| 【発明の名称】 |
光源装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】杉谷 晃彦
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| 【要約】 |
【課題】ショートアーク型放電ランプと凹面反射鏡の接合部分の温度が高くても凹面反射鏡にクラックが発生することがなく、また、凹面反射鏡の反射面における不純物の堆積による光束の維持率の低下も生じない光源装置を提供する。
【解決手段】凹面反射鏡10を、SiO2の純度の高いガラスで成形し、ショートアーク型放電ランプ10の一方の封止部12を凹面反射鏡の支持筒部22に挿入して直接溶着する。また封止部と支持筒部を、熱膨張係数αが、0≦α≦10×10−7/Kであるフリットガラス30を介して溶着する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 石英ガラスからなる放電容器内に一対の電極が対向配置され、放電容器の両端部に封止部が連設されたショートアーク型放電ランプと、背部に支持筒部が形成された凹面反射鏡からなる光源装置において、前記凹面反射鏡は、第1相のSiO2が98vol%以上であるガラスからなり、前記ショートアーク型放電ランプの一方の封止部が該凹面反射鏡の支持筒部に挿入されて直接溶着されたことを特徴とする光源装置。 【請求項2】 石英ガラスからなる放電容器内に一対の電極が対向配置され、放電容器の両端部に封止部が連設されたショートアーク型放電ランプと、背部に支持筒部が形成された凹面反射鏡からなる光源装置において、前記凹面反射鏡は、第1相のSiO2が98vol%以上であるガラスからなり、前記ショートアーク型放電ランプの一方の封止部が該凹面反射鏡の支持筒部に挿入され、室温〜800℃における平均熱膨張係数αが0≦α≦10×10−7/Kであるフリットガラスを介して溶着されたことを特徴とする光源装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば液晶プロジェクタに内蔵される、ショートアーク型放電ランプと凹面反射鏡を組み合わせた光源装置に関する。 【0002】 【従来の技術】例えば液晶プロジェクタの光源装置として、ショートアーク型放電ランプと凹面反射鏡を組み合わせたものが使用される。液晶プロジェクタは演色性の良い光源が要求されるので、ショートアーク型放電ランプとしては、一対の電極が対向配置された石英ガラスからなる放電容器内に、水銀、希ガス、金属のハロゲン化物を封入したメタルハライドランプが使用されることが多い。また、凹面反射鏡は耐熱性の高い硼珪酸ガラス(熱膨張係数:41×10−7/K)で成形されるのが一般的であるが、より高い耐熱性が要求される場合は、結晶化ガラスで成形されることが多い。 【0003】図3は、ショートアーク型放電ランプと凹面反射鏡を組み合わせた従来の光源装置を示す。ショートアーク型放電ランプ10の石英ガラスからなる放電容器11の両端に封止部12が連設されている。そして、一方の封止部12には、金属ベース19が接着剤により固定されている。一方、硼珪酸ガラスからなる凹面反射鏡20の背部の頂部には支持筒部22が成形されており、金属ベース19が接着剤39により支持筒部22に固定されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】このように、ショートアーク型放電ランプ10の封止部11は、金属ベース19を封止部11に固定する接着剤、金属ベース19、および金属ベース19を支持筒部22に固定する接着剤39を介して凹面反射鏡20の支持筒部22に固定されているが、ショートアーク型放電ランプ10、凹面反射鏡20、および両者を固定するための前記の各部材はそれぞれ熱膨張率が異なる。 【0005】ところで従来は、作動温度が比較的低く、ショートアーク型放電ランプと凹面反射鏡の接合部分の温度は300℃以下であり、それぞれの部材の熱膨張率が異なってもあまり不都合はなかった。しかし最近では、高出力化や小型化が強く要求されるようになり、ショートアーク型放電ランプと凹面反射鏡の接合部分の温度は300℃を上回るようになった。このため、繰り返し熱履歴をかけると、それぞれの部材の熱膨張率が異るため、接合部分にクラックが発生し、凹面反射鏡と放電ランプの接合の強度が低下することが判明した。特に最近では、メタルハライドランプに代って、極めて高い水銀蒸気圧、例えば20mPa以上の水銀蒸気圧を持った水銀放電ランプが提案されている。これは、水銀蒸気圧をより高くすることで、アークの広がりを抑えるとともに、より一層の光出力の向上を図るというものである。しかし、この水銀放電ランプは、水銀蒸気圧が極めて高いので、万一破裂が起った場合に、凹面反射鏡との接合部分のクラックの問題は深刻なものである。 【0006】また、高い動作圧で点灯されるショートアーク型放電ランプが万一破裂しても、ランプの破片が飛散しないように、凹面反射鏡の前面開口を光透過部材で覆うことが多く、凹面反射鏡の内部は閉空間となる。そして、点灯時には接着剤からシロキ酸やその他の不純物が僅かに放出されるが、長時間点灯を続けると、これらの不純物は外部に放出されないために凹面反射鏡の反射面に堆積し、光束の維持率に悪影響を及ぼす不具合がある。 【0007】そこで本発明は、繰り返し熱履歴をかけても、ショートアーク型放電ランプと凹面反射鏡の接合部分にクラックが発生することがなく、また、凹面反射鏡の反射面における不純物の堆積による光束の維持率の低下も生じない光源装置を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するために、請求項1の発明は、石英ガラスからなる放電容器内に一対の電極が対向配置され、放電容器の両端部に封止部が連設されたショートアーク型放電ランプと、背部に支持筒部が形成された凹面反射鏡からなる光源装置において、凹面反射鏡を、第1相のSiO2が98vol%以上であるガラスで成形し、ショートアーク型放電ランプの一方の封止部を凹面反射鏡の支持筒部に挿入して直接溶着する。 【0009】また、請求項2の発明は、凹面反射鏡を、第1相のSiO2が98vol%以上であるガラスで成形するとともに、ショートアーク型放電ランプの一方の封止部を凹面反射鏡の支持筒部に挿入し、室温〜800℃における平均熱膨張係数αが、0≦α≦10×10−7/Kであるフリットガラスを介して溶着する。 【0010】 【発明の実施の形態】以下に、図面に基づいて本発明の実施の形態を具体的に説明する。図1は請求項1の発明の実施の形態の断面図を示すが、図1において、ショートアーク型放電ランプ10は、定格消費電力が150Wのショートアーク型水銀ランプである。石英ガラスからなる球状をした放電容器11の両端に封止部12が連設されている。封止部12は、放電容器11両端から延びる石英ガラスのパイプ体を溶融状態で圧潰することにより成形されたものである。因に、石英ガラスの熱膨張係数は、約5×10−7/Kである。 【0011】放電容器11内には、一対の電極13,13が対向配置されるとともに、所定量の水銀、希ガス、金属のハロゲン化物が封入されている。封止部12,12内には、モリブデンからなる金属箔14がそれぞれ埋設されており、電極13の端部が金属箔14に溶接されている。また、外部リード棒15の端部も金属箔14に溶接されて封止部12から外部に延び出している。なお、ショートアーク型放電ランプ10は、メタルハライドランプなどであってもよい。 【0012】凹面反射鏡20は、その前面開口の内径が50φmmの小型なものである。凹面反射鏡20の反射面21は回転曲面であり、反射面21の表面には反射特性の優れたTiO2−SiO2などの蒸着膜(図示せず)が形成されている。凹面反射鏡20は、その背部の頂部に支持筒部22が形成されており、ショートアーク型放電ランプ10の一方の封止部12が支持筒部22に挿入され、ショートアーク型放電ランプ10の軸線が凹面反射鏡20の光軸にほぼ一致するように取り付けられている。なお、封止部12を支持筒部22に固定する方法は後述する。凹面反射鏡20の前面開口にはガラス板23が取り付けられており、高い動作圧で点灯されるショートアーク型放電ランプ10が万一破裂しても、ランプの破片が飛散しないようになっている。 【0013】ここで、凹面反射鏡20は、第1相のSiO2が98vol%以上のガラスで成形されており、このガラスの第2相は非晶質あるいは結晶質である。一般にガラス製の凹面反射鏡は、結晶ガラス製も含めて、精度や生産性などからプレスによる成形が一般的である。しかし、SiO2の純度の高いガラスをプレス成形するには、金型の高い耐熱性や金型を消耗させないための雰囲気制御が必要になり、プレス成形は困難である。そこで、SiO2の純度の高いガラスからなる凹面反射鏡20を、次に説明するように焼結法により成形する。 【0014】原料粉末は、SiO2粉末を主成分とし、第2相として、結晶質であるMo粉末などの粉末を含むが、第1相であるSiO2の割合は、98vol%以上でなければならない。SiO2の割合が98vol%未満であれば、成形された凹面反射鏡20の熱膨張係数の値がショートアーク型放電ランプ10の封止部12の材料である石英ガラスの熱膨張係数の値の2倍以上になってしまう。原料粉末の平均粒径は特に限定されるものではないが、0.1〜10μm程度のものが使用される。なお、第2相は、結晶質ではなく、非晶質のものであってもよい。 【0015】かかる原料粉末を用いて粉末成形体を例えばスリップキャスティング法により製造する。つまり、原料粉末をステアリン酸などのバインダーおよび水とともに混合してスラリーを調製し、このスラリーを凹面反射鏡20と同じ形状のキャビティが形成された石膏型に注入し、乾燥して脱型すると粉末成形体が得られる。この粉末成形体を500〜1200℃程度の温度で加熱してバインダーおよび水分を除去すると仮焼結体が得られる。次に、この仮焼結体を10−3〜10−4Paの真空中において、1400℃以上の温度で焼結すると、透明なSiO2焼結体からなる凹面反射鏡20が得られる。ここで、この凹面反射鏡20の熱膨張係数は石英ガラスの熱膨張係数の2倍以内、つまり熱膨張係数の値は、10×10−7/K以下にする必要がある。 【0016】このようにして得られた凹面反射鏡20の支持筒部22に、前述のとおり、ショートアーク型放電ランプ10の一方の封止部12を挿入し、治具によって両者を保持し、支持筒部22の外側から酸素水素炎で加熱すると、支持筒部22のSiO2を主成分とするガラスは封止部12の石英ガラスに直接溶着して固定される。 【0017】しかして、図1に示す光源装置において、ショートアーク型放電ランプ10の点灯・消灯を繰り返すと、その度にショートアーク型放電ランプ10と凹面反射鏡20は熱膨張・収縮するが、ショートアーク型放電ランプ10の素材である石英ガラスと凹面反射鏡20の素材であるSiO2を主成分とするガラスの熱膨張係数が2倍以内であってほぼ等しく、かつ熱膨張量も小さいので、ショートアーク型放電ランプ10と凹面反射鏡20の接合部分の温度が例えば500℃以上であっても、凹面反射鏡20の支持筒部22に繰り返し応力がほとんどかからず、クラックが生じることがない。従って、凹面反射鏡20の容器としての強度を維持できる。また、支持筒部22と封止部12を直接溶着して接着剤を使用しないので、長時間使用しても、接着剤から放出される不純物が凹面反射鏡20の反射面21に堆積することがなく、反射面21の反射特性低下によって光束維持率が低下することがない。 【0018】次に、図2は請求項2の発明の実施の形態の要部を示す断面図である。凹面反射鏡20は、請求項1の発明と同じく、第1相のSiO2が98vol%以上であり、第2相が非晶質あるいは結晶質であるガラスで成形されたものであるが、ショートアーク型放電ランプ10の一方の封止部12の外周面ないし凹面反射鏡20の支持筒部22の内周面に、予め、スラリー状のフリットガラス30が塗布されている。そして、封止部12を支持筒部22に挿入し、治具によって両者を保持し、支持筒部22の外側から1600℃程度の温度で加熱すると、フリットガラス30が溶融して支持筒部22の内周面と封止部12の外周面に溶着する。つまり、支持筒部22と封止部12はフリットガラス30を介して溶着されるが、支持筒部22と封止部12を直接溶着する請求項1の発明の場合よりも、低い加熱温度で溶着することができる。 【0019】ここで、フリットガラス30の室温〜800℃における平均熱膨張係数αは、0≦α≦10×10−7/Kにする必要がある。つまり、フリットガラスの平均熱膨張係数と石英ガラスの熱膨張係数の差の絶対値が石英ガラスの熱膨張係数の値以下にする。そして、石英ガラスより2倍以上熱膨張するフリットガラスや、温度が上昇すると収縮するフリットガラスは使用しない。フリットガラス30の具体例としては、SiO2−ZnO−B2O3系、SiO2−TiO2−Al2O3系、SiO2−TiO2−AlF3系、SiO2−B2O3−Al2O3系、SiO2−B2O3−AlF3系などのフリットガラスを挙げることができる。 【0020】しかして、ショートアーク型放電ランプ10の点灯・消灯を繰り返すと、その度にショートアーク型放電ランプ10と凹面反射鏡20、およびフリットガラス30は熱膨張・収縮するが、ショートアーク型放電ランプ10の素材である石英ガラスと凹面反射鏡20の素材およびフリットガラス30の熱膨張係数が2倍以内であってほぼ等しく、かつ熱膨張量も小さいので、ショートアーク型放電ランプ10と凹面反射鏡20の接合部分の温度が例えば500℃以上であっても、凹面反射鏡20の支持筒部22に繰り返し応力がほとんどかからず、クラックが生じることがないことは請求項1の発明の場合と同じであり、凹面反射鏡20の容器としての強度を維持できる。また、支持筒部22と封止部12をフリットガラス30を介して溶着し、接着剤を使用しないので、長時間使用しても、接着剤から放出される不純物が凹面反射鏡20の反射面21に堆積しないことも請求項1の発明の場合と同じである。 【0021】次に、熱膨張係数の異なるフリットガラス30を使用してショートアーク型放電ランプ10と凹面反射鏡20を接合し、実際に点灯して接合部分のクラックの発生の有無を調査した。使用したショートアーク型放電ランプ10は、前記の消費電力が150Wの水銀ランプである。その結果を表1に示す。 【0022】
フリットガラスの熱膨張係数α=A×10−7/K【0023】表1から分かるように、フリットガラス30の熱膨張係数が20×10−7/Kのもの、および熱膨張係数が−5×10−7/Kのもの、つまり温度が上昇すると収縮するものを使用したときにはクラックが発生した。これに対して、熱膨張係数が0×10−7/K、5×10−7/K、10×10−7/Kのものはいずれもクラックが発生しなかった。すなわち、フリットガラスの平均熱膨張係数と石英ガラスの熱膨張係数(約5×10−7/K)の差の絶対値が石英ガラスの熱膨張係数の値以下になる場合は、クラックが発生しないことを確認した。 【0024】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、ショートアーク型放電ランプと凹面反射鏡の接合部分が500℃以上の高温になる光源装置においても、凹面反射鏡の支持筒部に繰り返し応力がほとんどかからず、クラックが発生することがない。また、接着剤から発生する不純物の堆積による凹面反射鏡の反射面の反射特性の劣化も生じない。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000102212 【氏名又は名称】ウシオ電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年12月20日(1999.12.20) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100084113 【弁理士】 【氏名又は名称】田原 寅之助
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| 【公開番号】 |
特開2001−176303(P2001−176303A) |
| 【公開日】 |
平成13年6月29日(2001.6.29) |
| 【出願番号】 |
特願平11−360409 |
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