Lをシール脚16aの先端面16dへ導くようになっている。 【0060】そして、先端面16dへ導かれたレーザ光Lは、該先端面16dに接触する受け面14bの小突起14b1に照射され、これにより小突起14b1が加熱溶融し、この加熱溶融の進行に伴い上記接触面が徐々に拡大する。そして最終的には、先端面16dがその凸面全域にわたって受け面14bに溶着される。 【0061】本実施形態においては、前面レンズ16とランプボディ14との接合の際、レーザ光Lをシール脚16aにおけるレーザ光受け面16jと先端面16dとの間の距離D2だけ透過させれば足りるので、レーザ光照射を透明押え板104およびシール脚16aを透して行うようにした場合のレーザ光Lの透過距離(図8におけるシール脚2aの全長分の距離Do(D2≪Do)に透明押え板104の肉厚分の距離を加えたもの)に比して、透過距離を大幅に短くすることができる。 【0062】また、レーザ光Lを接合方向に対して斜め方向から照射するようになっているので、前面レンズ16に対する押圧を、図7において実線の矢印で示すように、シール脚16aの基端部において行うことができる(なお、仮にレーザ光照射を透明押え板104およびシール脚16aを透して行うようにした場合の押圧位置を同図において2点鎖線の矢印で示す)。このため、シール脚16aの先端面16dと受け面14bとをその幅方向に関して均一な押圧力で当接させることができ、これにより接合面の全幅にわたって所要の接合強度を容易に確保することが可能となる。 【0063】このように本実施形態においても、前面レンズとランプボディとが直接接合により接合されてなる車両用灯具において、接合面周辺の外観品質を高めた上で、前面レンズとランプボディとの接合強度を十分に高めることができる。 【0064】また本実施形態においては、上記接合面が接合方向に対して略直交する面として設定されているので、前面レンズ16およびランプボディ14の金型を簡単な構成とすることができる。そして上記接合面は、凸面(シール脚16aの先端面16d)と波形凹面(ランプボディ14の受け面14b)との組合せで構成されているので、次のような作用効果を得ることもできる。 【0065】すなわち、シール脚16aの先端面16dあるいは受け面14bの面精度が不十分で波打っているために両者間に部分的に隙間が生じているような場合であっても、その接合面が凸面と波形凹面との組合せで構成されているので、接合の際に前面レンズ16およびランプボディ14間に作用する接合方向の押圧力により、まず小突起14b1が加熱溶融し、この加熱溶融の進行に伴い上記接触面が徐々に拡大する。したがって、シール脚16aの先端面16dと受け面14bとの間に部分的な隙間があっても、接触している他の部位に大きな押圧力が作用して早期に加熱溶融するので、部分的な隙間は容易に塞がれることとなる。このためシール脚16aの先端面16dと受け面14bとをその接合面全長にわたって確実に当接させることができ、これにより接合不良発生を未然に防止することができる。 【0066】なお、上記各実施形態においては、車両用灯具10が標識灯である場合について説明したが、他の種類の車両用灯具においても上記各実施形態の構成を採用することにより該実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001133 【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
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| 【出願日】 |
平成12年2月29日(2000.2.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100099999 【弁理士】 【氏名又は名称】森山 隆
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| 【公開番号】 |
特開2001−243811(P2001−243811A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月7日(2001.9.7) |
| 【出願番号】 |
特願2000−52900(P2000−52900) |
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