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【発明の名称】 車両用灯具
【発明者】 【氏名】杉浦 妙子

【氏名】山本 高義

【要約】 【課題】プロジェクションタイプの灯具では光源から出てリフレクタの下半分で反射した光はシェードで遮られてしまうので、この分の光は有効に使われていなかった。電球からの光の内半分近くは無効になってしまっている。この部分の光を有効に使う。

【解決手段】楕円形状の一部を用いたリフレクタとその第1焦点に光源を設け、光源より前方に非球面レンズを設け、リフレクタの第2焦点近傍に設けた灯具としての配光特性を得るためのシェードとより構成される、いわゆるプロジェクションタイプの車両用灯具において、シェードの光源側にはリフレクタの下半分からの反射光を光源のフイラメントの部分に反射するように反射処理が施こされていることを特徴とする。反射処理を行うシェード部分は光源側に凸形状となっている事を特徴とする。反射処理を行うシェード部分は光源側に凹形状となっている事を特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】楕円形状の一部を用いたリフレクタとその第1焦点に光源を設け、光源より前方に非球面レンズを設け、前記リフレクタの第2焦点近傍に設けた灯具としての配光特性を得るためのシェードとより構成される、いわゆるプロジェクションタイプの車両用灯具において、前記シェードの光源側には前記リフレクタの下半分からの反射光を前記光源に反射するように反射処理が施こされていることを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】前記反射処理を行うシェード部分は光源側に凸形状となっている事を特徴とする請求項1記載の車両用灯具のシェード。
【請求項3】前記反射処理を行うシェード部分は光源側に凹形状となっている事を特徴とする請求項1記載の車両用灯具のシェード。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両用灯具に関し、特にプロジェクションタイプの車両用灯具に関し、従来の灯具では光源から出た光の一部が無効になっていたものをシェードの形状を工夫することにより、有効に使うことを特徴にしている。
【0002】
【従来の技術】従来のプロジェクションタイプの灯具70は、垂直方向の断面図である図5に示される。71は光源であり、通常はハロゲン電球が用いられている。72は光源の後方に設けられたリフレクタであり、通常は楕円形状の一部で構成されている。光源はこのリフレクタの第1焦点F71に設けられる。73は光源の前方に設けられたレンズであり、図で見ると半球状に見えるが、径が一定ではなく、非球面レンズと称されている。このレンズの焦点とリフレクタの第2焦点F72とは略一致するように設けられている。74は配光を決めるためのシェードであり、上記第2焦点より少しだけ光源側に設けられている。
【0003】光源から出た光の内、リフレクタに当たった光は光源がリフレクタの第1焦点に設けられているので、リフレクタで反射されて、リフレクタの第2焦点に向かう。この時リフレクタの上半分に当たった光は反射後第2焦点を通りレンズの下側を通って灯具の前方に出射して行く。
【0004】リフレクタの下半分に当たった光は第2焦点を目指すように反射されるが、手前に存在するシェードに遮られてレンズには届かない。シェードの形は完全にリフレクタの下半分からの光を遮るのではなく、その一部を通過させるよう、一部に斜めにカットされた形状を有している。このためレンズを通して出射した光による配光は図6のようになっている。
【0005】この配光図は国内向け(右側にステアリングを有する自動車用)であって、欧米の大部分の国のように左側にステアリングを有する自動車では水平線から上にある配光の部分が右側に存在するようになっている。
【0006】上記はすべてヘッドランプのロー状態(すれ違い状態)で記述している。ハイ状態(走行状態)ではシェードを取り外した状態なのでリフレクタの下半分で反射した光が第2焦点を通ってレンズの上半分から出射する、すなわちリフレクタの上半分からの反射光と組み合わされてレンズ全面から光が出射して行くようになっている。
【0007】プロジェクションタイプ以外の灯具では電球の中に複数のフイラメントを有しており、外部に設けたスイッチを用いてどちらかのフイラメントを点灯させることによってハイ/ローを切り換え、所定の配光を得ているが、プロジェクションタイプの灯具では通常はシェードを物理的に動かすことは可動部のガタツキや実際に可動させるための装置を設けること等の諸問題のためにローにしか使われない場合が多い。
【0008】そういう場合はロー専用のプロジェクションタイプの灯具とハイ専用またはハイ/ロー切り換えが出来る従来タイプの灯具との併用がなされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のプロジェクションタイプの灯具ではリフレクタの下半分で反射した光はシェードで遮られてしまうので、この分の光は有効に使われていなかった。すなわち例えば55Wの出力を有する電球からの光の内半分近くは無効になってしまっている。
【0010】従来の構造の灯具では1つの電球の中に複数のフイラメントを有しており、そのフイラメントへの通電の切り換えでハイ/ローの切り換えを行い、このフイラメントとリフレクタとの位置関係(又はレンズを含めて)で必要とする配光を得ている。従って無効になる光は基本的には存在しない。しかしながら、プロジェクションタイプの灯具においてはロー状態の配光を得るためにはどうしてもシェードを用いて反射光の半分をカットしなければならない構造となっている。
【0011】と言うことは、もしこの部分で無効になってしまう光を有効に使うことが出来るならば、電球の入力W数を減らすことができ、消費電力の減少すなわち資源の有効利用に役立つことになる。
【0012】
【課題を解決するための手段】楕円形状の一部を用いたリフレクタとその第1焦点に光源を設け、光源より前方に非球面レンズを設け、前記リフレクタの第2焦点近傍に設けた灯具としての配光特性を得るためのシェードとより構成される、いわゆるプロジェクションタイプの車両用灯具において、前記シェードの光源側には前記リフレクタの下半分からの反射光を光源であるフイラメントの部分に反射するように反射処理が施こされていることを特徴とする車両用灯具を提供することで上記の問題点を解決するものである。
【0013】前記反射処理を行うシェード部分は光源側に凸形状となっている事を特徴とする車両用灯具のシェードを提供することで上記の問題点を解決するものである。
【0014】前記反射処理を行うシェード部分は光源側に凹形状となっている事を特徴とする車両用灯具のシェードを提供することで上記の問題点を解決するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施形態の垂直方向の断面図を図1に示す。図1で1は灯具であり、2は光源であり通常はハロゲン電球が用いられている。3は光源の後方に設けられたリフレクタであり、通常は楕円形状の一部で構成されている。光源はこのリフレクタの第1焦点F1に設けられる。4は光源の前方に設けられたレンズであり、図で見ると半球状に見えるが、径が一定ではなく、非球面レンズと称されている。このレンズの焦点とリフレクタの第2焦点F2とは略一致するように設けられている。5は配光を決めるためのシェードであり、上記第2焦点より少しだけ光源側に設けられている。
【0016】光源から出た光の内、リフレクタに当たった光は光源がリフレクタの第1焦点に設けられているので、リフレクタで反射されて、リフレクタの第2焦点に向かう。この時リフレクタの上半分に当たった光は反射後第2焦点を通りレンズの下側を通って灯具の前方に出射して行く。
【0017】ここまでは従来例のプロジェクションタイプの灯具とシェードの形状以外は同一である。図1に示す本発明の第1の実施形態ではシェードの上側部分はリフレクタの下半分で反射してシェードに当たった光が光源のフイラメントの部分に反射するように反射処理6が施こされていることを特徴にしている。反射処理は従来からリフレクタに行なわれているAlの蒸着でもよいし、反射塗料を塗布してもよい。
【0018】リフレクタの下半分で反射してシェードに当たった光が光源に向かって反射するようにシェードには反射処理が施こされているので、シェードで反射した光が光源のフイラメントに反射され、フイラメントの温度を上昇させる役割をなす。
【0019】リフレクタの上半分で反射した光は従来と同じようにリフレクタの第2焦点を通ってレンズの下半分より灯具の前方に出射して行く。この場合はリフレクタの下半分で反射した光がフイラメントの温度を上昇させるのでレンズを通って灯具の前方に出射していく光の量が多くなり、従来の光の約1.5倍の光が出射することになる。
【0020】従ってレンズを通って前方に出射された光の配光図は図6に示された従来例と同じ形状になるが、明るさは従来例に比べ約1.5倍になっている。
【0021】と言うことは従来の灯具に比べて約1.5倍の明るさを持つ灯具を得ることができる。又は従来の明るさで良ければ、入力電力を従来の約60〜70%にすれば良いことになる。通常は明るさを含めて配光特性が決まっているので入力電力を大幅に減らすことができる。すなわち省エネに非常に有効である。
【0022】シェードの平面に単に反射処理を施してもここで反射した光は光源には向かわずに散乱してしまい、有効には使われない。そこでリフレクタの下半分で反射し、第2焦点に向かう光と、その光がシェードの上部の反射面で反射して光源に向かう光との交点を仮に決め、そこでの反射角を半分にする直線に直交する線をつなげていくことにより出来上がる曲線をシェードの上部に設ければ良い。この基本の形は図2に示されている。本発明の第1の実施形態ではシェード5の反射処理が施されている部分6の断面形状6aが凸状になっていることを特徴にしている。(図3)【0023】シェードの上側6は上記形状になっているので、リフレクタの下半分で反射してシェードに当たった光は光源に向かい、光源の温度を上昇させるものとなる。
【0024】リフレクタの上半分で反射した光は従来と同じようにリフレクタの第2焦点を通ってレンズの下半分より灯具の前方に出射していく。この場合はリフレクタの下半分で反射した光が光源であるフイラメントの温度を上昇させるのでレンズの下半分を通って灯具の前方に出射していく光は、従来の光の約1.5倍の光となって出射することになる。レンズを通って前方に出射された光の配光図は図6に示された従来例と同じ形状になるが、明るさは従来例に比べ約1.5倍になっている。
【0025】と言うことは従来の灯具に比べて約1.5倍の明るさを持つ灯具を得ることができる。又は従来の明るさで良ければ、入力電力を約60〜70%にすれば良いことになる。通常は明るさを含めて配光特性が決まっているので入力電力を大幅に減らすことができる。すなわち省エネに非常に有効である。
【0026】本発明の第2の実施形態では基本構造はシェード5の形状を除いて第1の実施形態と同一である。この実施形態ではシェードの反射処理が施されている部分6の断面形状6bが凹状になっていることを特徴にしている。(図4)【0027】作用、効果は第1実施例と同じなので省略する。
【0028】
【発明の効果】本発明では楕円形状の一部を用いたリフレクタとその第1焦点に光源を設け、光源より前方に非球面レンズを設け、前記リフレクタの第2焦点近傍に設けた灯具としての配光特性を得るためのシェードとより構成される、いわゆるプロジェクションタイプの車両用灯具において、前記シェードの光源側には前記リフレクタの下半分からの反射光を前記光源のフイラメントの部分に反射するように反射処理が施こされているので、従来の灯具ではリフレクタの下半分で反射した光が無効になっていたが、この光も有効に使うことが出来るようになった。したがって、従来より明るい灯具が得られた。従来と同じ明るさで良ければ、電球への入力電力を減らすことが出来るようになった。
【出願人】 【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
【出願日】 平成12年2月1日(2000.2.1)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−216820(P2001−216820A)
【公開日】 平成13年8月10日(2001.8.10)
【出願番号】 特願2000−24045(P2000−24045)