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【発明の名称】 車両用前照灯
【発明者】 【氏名】高田 賢一

【要約】 【課題】プロジェクタ型前照灯において、これを前方から観察したときの見映え向上を図るとともに、これを灯具ユニットとして略矩形状の全体灯具に組み込んだ場合における該全体灯具との意匠上の調和を図る。

【解決手段】プロジェクタ型前照灯からなる灯具ユニット20におけるリフレクタ24の上下両側に、光源22からの光を集光レンズ28を透過させずに前方へ向けて反射させる1対の補助リフレクタ34A、34Bを設け、これら1対の補助リフレクタ34A、34B全体の灯具正面視における輪郭形状を縦長矩形状に設定する。これにより、非点灯時に灯具ユニット20を前方から観察したとき、従来のように単に集光レンズが薄暗く見えるに過ぎない灯具意匠ではなく、全体的に縦長矩形状に光って見える灯具意匠を実現し、また輪郭形状が縦長矩形状の全体灯具10に組み込んだとき、該全体灯具10の意匠との違和感をなくす。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両前後方向に延びる灯具光軸と略同軸で配置された光源と、この光源からの光を前方へ向けて上記灯具光軸寄りに反射させるリフレクタと、このリフレクタの前方に設けられた集光レンズとを備えてなり、上記集光レンズの透過光により所定のビーム照射を行うように構成されたプロジェクタ型の車両用前照灯において、上記リフレクタの上下両側に、上記光源からの光を上記集光レンズを透過させずに前方へ向けて反射させる1対の補助リフレクタが設けられており、これら1対の補助リフレクタ全体の灯具正面視における輪郭形状が縦長略矩形状に設定されている、ことを特徴とする車両用前照灯。
【請求項2】 上記リフレクタと上記集光レンズとの間に、上記リフレクタからの反射光の一部を遮蔽して上向き照射光を除去する遮光板が設けられており、この遮光板により所定のカットオフラインを有するロービーム配光パターンで上記ビーム照射を行うように構成されている、ことを特徴とする請求項1記載の車両用前照灯。
【請求項3】 上記各補助リフレクタの左右幅が、上記集光レンズの左右幅よりも小さい値に設定されている、ことを特徴とする請求項1または2記載の車両用前照灯。
【請求項4】 上記集光レンズの灯具正面視における輪郭形状が、円の左右両端部を鉛直方向に切り取ることにより得られる部分円形状に設定されており、上記各補助リフレクタの左右幅が、上記集光レンズの左右幅と略同じ値に設定されている、ことを特徴とする請求項1または2記載の車両用前照灯。
【請求項5】 上記1対の補助リフレクタにおける少なくとも一部の反射領域が、上記光源からの光を上記カットオフラインへ向けて反射させるように構成されている、ことを特徴とする請求項2〜4いずれか記載の車両用前照灯。
【請求項6】 上記各補助リフレクタの反射面が、縦縞状に区分けされた複数の反射素子からなる、ことを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の車両用前照灯。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、プロジェクタ型の車両用前照灯に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両用前照灯として近年、プロジェクタ型前照灯が多く採用されるようになってきている。
【0003】このプロジェクタ型前照灯は、図7に示すように、車両前後方向に延びる灯具光軸Axと略同軸で配置された光源102と、この光源102からの光を前方へ向けて灯具光軸Ax寄りに反射させるリフレクタ104と、このリフレクタ104の前方側に設けられた集光レンズ106とを備えている。
【0004】そして、このプロジェクタ型前照灯をロービーム用前照灯として用いる場合には、同図に示すように、集光レンズ106とリフレクタ104との間に、該リフレクタ104からの反射光の一部を遮蔽して上向き照射光を除去する遮光板108が設けられ、これにより集光レンズ106の透過光により所定のカットオフラインを有するロービーム用配光パターンを形成するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8(a)に示すように、一般にプロジェクタ型前照灯110は、その集光レンズ106が灯具正面視において円形の輪郭形状を有する単一の凸レンズで構成されているので、非点灯時に灯具を前方から観察したとき、集光レンズ106が薄暗く見えるに過ぎず,このため灯具の見映えがあまり良くないという問題がある。
【0006】しかもプロジェクタ型前照灯は、同図(b)に示すように、灯具ユニット110として全体灯具100の一部に組み込まれることが多く、その際、全体灯具100の輪郭形状は灯具正面視において略矩形状である場合が多いので、灯具ユニット110と全体灯具100との意匠上の調和を図ることが容易でないという問題がある。
【0007】なお、特公平7−89447号公報および特開平10−217843号公報には、プロジェクタ型前照灯におけるリフレクタの外周側に、光源からの光を集光レンズを透過させずに前方へ向けて反射させる補助リフレクタが設けられた構成が開示されている。
【0008】本願発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、プロジェクタ型前照灯において、これを前方から観察したときの見映え向上を図ることができ、しかも、これを灯具ユニットとして略矩形状の全体灯具に組み込んだ場合における該全体灯具との意匠上の調和を図ることができる車両用前照灯を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明は、リフレクタの上下両側に所定の補助リフレクタを設けることにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0010】すなわち、本願発明に係る車両用前照灯は、車両前後方向に延びる灯具光軸と略同軸で配置された光源と、この光源からの光を前方へ向けて上記灯具光軸寄りに反射させるリフレクタと、このリフレクタの前方に設けられた集光レンズとを備えてなり、上記集光レンズの透過光により所定のビーム照射を行うように構成されたプロジェクタ型の車両用前照灯において、上記リフレクタの上下両側に、上記光源からの光を上記集光レンズを透過させずに前方へ向けて反射させる1対の補助リフレクタが設けられており、これら1対の補助リフレクタ全体の灯具正面視における輪郭形状が縦長略矩形状に設定されている、ことを特徴とするものである。
【0011】上記「光源」の種類は特に限定されるものではなく、例えば、ハロゲンバルブのフィラメントや放電バルブの放電発光部等が採用可能である。
【0012】上記「所定のビーム照射」は、特定の配光パターンでのビーム照射に限定されるものではなく、例えば、ロービーム配光パターンでビーム照射を行うもの、ハイビーム配光パターンでビーム照射を行うもの、ロービーム配光パターンとハイビーム配光パターンとを選択的に切り換えてビーム照射を行うもの、フォグランプ用の配光パターンでビーム照射を行うもの等が採用可能である。
【0013】上記「1対の補助リフレクタ」は、リフレクタの上下両側に設けられるとともにその全体の灯具正面視における輪郭形状が縦長略矩形状に設定され、かつ光源からの光を集光レンズを透過させずに前方へ向けて反射させるように構成されたものであれば、その全体の縦横比や各補助リフレクタの反射面の表面形状等の具体的構成は特に限定されるものではない。
【0014】
【発明の作用効果】上記構成に示すように、本願発明に係る車両用前照灯は、プロジェクタ型前照灯におけるリフレクタの上下両側に、光源からの光を集光レンズを透過させずに前方へ向けて反射させる1対の補助リフレクタが設けられており、これら1対の補助リフレクタ全体の灯具正面視における輪郭形状が縦長略矩形状に設定されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0015】すなわち、非点灯時に灯具を前方から観察したとき、集光レンズの上下両側に補助リフレクタの反射面が存在するので、プロジェクタ型前照灯であるにもかかわらず、従来のように単に集光レンズが薄暗く見えるに過ぎない灯具意匠ではなく、全体的に縦長略矩形状に光って見える灯具意匠を実現することができる。
【0016】したがって、このプロジェクタ型前照灯を灯具ユニットとして灯具正面視における輪郭形状が略矩形状の全体灯具に組み込んだとき、該灯具ユニットの意匠と全体灯具の意匠との違和感をなくすことができる。
【0017】このように本願発明によれば、プロジェクタ型前照灯において、これを前方から観察したときの見映え向上を図ることができ、しかも、これを灯具ユニットとして略矩形状の全体灯具に組み込んだ場合における該全体灯具との意匠上の調和を図ることができる。
【0018】しかも本願発明に係るプロジェクタ型前照灯は、1対の補助リフレクタがリフレクタの上下両側に設けられているので、仮にこれら補助リフレクタをリフレクタの左右両側に設けた場合のように補助リフレクタの反射面の左右傾斜角が大きくなってしまうことはない。したがって本願発明によれば、補助リフレクタによる水平方向の拡散偏向反射制御を精度良く行うことができる。
【0019】また本願発明によれば、上記1対の補助リフレクタからの反射光を、リフレクタからの反射光により形成される配光パターンの明るさを補強するための照射光として利用することができる。
【0020】その際、リフレクタと集光レンズとの間にリフレクタからの反射光の一部を遮蔽して上向き照射光を除去する遮光板が設けられ、この遮光板により所定のカットオフラインを有するロービーム配光パターンでビーム照射を行うように構成されたプロジェクタ型前照灯においては、上記1対の補助リフレクタからの反射光をロービーム配光パターンの補正用照射光やオーバヘッドサイン照射光等として利用することができる。
【0021】この場合において、上記1対の補助リフレクタにおける少なくとも一部の反射領域を、光源からの光をカットオフラインへ向けて反射させる構成とすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0022】すなわち、一般にプロジェクタ型前照灯においては、ロービーム配光パターンのカットオフラインが非常に明暗比の高いものとなっている。このため、例えば車両が下り坂から平坦路にさしかかった場合等のように、車両走行状況によっては、前方路面が途中から急に暗くなって遠方路面の視認性が低下するため運転しづらいものとなってしまうことがあり、また、車両のピッチング等により水平カットオフラインが僅かに上下しただけでも、対向車ドライバにグレアを与えてしまうおそれがある。そこで、上記補助リフレクタを利用して光源からの光をカットオフラインへ向けて反射させるようにすれば、カットオフラインの明暗比を緩和することができ、これにより自車ドライバには運転しやすく対向車ドライバにはグレアを与えるおそれが低いロービーム配光パターンを得ることができる。
【0023】上記各補助リフレクタの左右幅の大きさは特に限定されるものではないが、これを集光レンズの左右幅よりも小さい値に設定すれば、灯具をより縦長の略矩形状に光って見えるようにすることができ、灯具意匠に斬新性を持たせることができる。
【0024】あるいは、集光レンズの灯具正面視における輪郭形状を、円の左右両端部を鉛直方向に切り取ることにより得られる部分円形状に設定するとともに、各補助リフレクタの左右幅を集光レンズの左右幅と略同じ値に設定すれば、各補助リフレクタの左右幅を小さい値に設定しても、集光レンズがその左右両側へはみ出してしまうことはなくなるので、灯具をより縦長の略矩形状に光って見えるようにすることができ、これにより灯具意匠の斬新性をより高めることができる。
【0025】上記各補助リフレクタの反射面の具体的構成が特に限定されるものでないことは上述したとおりであるが、該反射面を縦縞状に区分けされた複数の反射素子からなる構成とすれば、灯具の縦長略矩形状を一層強調することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
【0027】図1および2は、本願発明の一実施形態に係る車両用前照灯10を示す正面図および側断面図である。
【0028】これらの図に示すように、本実施形態に係る車両用前照灯(全体灯具)10は、正面視において縦長矩形状の輪郭形状を有する灯具であって、前面レンズ12とランプボディ14とで形成される灯室内に、灯具ユニット20が、図示しないエイミング機構により車両前後方向に延びる灯具光軸Axを中心にして上下および左右方向に傾動可能に設けられてなっている。また、灯室内における前面レンズ12の後方近傍には、灯具ユニット20を囲むようにしてエクステンションパネル16が設けられている。
【0029】前面レンズ12は、その下端部から上端部へ向けて後方へ傾斜するように形成された素通しレンズで構成されている。
【0030】図3および4は、灯具ユニット20を単品で示す正面図および側断面図である。
【0031】これらの図に示すように、灯具ユニット20は、プロジェクタ型のロービーム用前照灯を改良したものであって、光源バルブ22と、リフレクタ24と、ホルダ26と、集光レンズ28と、リテーニングリング30と、遮光板32と、1対の補助リフレクタ34A、34Bとを備えてなっている。
【0032】上記光源バルブ22は、単一のフィラメントを光源22aとして有するハロゲンバルブであって、光源22aが灯具光軸Axと同軸で配置されるようにしてリフレクタ24の後頂部に取り付けられている。
【0033】上記リフレクタ24は、灯具光軸Axを中心軸とする略楕円球面状の反射面24aを有している。この反射面24aは、灯具光軸Axを含む断面形状が楕円で形成されており、その離心率が鉛直断面から水平断面へ向けて徐々に大きくなるように設定されている。ただし、これら各断面を形成する楕円の後方側頂点は同一位置に設定されている。上記光源22aは、この反射面24aの鉛直断面を形成する楕円の第1焦点F1に配置されている。そしてこれにより、反射面24aは、光源22aからの光を前方へ灯具光軸Ax寄りに反射させるようになっており、その際、灯具光軸Axを含む鉛直断面内においては上記楕円の第2焦点F2に略収束させるようになっている。
【0034】上記ホルダ26は、リフレクタ24の前端開口部から前方へ向けて延びるようにして筒状に形成されている。そして、このホルダ26の後端部にはリフレクタ24が連結固定されており、その前端部には集光レンズ28を保持するリテーニングリング30が2箇所においてネジ36により固定されている。
【0035】上記集光レンズ28は、前方側表面が凸状非球面で後方側表面が平面の平凸非球面レンズからなり、その後方側焦点位置がリフレクタ24の反射面24aの第2焦点F2に一致するように配置されている。そしてこれにより、集光レンズ28は、リフレクタ24の反射面24aからの反射光を灯具光軸Ax寄りに集光させるようにして透過させるようになっている。
【0036】上記遮光板32は、ホルダ26の内部空間の下部に位置するようにして該ホルダ26と一体で形成されており、反射面24aからの反射光の一部を遮蔽して灯具ユニット20から出射される上向き照射光を除去し、これにより灯具光軸Axに対して下向きに照射されるロービーム用照射光を得るようにしている。この遮光板32は、その上端縁32aが第2焦点F2を通るようにして左右段違いで形成されている。
【0037】上記1対の補助リフレクタ34A、34Bは、リフレクタ24の上下両側に設けられており、該リフレクタ24と一体で形成されている。すなわち、リフレクタ24の上部前端部および下部前端部には、切欠き開口部24b、24cが形成されており、これら切欠き開口部24b、24cの後端縁から補助リフレクタ34A、34Bが上下斜め前方へ向けて凹面状に湾曲するようにして延びている。そして、上記切欠き開口部24b、24cを介して、光源22aからの光を各補助リフレクタ34A、34Bの反射面34Aa、34Baへ入射させるようになっている。その際、反射面34Baの全領域への光入射を可能ならしめるため、上記ホルダ26の下部後端部にも切欠き開口部26aが形成されている。
【0038】これら1対の補助リフレクタ34A、34B全体の灯具正面視における輪郭形状は、縦長矩形状に設定されている。また、これら各補助リフレクタ34A、34Bの左右幅は、集光レンズ28の左右幅よりも小さい値に設定されている。そして、図1に示すように、灯具正面視においてエクステンションパネル16は、その内周縁形状が両補助リフレクタ34A、34B全体の輪郭形状よりも僅かに大きい縦長矩形状に設定されており、集光レンズ28の左右両端部を覆うようになっている。
【0039】図4に示すように、上記各補助リフレクタ34A、34Bの反射面34Aa、34Baは、灯具光軸Axを中心軸としかつ第1焦点F1を焦点とする回転放物面Pを基準面として形成されている。
【0040】図3に示すように、上側の補助リフレクタ34Aの反射面34Aaは、縦縞状に区分けされた3本の反射素子34s1、34s2、34s3からなり、下側の補助リフレクタ34Bの反射面34Baは、縦縞状に区分けされた3本の反射素子34s4、34s5からなっている。そして、これら各反射素子34s1、34s2、34s3、34s4、34s5により、光源18aからの光を集光レンズ28を透過させずに前方へ拡散偏向反射させるようになっている。
【0041】図5は、上記灯具ユニット20から前方へ照射されるロービーム配光パターンを示す図である。
【0042】図示のように、この配光パターンは、ロービーム基本配光パターンPoと、5つの補助配光パターンP1、P2、P3、P4、P5とからなっている。
【0043】上記ロービーム基本配光パターンPoは、リフレクタ24からの反射光により形成される左配光用のパターンであって、左右段違いの水平カットオフラインCL1,CL2を有している。これら水平カットオフラインCL1,CL2は、遮光板32の上端縁32aの投影像として形成されるものである。
【0044】上記補助配光パターンP1は、車両前方の路面上方空間に設けられたオーバヘッドサイン(頭上標識)OHSを照射するための配光パターンであって、補助リフレクタ34Aの反射素子34s1からの反射光により形成されるようになっている。
【0045】また上記補助配光パターンP2、P3は、水平カットオフラインCL1,CL2へ向けて照射するための配光パターンであって、補助リフレクタ34Aの反射素子34s2、34s3からの反射光により各々形成されるようになっている。
【0046】そして上記補助配光パターンP4、P5は、ロービーム基本配光パターンPoにおける左右両端部の下端縁近傍部分へ向けて照射するための配光パターンであって、補助リフレクタ34Bの反射素子34s4、34s5からの反射光により各々形成されるようになっている。
【0047】以上詳述したように、本実施形態に係る車両用前照灯10は、プロジェクタ型前照灯からなる灯具ユニット20を備えているが、この灯具ユニット20におけるリフレクタ24の上下両側には、光源22からの光を集光レンズ28を透過させずに前方へ向けて反射させる1対の補助リフレクタ34A、34Bが設けられており、これら1対の補助リフレクタ34A、34B全体の灯具正面視における輪郭形状が縦長矩形状に設定されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0048】すなわち、非点灯時に灯具ユニット20を前方から観察したとき、集光レンズ22の上下両側に補助リフレクタ34A、34Bの反射面34Aa、34Baが存在するので、プロジェクタ型前照灯であるにもかかわらず、従来のように単に集光レンズが薄暗く見えるに過ぎない灯具意匠ではなく、全体的に縦長矩形状に光って見える灯具意匠を実現することができる。
【0049】したがって、このプロジェクタ型前照灯を灯具ユニット20として灯具正面視における輪郭形状が略矩形状の全体灯具10に組み込んだとき、該灯具ユニット20の意匠と全体灯具10の意匠との違和感をなくすことができる。
【0050】このように本実施形態によれば、プロジェクタ型前照灯において、これを前方から観察したときの見映え向上を図ることができ、しかも、これを灯具ユニットとして矩形状の全体灯具に組み込んだ場合における該全体灯具との意匠上の調和を図ることができる。
【0051】しかも、上記1対の補助リフレクタ34A、34B全体の縦長矩形状の縦横比や両補助リフレクタ34A、34B相互間の上下幅の比を、全体灯具10の前面レンズ12のサイズや後傾角等に応じて適宜設定するようにすれば、全体灯具10の意匠が車体形状等に応じて種々変化するような場合においても、その意匠に対して灯具ユニット20の意匠を調和させることができる。
【0052】また本実施形態によれば、上記1対の補助リフレクタ34A、34Bからの反射光を、リフレクタ24からの反射光により形成されるロービーム基本配光パターンPoの明るさを補強する照射光として利用することができ、しかもその際、次のような機能を果たす照射光として利用することができる。
【0053】すなわち、反射素子34s1からの反射光によりオーバヘッドサインOHSを照射してその視認性を高めることができ、また、反射素子34s2、34s2からの反射光を水平カットオフラインCL1,CL2へ向けて照射してその明暗比を緩和することにより、自車ドライバには運転しやすく対向車ドライバにはグレアを与えるおそれが低いロービーム配光パターンを得ることができ、さらに反射素子34s4、34s5からの反射光をロービーム基本配光パターンPoにおける左右両端部の下端縁近傍部分に向けて照射することにより、車両前方の近距離路面における左右両側部分の視認性を高めることができる。
【0054】しかも、このような機能を果たす補助配光パターンP1、P2、P3、P4、P5を仮にリフレクタ24からの反射光により形成しようとした場合には、灯具ユニット20の構造が非常に複雑なものとなってしまうが、本実施形態のように両補助リフレクタ34A、34Bからの反射光を利用して形成することにより、必要な補助配光パターンを容易に形成することができる。
【0055】また、上記1対の補助リフレクタ34A、34Bは、リフレクタ24の上下両側に設けられているので、仮にこれら補助リフレクタ34A、34Bをリフレクタ24の左右両側に設けた場合のように補助リフレクタ34A、34Bの反射面34Aa、34Baの左右傾斜角が大きくなってしまうことはない。したがって本実施形態によれば、補助リフレクタ34A、34Bによる水平方向の拡散偏向反射制御を精度良く行うことができる。
【0056】さらに本実施形態においては、上記各補助リフレクタ34A、34Bの左右幅が集光レンズ28の左右幅よりも小さい値に設定されているので、灯具ユニット20をより縦長の矩形状に光って見えるようにすることができ、これにより灯具意匠に斬新性を持たせることができる。しかも上記集光レンズ28は、灯具正面視においてエクステンションパネル16によりその左右両端部が覆われているので、灯具ユニット20の縦長矩形状を一層強調することができる。さらに、上記各補助リフレクタ34A、34Bの反射面34Aa、34Baは、縦縞状に区分けされた複数の反射素子34s1、34s2、34s3、34s4、34s5からなっているので、灯具ユニット20の縦長矩形状をより一層強調することができる。
【0057】なお本実施形態においては、ホルダ26とリテーニングリング30とのネジ36による固定が、灯具ユニット20の左右両側において斜め配置の2箇所で行われているので、これを水平配置にした場合に比して灯具ユニット20の左右幅を小さくすることができ、その分だけ全体灯具10をさらに縦長矩形状に形成することが可能となる。
【0058】ところで、本実施形態においては、集光レンズ28の灯具正面視における輪郭形状が円形状に設定されているが、図6に示すように、集光レンズ28の灯具正面視における輪郭形状を円の左右両端部を鉛直方向に切り取ることにより得られる部分円形状に設定し、各補助リフレクタ34A、34Bの左右幅と集光レンズ28の左右幅とが略同じ値になるようにすれば、各補助リフレクタ34A、34Bの左右幅を小さい値に設定しても、集光レンズ28がその左右両側へはみ出してしまうことはなくなるので、灯具ユニット20をより縦長の矩形状に光って見えるようにすることができ、これにより灯具意匠の斬新性をより高めることができる。
【0059】なお、このように部分円形状の集光レンズ28を用いるようにした場合においても、該集光レンズ28においてリフレクタ24からの反射光が入射する領域は図中2点鎖線で示すような縦長楕円形状となるので、円の左右両端部を鉛直方向に切り取ったことによりロービーム基本配光パターンPoの形成に支障が生じてしまうことはない。
【0060】むしろ、このような部分円形状の集光レンズ28を用いることにより、集光レンズ28の左右両側において灯具ユニット20の内外空間を連通させることができるので、リフレクタ24に形成された切欠き開口部24b、24cおよびホルダ26に形成された切欠き開口部26aと共に、灯具ユニット20内の換気を図ることができ、これによりリフレクタ24における光源バルブ22周辺部分が高温になるのを効果的に抑制することができる。
【0061】上記実施形態においては、補助リフレクタ34A、34Bがリフレクタ24と一体形成されているものとして説明したが、これら補助リフレクタ34A、34Bをリフレクタ24とは別体で形成するようにしてもよい。このようにした場合においても上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
【出願日】 平成12年1月12日(2000.1.12)
【代理人】 【識別番号】100099999
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 隆
【公開番号】 特開2001−195910(P2001−195910A)
【公開日】 平成13年7月19日(2001.7.19)
【出願番号】 特願2000−4050(P2000−4050)